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★MotoGP2017レプソルホンダ リヴィオ・スッポ 独占インタビュー

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リヴィオスッポがセパンテストの後に、今年のホンダとウイングレットなどについて語っているインタビューをお届けします。リヴィオ・スッポもウイングレットに関してはあまり効果があると考えていない一人のようですね。 f:id:teletele916:20170203221026j:plain (Photo courtesy of michelin)

2つの異なるメーカーで5人のライダーのMotoGPライダーズタイトル獲得を見てきた、レプソルホンダのリヴィオ・スッポの独占インタビューをお届けする。スッポは現在チャンピオンライダーのマルク・マルケスのMotoGPでの4度目の優勝、長く期待されているダニ・ペドロサの初めてのタイトル獲得を助けようとしている。


Q

「まず最初に中本さんがいないというのはどのようなものでしょうか?」

リヴィオ・スッポ

「もちろん彼がいないのは寂しいです。中本さんは素晴らしい人でしたからね。ただ桑田さんも素晴らしい人物で、おおらかな性格なのでとてもラッキーだと思います。」


Q

「桑田さんのバックグラウンドとはどのようなものなのでしょうか?」

リヴィオ・スッポ

「彼はエンジニアで、HRCに来る前はホンダのF1プロジェクトに中本さんと一緒に携わっていました。その後HRCに加入し、彼はエレクトロニクスを担当していたんです。そして現在はご存知のとおり、中本さんの仕事を3名でやっている状況で、桑田さんが運営、国分さんが技術面、服部さんがビジネスサイドを担当しています。」


Q

「マルケスはどうでしょうか?今まで以上にやる気に溢れているようですが。」

リヴィオ・スッポ

「ええ。彼は若いですから非常にモチベーションに溢れていますよ。マルクもダニも昨年のバイクよりも喜んでいるようです。もちろんまだ100%ではありませんけどね。それにまだ多くの作業が必要です。ただ、昨年よりも良いプラットフォームでのスタートだと思います。」


「マルクとダニは初日に9位と13位でした。人々はこれがテストであることを忘れてホンダは大きなトラブルを抱えていると話していました。もちろん簡単にラップタイムが出れば皆ハッピーですよ。ただ毎回そんな事が起こるわけではありません。ホルへとDucatiの初日を見ればわかるでしょう。(※17位でトップから1.7秒差)マルクはテストを2位で終え、トップからは僅かに0.14秒差でした。ダニは4位で0.2秒差でした。テストの始めの段階で結論に飛びつくのは簡単ですよ。」


Q

「マルクは僅か23歳で既にMotoGPタイトルを3度獲得しており、全部で5つの世界タイトルを獲得しています。マルケスはベストと言わないまでも、ベストライダーの1人になれると思いますか?」

リヴィオ・スッポ

「確かに彼の才能に疑いの余地はありません。それに昨シーズンはライダーとして大きく成長したということを見せてくれました。戦略を持つということで言うと、タイトルを獲得するためには毎回レースで勝利する必要はなく、毎回ベストを尽くす事が重要なんです。特に現在はいくつものメーカー、ライダーの競争力が高いですから。2016年より数年前であれば、レースに勝利出来るメーカーはヤマハとホンダの2メーカーだけでした。しかし昨年は4つのメーカーがレースで優勝しています。正直に言うと、この最初のテストの結果を見ると 何が起きるかを予測するのは難しいですね。ただ2017年も同じく4つのメーカーが優勝出来そうですね。イアンノーネはスズキでスピードを発揮しており、Ducatiはもちろん速いでしょうし、ヤマハ、ホンダも同様です。これはこのスポーツにとって良いことだと思います。ただ、競争のレベルが高いですから勝利を独占するのは難しいでしょう。」


Q

「マルケスは4年目、ダニは2006年レプソルホンダに加わってからずっとMotoGPを走っています。ダニが常にチームにもたらしてくれるものとは何なのでしょうか?」

リヴィオ・スッポ

「ダニは最強のライダーの1人ですし、MotoGPに参戦以来毎年優勝を経験している数少ないライダーの1人です。 彼の事を良くしっていますし、彼のプラス面がマイナス面よりも多いと今でも思っています。ですから彼以外のライダーと契約する理由がないんです。」


Q

「ホンダは異なるエンジンをテストしています。マルクとダニは新しいエンジンを好んでいるようですか?」

リヴィオ・スッポ

「最終的には彼らとカルは新しいエンジンで多くの時間テストをしました。彼らとエンジニアは新しいエンジンは、たとえ100%ではなくともさらなるポテンシャルがあると信じています。」


Q

「今必要なことはなんでしょう?トップスピードは良いみたいですが。」

リヴィオ・スッポ

「正直に言うと、トップスピードについては限界に近いと感じています。時に妙なんですよ。ただライダー達の感覚としてはパワーに関して満足していますね。今重要なのは、この新しいエンジンに電子制御をより良い形で合わせるということです。ホンダは未だに自前のソフトウェアでやっていた時と比較して、統合ソフトウェアに関しての知識を持っていません。もう少し時間がかかるでしょう。」


Q

「ホンダの電子制御と比較して、統合ソフトウェアはどのように異なるのでしょうか?」

リヴィオ・スッポ

「Magneti Marelliの統合ソフトウェアはよりヨーロピアンスタイルと言いますか、ホンダの使っていたソフトウェアと比較するとその背景にあるフィロソフィーが大きく異なります。」


Q

「昨シーズンはホンダは電子制御とエンジンを上手くマッチングさせることに関して大きく前進しました。新しいエンジンに関してもこうしたプロセスが助けになると思いますか?」

リヴィオ・スッポ

「こうした経験があったからこそ、この時期に昨年よりも苦戦していないんでしょうね。昨年は何もかもが新しかったわけですから。今年はソフトウェアに関する知識はさらに深くなっています。まだ100%ではありません。ですから未だに新しいエンジンにソフトウェアを適応させるために時間が必要なんです。ただ明らかにシステムに関するより良い知識を持った状態でスタートすることが出来ています。」


Q

「サテライトホンダは、昨年ウェットとドライの両方で優勝しました。今年期待することは?」

リヴィオ・スッポ

「カルは再び素晴らしいパフォーマンスを見せています。カルは昨年素晴らしいシーズンを送りましたが、今年も同様のレベルの走りが出来るでしょう。ジャックはセパンテストに関して喜んでいるようです。彼のラップタイムはそこまで改善していませんが、ペース、そして彼がライディングに関して話すのを聞いてみれば、彼が前よりも喜んでいるというのがわかります。ジャックのチームメンバーには少し変更がありました。彼は現在はさらに多くの電子制御に関するサポートを得ました。今までは1人しかいなかった電子制御エンジニアが、今年は2人なんです。もちろん彼のチームメカニックも変わっています。(※クリスチャン・ガバッリーニはDucatiでホルへ・ロレンソと働くことになり、新たにペドロサの元クルーチーフのラモン・オーリンが新たにクルーチーフとなった。)オーリンは我々が抱えている中でも最も経験豊富なチーフメカニックの1人です。彼はホンダの事もシステムについても深く理解しています。ガバッリーニも同様ですが、これはジャックにとって良い変化だったと思います。ティトはセパンで大きな問題を抱えました。彼の体調がすぐに良くなる事を願っています。」


Q

「最後にヤマハはウイングレットを内蔵したカウルを初めて披露しました。彼がこの時期にこのカウルを公開したことに関して驚いていますか?」

リヴィオ・スッポ

「恐らく彼らは初めてこうしたものを発表したというトロフィーが欲しかったんでしょう。最近はこうした物事はDucatiからスタートするという流れになっていますからね。もし皆がこうした解決策をとるとしたら、皆がヤマハをコピーしたと言うでしょうね。私はエンジニアではありませんが、ここ数年はエアロダイナミクスに今までないほどに大きな注目が集まっていると思います。。ドヴィツィオーゾのインタビューをセパンで聞きましたが、彼は大きな変化になると予想していたが、現実には加速が少し悪くなっただけでバイクは曲がりやすくなったようです。」


「正直な話をすると、ウイングレットに関しては色々な噂が出ていたと思います。そして私はウイングによってDucatiがオーストリアで勝利出来たとは思っていません。ああいっサーキットではDucatiに利点があったんだと思います。ただ他のサーキットではプラスとマイナス面がさらに彼らにとってもより厳しかったでしょうね。昨年を見れば、ホルヘはいくつかのレースでウイングを使用していましたが、ヴァレンティーノはそうでもありませんでした。ダニはウイングをほぼ使わず、ダニはミサノでウイング無しで勝利しました。ですからエンジニアとしてではなくこの世界に20数年いる人間として、こうした種の物事は明らかに目に見えますから話題にしやすいですが、パフォーマンスに与える影響というのはそこまで重要ではないと考えています。」


Q

「リヴィオありがとう。」

リヴィオ・スッポ

「どういたしまして。」

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