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★Ducati MotoGPのテストに人工知能とIoT技術を活用

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ビジネス会では一昔前から「※1 ビッグデータの活用」という言葉が叫ばれていますが、DucatiはMotoGPバイクの開発にこうした技術を活用しているようです。IoT技術を使うということは、走行中のバイクの電子制御セッティングなどをチームが遠隔操作するとかも可能だと思うんですが、他のメーカーはどのような手法を取っているのかというのも気になりますね。 f:id:teletele916:20170302031627p:plain DucatiモーターホールディングのDucatiコルセは世界のスポーツモーターサイクルをリードする企業であるが、アクセンチュアとともに※2 IoT(モノのインターネット)、そして人工知能技術をMotoGPバイクのテストに活用しようとしている。

Ducatiコルセはレースバイクのテストを早く、安く、効果的に行いたいと考えている。Accenture Analyticsは既にDucatiのMotoGP、WSBKのオフィシャルデジタルパートナーであるが、ここ最近Ducati専用のアナリティクスエンジンを使用した、インテリジェントテストの開発に取り組んでいる。マシンラーニング(※3 機械学習)技術を活用することで、さらに多くのデータをシステムに取り込む事ができ、さらに正確な効果予想をした上で、様々なテストが行えるようになる。また、直感的なユーザー体験のためにデザインされたデータ可視化ツールによって、テストエンジニア達はバイクの構成をいかなる時点(レースであっても)でも微調整することが可能となる。これによってトラックでのテストが少なくともさらなる結果を得られることになり、時間を短縮し、コストと労力の削減になります。そしてバイクはテストの度に賢くなっていく。

ジジ・ダッリーニャ

「MotoGPには18のトラックがあります。その全てで我々のバイクが限界の性能を発揮するには、出来る限りの状況、起こり得るあらゆるシナリオでテストを行う必要があります。今までのところ、アクセンチュアのソリューションによって、ラボ内で素晴らしい結果が得られています。今までの、そして新しいテストデータを使用することで、我々のバイクにとって最適な構成を選択することが出来ます。この革命的なツールは、我々のテストをさらに知的プロセスに基づいたものとし、トラックの天候がどのような状況であっても我々のバイクから最高の結果を引き出す助けとなります。」


100からなるIoTセンサーからの情報、既存のテストデータなどを使用し、アクセンチュアのソリューションは、チームエンジニア達に様々なコンディションにおけるバイクのパフォーマンスのシミュレーションから、新たな視点を与える事が出来る。先進のアナリティクスとマシンラーニング(機械学習)技術を使用し、実際に走行した際の既存テストデータを元にしたシミュレーション結果によって、エンジニア達はそこから学び、いかなるMotoGPのレースにもバイクの最適化が出来る事になる。こうした情報は直感的に操作可能なダッシュボードに提供される。ここでは新たなダイアログを立ち上げ、チーム間でコラボレーションして作業が可能。こうして今までよりも(成功の)可能性の高い構成でのテストが可能となり、トラックでのテストによってもたらされるメリットの最大化と、全てのレースに対してアドバンテージが得られる。


アクセンチュア Analytics マルコ・ヴェルノッチ

「このソリューションによって、Ducatiコルセはより良いレース結果を得るために、このインテリジェントテストプログラムを実行する事が出来ます。 あらゆるトラックと天候でのバイクのパフォーマンスをシミュレーションとモニタリングすることで、我々はマシンラーニングとIoTセンサーデータとを組み合わせる事が出来、既存のトラックテストにおける時間、費用、労力を削減を助ける事が出来ます。究極的にはこの革命的なソリューションが、Ducatiチームがあらゆるレースをリードすることの助けになればと願っています。」


さらに幅広い解決策のため、現在までにレーストラックの約4000のセクター、30以上のレースシミュレーションが解析された。テストではエンジンの稼働パラメーター、スピード、回転数、タイヤ、ブレーキ温度などが収集されており、DucatiチームはMotoGPでのレースのために、このデータを使用して計画を練り、準備をし、テストをすることになる。

アクセンチュア Digital マルセロ・タミエッティ

「このソリューションで今までに得られてる結果は非常に素晴らしいです。バイクから収集したデータ、今までのレース内容などから、各セッティングごとの結果を予測することが出来ています。また、バイクをトラック上でより賢く、速くするのはどうすれば良いのかという話し合いもスタートしています。テストエンジニア達は実際のデータを使用して、コンディションに沿ってバイクの構成を変更することが出来ます。これはDucatiチームのテスト全体のやり方を変える可能性がありますし、トラック上、インテリジェントテストに新たな価値を加えることが出来るでしょう。」


(※1 ビッグデータ)

事業に役立つ知見を導出するためのデータのこと。ビッグデータを用いて社会・経済の問題解決や、業務の付加価値向上を行う、あるいは支援する事業をビッグデータビジネスと総務省は定義しています。簡単に説明すると、Amazonのリコメンド機能などはビッグデータを活用したものです。

(※2 IoT)

様々な「モノ(物)」がインターネットに接続され(単に繋がるだけではなく、モノがインターネットのように繋がる)、情報交換することにより相互に制御する仕組み。簡単に説明すると、スマートフォンで施錠が出来るロック、スマートフォンでエアコンの操作が出来るようになるデバイスなどがこれにあたります。

(※3 機械学習)

データから反復的に学習し、そこに潜むパターンを見つけ、将来の予測を行うもの。人間が自然に行っている学習パターンの機能をコンピューター、人工知能で再現しようとするもの。簡単に説明すると、コンピューター将棋プログラムなどが機会学習にあたります。

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