気になるバイクニュース。

世界のバイクニュース、MotoGP最新情報、各メーカーの新車情報などを紹介しているブログメディアです。

★アプリリア最新エンジンを紐解く

Sponsored Link

アプリリアのRSV4に関するちょっとした読み物があったのでご紹介。MotoGPでは今のところ存在感の薄いアプリリアですが、WSBKでは登場してあっという間にタイトルを獲得したように、2016年登場の新型マシンは最初からそこそこ速いんじゃないかなと思います。

f:id:teletele916:20150428092720p:plain

アプリリアのRSV4に搭載されている1000ccのV型4気筒エンジンが、最も成功したエンジンの1台であることに関して疑う余地はないだろう。これは65度狭角のエンジンであるが、V4エンジンとしてのプライマリー、セカンダリーバランスを考慮すると理論上は良いとは言えない作りをしている点がユニークだ。

 アプリリアはこのエンジンにおいて機械としての効率性をある程度諦めるかわりに、合理性を追求している。結果としてこのマシンはWSBKの世界でワールドチャンピオンシップを獲得。要因としては優れた電制、カセットタイプのギヤボックスなどがある。2015年の新しいルールはこうしたアドバンテージを禁ずるレギュレーションとなったために、アプリリアはその技術をMotoGPでさらに開発する道を選んだ。

f:id:teletele916:20150428092751p:plain

RSV4をベースとしたCRT機をプライベートチーム向けにMotoGPに持ちこみ、プライベートチームの中では最高のパフォーマンスを発揮したわけだが、2年前のこの動きは大胆だったと言える。2015年はアプリリアはMotoGPで必死に他のチームに追いつこうとしており、スーパーバイクではレオン・ハスラムが優勝に向けて戦っている。

f:id:teletele916:20150428092831p:plain

実際のところ、アプリリアのMotoGPマシンとスーパーバイクマシンは、同じRSV4のエンジンから派生したものだ。GPバージョンの大きな違いは拡大されたボアとストロークだ。これは実に78mm x 52.3mmから81mm x 48.4mmまで拡大されており、同時にニューマチックバルブ、ハイカムも搭載している。しかし2016年からはMotoGP用マシンのエンジンは一新され、RSV4をベースとしたものではなくなる。エンジンの狭角はワイド化され、おそらく75度付近になると予想される。これは90度狭角のエンジンよりもコンパクトでありながらプライマリー、セカンダリーのバランスを整えることで、GPマシンに必要とされる16,000回転以上の回転域においての効率化を達成するものだ。

(※90度狭角であってもV型4気筒における最高のバランスとは言えないが、プライマリー、セカンダリーのバランスは限りなく最高に近くなり、最高の効率性を求めるメーカー、例えばDucatiなどは90度狭角のエンジンを使用している。)

 

RSV4エンジンに話を戻すと、アプリリアのR&D部門はまだRSV4エンジンからは馬力を引き出せると考えており、実際に新しいRSV4RRは201馬力に到達している。これは既存モデルからは16馬力ものパワーアップであり、78mm x 52.3mmのボアxストロークはそのままに、エンジンのその他の部分は殆ど改められている。新しいCNCマシンによってエンジンの吸排気、燃焼室などがさらなる高精度で作成されるようになったのだ。圧縮比は13.0:1から13.6:1に改められ、チタン製の吸気バルブは32mmから33mmに拡大、26mmの排気バルブもチタン製となった。


バルブ角は22度と変わらず、カムシャフトのプロファイルは完全に新型となった。クランクシャフトアッセンブリーは850グラムも軽くなっている。これによりエンジンは軽快に吹け上がるようになった。スロットルボディは48mmで、2つのインジェクターを搭載している。

f:id:teletele916:20150428092926p:plain

最近登場した1100ccの新型TUONOはそこまで洗練されていない。ボアを81mmまで拡大されており、RSV4RRと同様に850グラム軽量化されたクランクシャフトアッセンブリーを搭載している。バルブはステンレス製でRSV4ファクトリーと同じ吸気32mm、排気26mmのものを搭載している。このバイクの圧縮比についてアプリリアは今のところ公表していないが、どう考えても12:1を下回る事はないだろう。

私が思うに、アプリリアはこのRSV4エンジンに関連したモデルの展開に注力するべきであり、同じく素晴らしいRSV4RRのシャーシを使用したスポーツモデル、もう少しフレンドリーで扱いやすく、乗車姿勢も楽なモデルなどにも期待したい。

www.cycleworld.com