★Ducati パオロ・チャバッティ「ロレンソはまだ実力を発揮していない」
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Ducatiのスポーティングディレクターであるパオロ・チャバッティは、ロレンソ選手はまだバイクの特性を理解しようとしているところであり、全力で走っているわけではないと語ります。カタールテストでは新しいフェアリングは持ち込まないとも語っており、その言葉を鵜呑みにするのであれば、新しいカウルはシーズン開幕後に投入されるという予想も出来ます。
(Photo courtesy of michelin)
ウインターテストの3分の2が終わり、DucatiはGP17のコーナリングをスムーズにするためには、あと3日間しかない状態だ。初回のマレーシアでのテストは成功裏に終わり、新型のデスモセディチはドヴィツィオーゾ、ストーナーがその価値を証明し、最終日にはロレンソもスピードを発揮した。旧型のGP16でもバウティスタが存在感を発揮したが、フィリップアイランドにおいてDucatiの昔からの問題が顔を出した。それはまるで取り除くことが出来ないホクロのようなものと言える。
Ducatiスポーティングディレクター パオロ・チャバッティ
「マレーシアと比較するとオーストラリアでより多くの問題が発生しました。このエリアに関してはまだまだ作業が必要です。両ライダーのコメントは明確で、ビニャーレス、マルケスなどテストで最高の結果を発揮したライダー達と戦うには足りない部分があります。」
Q
「カタールテストの前までには作業する時間があります。カタールには何を持ち込む予定でしょうか?」
パオロ・チャバッティ
「チャンピオンシップが始まる前にも、チャンピオンシップが開幕しても開発は続きます。今はいろいろな要素に関する詳細を決定しているところで、全てバイクのフロントに関する作業となります。カタールに何を持ち込むかについては詳細を語る事は出来ません。」
Q
「ドヴィツィオーゾは繰り返し、バイクが彼が望むようには曲がらないと話していました。」
パオロ・チャバッティ
「彼の指摘は我々の作業をより良く評価するのに役立ちましたし、彼のコメントは将来の開発のために心に留めておきます。」
Q
「オーストラリアでのテストの難しさには驚きましたか?」
パオロ・チャバッティ
「明らかにそういう結果でしたが、新しいバイクを作っている時というのは、完璧ではない部分を改善していくというものですからね。フィリップアイランドの特徴が、我々のバイクのコーナリングでの難しさを強調しました。改善が必要なことはわかっています。」
Q
「この問題は特定のトラックに関連するものなのでしょうか?」
パオロ・チャバッティ
「別のトラックでは、また別の特性が強調されるでしょう。ただレースは18のトラックで開催されるわけで、我々はその全てで表彰台を獲得したいと思っています。コンスタントに競争力を発揮出来る解決策を見つける必要があります。」
Q
「バイクはライダーにマッチしている必要がありますが、今ロレンソは何と言っていますか?」
パオロ・チャバッティ
「バレンシアでの最初のテストに関しては部分的にポジティブでした。あのサーキットも特徴がありますからね。その後2ヶ月の冬休みの後にバイクに乗るというのは常に難しいものです。ただセパンもフィリップアイランドも楽観的な気分で後にすることが出来ました。ホルヘはバイクを理解する作業を続けていて、彼の目標は全てのディテールを把握することなんです。彼は実に理論的なライダーですから、最大限にプッシュする前に全てを理解したいんですよ。」
Q
「ということは、ロレンソはそのポテンシャルをDucati完璧に発揮しているわけではない?」
パオロ・チャバッティ
「まさにその通りです。彼はまだ余力がありますし、全力を出していません。彼は自分が必要としている自信を探しているんです。」
Q
「彼はチームとどのような関係ですか?」
パオロ・チャバッティ
「アメリカ人はスムーズと言うんでしょうね。全て我々が望んでいたように進んでいます。彼はクルーチーフのガバッリーニと残りのチームと上手くやっていますよ。」
Q
「彼の働き方は?」
パオロ・チャバッティ
「彼は恐ろしく正確です。理論的に多くを要求してきます。彼自身にも周囲に対してもね。彼がチームにいるというのは、我々にとっても素晴らしいモチベーションとなるんです。5度の世界タイトルを獲得しているわけですから、勝利を考えるのは当然ですよ。」
Q
「ライバルもただそこで待っていてはくれないわけですが。」
パオロ・チャバッティ
「ええ。非常に厳しいチャンピオンシップですね。ビニャーレスは皆が彼について言っていた事を証明し、彼のスピードとコンスタントさに驚いた人もいるでしょう。ただマルケスに関しては、そのスピードに驚きはありません。そして後はいつも強力な選手達であるロッシ、ペドロサ、イアンノーネ、そしてフォルガーなどいくつかの新顔にも注意が必要です。」
Q
「当然優勝を狙っていくのですか?」
パオロ・チャバッティ
「我々の目標は変わりません。フロントを走るライダー達の中でコンスタントな走りをしたいですね。優勝争いをするとは思われていませんが、タイトル争いをしたいと考えています。2017年に関しては優勝するということは最優先事項ではありません。」
Q
「多くのライバルがおり、ウイングもありません。ロレンソもウイングが無いことを嘆いていました。」
パオロ・チャバッティ
「実際我々が予想していた通りでした。ウイングレットの開発のほとんどを主導し、そのメリットにも気づいていました。ウイングなしでは我々のバイクのキャラクターが変わってしまうこと、そしてある程度の問題が発生するということに驚きはありません。その対抗策に関して作業をしています。たとえそれらがウイングと同等の効果を発揮しないとしてもね。」
Q
「ライバルの中で数社はすでにその対抗策を発表しています。カタールには新しいフェアリングを持ち込むのでしょうか?」
パオロ・チャバッティ
「フィリップアイランドで使用したのとほぼ同じバイクを見ることになるでしょう。今シーズンは2バージョンのフェアリングしか承認されませんから、新しいフェアリングを確定する前に確証が欲しいんです。」
Q
「ロサイルはDucatiとロレンソにとって相性の良いトラックです。プレッシャーはありますか?」
パオロ・チャバッティ
「対象的にそういった形のほうが都合がいいんです。我々のバイクがカタールで強い事はわかっています。ドヴィも2年連続で2位を獲得しており、 ホルへは昨年優勝しています。皆が我々が優勝争いをすることを期待しているでしょう。これは明らかです。ただ重要な事は表彰台を獲得し、ポイントを獲得することなんです。」