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★MotoGP2016カタールGP 決勝プレスカンファレンス翻訳

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決勝プレスカンファレンスの翻訳をお届けします。スタート前は一様にタイヤのグリップがレース距離でどのように変化するかを気にしていたライダー達ですが、終わってみればソフトのリヤタイヤに決勝で変更したロレンゾ選手が、20周目に最速タイムを記録し、同時にサーキットレコードを更新しました。タイヤに関する印象に関しての質問への解答では、さすがに高い分析力が評価されているドヴィヅィオーソ選手のコメントが一番詳細です。

パルクフェルメでのパフォーマンスに関するロレンゾ選手からの明確な解答はありませんでしたが、「トラック上で語る」という言葉から察するに、契約更新に関する噂話、ロッシ選手からのFP4に関する非難に関しては「ごちゃごちゃ言うな。トラック上のパフォーマンスで語れ。」というようなメッセージのような気がします。が、あくまで管理人の勝手な推測です(笑)

ホルヘ・ロレンゾ

★MotoGP2016カタールGP 決勝プレスカンファレンス翻訳

「最後の3ラップはアンドレアからのプレッシャーがありましたが、マルケスがドヴィヅィオーソを抜いた後に差が1秒にまで広がったので、少し安心しました。」


ニック・ハリス

「未知の世界へ足を踏み入れるという感じで3人とも注意しながら走っていると感じましたが。」

ホルヘ・ロレンゾ

「イアンノーネとドヴィヅィオーソがリードしている時はそこまでペースは速くなくて、アンドレアもいくつかのコーナーでタイムを失っている状況でしたので、勝負かけてコースの中ほどで抜くことが出来ました。その後最終セクターにかけてギャップを開き、ストレートで彼に抜かれないようにしました。これが鍵でしたね。他の部分ではペースを上げても彼は自分についてきていましたからね。0.3秒とか0.5秒差でずっと後ろにつかれていて彼を振り切る事が出来ずにいたんですが、気持ちを強く保って、もっと速く走れると自分を信じて走りました。自分をこうして信じる気持ちのおかげでレースに勝利出来たんだと思います。これは自分のキャリアの中でもベスト3に入るレースですね。」


ニック・ハリス

「タイトル防衛、そして新しいシーズンのスタートに完璧なスタートですね。」

ホルヘ・ロレンゾ

「表彰台でシーズンをスタートするというのは本当に重要ですね。過去2年間は2014年は転倒して0ポイントでしたし、その後からシーズンをスタートする形になって自信ももてませんでしたし落ち着いていることも出来ませんでした。それに昨年は表彰台圏外でのスタートになりましたし。ですから良い形でスタートして自信を持つこと、ポイントをリードする事が重要ですね。」


ニック・ハリス

「ホルヘありがとうございました。それではドヴィヅィオーソ。2位となりましたが、昨シーズンの終わりから考えると嬉しい結果でしょう。」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ

★MotoGP2016カタールGP 決勝プレスカンファレンス翻訳

「昨年は優勝を争っていましたが昨シーズンは良い形で終えることが出来なかったという事を思いだす必要があって、フィーリングも良くありませんでした。テストの後にチームの体制も少し変わったり色々な作業をしましたが、この結果をチームとDucatiに感謝したいと思います。テストを通して少しづつフィーリングを向上させていって、フィリップアイランドからバイクのフィーリングが良くなってきました。ただ周りのライダーのペースが物凄く速かったですから、自分達が初戦で競争力があるとは思われていなかったようですね。カタールのテストも良いフィーリングで行なう事が出来ました。今回の結果は去年の積み上げだと感じていて、バイクは昨年よりも良いですしバランスが取れています。昨年のように完全に新しいバイクというわけでもありませんし、自分達もこのバイクの事をよく理解しています。他のトラックで自分達の本当のポテンシャルがどの程度なのかを理解する必要がありますね。ただフィーリングはとても良いですし、レースの中で非常に多くの興味深い事実に気付くことが出来ましたから、次のレースに活かせると思いますね。」


ニック・ハリス

「チームメイトとのレース序盤のバトルもありました。」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ

「ええ、かなりアグレッシブなバトルでした。ただああいう形になったのもレースですし、レースの序盤をしっかりとコントロール出来たのは嬉しいですね。リヤタイヤのライフが未知数だったので100%ではプッシュはしていなかったんですよ。ロレンゾのリヤタイヤは終盤には完全に終わってましたからね。ですから自分は序盤にはプッシュはしなかったんです。とは言えレースのコントロールに関しては満足しています。特にコーナーの入り口と出口でのスライドをコントロールするのは非常に難しかったんですよ。まぁこれは皆にとっても初めての実戦テストと言えますからね。」


ニック・ハリス

「ドヴィヅィオーソありがとうございました。それでは次にマルク・マルケス。今日は非常に嬉しいでしょうね。特に冬はとても辛い状況でしたよね。ここでの練習走行もそうでしたし、表彰台を獲得出来たというのは最高の気持ちでしょう。」

マルク・マルケス

★MotoGP2016カタールGP 決勝プレスカンファレンス翻訳

「ええ。特に冬は本当に大変でした。レースに向けて良いパッケージを作り上げるために、本当にチームが頑張ってくれました。最終セクターでかなりロスしている状況でしたので、最終セクターのどのコーナーでロスが大きいかなどをしっかりと調べたんです。結局レースでもそこでかなりロスはしてしまったんですが、ドヴィヅィオーソを抜くのが本当に難しかったですね。とは言えホンダとチームの作業には本当に満足しています。彼らも100%で作業をしてくれ、自分もトラックで100%の力で走りました。2週間前には彼らからは1周あたり1秒も遅かったんですからね。今日はホルヘから数秒遅れで3位という状況ですから、表彰台に帰ってこれて本当に嬉しいです。」


ニック・ハリス

「タイヤの選択が非常に重要でしたが、タイヤマネジメントも必要だったと思いますが。」

マルク・マルケス

「タイヤの選択は自分にとっては簡単でした。フロントのソフトタイヤは自分のライディングスタイルだと3周で終わってしまうので、ハード以外に選択肢がなく、リヤにしてもコーナーエントリーでタイムを詰めるという自分のライディングスタイルではレースディスタンスで保ちません。ですからハード/ハードで走行したんです。レースの中でチェックしていたところ、ロレンゾもDucatiもリヤはソフトでしたので、レースの最後にはタイムが落ちるかと思っていたんですが、逆にレース終盤になって彼らのタイムは速くなってしまいましたね。」

ニック・ハリス

「マルクありがとうございました。開幕戦トップ3人のコメントでした。それではフロアからの質問をどうぞ。」


Q

「今年からミシュランタイヤを使用しているわけですが、どのような感想を抱いていますでしょうか?」

ホルヘ・ロレンゾ

「まずはミシュランはフロントタイヤに関して素晴らしい仕事をしたと思います。最初にテストした時はフロントタイヤに多くの問題があって転倒も多発しました。それにどこに限界があるのかを理解するのが非常に難しかったんです。この前のテストから新しいフロントタイヤを使用する事が出来て、フィーリングも良くなっていましたし限界もわかりやすくなっていました。ですからミシュランの作業を祝福したいですね。またリヤも最終的には良いコンディションで完走することが出来るようになりましたね。確かにタイヤのグリップは落ちますけど、ほとんど同じペースで走行する事が出来ます。トップ4人のそれぞれ異なるタイヤでもそれが言えると思います。」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ

「昨年とくらべて凄く良くなりましたね。フロントは特にそうで、これはすべてのライダーにとって嬉しい点です。ただ自分はこれはどのようにタイヤをマネジメントするかだと思っています。どちらのタイヤもとても良いんですが、特性が異なるんです。バイクをそれに合わせる必要があってライディングスタイルも同様ですね。自分に関しては昨年よりレース全体で7秒速いわけですから、彼らは素晴らしい仕事をしたんだと思います。」

マルク・マルケス

「彼らの意見と同じでミシュランは素晴らしい仕事をしたと思います。新しいタイヤを試す時は転倒が多発したり、いろんな意見が出るものです。ただブリヂストンのタイヤにバイクを合わせるのにも多くの時間がかかったわけですから。バランスも良いですしラップタイムも速いですし、1周のタイムもそうですし、レース全体でもコンスタントな走行が出来ます。とにかく彼らの仕事には感謝したいですね。バイクの上で快適ですし、皆このタイヤで走るのを楽しんでいると思います。」


Q

「もう1つタイヤに関する質問ですが、今はどのようにタイヤを使用するようになっているのでしょうか。コーナー進入でのブレーキング、その後の加速などについて説明してもらええるでしょうか?」

ホルヘ・ロレンゾ

「ミシュランが最後に持ち込んだフロントタイヤであれば、ブリヂストンのフロントタイヤにかなり近い感触でブレーキングをする事が出来ます。リヤも多くのトラクションを感じますし。グリップの落ちかたはブリヂストンとは異なりますが、バイクのスライドやスロットル操作に関しても正確性が求められます。ただラップタイムに大きな差はありません、最初のテストの時のような大きな差はありませんね。」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ

「フロントの感触は異なりますね。ただレースの中で終盤にはハードブレーキングが出来ますね。ですからこれはとても良い点です。リヤのグリップの低下は大きいですが、最大の理由はエレクトロニクスだと思います。最大リーンアングルでのエレクトロニクスの介入が少ないですから、タイヤを余計に使ってしまっているんです。ラップタイムを詰めようとして最大リーンアングルでのスロットル開度が大きくなりますからね。これがレース終盤になってタイヤのグリップが大きく落ちる理由だと思います。でもラップタイムは悪くないんです。ですから良い塩梅のミックスだと思いますね。」

マルク・マルケス

「そうですね。自分の場合はTVで見てもらったとおり、あまり変わりません。コーナーエントリーでもプッシュしますしスライドもしていますし、ブレーキングにしてもブリヂストンと同じか、それよりもレイトブレーキングになっています。多分限界はあるんでしょうけど、こういうライディングをしないと彼らにはついていけませんから。ですから自分に関してはあまりライディングスタイルも変わっていませんね。タイヤのグリップの低下は異なりますから理解は必要ですけど、バイクのバランスだとかライディングに関しては同じですね。」


Q

「最速タイムをレースの最後になって記録し、チームメンバーの中にいたミシュランのクルーを祝福していましたが、今日のタイヤの選択は勝利に大きな影響がありましたでしょうか?」

ホルヘ・ロレンゾ

「自分が彼を祝福したのではなくて、彼が自分を祝福してくれたんですが。。(※会場笑)とにかく自分も嬉しかったし、皆も嬉しかったんですよ。でも彼はハードタイヤを使いたがったんですよ。(※会場笑)ですから自分の選択によって勝利は出来たんですが、彼も嬉しかったし、自分も嬉しかったし、勝利をとにかく喜びました。将来的に彼がタイヤの選択を助けてくれる事もあると思いますが、(※会場笑)今回は自分が正解でした。でも仲良くやってますよ。」


Q

「マルケス、今日の勝利は冬の間あなたとチームがフロントの問題について作業を続けてきた結果だと思いますか?」

マルク・マルケス

「冬の間は本当に大変でした。テストでも8位だとか10位だとか、タイムにしても1秒だとか1秒半も遅くて、正直心配していたんです。でもけして諦めませんでした。問題は山積みだったんですが、チームも懸命に作業を続けてくれましたし、ホンダも日本でサポートを続けてくれました。正直言って今日は4位くらいだと思っていたんです。それで次はアルゼンチンだなと思っていたんですよ。でもレースの中でここまで来たら2位を狙ってやろうと思いました。レースの中では心の中でエミリオが「マルケス!レースを完走するんだ!」と言っているのと「自分でマルケス、アタックしろ!」と言っている2つのメンタリティで走っていました。」


Q

「ホルヘに質問ですが、今日Ducatiとかなり近くで走ってみて、この先数日の間に決定しなければならない意思決定に影響はありましたか?」(※ドヴィヅィオーソ選手横でニヤニヤ。)

ホルヘ・ロレンゾ

「いえ。影響はありません。今日レースで起きたことは関係ありませんね。25ポイント確保したことと、多くの自信を得たということだけです。まだ将来については決めていません。」


Q

「パルクフェルメでバイクの上で、手を口元にやったジェスチャーは「誰かに喋るのをやめろ」なのか、誰か個人に対してのジェスチャーなのか、どのような意味なのでしょうか?」

ホルヘ・ロレンゾ

「いえ。特に大きな意味はありません。他に言える事は無いですし、トラックの上で自分は語るのみです。」


Q

「ホルヘに質問です。今日のタイヤ選択のギャンブルはどの程度大きなものだったのでしょうか?」

ホルヘ・ロレンゾ

「ミシュランがソフトタイヤはハードに比べて動きが多いと言っていたんですが、パフォーマンスはほとんど同じでしたね。実際ウォームアップでは自分は遅かったですから、それにソフトを履いているライダーが自分よりも速かったのを見て、この選択をしようと思ったんです。ですからバイクに何かおかしい点があると感じて、ソフトタイヤを選んだほうが良いと感じたんですよ。」