★MotoGP2017 KTMはスクリーマー型エンジンで戦うべきか?
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KTMは来シーズンで唯一スクリーマー型エンジンを使用すると言われています。このエンジン型式が今シーズンホンダを苦しめた要因でもあったわけですが、カリオ選手はエンジンよりシャーシが問題と語り、スミス選手は特に問題は無いだろうと語っています。しかし頭脳派のスミス選手が語る言葉には重みがありますね。 (Photo courtesy of michelin)
ホンダがビッグバンスタイルのエンジンに来季以降したことで、KTMだけがスクリーマー型エンジンを来季使用することになる。今年はマルケスがタイトルを獲得したが、彼と他のホンダライダーはコーナー立ち上がりのウイリーにずっと苦しんでいた。アグレッシブなパワーデリバリーのバイクを手懐けるのは、フィジカル面でも多くを要求するものであった。
木曜日のヘレスのプライベートテストでCrash.netはKTMのテストライダーであるミカ・カリオ、ブラッドリー・スミスと話をする機会があった。その中で、彼らのスクリーマーとビッグバンに対する意見を聞くことが出来た。
”バイクにしがみついて祈る”というようなスタイルは、スクリーマー型のエンジンに時折見られるキャラクターだ。カリオはRC16を今年のバレンシア最終戦で走らせており、この時パワーを開放する際に何か問題は無いのかと聞かれて次の用に答えた。
ミカ・カリオ
「何がベストなエンジンのスタイルなのかということは、確かに自分達も考えていたことです。多くのバイク、過去のバイクのエンジンなどと比較すると、今はビッグバンスタイルのエンジンでボトムからのパワーとトルク、加速を重視しているように思います。タイヤライフを維持し、コーナー立ち上がりのグリップを見つけるという方向です。どちらがベストかと言うのは明確には言いにくいです。現状ではグリップを見つけるのに苦戦しています。ただ、これはエンジンのせいではないと思います。これはエンジンよりシャーシとスイングアーム、リンケージの問題だと思います。来年エンジンをどうするのかというのは、自分の決定ではありません。この次のテストではいくつかのエンジンの開発を行うでしょう。これは興味深いですけど、現状では問題はエンジンよりもシャーシ側からきているように思います。」
Q
「RC16のビッグバンエンジンは試した事があるんでしょうか?」
ミカ・カリオ
「いえ。シーズンの始めに多少違うエンジンを試したんですが、今までのところ自分達が使っているエンジンがベストだと思いますし、最もテストをこなしているエンジンです。」
ポル・エスパルガロと共にテック3ヤマハからKTMに加わったブラッドリー・スミスは、スクリーマー型のエンジンのコントロール性に関しては、あまり気にしていないと言う。
ブラッドリー・スミス
「もしヘレスが最もスリッピーなトラックだとして、ホイールスピンに関しては間違いなく最多のトラックでしょう。そして今の自分達の状況を考えると、ハッピーだと言えます。自分達はこのエンジンをいかに手懐けるか、正しいエリアで働かせるかを学んでいます。明らかにこれは明確なパワーバンドを持っていますから。これは自分とポルにとっては全く異なることです。自分達はヤマハの実にスムーズな直列4気筒エンジンからやって来ましたからね。ただ、このエンジンは弱さと同時に強さもあります。そしてこのトラックがスケジュールの中で最もスリッピーなトラックであるとしたら、それを念頭に入れておけばどこへ行っても問題ないでしょう。ですから作業を続けていきます。まだまだやるべき事は多いですからね。」
KTM、ホンダ、DucatiとアプリリアはV4レイアウトを使用しており、ヤマハとスズキは直列4気筒エンジンを使用する。点火間隔にしてもRC16はユニークで、チューブラースチールフレームであることと、WPのサスペンションを使用していることもユニークだ。
「KTMのDNAはチューブラースチールフレームとWPのサスペンションですから、心配はしていません。WPのサスペンションでは勝てないという言葉は、Moto2、Moto3での勝利で間違いであったと証明されています。Moto3ではシャーシがさらに重要でしょうし、今シーズンブラッド・ビンダーがシリーズを席巻していましたよね。ですから、KTMが素晴らしい仕事をしてくれるでしょう。彼らが今までに成し遂げた事は素晴らしいですし、自分からのインプットでさらにこれが良くなっていくと嬉しいですね。」