気になるバイクニュース。

世界のバイクニュース、MotoGP最新情報、各メーカーの新車情報などを紹介しているブログメディアです。

★MotoGP2016ル・マンGP 決勝プレスカンファレンス翻訳

Sponsored Link

さて日曜日に行われたル・マンGPの決勝プレスカンファレンスをお届けします。ビニャーレス選手の将来についてもう少し突っ込んだ質問が出るのかなと思っていましたが、当人も「家でゆっくり考えます。」という感じで終わってしまいました。今回は多くの選手が転倒していましたが、ブレーキングで無理をせずに良いラップタイムが出ている選手(=表彰台を獲得した選手)に「転倒が多かった理由は何だと思うか?」という質問をしても、あまり良い回答は得られないのではないのかな。。とふと思いました。

★MotoGP2016ル・マンGP 決勝プレスカンファレンス翻訳

ニック・ハリス

「今日は完璧なレース、完璧な一日でした。」

ホルヘ・ロレンゾ

★MotoGP2016ル・マンGP 決勝プレスカンファレンス翻訳

「完璧な一日、そしてほぼ完璧な週末でした。ポールポジションをMotoGPクラスでここで獲得したのは初めてでした。レースの前から優勝のチャンスはあると思っていました。ただいずれにしても今日まで待つ必要がありましたね。ダンロップのタイヤはトラックを時に滑りやすくすることがありますからね。バイクを止めにくくなったり、ベストなグリップを生み出さないような事もあるんです。で、これがレースに序盤でも発生しました。バイクが序盤は重いので止めるのが難しかったですね。これがイアンノーネがリードを維持出来ていた理由だと思います。キーになったのはバイクが軽くなることでライディングが良くなっていったことですね。ドヴィヅィオーソの場合は逆にラップが進むごとにタイムが悪化していったようですが、おかげで自分はマルケスとドヴィが転倒する前に5秒ものギャップを作る事が出来ました。最後にロッシが7秒後ろなのを知って安堵出来ましたが、集中力を維持するためにハイペースで走っていたのでそこまで安心はしませんでしたけどね。チャンピオンシップにとってはパーフェクトな一日でした。マルケスは4戦ミスなしの中、ヤマハのライダー達は自分はアルゼンチンで、ロッシはオースティンで転倒しましたからね。ですからこれで再びゼロに戻った感じですね。」

ニック・ハリス

「あなたのレースペースは3周のみ34秒台に落ちましたが、最終ラップも含めて素晴らしいペースでの走行でした。これは集中力を維持するのに役だったとのことですが、素晴らしいですね。」

ホルヘ・ロレンゾ

「ええ。バイクも最高でしたしタイヤも良かったですね。ミシュランは素晴らしい仕事をしてくれたと思います。ヘレスから懸命にタイヤを向上するために努力をしてくれたと思います。タイヤのセンター部分のグリップが向上しましたし、レースを通じて安定したパフォーマンスでした。お話ししたように、33秒台後半を維持するためにラインを変えてリラックスなどせずに走りました。ラインを変える事は馬鹿馬鹿しい転倒というミスに繋がりますからね。」

ニック・ハリス

「次のムジェロは昨年勝利していますね。」

ホルヘ・ロレンゾ

「ええチャンピオンシップで5ポイントのリードでムジェロを迎えます。ムジェロは得意なサーキットですし、自分の強みをすべて使っていきたいと思います。Ducatiはストレートが長い事もあって有利でしょうね。それに彼らはここでレースのテストを良くしていますし。ただ今の段階では両ライダーともにミスをしているのでチャンピオンシップにおいては上位に来ないでしょう。自分達のレベルというのはマルケスやロッシと比べるべきでしょう。こうしてチャンピオンシップでリードをして次のラウンドを迎えるというのは良いですね。」

ニック・ハリス

「ホルヘありがとう。それではヴァレンティーノ。貴重な20ポイントを獲得しました。ここ最近はタフなスタートになっていますね。そこから追い上げて2位を獲得して興味深いレースとなりましたね。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

★MotoGP2016ル・マンGP 決勝プレスカンファレンス翻訳

「3列目7位からスタートして2位を獲得するというのは良い気分ですよね。それに今日の20ポイントはチャンピオンシップにおいては非常に重要です。今日はチャンピオンシップのトップがマルケスからロレンゾに変わってトップとの差を縮める事が出来ました。今週は厳しいスタートで特に金曜日にユーズドタイヤに集中して作業したのは失敗でした。最後に試したミシュランの新しいタイヤが非常に良くて問題は違う形になりましたので、別の形で集中をする必要がありました。昨日は競争力が高い状態だったんですが予選でミスをしていまいました。3列目スタートになると全て変わってしまいますし、スタートが複雑になります。あまりロスは無かったもののスタートもあまり良くありませんでした。その後2位グループに追い付く事が出来て良いラップで走行出来ました。ただあのシチュエーションはかなりトリッキーで、気温の高さか、Moto2のタイヤ痕かわかりませんが、今日はより難しかったですね。ただ今日のバイクのバランスは良かったので集中するようにしました。マルケスとドヴィヅィオーソに追いついて、良いラップで走って彼らを抜いてその後も良いペースでの走行を続けるいうプランでした。マルケスとドヴィヅィオーソが転倒した事でレース後半に関してはリラックスした状況になりましたね。最終的には本当に嬉しいです。」

ニック・ハリス

「ムジェロはあなたにとっては特別な場所ですね。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「トラックとしても素晴らしいですし雰囲気も最高ですね。ただ地元開催というのはより難しいですね。色々と考えますし、ファンからのプレッシャーもかかります。ただ凄く良い形でたどり着けましたね。バイクの戦闘力も高いですしね。今は集中してムジェロでの戦いに備えたいですね。」

ニック・ハリス

「ヴァレンティーノありがとう。それでは3位を獲得したビニャーレス。初のMotoGPクラスの表彰台という事で笑みがこぼれますね。素晴らしい一日になりました。」

マーヴェリック・ビニャーレス

★MotoGP2016ル・マンGP 決勝プレスカンファレンス翻訳

「本当に素晴らしいですね。ここは初めての勝利を遂げた場所でもありますし、今年表彰台を一回獲得するというのは目標でもありました。素晴らしいセッティングを作ってくれたチームに感謝したいですね。アレイシとの接触もありましたし簡単なレースではありませんでした。ただ集中して自分のペースで走行が出来ましたし良いレースが出来たと思います。バイク開発のモチベーションにもなると思いますし、さらに速く走れるようになるでしょう。」

ニック・ハリス

「今日は多くの転倒もありましたが、最後のほうになってそういった事を気にしましたか?」

マーヴェリック・ビニャーレス

「ええ。最後はダニが接近していましたが、自分はあまりプッシュしていなくて状況をコントロール下に置くようにしていました。スズキに何とかして3位をプレゼントしようと思っていましたね。アルゼンチンでの転倒の事も考えましたし、同じミスを犯さないようにと思っていました。」

ニック・ハリス

「こうやってスズキで表彰台を獲得したわけですが、2台のヤマハが前にいて、これは悪夢ですね。」

マーヴェリック・ビニャーレス

「決断は難しいですが、日に日にクリアにはなっています。近いうちに判断出来ると思います。」

ニック・ハリス

「決断を聞ける事を楽しみにしています。それではフロアからの質問をどうぞ。」


Q

「あなたの最初の表彰台もここル・マンで、今日もまた最高峰クラスの初の表彰台をここで獲得したわけですが、どちらがより嬉しいと言えますか?」

マーヴェリック・ビニャーレス

「個人的には2011年のほうが嬉しいですね。自分にとって最初の勝利でしたし、誰も自分の事を知らない状態でしたしね。2戦目のエストリルで優勝に近いところでエンジンを壊してしまったのもありますし、そのあとようやくル・マンで勝利出来たわけですからね。そういう事を考えると2011年のほうが嬉しいですね。」

Q

「最後にマーヴェリックが接近していましたが、それを受けてさらにプッシュをしたのかリラックスしていたのかどちらでしょうか?」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「最初の10周にマルケスとドヴィヅィオーソに追い付くためにかなりプッシュしたんです。2人を抜いたあと3、4周プッシュしたんですが、その時点でロレンゾは既に5秒ほど前にいました。その時点では手遅れでしたのでスローダウンして自分のアドバンテージがどの程度であるか様子を見ました。マルケスとドヴィヅィオーソが両方転倒したのは最初わからなくてね。マルケスの転倒はスクリーンで見たんですよ。その後マーヴェリックが4秒ほど後ろであるというのを知ってリラックス出来ました。残り10周ほどの状態でしたがタイムを落として集中力が途切れるのは危険だと思いました。リスクは取り過ぎないようにしつつ同じようなペースで距離を維持するようにしていました。」

Q

「ホルヘとヴァレに質問ですが、最初の表彰台を覚えていますか?マーヴェリックの初めてのMotoGPクラスの表詳台に関して何かかける言葉はありますか?」

ホルヘ・ロレンゾ

「幸運にも自分の最初の表彰台はデビュー戦でしたので、すぐ獲得が出来たわけです。自分にとっては最初からあそこまで戦闘力が高いとは思っていませんでしたから本当にビックリしました。カタールではポールポジションを獲得して、ストーナーに続いて2位を獲得したわけですからね。ですから本当に予想もしていませんでしたし、心理的にもそういう形でシーズンを続けていけるような準備が出来ていませんでした。さらに何度も繰り返せるような感触がして、そしてそれを続ける事が出来たわけですよね。」

Q

「マーヴェリックに関してはいかがでしょうか?」

ホルヘ・ロレンゾ

「彼は今回の結果で最高の瞬間でなくても、スズキが現在最高のバイクでなくても結果を出せると証明したわけですよね。確かにドヴィヅィオーソやマルケスの転倒に助けられたとは言え、その場にいないと3位は獲得出来ないわけですからね。チームメイトとくらべても圧倒的に速かったわけですし、彼はこの表彰台に相応しいと言えるでしょう。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「自分の最初の表彰台はモンツァで1971年だったかな(笑)と言うのは冗談だけど、多分最高峰クラスでは500cc時代にヘレスだったと思います。ただその頃は転倒だとか多くの失敗を繰り返していたと思います。確か2位だったような気がするんですがちょっと覚えていません。チェカやビアッジがいたような気もしますが、あまり記憶にありません。ただ、マーヴェリックは今日素晴らしいMotoGPライダーであるというポテンシャルを示したと思います。ですから非常に重要な瞬間だと思いますね。」

Q

「昨日レースの最後のほうにあまりパッシングが無いという話がありましたが、これはミシュランタイヤの影響などもあるのでしょうか?」

ホルヘ・ロレンゾ

「自分の意見だと、ミシュランタイヤだとセッティングにより時間をかける必要があって、他のライダーとは異なるセッティングを作る事が出来るんです。そしてそれが特にレースの後半に生きてくるんだと思います。これが以前のブリヂストンタイヤのようにセッティングをいくら変えてもライディングスタイルが異なっても結局皆接近しているという状況とは異なるのだと思います。今年はトラックごとにライダーのパフォーマンスは変わってくると思いますね。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「今日は5、6台抜きましたしレースを楽しみましたから悪くなかったと思います。ただレースの序盤が大事であることはブリヂストンの時から変わらないと思っていて、数人のライダーが速い中ではギャップが広がってしまうものだと思います。皆がレースの中で良いバトルをするためにタイヤであるとかエレクトロニクスの作業をしているのは事実ですが、ただ昨年同様にあまり向上出来ないというのは似てると思います。ミシュランタイヤの場合、オーバーテイクをする際はより正確にする必要があるとは思いますね。」

マーヴェリック・ビニャーレス

「スタートが良くなかったので5人のライダーをオーバーテイクする必要があったんですが、誰も自分のセッティングの作業をしているわけで、今日はホルヘが素晴らしい走りをしていました。ヴァレンティーノも自分に対して5、6秒の差をつけていたわけです。ですからこの状態で誰かを抜くなんてのは不可能ですよね。」

Q

「ヘレスのレースではミシュランに対してかなり批判的でしたが、今日のレースではミシュランの作業に対して関心したというような事はありますか?」

ホルヘ・ロレンゾ

「いや批判的であったとは思いません。自分はただ事実を述べただけですよ。タイヤのパフォーマンスに改善が必要だと思ったのでそういった事を述べただけで重要なことですよ。過去にはそういったタイヤに関する提案をしても反映が凄く遅い事もあったわけですが、今回ミシュランはチャンピオンシップで唯一のタイヤサプライヤーであるにも関わらずすぐに改善をしてくれましたからね。ただ未だにタイヤのセンターに関しては作業が必要ではあると思います。バックストレートでは少しスリップしている感触がありましたが、これはヘレスの状態とは比べ物になりません。」

Q

「他の表彰台の選手はヤマハなわけですが、将来についてはどう思いますか?」

マーヴェリック・ビニャーレス

「将来について考えるのは家でと考えいます。リラックスした状態で最終的な決断をしたいと思います。100も疑問がある状態では決断するのは難しいですから、落ち着いて考えられるようになればすぐに決断したいと思います。」

Q

「今日多くの転倒があったわけですが、その理由について何か意見はありますか?」

ホルヘ・ロレンゾ

「ミシュランタイヤの場合、バイクが100%コントロール下にない場合バイクが動き回ってしまいます。特に加速ではリアが動きまわってしまいます。自分達はこの新しいフロントタイヤのおかげでブレーキングもパフォーマンスが向上しましたが、それでもブリヂストンを使っていた頃に比べると安定しません。ブリヂストンは加速ではもう少しスロップがありましたが、それでも安定していました。ですからもう少しフィジカルな面で集中してミスをしないようにする必要があります。ブレーキング遅かったり強すぎたりするとバイクが不安定になったりもしますし、そう簡単なことではありません。バンプも多めに感じますしね。異なるスタイルであるということを理解しないといけません。こういったタイヤでは過去にも走っているわけですから慣れないといけません。単純なことではありませんが、(ミシュランも)全てのライダーに最高のタイヤを供給するために努力をしていると思います。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「いくつかの点ではレースはより難しくなっていると思います。Moto2レースのせいもあってトラックが滑りやすくなっていますよね。それに今日は昨日よりもかなり暑かったのもあります。燃料も満タンですし、皆レースでは最大の力で走ろうと、フロントに出ようと5%無理をしますからね。そうした理由もあるでしょうね。」

マーヴェリック・ビニャーレス

「昨年のほうがブレーキングでは安定していましたね。今はリアがかなり動いてしまいます。レースで燃料満載では難しいですよね。それにMoto2の後ではトラックが滑りやすくなりますから、これが原因だと思います。」

Q

「ドヴィとマルケスの転倒については何が起きたのか意見はありますか?」

ホルヘ・ロレンゾ

「正直わかりませんね。ターン5でドヴィヅィオーソがグラベルにいてマルケスはトラックに戻ろうとしていましたから、自分は2人が接触したものだと思っていました。最後に転倒の理由を聞きましたが、後続のライダーが前方の転倒に驚いて何かしらのアクションをした事が転倒の原因かもしれませんし、転倒の理由はわかりませんね。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「レースの重要な局面で最大限にプッシュしていて、あのコーナーでは特にバンプが酷いのかもしれませんし、オースティンで自分が転倒した後にクラッチローが転倒したような形で集中力を削がれたのかもしれません。ただ見たところマルケスのほうが僅かに先に転倒していたようにも見えますので、単純に同じ場所で転倒したということかもしれません。」

マーヴェリック・ビニャーレス

「自分は遠くからですが見ていたんですが、あのコーナーは特にバンプがあって難しいですから、彼らはプッシュしていたのかもしれません。それでヴァレンティーノが説明するようにフロントを 失ったのかもしれません。」