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★モンスターエナジー ホルヘ・ロレンゾ独占インタビュー

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モンスターエナジーのHPにあるホルヘ・ロレンゾ選手の独占インタビュー記事をご紹介します。公開されたのは6/1だったのですが、バタバタしており翻訳が遅れました。。自分を信じて他人が望む自分を演じないというのは、管理人が最も尊敬するスポーツ選手であるイチロー選手に通じるストイックさだなと感じます。ロレンゾ選手のファンの多くは、彼のこうした純粋なストイックさに憧れを持つのではないでしょうか。

★モンスターエナジー ホルヘ・ロレンゾ独占インタビュー

ホルヘ・ロレンゾがバイクに乗っているということとは関係なく、彼は打ち、ボールを投げ、蹴り、走り、ジャンプし、泳ぎ、もしくは狙う事が出来る。彼のコーディネーション(※体幹など筋肉運動の協同) 、才能、触覚などがマジックのヒントだ。こうした全ての物事が混ざりあったものを、我々は才能と呼んでいる。

これが彼を選ばれた天職のトップという位置に導いたものであり、彼を極めて例外的な人間にしている。彼はMotoGPの世界チャンピオンであり、このタイトルを複数回獲得している。彼は29歳になったばかりで、彼が進んできたマネージャー、友人、アドバイザー、そして複雑な父親との関係の先に、二輪の叙事詩、崇拝、名声、富などがあり、それがアスファルトに残されたブラックストライプの上に横たわっている。

Q

「デルビレースチームがスペイン語で出したプレスリリースが英語に翻訳され、2002年ヘレスでのグランプリレース2日目に公表されたのを覚えています。あれはあなたの15歳の誕生日で、その時点で初めてのグランプリレーシングへ(※ロードレース世界選手権)と参戦出来るようになったわけです。現在29歳で、人生のほぼ半分をパドックで過ごしているわけですが、多くの事が過ぎていったと感じますか?」

ホルヘ・ロレンゾ

「そうですね。自分の職業、同時に私生活も大きく変わりました。チームもかわりましたし、カテゴリーも、友人も変わり、マネージャー、周りにいる人達も変わりました。とても多くの人達です。世界選手権で戦うこの14年間で多くの素晴らしいこと、良くないことがありました。多くを学びましたし、ライダーとしてもプロフェッショナルとしても、そしてアスリートとしても大きく成長しました。」

Q

「数年前に250ccカテゴリーへのデビューから初めてタイトルを獲得し、レースに勝利した時のドキュメンタリーを見たのを覚えています。あなたはジムでトレーニングをしていて、6つに割れた腹筋を見せて「見せびらかしているんだ。(笑)」と語っていました。その彼は今のあなたとは大きく異る人物に思えます。過去に関してはどう感じますか?」

ホルヘ・ロレンゾ

「(笑)少しシャイだったのと、本当は見せるんじゃなくて隠したかったんだと思います。恐らく過去の自分よりも強くなったということを見せたかったんでしょう。当時はインタビューでも、自分が強く、個人的に明確な目標があるんだというような言葉を使っていたと思いますし、そういう態度をしていました。外野からこのインタビューを読んだり、TVで見た人は、自分がとても傲慢なやつだと思ったんじゃないでしょうか?そうではなくなったとは言え、これがMotoGPのファンが未だに自分に持つイメージだと思います。」


「 今は17だとか18の頃のような"自分"はほとんどいないですね。自分は大きく変わりましたが、ピットボックスにいてバイクに乗る数分前は、この部分は全く変わっていません。常に真剣に集中しているんです。自分は他のライダーがするようにカメラの前でジョークを言うなんて事は出来ません。それにそういった事はしたくもありません。自分は自分のやり方を変えたいとは思いませんし、ファンを喜ばせるために変わりたいとも思いません。自分自身でいたいと思いますし、それで人がそれを好きなら良いですし、嫌いというならそれまでです。これは自分の人生ですから自分が生きたいように生きます。他人が望むように生きたくはありません。

(※外野が望む自分を演じる事はしない。というのはイチロー選手も同じ事を語っていますね。)

Q

「自分が集中していることから逃げたいと思ったことはあるのでしょうか?「クソ。休暇が必要だ。。」とか?スーパークロスやモトクロスの選手を見ていると、彼らは怪我をした時だけ休めるようにも思えるのですが。。」

ホルヘ・ロレンゾ

「ええ。もしそういった才能があれば、たぶん自分にはあると思うんですが、2通りの方向でやることが出来るんですよ。3位や4位、5位、6位で完走することも喜べるようになりますし、長年続けて金を稼いで家に帰る事が出来ます。もしくは自分の才能を最大限に引き出して、毎日ハードに働くか。8時間ジムやバイクでトレーニングをしながら「どうしたらもっと強くなれるか?」と考えてね。」


自分はだいぶ前に後者のやり方を選択しました。自分の人生の大半を捧げることで、最高の結果とパフォーマンスを得ることを選んだんです。別のやり方を選ぶ事も出来ました。数レースで勝利してトップ3のライダーとして10年間長くここに残る事も出来るわけですが。。それは自分の生き方ではありません。」

Q

「しかし、ゴールは変わりますか?タイトルを獲得したい年もあれば、夢のような家を建てるために出来る限り稼ごうと思ったり、ある特定のライダーを負かそうと思ったり。ジャン・ミシェル・バイルが彼のタイトルとは関係なく、誰かに彼のライディングが本当に素晴らしく、パーフェクトであると語って欲しかったと話していたのを覚えているんですが、あなたも同じなのでしょうか?特にバイクに乗るという事に関しては?」

ホルヘ・ロレンゾ

「誰もが異なるモチベーションを持っていて、それぞれが異なる形でモチベーションを見つける事が出来ます。あるライダーにとっては稼ぐことでしょうし、誰かを感心させること、毎日向上を続けたいと願うライダーもいるでしょう。」


自分がプレッシャーを感じた時、ナーバスな時、ひたすらに毎周タイムを縮めようと思うんです。こうする事でプレッシャーを退ける事が出来ます。毎周良い走りをしようとすること、これが自分の秘密の一つです。もしレースの中で何が起きるか?特にネガティブな事に関して考え始めると、それがストレスになるんです。長年、次のラップのことだけを考えて、前の周よりも良いライディングをすることだけを考えるようにしてきました。

Q

「あなたにとって究極というのはどんなことでしょうか?今までも完璧なレースを何度もしていますし、多数の勝利も遂げています。稼いでいますし、チャリティーも行っており、子供達の援助も行っています。あなたの人生において最高の事とはなんでしょうか?」

ホルヘ・ロレンゾ

「人生は非常にシンプルになり得ますし、非常に複雑にもなり得ます。多くの大事な事があります。友人、家族、経済的な状況もあります、お金に関しては誰かが自分のお金を使って誤った選択をすることもありますから注意が必要です。それにハードに働く事と楽しむ事の間で妥協する必要もあります。25歳や26歳には戻れませんからね(笑)時には「なんでこの人生を続けて自分自身を犠牲にし続けなくてはいけないのか?」と思うこともあります。ただ別の自分が、「もしここで辞めてしまったら、自分の才能、そしてその才能で自分の人生に素晴らしい物事をたらしてくれる可能性を無駄にする。」と語るんです。簡単には辞められません。」

Q

「ソーシャルメディアを見ていると、あまり自分の時間は無いように思えます。レースとレースの間で多くの事があるでしょうし。。」

ホルヘ・ロレンゾ

「人生を楽しむ時間はあるんですが、自分の野望とプロ意識が完全にそれらを楽しませてくれないんです。キャリアの中で最高の自分を引き出したいですし、最高の結果を得たいですからね。そう考えるとあまり時間はないわけですが、レースを始めた頃はレースで勝利してもパーティーなんてやりませんでした。今はモーターホームでパーティをする事もありますし、ビールを飲むこともあります。音楽をかけてチームと一緒に踊ることもあるんです。 自分の人生の中である時期を除いてね。。」


「自分の人生はまるで仏教徒だったんですよ。70年台のレーサー、例えばバリー・シーンやジェームス・ハントのような生活ではないんですよ。ああいった生き方ではトップにはなれません。あれは違う時代の話です。勝利してチャンピオンシップ争いをするのは、過去のようなやり方でも不可能ではありませんが。」

Q

「家に帰ってドアを閉め、自分1人もしくはガールフレンドと一緒にいる時に、ゼッケンナンバー99のホルヘ・ロレンゾをドアの外に置いて来ることは出来るのでしょうか?」

ホルヘ・ロレンゾ

「ええ。そうした妥協を見つける事は重要です。スイッチをOFFにするメンタリティーは得意です。ジムにいる時は完全に集中しています。家でプレステで遊んだり、映画を友達やガールフレンドと見に行く時は完全にそこに集中します。切替は大事ですね。」

Q

「現在29歳で年をとってきたという事でもないと思いますが、MotoGPは身体的にキツイのでは思います。転倒などすると痛いでしょうし、朝方などは特にツライのではないでしょうか?」

ホルヘ・ロレンゾ

「15歳だとか20歳の頃というのは、ハードなレースの後の月曜日でも、生まれたての赤ん坊のような気持ちなんですよ(笑)今はこれが難しくなっています。パーティーをすると回復に2日はかかります(笑)ハードなレースの後はマラソンのように疲れますし、最悪なのはこれが年々酷くなっていくということでしょうね。」


「今29歳で40歳まではまだ長いですが、その時はまた大変になるでしょう。体重を維持すること、ハードにトレーニングすること、ポジティブに考えて今していることを楽しむ事が重要です。ロッシを見ればわかるように、彼はランチで若い人々に囲まれて若く見えますし、あれが彼にMotoGPで走るためのエネルギーを与えているように思えます。夢を持つことは重要ですし、進む続けるモチベーションを持つこともそうですね。」

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