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★MotoGP中間レビュー:スペックソフトウェア

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現在MotoGPは夏休みに入っていますが、後半戦を迎える前に色々な視点からシーズン前半を振り返るという内容で、moto mattersのエメットさんが濃い記事を書かれていますのでご紹介します。

★MotoGP中間レビュー:スペックソフトウェア

MotoGPの後半戦が始まる前に前半の9戦で何が起きたかを振り返り、それが残りの9戦にどのように影響するかを考えるには良い機会だろう。語るべき内容は多い。 新しいルールが結果をもたらし初め、ライダー達は素晴らしい成功のために自らを変え始めた。3つのクラス全ては驚きに満ちていた。そしてそれ以上の驚きが後半戦も期待出来る。にも関わらず、MotoGP、Moto2、Moto3で明らかにクラスをリードする選手が現れた。3つのチャンピオンシップの先はまだ長いが、こうしたリーダー以外に賭けるというのはとてもリスクが高いことだ。

新ルールがもたらすと思われたもの/そうでないもの

ファンとメディアは2016年シーズンに向けた変更に興奮していた。新しいタイヤとスペックエレクトロニクスはMotoGPを揺さぶり、接戦が展開されるはずだった。シーズンの前半が終わったが、物事は我々が予想していたほどにはなっていない。複雑な変更点は、こうした内容に対処するための最高の装備がある場合に良い方向に回り、これは必然的にサテライトチームよりも優れた装備をもつファクトリーチームとなる。


スペックエレクトロニクスはその最たる例だ。ドルナとIRTAがスペックエレクトロニクスを導入した論理的根拠は、戦いの条件を平等にしレースを接近性にするというものだった。これはある程度は機能したが、ファクトリーチームの間でだけでチームの間で機能しているわけではない。今シーズンが始まる前は、ファクトリーの中でもヤマハやホンダは、Ducatiや特にスズキに対して明らかなアドバンテージを持っていた。長年の車両のダイナミクスに関する研究開発(レーシングモーターサイクルを電子的に制御するという科学)は2つの日本企業が恩恵を受けていた。

少数にとっては良く、それ以外にはそうではない。

スズキのように小規模なレーシング部門を抱える企業はけして追い付くことは出来ない。ホンダやヤマハが持っているようなリソースと豊富なデータが無いのだ。彼らが動き続ける目標を追っているわけで、ハンディを与えられた状態で日本のライバル企業に追い付くのにもがいているわけだ。スペックソフトウェアがもたらした違いは、ライダーのコメントから明らかだ。


マーヴェリック・ビニャーレスとアレイシ・エスパロガロはスズキの昨年の独自ECUソフトウェアと比べて、統一ソフトウェアがいかに素晴らしいかを何度も述べている。ヤマハやホンダのライダーに話を聞くと、彼らは統一ソフトウェアがいかに彼らにとって後退したものであるかを語るだろう。


MotoGPの中のイタリア企業にとって話は少し異なる。Ducatiのソフトウェアはヤマハやホンダと同等のレベルであったことは一度としてないが、そこまで大きく離されたものでもなかった。しかしDucatiコルセのボスであるジジ・ダッリーニャは2015年に賢い決断をした。これで彼らはギャップを小さくし、リードを取ることが出来るかもしれない。


2016年のスペックソフトウェアは、大雑把に言って2015年にオープンクラスのバイクが使用していたものをベースにしている。Ducatiは彼らのオープンクラスのライダー達を昨年強烈にサポートしていた。Ducatiのエンジニアを大量にプライベートチームのガレージに送り込んでいたのだ。ここで得られた経験が計り知れないもので合ったことは証明されており、2016年のエレクトロニクスに関してDucatiに有利なスタートを切らせる事となった。


アプリリアにとっては少し事情が異なる。NoaleのファクトリーはWSBK参戦の中で開発された世界クラスのエレクトロニクスを持っている。統一ソフトウェアへの変更はアプリリアにとっては後退であり、彼らのMotoGPの挑戦は非常に限られたリソースで行われている。アプリリアはRS-GPを新しいソフトウェアで上手く動かすために多大なる作業が必要な状態だ。彼らは既に著しい進歩を遂げてるものの、まだ作業が必要だ。そしてアプリリアのMotoGPバイクは多くの弱点を抱えている(とりわけ馬力の不足が深刻だ。)ため、相対的にエレクトロニクスの問題は小さな問題と言えよう。

サテライトの受難

最大の敗者はサテライトチームだ。統一ソフトウェアの抽出データに関して学ぶ事が膨大にあり、MotoGPのファクトリーチームは彼らのチームに集中しがちだ。ということは、エンジニアはファクトリーバイクのデータを注意深く読み、彼らのライダーの為にエレクトロニクスの最適化を続けてきたことになる。サテライトチームにその知識を展開する事なく、いかなる余力もそこに注ぎ込まれてきたわけだ。


これによって、ほとんどの場合においてサテライトチームは彼ら自身で統一ソフトウェアを理解する必要におかれた。ファクトリーは時間がある時にチームにサポートとアップデート内容を供給したが、ファクトリーチームの戦闘力を高めるということの2次的なゴールであった。


サテライトとファクトリーとの差だけが大きく広がった。

明らかにその例外と言えるのは、またしてもDucatiだ。イタリアのメーカーがオープンクラスチームと共にしてきた作業は報われた。彼らは昨年のデータによって、2016年シーズンが始まる前からシステムには大いに満足していた。ということは、サテライトチームはファクトリーチームの経験から利益を得ていたことになる。そしてDucatiにはサテライトチームを助けるためのエンジニアのリソースとしての余力があったわけだ。


楽観主義者は、Ducatiは今後起き得ることの例だと言うだろう。他のファクトリーは統一ソフトウェアについて理解を進めれば、その内容をサテライトチームに共有出来るようになるだろう。ソフトウェアのスペックは凍結されているため、開発が進むことはほとんどもしくは、全く期待出来ない。サテライトとファクトリーチームの差は再び小さくなるだろう。こうした出来事を2016年シーズンの後半に見る事が出来るかもしれない。しかし、本当の意味で進歩が訪れるのは2017と2018年だろう。

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