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★MotoGP2016カタルーニャGP 決勝プレスカンファレンス翻訳

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さて当ブログ恒例のプレスカンファレンス全文翻訳です。分量的には木曜日のほうが出席者も多く、色々と話題があって約40分程度喋りっぱなしということで大変なのですが、決勝の後のプレスカンファレンスはついつい遅くなってしまいます。。

今回の決勝プレスカンファレンスでは、パルクフェルメでのロッシ、マルケス選手両名の握手についてロッシ選手は今後セーフティコミッションに参加するのか?ロレンゾ選手へのイアンノーネ選手の追突をどう思うか?などの質問が出ていました。

★MotoGP2016カタルーニャGP 決勝プレスカンファレンス翻訳

ニック・ハリス

「今日は素晴らしいレースを展開しました。2列目からのスタートでマルケスやロレンゾと戦うのは厳しかったのではないでしょうか?」

ヴァレンティーノ・ロッシ

★MotoGP2016カタルーニャGP 決勝プレスカンファレンス翻訳

「今日は素晴らしいレースでした。勝利の鍵は午前中に最終セクターでのタイムアップが出来るように加えたモディファイでしょうね。今朝のウォームアップで良いタイムで走れたので、落ち着いて勝利を狙えると思っていたんです。ターン1のブレーキングではドヴィヅィオーソと非常に接近した状態で、なおかつ深くまでブレーキングすることが出来ませんでした。ただペースは良かったので、その後リカバリーすることが出来ました。その時点ではフロントに立って他のライダーから逃げようとしていたんですけど、この戦略はマルケス以外のライダーには効いたんですが、彼だけは付いてきてしまいました。いつも彼とのバトルは難しいんですけど、バイクも良い感触でしたからフロントで逃げ切ろうと思ったんです。」

「最後のバトルは本当に素晴らしかったですね。楽しむ事が出来ました。彼に抜かれた時点で彼もタイヤが厳しいのだというのがわかり、そこからベストを尽くして、ラストラップに少しだけリードを作ることが出来ました。サロムは戻ってきませんけど、彼と彼の家族に対して出来ることは、残されたライダーがベストを尽くすことだと思うんです。」

ニック・ハリス

「金曜に起きた悲劇も皆にとっては辛いことですが、トラックレイアウトが変わったことも皆にとっては大変でしたね。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「確かにいつものレースウィークエンドも大変なわけですが、金曜に起きたことで全てが最悪で大変な状況になりました。トラックに再び戻って同じレベルの集中力を発揮するというのはとても難しく悲しいことでした。トラックの変更も大変でしたが、昨日に上手く適応出来、タイヤも上手く機能させることが出来ましたね。それもあって良いレースが出来ました。」

ニック・ハリス

「最後にパルクフェルメでマルケスと握手をしていましたね。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「こうした事が起きた後は全て他の事は重要ではなくなります。ですから正しいことだったと思います。」

ニック・ハリス

「ヴァレンティーノありがとう。それではマルク。素晴らしいバトルでワールドチャンピオンシップをリードする形になりました。」

マルク・マルケス

★MotoGP2016カタルーニャGP 決勝プレスカンファレンス翻訳

「今日は本当にヴァレンティーノの後ろで限界で走っていました。セクター1、2でのロスが大きくて、セクター3では距離を維持するに留まり、自分が強いポイントはセクター4だけでした。レース中盤ではあやうく転倒するところでしたし、その後ロレンゾがコースアウトするのも見て、マインドが少し変わったんです。最終ラップでアタックを考えていたんですが、ムジェロのように良い感触ではなかったんです。少しトライはしましたが、完全に自信を持ってアタックした形ではなく、これが一番のミスだったのかもしれません。後ろで走りながらチャンピオンシップの事を考えていて、その後転倒しそうになってからプッシュするのはやめようと思ったんです。20ポイントはチャンピオンシップに必要ですから、無理にプッシュするのはやめようと考えました。」

ニック・ハリス

「ヴァレンティーノも話していた通り、ライダーにとっては本当に辛い週末となりました。」

マルク・マルケス

「大変で悲しい週末でした。ただこの日曜に関してはMotoGPファミリーの一体感を感じました。皆がルイスのためにレースをして、グランドスタンドも全てこうした雰囲気を尊重する中でレースが出来ました。そして個人的にもヴァレンティーノと再び握手を交わす事が出来ましたから嬉しかったですね。」

ニック・ハリス

「マルクありがとう。それではダニ。今日はミディアムリアタイヤを使用しましたが、序盤の数周はマーヴェリック・ビニャーレスと激しい戦いになりましたね。」

ダニ・ペドロサ

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「ええ。昨日ハードタイヤを試したんですが、今年は特定のトラックでエクストラハードタイヤでは全くトラクションが得られない事があるんです。おそらくこれは自分の体重などの影響もあると思います。ですからミディアムを選択せざるを得ませんでした。しかしこれは最後の最後で決めたんです。皆がハードタイヤを使用する事はわかっていましたからね。それに皆が同じ戦略で行く中違う戦略を試してみようと思ったんです。その後のスタートでターン1のブレーキングが少しばかり速かったせいでポジションをいくつか失う結果になりました。序盤は距離を維持してプッシュせずにタイヤを焼かないようにしたかったんです。」

「自分がこういったライディングをしていましたので、ビニャーレスがほぼ全てのコーナーでアタックをしかけてきました。ただ彼は攻める所を間違えていて、特に1箇所しかラインがないシケインで彼がオーバーテイクをしかけた事で、共に1秒ほど失う形となりました。ただそのせいで完全にフロントグループについていける位置ではなくなってしまいました。自分のペースがそれほど変わらない状態で走っていたんですが、残りの5周ほどで完全にタイヤが終わってしまいました。ただムジェロでは一歩進んで、ここでまた一歩進むことが出来ましたので、そういう意味ではポジティブですね。」

ニック・ハリス

「ヴァレンティーノとマルクが話していたように、今日はサロムへの素晴らしい追悼レースとなりました。」

ダニ・ペドロサ

「大変な週末でしたが、彼の家族が開催の続行にOKを出してくれましたので、レースを続行する事になりました。今日は彼と彼の家族のために最大限の力で走りました。1分間の黙祷の際は、いかにこれが重要でどこまでのリスクがあるのかなどが伝わったと思いますし、全てのライダーがベストを尽くし、最高のレースを見せようとしました。ですからこの黙祷は大きな意味があったと思います。今日はこのTシャツを来て、彼を心に常にとどめながらイベントを終える事が出来ました。」

ニック・ハリス

「ダニありがとう。それではフロアからの質問をどうぞ。」


Q

「今日は2位になって時点でこの順位でいいか。。と思ったのでしょうか?またマルクとの握手は何か考えがあったのか、自然に手が出たのでしょうか?」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「ロレンゾが転倒した時にマルケスが2位に来る可能性があると思ったんです。彼はこれでチャンピオンシップでトップになったわけで、自分の状況は違いますからね。自分の場合はもうすこしポイントを回復する必要がありますから。それにチャンピオンシップでは2人が前にいますから自分がトップに立てるかどうかもわかっていなかったですからね。握手の件に関してはこれは素晴らしいスポーツで自分達が情熱を持っているものですが、危険なスポーツですから他の選手に対する感情などは落ち着いた状態のほうが良いと思ったんです。」

Q

「素晴らしいレース、大変なレースの後で、これはあなた方の関係を前に進めることに繋がりますか?」

ヴァレンティーノ・ロッシ

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「そうですね。(※会場笑)(※マルケス選手、ロッシ選手の肩を揉む 会場拍手)」

Q

「ここでは過去に素晴らしいレースの後ケイシーに敗れ、ロレンゾには最終コーナーで勝利し、今日はマルケスとの素晴らしいバトルがありました。この3つのレースに順位をつけることは出来ますか?」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「3人の素晴らしいライバルとの素晴らしいバトルがありました。今日は最終ラップをあまり覚えていないのでビデオを見なおしてみないとわかりませんが、今回のバトルはロレンゾとの過去のバトルを同じレベルだったと思いますね。互いに何度もオーバーテイクがありましたし、最後まで接戦でのゴールでしたからね。」

Q

「数人のライダーがあなたの経験を考えて、今後あなたがセーフティコミッションに戻ってくることを必要としているとのことですが、アッセンではセーフティコミッションに参加しますか?それとも考えているという状態か、まだ決めていないか、どうでしょう?」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「ええ。昨日も話したようにターン9の変更は必要だと思っていませんでしたが、ターン12は改修が必要だったと思います。ただ、セーフティコミッションが2003年から話し合いを同じ日(曜日)、同じ時間に行っているのは知っていますし、彼らがこうした決断をしたのであれば、自分はそれに完全に従います。昨日はトラックを確認して確かにターン9のランオフエリアはかなり小さいと思いました。ターン12と同様にね。個人的にはノーマルレイアウトのほうが好きで多くのライダーも同じように語ると思います。ただターン9もバイクが接触したりすると非常に危険ですし、サロムの事故が起きた後では安全を確保すると考えると、こうした決定で良かったように思います。」(※質問に直接回答せず。。

Q

「今日チャンピオンシップで首位に立ちましたが、ラッキーだと感じますか?またムジェロで苦戦していたような問題をホンダが克服したと考えますか?」

マルク・マルケス

「シーズン前半の目標はカタルーニャからチャンピオンシップをリードするライダーに対して攻めていくことでした。ただこれから自分が得意とするサーキットへと向かうわけで、明日は重要なテストもあります。ムジェロやカタルーニャではヤマハのバイクが良い形で動いていましたから心配していたんです。ただ自分はヤマハについていく事が出来ましたから、次のレースには自信を感じています。ムジェロでもここでも大きなリスクを冒しましたが、これからはこの状況をコントロールしていく事が重要だと思います。」

Q

「ヘレスで勝利、ムジェロでも優勝のチャンスがあり、ここで勝利をしました。今自分のキャリアの中でも最高の状態にいると思いますか?」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「うーん。大事な事は日曜2時のレースに強い状態でいるということです。これをずっと考えています。昨年は最終戦までチャンピオンシップを争いましたが、いくつかのレースではロレンゾやマルケスのようなスピードがありませんでした。今年は少ないポイントを獲得しているにも関わらず強い走りが出来ていると思います。自分のバイクも速いですしヤマハも競争力が高いです。それに自分はミシュランタイヤで育ってきていますし、ライダーとして成長する中で親しんでいるのでミシュランタイヤは好きですね。今年のチャンピオンシップはより接近していてどうなるかわかりませんし、楽しいってことではないんですが興味深いですよね。今年はマルケス、ロレンゾもそうですし、ペドロサ、ビニャーレス、イアンノーネも非常に強いですよね。それにトラックによってホンダが強かったりヤマハが強かったり、特定のライダーが速かったりする中で11レース残っていますからね。大事なのはこうした状態で最大限の力で走ることですね。」

Q

「それで、結局セーフティコミッションには参加してあなたの経験を活かしていくということなのでしょうか?」(※別のジャーナリストの質問にロッシ選手が答えなかったので、鋭く突っ込む女性ジャーナリスト

ヴァレンティーノ・ロッシ

「ちょっとわからないですね。いつも金曜日はとても忙しいんだけど、努力してみます。」

Q

「これでバルセロナでは10勝目となりました。ムジェロ、アッセン、ヘレスよりも勝利しているわけですが、何がこのトラックを他のトラックよりも特別なものにしているのでしょう?」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「最初からこのトラックは好きで、まずはレイアウトですね。2009年から勝利していませんでしたが、こうしてまた優勝が出来て嬉しいですね。ここは全てのライダーにとって重要なサーキットですし、バルセロナ自体が素晴らしい場所ですからね。大体いつも天気が素晴らしく、同様に雰囲気も最高です。シーズンの中でも最高の週末だと思います。」

Q

「ダニとマルクに質問ですが、共に長年ヴァレンティーノとレースをしている中で、今が彼のベストだと思いますか?」

マルク・マルケス

「彼は自分がMotoGPに来た時からいますからね。ただ昨年もそうでしたし、非常に速いですよね。ですから彼には気をつけないと行けないと思います。」

ダニ・ペドロサ

「彼とは随分といっしょにレースをしているけど、彼は本当に凄いと思います。年を追うごとにモチベーションとパワーというものが必要になってきますよね。彼と戦っていた2008年、2009年というのは彼は常に強かったんです。今はあるレースでは速く、あるレースではそうでないという形です。ただこうしたメリットが年を追うごとにあるのだなと思います。(※適切な単語を探していて会話がウロウロしたので何が言いたかったのか少し不明です。)

Q

「2人の握手が色々なことの後に見れたのは嬉しいことでした。同じような事がチームメイトのホルヘ・ロレンゾとも起きる可能性はありますか?(※会場笑)

ヴァレンティーノ・ロッシ

「いい質問だねw(※会場爆笑)ロレンゾとの状況は少し違うんですよ。シーズンの初めの頃は彼とは再びチャオとか、会話をすることは無いんだろうなと思っていたんです。でも自分がヤマハに戻ってきた時、自分がいつも「チャオ、ホルヘ」だとか「調子はどうだい?」とか話しかけていたんです。ですから今年は彼のほうから自分に話しかけてくれるのを待っているんですけど、実現しないですね。」

Q

「この表彰台はテストをする前にも関わらずホンダのバイクが良くなっているということなのでしょうか?」

マルク・マルケス

「作業は続けています。カタールと比べるとエレクトロニクスにより手を加えてはいます。ですからまだ作業は継続して必要です。明日はいくつか新しいアイテムを試しますが、それがどのように機能するかはまだわかりません。というのも、改善が必要と思っているポイントを改善するアイテムではなくて、別の部分を改善させるパーツなんですよ。ただこれからは自分が得意で好きなサーキットに向かいますから、そういう意味ではこれもポイントになると思います。」

ダニ・ペドロサ

「自分は既にそのパーツを週末の中で試しているんです。というのもテストの中で使用するよりも、自分としては実戦で使ったほうが興味深いと思うんです。月曜日はレースの後でグリップも良いですしリズムもありますから、ラップタイムも向上する場合があるんです。ですからそれ自体は何かしら新しいアイテムによるものとも言えないんです。ですからレースの中でライバルと闘いながらレースペースでテストをすることは、時には非常に興味深いわけです。明日のテストにどのような内容が残っているかはわかりませんが、今の作業を続けていこうと思います。」

Q

「今日はイアンノーネがロレンゾに衝突し、他のライダーを道連れにしてリタイアするのは2度目となりました。これについての見解と、レースディレクションはこれに対してどうすれば良いと思いますか?」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「クラッシュの様子はここに来る前にスマートフォンで見たんです。イアンノーネはブレーキングでミスをしたと思います。ホルヘはもっと上手く減速が出来たかと思います。あそこでミスをした場合、イアンノーネが出来ることはラインの外側にいくことです。イン側ではなくてね。あの瞬間に自分が止まれないと思ったのであれば、外側に向かうべきです。ただ外野からはなんとでも言えますけどね。ただあるライダーがミスをして他のライダーを道連れにするのは残念ですよね。」

マルク・マルケス

「そうですね。これは初めてのことではないですし、イアンノーネはいつもプッシュしていますからね。去年は違うコーナーでしたけど自分も同じ状況になりましたが、自分は外側にさけて単独で転倒しました。ただヴァレンティーノが言ったように他のライダーがミスをした時は、もちろんそれを利用しない手はないんですが、ムジェロでのヴァレンティーノのエンジンや、ここでのロレンゾのように自分のせいではないリタイアというのは残念ですよね。自分もクラッシュを見ましたけど判断は難しいですね。ライダーの動きというのは計算出来るものではありませんし、ロレンゾはいつも立ち上がりを重視するラインですから、いつアタック出来るかというのは判断が難しいですよね。」

ダニ・ペドロサ

「自分が言えるのは、イアンノーネ側に故意の意図は無かったということですね。彼はホルヘのスリップストリームについてブレーキングを開始し、リアが暴れだしてコントロールを失った時、彼はなぜかインサイドに向かうことを選んだんです。なぜかはわかりませんけどね。それでバイクを止めることが出来なかったわけです。意図的なものでは無かったと思いますし、新しいコーナーですしね。ただヴァレンティーノの言うように外からいうのは簡単です。意図的なものでは無かったとは思いますが、ホルヘは残念でしたね。」

ニック・ハリス

「それではありがとうございました。」