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★MotoGP2016ドイツGP 決勝プレスカンファレンス翻訳

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先週のドイツGPの決勝プレスカンファレンスの翻訳記事ですが、すっかり遅くなってしまいました。今回はバイク交換のタイミングについて、そしてF1のようにラジオでピットとライダーが連絡を取り合えるようにするのはどう思うか?など色々と興味深い内容が多いプレスカンファレンスでした。クラッチロー選手のジョークが冴えまくっているのと、1年前と較べて大きく成長したマルケス選手の受け答えが印象的でした。

★MotoGP2016ドイツGP 決勝プレスカンファレンス翻訳

ニック・ハリス

「まずはプレスカンファレンスを始める前に恒例となっているとおり、レースでファステストラップを記録した選手にリングが贈られます。今回の場合はカル・クラッチローにリングが贈られます。(※横でマルケス選手ひたすらバナナを食べる)カル、おめでとう。それではマルケスからはじめましょう。ここでは7連勝となりました。今シーズンは3度目の勝利となります。チャンピオンシップでのリードを48ポイントとしました。今日のウォームアップ、タイヤの選択など色々とありましたが、夏休みを迎えるのに相応しいと言えますね。」

マルク・マルケス

★MotoGP2016ドイツGP 決勝プレスカンファレンス翻訳

「今日はまたクレイジーなレースでした。正直に言ってレースの最初のパートはフロントに間違ったタイヤを選択してしまったんです。最初はソフトタイヤで行こうかと思ったんですが、ヴァレンティーノやホルヘがエクストラソフトを履いているのを見て、最後の瞬間にエクストラソフトに切り替えたんです。自分のライディングスタイルにはこれは正しい選択ではありませんでした。そのせいでフロントに関してかなり苦戦することとなりました。ターン8でも失敗してワイドになってしまいましたし。その後トラックが段々とドライになっていくのがわかり、これはフラッグtoフラッグレースになるなと思いました。」

「ただ、どのタイミングでバイクを交換するかというのは全てのライダーにとって疑問です。しかし、自分は表彰台から遠いところにいたのでリスクを冒す事にしました。バイクを交換した後の2、3コーナーは完全にウェットだったので注意を払って走行しましたが、それ以外の箇所では通常どおり攻めて走りました。自分の正確な順位が全くわからないのでクレイジーな展開でした。その後4位という表示を見て、その後1位、2位に20秒差という表示を見て、後は距離を維持しようと思いました。」

ニック・ハリス

「他の選手はインターミディエイトに交換するためにピットインしましたが、あなたは違いました。」

マルク・マルケス

「これはいつもチームと話しているんですけど、うちのチームにインターミディエイトという選択はなくてウェットからドライに移行するだけなんです。というのも、インターミディエイトが良いだとかスリックが良いだとか言うのはチームにとっても自分にとっても混乱を招く形になるんです。自分達にとってはスリックという選択しかありませんでした。インターミディエイトについてはあまり情報がありませんし限界もわからないんです。確かにドライラインは本当に狭かったので大きなリスクを冒したと思います。何とか最初の3周をこなして、その時点でウェットタイヤよりもタイムが出ているのがわかり、あとは時間をかけてトップに出ようと思いました。」

ニック・ハリス

「シーズン中盤でリードを2倍とし、ポイントのリードを48にしました。」

マルク・マルケス

「この2戦は自分にとって素晴らしい形でした。2つのレースで多くのポイントを失う可能性がありましたが、自分は多くのポイントを獲得しました。正直なところシーズン前半おいて自分は最速のライダーでは無かったと思います。ただ自分は最もコンスタントなライダーだったと思います。これは昨年とは真逆ですね。これに関しては本当に嬉しいですし、この後は友達とビーチに行ってリラックスしようと思います。ただセカンドシーズンはタフになるのはわかっていますから、家でしっかりと準備をしたいと思います。」

ニック・ハリス

「マルク、7連勝おめでとうございました。それではカル・クラッチロー。昨年のアルゼンチン以来の表彰台獲得となりました。レース前半に関してはタイヤの選択が非常に難しかったと思いますが、その後は本当に素晴らしい走行でした。」

カル・クラッチロー

★MotoGP2016ドイツGP 決勝プレスカンファレンス翻訳

「ええ。もちろん最初に思うことは表彰台獲得について嬉しいということなんですが、その後に思うのは優勝出来なくてガッカリしているということです。マルクはまたしてもラッキーでしたねw(※会場笑)今日は朝の経験からフロントタイヤにハードを選びました。予選は酷く失敗しましたけど、ドライであれば最速の4人であるというのは昨日お話した通りです。ウォームアップで危うく転倒しそうになったので、スタートは力を抜いて走行しました。フロントタイヤに熱をいれる事が全く出来なかったんです。数人のライダーと一緒でジャックも一緒だったんですが、彼が1周目で離れていくのを見て、今週も彼が勝つのか?彼に追いつけるのか?と想像しました。確かにコントロールが難しいレースでした。正直チームは本当に素晴らしい仕事をしてくれました。もし早めにピットインしていたらどうなったかわかりませんが。」

「実はピットボードは全く見ていなくて、前を走る2人ライダーであるヴァレンティーノとドヴィだけを見ていました。彼らはMotoGPでフロントで走るという経験を持っていますし、彼らを追うことにしたんです。自分のこのポジション、ペースには満足しています。本当に久しぶりですね。今まで非常に厳しいレースでした。バイクも乗りこなすのが難しいという事がわかっていましたが、ホンダがこの前のレースなどで大きな努力をしてくれたおかげで乗りやすくなりました。後半戦もこうした結果が獲得出来ると良いですね。」

ニック・ハリス

「オーストリアでのテストもありますが、今日は奥さんのルーシーはいません。ただ最初のお子さんについて準備万端でしょうか?」

カル・クラッチロー

「まずはオーストリアにテストに行かねばなりません。誰がテストを計画したのかわかりませんがルーシーが家で待っていますので、テストが終わったら出来るだけ速く帰らねばなりません。もし早めに生まれた場合に備えて出来る限り自宅を出るのを遅らせたんです。ここ9年で2回目となりますが、彼女がこの場にいないのは残念です。彼女は自分が優勝出来るようハードに働いてくれましたので、彼女がいないのは辛いですが、このレースの後、そしてオーストリア戦の前に子供が産まれる予定です。」

ニック・ハリス

「おめでとうカル。子供とルーシーの無事を祈っています。それではアンドレア・ドヴィツィオーゾ。カタール以降初めての表彰台となります。失望しながらも表彰台獲得は嬉しいですね。」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ

★MotoGP2016ドイツGP 決勝プレスカンファレンス翻訳

「ええまさにその通りです。嬉しいけれどガッカリもしています。ウェットコンディションではエクストラソフトのフロントで走るというのは間違った選択だったかもしれません。ただ自分はタイヤを温存出来ましたし、2位のライダーからの2秒差を維持出来ました。この状況をコントロールしようとあまりにも集中していて、バイクを適切なタイミングで交換することが出来ませんでした。優勝出来る可能性があっただけに残念ですよ。ただザクセンリンクでこの天候の中、このポジションを得られたのは良かったと思います。ここでは良い結果を残せていませんからね。今年はシーズンの前半で自分達のせいではない不幸に見まわれました。今回の表彰台はハードに働いてくれたチームに捧げるものですね。最近は良い結果が得られていませんでしたから。」

ニック・ハリス

「今日のタイヤ交換のタイミングというのは難しいものだったと思います。最終的にはあなたのタイミングなんだと思いますが、カルはあなたとヴァレに従ったと話していますが。」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ

「カルは自分達に従ったわけですけど、自分達の選択は間違っていました。前を走っていると前を譲りたくないものなんですよ。それにウェットパッチがある状態でスリックタイヤに交換するとなると、転倒してレースを台無しにしてしまうリスクがありますからね。ただ大体の場合において、バイクを交換するというのは良い方向に向かうものなんですよね。自分は正しいタイミングでマシン交換をすることが出来ませんでしたけど、本当にタイヤを保たせることとギャップを維持することに集中していたんです。」

ニック・ハリス

「ドヴィありがとう。それでは私からは以上です。フロアからの質問をどうぞ。」


Q

「統計上はザクセンリンクでポイントでリードをしているとチャンピオンシップで優勝していますが、今回はそのとおりになると思いますか?」

マルク・マルケス

「もちろんこの統計を追いたいと思います。これだけのポイントでリードしているとなると自信を感じるものですが、過剰な自信を感じないほうが良いと思っています。2014年はこれ以上のポイントをリードしていましたけど、ミサノとアラゴンで転倒した事で50ポイントを失いました。まだシーズン中盤ですから、気をつけていないといけません。シーズン前半が良くても後半は全く逆になることもあり得ます。雨のレースも、さらにタフなレースもあるでしょう。しっかりとマネジメントをしていかねばなりませんが、48ポイントというのは後ろにいるよりは良いですね。」


Q

「レース前半にグラベルを走行していた時は何を思いましたか?」

マルク・マルケス

「進入が早すぎてフロントを失ってしまったんですが、これは苦戦していたからなんです。それでグラベルに突っ込んだ時、スイッチをモトクロスモードに切り替えたんです。マシンの後ろに乗ってフルスロットルをあてて走りました。トラクションコントロールが妨げになりましたけどね。トラックに戻る為にフルスロットルで走っていました。」


Q

3人に質問です。マシンを交換した時のタイヤについてチーム全員の決断だったのか、クルーチーフの決断なのか、どうだったのでしょうか?」

マルク・マルケス

「フラッグtoフラッグのレースはいつも難しいものですけど、説明した通り自分達チームにとってはフラッグtoフラッグレースの場合、インターミディエイトタイヤという選択肢はありませんでした。自分達は完全にウェットとドライだけに集中していたんです。というのもチームにとって自分がインターミディエイトが欲しいのかスリックが欲しいのかはわかりませんから。それにインターミディエイトを履きたいと思っても情報がありませんからね。ですから自分達のケースの場合、この問題はクリアでした。」

カル・クラッチロー

「自分の場合はスリックで行こうとすぐに決めましたよ。マルクがスリックで走らなければ自分がスリックで走ってましたね。(笑)というのは置いといて本当のところはインターミディエイトを装着していると思っていました。この状況であれば良い解決方法になりますからね。ドヴィはアウトラップでフロントにインターミディエイトを装着して、自分よりも5秒速かったんですからね。これはこのコンディションであれば良いなと思っていましたが、5秒の差で優勝出来る事もありますから、最終的にスリックを選びました。」

Q

「結局誰の決断だったのでしょう?」

カル・クラッチロー

「わかりません。タイヤを装着した人間でしょう。いつもは聞いてくるんですが、彼らもTVを見ていてラインを見ているわけで、愚か者ではありませんからね。ガレージにいる人間は素晴らしい経験もある人達ですからね。」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ

「マルケスも話していたように完璧な状態で備えていることは不可能です。トラックが何周目にどう変わっているかであるとかもわかりませんし、ピットとのコミュニケーション手段はありませんから。例えば残り8周の時点ではピットインしてタイヤを交換するという考えはありませんでした。このままレースが終わるのだろうなと思っていましたからね。ただ現実にはそうではなかった。レインタイヤで走っている時の感覚としてはスリックタイヤを履いて濡れた路面で走るというのは本当に恐ろしいことなんです。外側からはこれがベストの選択だからこれに合わせてくれという事になるわけですけど、4周走ってみて確かにこれが正しい選択だとわかるわけるんです。ただそこで決心して早めにタイヤを交換するというのは、レースで走っている側としては完全に違うことなんです。」

「ですから外側からTVから見ているものとは全く異なるんです。ですから今日もそうでしたけど、ミサノのようにヴァレンティーノもバイクを(なかなか)替えませんでしたよね。タイヤの選択に関しては通常は自分達も全てを決めているんです。ただ今日はそうではありませんでした。ですから自分もどのタイヤが用意されているのかは知りませんでした。ピットを出て確認してフロントに溝があるのでレインタイヤかと思ったんですが、フロントがインターミディエイトでリアがスリックでした。」


Q

「ターン8でコースアウトしてピットインせよという指示が出たのは戦略的に助けになりましたか?」(※質問者の英語の構成のせいで正確な意味がわからず。。)

マルク・マルケス

「いや、その時レインタイヤを履いていて、ドライラインのほうがグリップが高いんですが、ブレーキングポイントをミスして路面が濡れたところに出てしまったんです。そこでリーンをしようとしたんですが、フロントがクローズしたので(切れ込んだという事だと思います。)バイクを起こしてストレートに抜けたんです。ただこれはスリックの場合ならそのまま転倒でしたね。ただバイクを替える3周前から「これならスリックのほうがいいんじゃないか?」と考えていて、ミスの3周後にバイクを替えることになったんです。」


Q

「そもそもピットボードの意味合いというのはなんでしょう?ヴァレンティーノはサインが出ながら中々ピットインしなかったわけで、既にマルケスがスリックタイヤを履いて6、7秒も早いとわかっていながら あなたのチームはインターミディエイトタイヤを履いたタイヤを用意しました。」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ

「先ほども話したようにトラックの中で走っていると、何が一番良いのかというのはわかりにくいものなんです。特にレースをリードしているとなるとね。それに自分はスリックを履いて走るというリスクを冒す気にはならなかったんです。チームは自分にピットに入るように指示を出していたので自分はピットに入ったんですが、実はその一周前にチームはサインを出していたんです。ただ、そのサインを出すのが遅くて自分は見ていなかったんですよ。ですからピットボード自体見ていなくて、後ろのライダーとのギャップもわかりませんでした。ですから自分はピットインのサインを見た後にピットインしたんです。ピットからはラップタイムがどの時点で遅くなったかわかるわけですからピットインの指示を出すわけですけど、彼らは自分がホームストレートを通過した後にボードを出していたんです。それで最低でも2、3周分は失ったでしょうね。」


Q

「ターン1の前に2、3人のライダーをパスしましたよね。レディングを抜く際はアウト側から抜いて、左足を出していましたが(※ターン1のブレーキングの話であれば左足ではなく右足のはず)あれはレディングに対して最後に馬鹿な事はするなよというメッセージだったのでしょうか?」

カル・クラッチロー

「いやそれは右足ですね。自分はいつも右足をレイン以外は出して走るんです。(※ブレーキングで)あの時はフロントをロックさせてしまって、転倒するかと思ったので足を出したんです。確かにあれはレディングに蹴りをいれようとしているように見えたでしょうけどね。(※会場笑)自分が思っていたのは「クソっ!止まらない。ターン11で終わっちまうと思っていたんです。これは丁度ターン1の後ろあたりですけど。本当にいつもよりもブレーキングでもの凄くプッシュしていて、ブレーキングゾーンではさらにプッシュすることが出来たんですが、さらにリスクを冒そうと思っていました。」


Q

「ライダーとボックスのラジオコミュニケーションが、レースの安全性などを高めるとは思いませんか?」

マルク・マルケス

★MotoGP2016ドイツGP 決勝プレスカンファレンス翻訳

「いや。自分はそう思いません。200km/hでフルバンクしながら誰かと話をするなんて想像出来ません。もしレース前に良いプランを作っておけばそれで良いですし、自分達の場合はそれでクリアでしたね。自分達のチームの場合は2013年のオーストラリア(※タイヤ交換の規定周回後にピットインしたために失格となった)以降、こうしたケースについてしっかりと準備をしたんです。こうした事態についてしっかりと準備をして全てをコントロール下に置こうと努力をすればいいんだと思います。」(※横でクラッチロー選手とドヴィツィオーゾ選手、「うーんなるほど。。」という感じで顎をさする)

カル・クラッチロー

「クルーチーフ(※Beefyという単語を使っていますが、初めて聞きました。)が耳の中でしゃべくっているのなんて想像出来ますか?(会場笑)それは良いプランだとは思えませんね。さらに悪い事にはルチオが耳元でしゃべくっているなんてね。(※会場爆笑)正直に言って無いと思いますね。F1のキミ(※ライコネン)が話しているのを聞いた事があるでしょう。(笑)確かにアイディアはわかります。というのもピットボードを見なければね。今回自分はピットボードは見ていないんですが、ピットには遠すぎて見えないと今週に伝えてあったんです。自分はアンドレアのピットボードはずっと見えていてひたすらBOX(ピットインせよ)と出ていました。そこで「なんでこのバカどもはピットインしろって言っているんだろうな?」と思っていて、「このまま走る続けるんだよな?」と思っていたら彼がピットインしたんで自分もピットに入ったんです。(会場笑)マルクが話していたように自分達には十分な情報があってプランを練ることも出来ますし、ピットの連中はプロフェッショナルですから同様にプランを練ることが出来るわけです。プランとしては、もしピットインするならタイヤはどのタイヤで多分何周目にピットインするだとかね。マルクは今日はより多くのリスクを取って優勝したわけです。」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ

「もしラジオがあれば全てを管理するのが簡単になるでしょう。それに安全性も高まるかもしれません。ただ自分達のスポーツはフォーミュラー1とは異なるスポーツです。ですから現状のままが良いと思います。ただもし、レースの間に戦略だとか意思決定について話し合うことが出来れば、誰にとっても素晴らしいと思います。ただ、いかなる場合でも今の形を維持するのが良いと思いますね。」


Q

「アッセンの後ではロッシやロレンゾがどういうレースをしていたのか全くわからないと語っていましたが、今日はいかがですか?」

マルク・マルケス

「ヴァレンティーノは前にいましたけど、正確にはポジションはわかりませんでした。自分のプランとしてはヴァレンティーノに対してポイントを出来る限り多く失わないようにするというものでした。というのも彼はレインコンディションでは速いということがわかっていましたからね。その後、彼が離れていくのがわかったんですがミスをしてしまい、完全に集中を失ったわけではないですがリファレンスとなるものがなくなりました。それでその後は完全に自分のレースをしようと思ったんです。ロレンゾが後ろにいるのはわかっていましたけど位置はわからずでクレイジーなレースでした。フラッグtoフラッグだと何もわかりません。何周か走った後にポジションが決まっていくわけです。」


Q

「今朝転倒がありましたが、あれはレインだった際の危険信号のようなものだったんでしょうか?」

マルク・マルケス

「あれはまぁ自分のミスでしたね。問題があったアッセンと較べて大きな変更をしたんですが、それがあまり機能していなくて「これじゃないな」と感じました。ただその後もう1周走ってみようと思い、タイヤを温めて走っていい感じになりました。最初のミスはこれです。その後リアが滑ってどんどん外側に膨らんでいってホワイトラインに向かっていくのが見えた後は一瞬でした。ラインに触れた瞬間にハイサイドのような感じでした。ただラッキーでしたね。グラベルに突っ込んだ時のスピードはかなりのものでしたからね。バイクも自分に向かって飛んできましたし。こういった転倒の後に無事であったのは本当にラッキーだったと思います。


Q

「3人に質問です。アッセンではミシュランのフロントタイヤは少し硬すぎたように思えますが、今日のタイヤの感想はいかがでしょうか?3週間前に較べて向上が見られますか?」

マルク・マルケス

「ええ。ミシュランは本当にソフトなタイヤを持ち込んできました。アッセンはミシュランにとって初めてのMotoGPのレインコンディションのレースで、これは非常に硬かったんです。ここではソフトコンパウンドに加えてエクストラソフトコンパウンドタイヤが導入されました。エクストラソフトはあるライダーには今朝の段階で機能しているように見えたので自分達もこれを選んだんですが、レースでは柔らか過ぎました。これで今や幅広いレンジのタイヤがあるわけですよね。」

カル・クラッチロー

「アッセンの後ではリスタート出来ませんでしたけど、ミシュランが今回持ち込んだエクストラソフトは柔らか過ぎましたね。自分の場合はテストすらしませんでした。自分のレインでの乗り方では使うのは無理だとわかっていましたのでね。ただ自分はスタートで16位でしたから犠牲を払っているんです。ハードタイヤは機能するまでに時間がかかりますし、バイクに乗っているだけもリスクが高いんです。これは皮肉ですよね。ただ中盤になってプッシュし始めるともう駄目でした。それまでにタイヤを既に使ってしまっていたんです。前回のラウンドよりは良いタイヤを持ってきてくれたと信じています。アッセンと同じタイヤではレースは出来なかったと思いますし、さらに転倒も多かったでしょう。ですから彼らは正しい方向に向かっていると思いますが、自分もまた向上出来ると思います。」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ

「ソフトなタイヤを持ち込んでくれたのは良い事だったと思いますが、ここでのグリップはゼロでした。通常ミシュランのリアはグリップがもの凄く高いんですが、今朝はリアにグリップが全くありませんでした。これは2008年にも似たよな事がありましたが、アッセンと比較するのは難しいですね。」


Q

「12ヶ月前のマルクとは全くことなりアプローチをしていますが、レースに対するアプローチの何が変わったのでしょうか?」

マルク・マルケス

「レースの場にいて難しく感じるバイクの場合だとあれですけど、冬に家にいる間だと、シーズンや自分ミスについて分析をより良く出来るんです。それにチームの経験や自分の周りにいる人、そしてホンダの経験も活かせますし、彼らの話を聞く必要があるんです。もちろんトラックにいる間はリスクを冒す必要もありますけどね。2度チャンピオンシップで勝利していても他の意見を聞いたほうが良いですし、そこから学ぼうとする事が必要なんです。」


Q

「昨日の段階でトラックで4番目に速いと語っていましたが、これはこれまでと比べると大きな向上だと思います。これは単純にこのトラックだけのことなのか?何か新しいパーツを得たのか、それとも今までとパーツは同じなのか?何が良かったんでしょう?」

カル・クラッチロー

「いや単純に今週は良い形だったということです。アッセンで向上を遂げる事が出来て、それを今回持ち込んだんです。予選は失敗したとは言え、ユーズドタイヤを使用していると他の選手がユーズドタイヤをどの段階で使用しているかなどわかるんですが、その時点で自分達が4番目に速いというのがわかっていたんです。ですからこうしたコメントをしたわけです。でも結局今日は自分は2番目に速いライダーだったわけですから、2位順位を上げたわけですね。自分達はホンダと密接に働いていますし、マレーシアでミシュランタイヤもエレクトロニクスも少し試しましたしね。彼らはマルクやダニと同様に自分のコメントもしっかりと聞いてくれますし、自分達もメーカーとして一緒に向上していこうとしているんです。LCRもそうです。ファクトリーチームが使うパーツを使えるまでに少し時間があるのは確かですが、大きな違いはありません。本当に少しの違いなんです。マルクが自分のバイクに今日乗っていたとしても優勝出来たと思いますよ。チャンピオンシップにいる選手達はファクトリーバイクに乗れば簡単に勝てると思っているようですけど、けしてそんなことは無いんです。」