★MotoGP中間レビュー:ヴァレンティーノ・ロッシ
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moto mattersのエメット氏によるMotoGP中間レビューです。第7弾はヤマハのロッシ選手です。2015年の雪辱を晴らすために万全の調子で挑んだはずだった2016年。ロッシ選手はDNF3回という厳しいシーズンを送っています。ロレンゾ選手もそうですが、マルケス選手がミスを連発しない限り、後半戦にヤマハ2人がチャンピオンシップ優勝出来る可能性はかなり厳しいと言えます。 また別のペテン師と言える人物、(※今年の各ライダーはシーズン開始前の予想を裏切っていることから)ヴァレンティーノ・ロッシはMotoGPグリッドで間違いなく最も完成されたライダーで、歴史上で最も完成されたライダーであろう。彼の経験に肩を並べるものはなく、環境に適応する能力にしてもそうだ。しかし、彼は若手のような短気で、1勝と素晴らしい結果を残せるはずだったレースを無駄にしている。最も経験のあるライダーは2つのルーキーのようなミスで彼のシーズンを困難にしてしまった。
これは本当に残念なことだ。ロッシはロレンゾのように、今シーズンは今までに無いほど素晴らしいコンディションで開幕を迎えた。彼のトレーニングはさらに緊迫、集中したもので物腰はさらにひたむきであった。
彼は長く付き合ったガールフレンドと別れ、ルカ・カダローラをライダーコーチとして雇った。ヴァレンティーノ・ロッシは2016年のMotoGPタイトルを獲得するために、出来る事を全て行ったのだ。
もしかすると今年の今までのところ、彼の調子は落ちてきているのかもしれない。ロッシは10度目のMotoGPタイトル(※原文ママ。実際はMotoGPタイトルは次で7つ目)の甘い香りを口の中に感じながら2015年を戦い、セパンとヴァレンシアで苦さだけを味わったわけだ。彼は2016年シーズンに勝つために参戦し、それが彼を過度にトライさせる結果となった。
オースティンでのスタートの失敗により、これを挽回するためにマシンを速く倒し過ぎ、彼はフロントを失い転倒した。恐ろしい正確さでアッセンのレースウィークを走った後、彼は中断されたレースの後半戦を良い形でスタートした。彼はレースウィークで1つのミスを犯したが、このミスによって彼は転倒し、レースをリタイアすることとなった。
これは全てロッシのせいではない。彼の結果は不運にもよるものだ。ムジェロではホルヘ・ロレンゾのエンジンが朝のウォームアップで故障したが、ロレンゾはその後のレースで勝利した。
ヴァレンティーノ・ロッシのエンジンは午前中のウォームアップを生き延びたが、レース中に故障した。ロッシはチームメイトの後ろにつけており、その後のレース展開の中で勝利する事が確実に思われている中での出来事だった。
これらの3つの出来事によってロッシとマルク・マルケスの差は59ポイントとなる。マルケスがミスをし始めない限り、この差はあまりにも大きなギャップだ。もしそうなれば、ロッシは今まで厳しかった2016年シーズンを(有利に)利用するために身構えるだろう。
彼のヘレスでの勝利は、彼のレース活動の中で最も素晴らしいものの1つだった。言うなれば、ポールポジションを取り、初めから終わりまでレースをリードするという、ロレンゾ風といったところか。バルセロナでの勝利も同様に素晴らしいものだった。フロントでレースをコントロールし、マルケスのアタックを巧みにかわしたのだ。
彼はここ数年の弱点であった予選順位を向上し、2列目から順位をスタートで順位を上げるのではなく、フロンローからのスタートを期待出来る。ヴァレンティーノ・ロッシはカタールの前にさらに2年間の契約を交わした。彼が2016年前半のような調子で走り続ければ、来年、そしてその翌年も再びタイトル獲得のチャンスがあるだろう。彼が2019年にレースを続けるのか否かは、また同様に疑問を投げかける形となる。