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★MotoGP2016アメリカズGP 決勝プレスカンファレンス翻訳

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オースティンのCOTAで行われたアメリカズGPの決勝プレスカンファレンスの翻訳です。冬季テストで苦戦したマルケス選手にはそこからの進化についての質問が集中しましたが、意外とロッシ選手の転倒に関する質問は少なめでした。ロレンゾ選手はプレスカンファレンスの度にミシュランタイヤに関しての宿題を出しているような感じもしますが、最高のパフォーマンスを追求する為にはこういう関係性は大事だなと感じます。

★MotoGP2016アメリカズGP 決勝プレスカンファレンス翻訳

ニック・ハリス

「マルク、すべてが予定していたような形で進んだといえるでしょうか?」

マルク・マルケス

★MotoGP2016アメリカズGP 決勝プレスカンファレンス翻訳

「簡単なレースではありませんでした。ウォームアップでは他のライダーと同じくミディアムコンパウンドを使用したんですが、良い感触ではありませんでした。そしてレースではチームとミシュランのエンジニアの助言もあってフロントにソフトコンパウンドのタイヤを使用しました。レースでは限界で走行するので疑問を感じていたんですがソフトを選択し、そのメリットを活かすべく序盤に攻めてギャップを開く事を意識しました。いつグリップが落ちて行くのかがわからなかったので終始プッシュして走りました。でも残り5周くらいで、フロントタイヤの挙動が乱れてきてしまいました。それでペースが2分5秒台になってしまい、最終的には6秒台にまで落ちてしまいました。ですからレースの最後まではタイヤは保ちませんでしたね。」

ニック・ハリス

「あなたの後ろでは大きなドラマが起きており、ヴァレンティーノ・ロッシも転倒してリタイアしましたが、それはレース中に伝えられましたか?」 

マルク・マルケス

「いいえ。それは知りませんね。2位ライダーとの差だけ知らせてくれとお願いしていたんです。本当に今日は集中していて2位のドヴィ、ホルヘとの差だけを見ていました。徐々に差が広がるのを見ていました。その後パルクフェルメに戻ってきて、ペドロサがドヴィと共に転倒したこと、ヴァレンティーノの転倒なども聞きました。3戦終わってこのポイント上の差を利用しない手はありません。これからはヨーロッパでのレースでホルヘはどのトラックでも本当に強いですが、自分達も改善を続けていきたいと思います。」

ニック・ハリス

「21ポイントの差を3戦終わって持っているわけですが、カタールでの段階では信じられないでしょうね。」

マルク・マルケス

「そうですね。本当に嬉しいですね。プレシーズンでは本当に苦労しましたから。カタールではトップとの差は大きかったわけです。アルゼンチンでは勝利しましたが、あれはフラッグToフラッグのレースでしたからね。今回は普通のレースでの優勝ですから本当に嬉しいです。ホンダの事を信頼しているという事が本当に大きな要因だと思っていて、彼らは本当に懸命に作業を続けてくれています。そしてチームもそうですね。スタート直後にヤマハとDucatiにあっという間に抜かれてしまったようにまだ加速の面で改善が必要ですが、将来的に改善出来ると思います。」

ニック・ハリス

「マルクありがとう。それではホルヘ。20ポイントを獲得してヨーロッパに向かう事が出来ますね。」

ホルヘ・ロレンゾ

★MotoGP2016アメリカズGP 決勝プレスカンファレンス翻訳

「本当にレースを完走出来て嬉しいですね。今日はトラックのコンディションが本当に複雑でした。ウォームアップで転倒してしまったので、自分自身に戦闘力があるんだと納得させるのが大変でした。でもポジティブに考える事に成功しました。ただ、問題としてはバイクを止める事が出来なくて、1コーナーで失敗してしまいました。もう少し速く走りたかったんですが今日は難しかったですね。ペースがどんどん落ちてしまって、7周目、8周目くらいで優勝争いは厳しいなと感じました。今日はとにかく2位で完走することに集中して走行しました。数人ライダーの転倒もありましたし、今年はこういったミスが多く起きるかもしれませんね。自分は既にアルゼンチンで転倒していますから次の転倒は起こさないように気をつけ、マルクとの差を詰めていきたいと思います。」

ニック・ハリス

「ターン1とターン11では大きくはらんでいましたね。」

ホルヘ・ロレンゾ

「今週はブレーキングに関して自信があったんですが、今日はハードのリアタイヤとフルタンクの状態で同じように止まることが出来ませんでした。コーナーで近づいてはワイドにはらんでしまいました。カタールでは自分が想像していたよりも速く走れましたし、ここでは逆のことが起きましたし、こういう事は起こりえますよね。」

ニック・ハリス

「昨年はヘレスから快進撃が始まりましたが、楽しみでしょう。」

ホルヘ・ロレンゾ

「ええ。チャンピオンシップ現在2位という事は素晴らしい事です。ロッシとドヴィヅィオーソとペドロサが転倒しましたから、今のターゲットはマルケスただ1人です。ここに来る前は29ポイント差だったものが21ポイントになりました。ヨーロッパラウンドではミシュランタイヤとエレクトロニクスで違いを出せると思いますので、この理論が実現すること願っています。」

ニック・ハリス

「ホルヘありがとう。それではイアンノーネ。これが今シーズン初めてのポイント獲得となりました。今週は非常にタフだったと思いますが、最終的には表彰台を獲得することが出来ましたね。」

アンドレア・イアンノーネ

★MotoGP2016アメリカズGP 決勝プレスカンファレンス翻訳

「この表彰台獲得は本当に嬉しいですね。最初の2つのレースの後は、これが今の自分のキャリアでも最悪の時だなと感じていました。多くの人からの非難だとかプレッシャーが自分に集中していましたので、本当に大変でした。今週がスタートした時は練習走行に集中して、とにかくバイクを上手く操縦することだけに集中しました。練習走行ごとに結果を向上させる事が出来ました。バイクへのフィーリングも良かったですね。レース自体はスタート位置が3列目と悪かったのもあって1コーナーが非常に難しい形になりました。それにダニと接触もしてしまいましたし、2コーナーではアレイシとも接触がありました。とにかく今の状況は自分達には良いと言えるでしょう。」

ニック・ハリス

「ありがとう。それではフロアからの質問をどうぞ」

Q

「ミシュランタイヤに関しては最初の2レースで批判的な態度だったと思います。アルゼンチンの後では必ず良いタイヤを持ち込む必要があるというコメントもしていましたが、このレースの後ではどのように感じていますか?」

ホルヘ・ロレンゾ

「ミシュランが新しいタイヤを持ち込むという事に関して、少し怖いなと感じていました。もう少しウォームアップにかける時間が必要かとも思っていましたが、それほど違いはありませんでした。でも未だにセパンやアルゼンチンでの出来事に関する理由はわからないわけですよね。ミシュランはこのタイヤであればさらに安全だと思ったわけでしょうが、ライダーはそれを受け入れてこのタイヤでやっていく形になったわけです。彼らが持ち込むタイヤはどんどん良くなっているものの、今だにフロントからの転倒は多いですし、過去数年フロントタイヤに感じていた絶対的な安心感はないわけです。今まではフロントが滑ってもリカバリー出来ることもありましたが、このタイヤではフロントが滑ると高い確率で転倒してしまうわけです。これがこの先改善を目指すべきポイントではないでしょうか。」

Q

「今日もフロントから転倒が多く、ロッシも転倒していました。このタイヤの限界で速く走るためにはどうしたら良いのでしょうか?」

マルク・マルケス

「タイヤに関しては常に限界でのコントロールになるわけですが、基本的には昨年のデータなどを参考にするわけです。ただ今年に関しては違うタイヤでライディングスタイルも違うということを理解しないといけません。自分も初日はブリヂストンと同じブレーキングポイントでブレーキをかけたところ止まることが出来なかったんですが、このタイヤは違う形で働くんだという事を理解する必要があります。ある点ではブリヂストンよりも劣る部分があり、ある部分では優れている部分があるんです。自分もチームと共にこれを理解しようとしていますし、最も重要な事はフロントに関してもリアに関しても多くのオプションでレースが出来たということです。彼らは本当に懸命に作業していて、ここにアルゼンチンのような事が起きないように新しいタイヤも持ち込んだわけです。タイヤの限界を見つけるのは本当に難しいと思います。レース前にミシュランの技術者と話をして、「今日フロントにソフトを選んだとすると12周から15周は大丈夫だと思うが。。」という話があり、14周目からフロントが暴れるようになってきてしまいました。ただ最初の14周は完璧でしたね。こうした事を理解することが必要なんだと思います。」

ホルヘ・ロレンゾ

「このフロントタイヤに関してはピンポイントで完璧なパフォーマンスを発揮するように感じます。例えば燃料が満タンだとタイヤが上手く機能しないなどですね。あとは気温もありますし、リアにソフトを選んだとするとフロントがそれほど切れ込まず、ハードタイヤだとまた挙動が変わりますしね。ですから自分のコンディションを理解すること、細かい事柄に気を使っている事が重要になると思います。ブリヂストンの場合はフロントタイヤがカバーするエリアが広かったのかなと思います。」

アンドレア・イアンノーネ

「自分もマルクと同じように感じます。特に今年は最初の練習走行ではブレーキングポイントを同じ位置で試してしまうものです。ただこのタイヤは完全に違うタイヤですから、このタイヤを理解することが本当に大事です。セッティングなども変更する必要がありますが、来年からはさらに良い形で作業が出来るでしょう。ただ冬の間に多くの向上がありましたので、ミシュランタイヤには本当に感謝しています。自分にとってはいい方向にタイヤが進化していますし、初めてのレースというのは誰にとっても難しいものですからね。」

Q

「Moto2ライダーはトラックコンディションがとても滑りやすかったと語っていますが、昨日と違いはありましたか?」

マルク・マルケス

「自分は序盤かなり攻めていたのにタイムが伸びず4秒後半でした。昨日であれば4秒前半から3秒後半は出たんですよね。ただその中でもギャップは広がっていきましたので、トラックのコンディションは違っていたという事が言えるでしょうね。」

ホルヘ・ロレンゾ

「多分トラックが滑りやすかったいうこと、それにストレートでもスーパーバイクが吹いたオイルに乗らないようにラインを変える必要もありました。そういった事でトラックは滑りやすかったと思いますが、燃料タンクも満タンでしたし、そういった事がブレーキングで止まりにくいという事に繋がったんでしょう。」

アンドレア・イアンノーネ

「序盤は本当に大変でした。なぜかはわかりませんがウォームアップと感触が異なりました。1コーナーと11、12コーナーはグリップが特に低くて、バイクのスピードを落とすのが非常に難しかったですね。ただこれは皆にとっても同じでしたし、自分もこの状況もなんとかコントロールしようとしました。限界で走る事は本当に重要ですが、とにかく良い位置で完走出来て嬉しく思っています。」


Q

「マルケスからは11秒遅れという形での3位ですが、いつになればDucatiで初めての優勝を遂げる事が出来ると考えますか?」

アンドレア・イアンノーネ

「マルクはこのトラックで速いですし、今週もずっと素晴らしいポンテシャルを発揮していました。でも自分達もその差を詰めてギャップを縮めたいと考えているんです。自分が向上してもマルクはさらにパフォーマンスアップするというような形になってしまっています。今回は自分達にとって完走するという事が重要でした。11秒の差というのは本当に大きな差ですが、ヨーロッパラウンドではこの差を縮めることに集中したいと考えています。カタールでは本当に素晴らしいポテンシャルを持っていたと思うんです。このレースではホンダとマルクが本当に強い状況でしたが、なんとかそのギャップを縮めようと走行していました。」


Q

「冬期テストの段階で3戦を終えてチャンピオンシップで21ポイントのリードを確保しており、ホルヘが2番手につけていると聞いたら、クレイジーな話だと思ったでしょうか?」

マルク・マルケス

「そりゃそうですよね。セパンの初日では100%の力で走って、ホルヘから1.5秒も遅かったんですから。ただ重要なことはホンダとチームを常に信じていたこと。ただヨーロッパではトラックが狭いですし、異なる作り、そして異なる路面のサーキットになります。今は21ポイントのリードを活かしつつ、ホンダが日本で懸命に作業をしていますから、素晴らしい変化をすぐに持ち込んでくれると信じています。というのも昨年は本当に素晴らしい結果を得たいとお互いに考えていたわけですからね。」


Q

「今日は圧倒的なマルクの走りを見て、今回はチャンピオンシップで負ったダメージを最小化し、安全にレースを終えるという事を考えていたんでしょうか?」

ホルヘ・ロレンゾ

「アルゼンチンは本当に残念なレースでした。タイヤのこともウォーターパッチなどもあり落ち着いてレースが出来ませんでした。それに今日のように落ち着いて、「今日は勝てない」という事を理解することが出来ませんでした。あの後もある程度のペースで走行していればマーヴェリックや2台のDucatiが転倒したこともあって、ペドロサのように3位を獲得出来たはずでした。今日のように落ち着いてレースが出来なかったのは今までほとんど転倒も無かったですし、本来はもう少し落ち着いてバイクをコントロールすべきでした。これに関しては後悔しているものの、過去を変える事は出来ませんから。ただ今日は多くのライダーが転倒していましたが、自分は既に転倒していますから転倒を重ねないように注意して走行しました。それに勝利出来る感触があるトラックはいずれ訪れるということは分かっていますから。ですから今日の結果は本当に満足しています。転倒したとは言え21ポイント差というのは悪くありませんし、これからのトラックは自分も得意であり、バイクにも合っていますからね。」

Q

「アルゼンチンでのペナルティで、予選順位から3ポジション下からのスタートとなりましたが、それに関するあなたの訴えなどはどうなりましたでしょうか?」

アンドレア・イアンノーネ

「この前のレースは本当に最悪の形でしたし、自分もペナルティを受け入れて、スターティンググリッドが3つ下になるというのは良いペナルティだと感じたんです。今年はルールも含めて大きな変化がある年で、当然ペナルティ無しの順位でのスタートのほうが良かったですけどね。」


Q

「アルゼンチンやオースティンに持ち込んだ車両と比較すると、これからヨーロッパラウンドに持ち込む車両は良いものになると思いますか?」

マルク・マルケス

「ええ。毎回何かしらの新しい事を見つけているんです。エレクトロニクスであったり、バイクであったりステップ・バイ・ステップで良くなっています。今回はスタートでのエレクトロニクスに関しての作業でスタートが良くなりました。それに今回はアルゼンチンで見つけた事を受けてエンジンブレーキを改善しました。ホンダもハードに働いていて、金曜にはウイングを試したりフェアリングを変えたりもしました。間違った方向に行ってしまうことのリスクもありますが、今は正しい方向にいてこれからこの方向を信じて進化するんだと信じること。そしてこれからも同じ形で作業を進められると信じています。」