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★MotoGP2016 ホルヘ・ロレンソ「今が移籍には最適なタイミング」

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来年からDucatiに移籍するロレンソ選手にその心境を聞いたインタビューがMotoGP公式にありましたのでご紹介します。今が移籍の最適なタイミングであるとしながらも、ミシュランのタイヤに変更があるか自分が変わらない限り、レインコンディションで戦闘力がアップするかどうかはわからないとしています。 f:id:teletele916:20161008000508j:plain (Photo Courtesy of Michelin)

ホルヘ・ロレンソは現在チャンピオンシップ3位。開幕戦に勝利し、シーズン前半にロードを築いた。現チャンピオンにとって今年のチャンピオンシップは劇的な展開を見せた。特にル・マンではタイヤに苦しみ、セットアップに苦戦した。チャレンジングな後半戦を経て、現在ロレンソはチャンピオンシップ2位のチームメイト、ヴァレンティーノ・ロッシを14ポイント差で追っている。しかしこの2人もチャンピオンシップ1位までの差は大きい。ロレンソはムジェロでの素晴らしい勝利など3勝をしているが、2010年、2012年、2015年のチャンピオンは、現在チャンピオンシップ2位を追っている。そして今年の終わりに彼はDucatiに移籍する。

ホルヘ・ロレンソ

「昨年はチャンピオンシップ争いに可能性がありました。今年も可能と言えますがとても複雑です。ほぼ不可能と言えるでしょう。自分達が最大限ラッキーで、マルケスが最大限にアンラッキーでない限り無理ですね。ポイント面ではチャンピオンシップ優勝よりも2位を狙うほうが可能性があります。昨年と同じくライダーのコンスタントさは変わりませんが、ライダーのコンスタントさの大きな割合を占めるのはタイヤだと思います。フロントタイヤが流れた時にリカバリー、転倒しないという事ははかなり難しいです。フロントを失った場合90%は転倒するでしょう。昨年は逆でした。ですからライダーのミスが増えているんです。そして0ポイントになってしまうラウンドがあるんです。アルケスは未だに転倒が多いですけど練習走行の中でだけです。彼はレースでは必ず完走していますし、ヤマハのライダーはミスが多い状況ですから、彼がチャンピオンシップを多くの得点差でリードしているわけです。自分にとってはブリヂストンでは競争力がありました。ほぼどのようなコンディションでもね。どのトラックでもです。ただミシュランのウェットでのミシュランのフロントタイヤは、プレシーズンの段階からタイヤ自体はとても柔らかく感じるんですが、フィーリングとしてはとてもハードだと感じるんです。」


ブリヂストンのタイヤで2013年にウェット状況でいくつか転倒を経験したロレンソは、2014年厳しいコンディションの中での初勝利をアラゴンで上げ、2015年にはシルバーストーンで4位、もてぎではウェットレースの中序盤に素晴らしいリードを築いた。新しいシーズンが近づいている状況で、ロレンソはミシュランタイヤを新しいバイクに履いた時の違いについて考え初めている。


「ミシュランがウェット用のフロントタイヤを変更してくるか、自分がこのタイヤでもう少し競争力を高められるかどうかですね。そうでなければ自分は将来的にもポイントを失い続けるでしょう。Ducatiではどうなるかですが、どうやらDucatiは雨の中では限界を感じやすいみたいですし、彼らは雨の中で非常に速いですから。ただ将来これがどうなるかですね。」


ロレンソはヤマハのライダーとしてはあと4戦を残すのみだ。ヤマハは彼が最高峰クラスに2008年にステップアップを果たしたチームでもある。彼はキャリアの新しい”時代”についてどのように考えているのだろうか?


「大きなチャレンジになります。多くの人が自分がワールドチャンピオンになることを期待しているでしょう。そして今回の移籍は適切なタイミングでの移籍だと思います。こうした動きをする必要があるとしたら、今がその時です。Ducatiにはダッリーニャがいますし、日本メーカーと戦えるといたら彼しかいないでしょう。」


ジジ・ダッリーニャはDucatiを変えるという役割を担う人物だ。また彼はロレンソと共に250ccの世界タイトルを獲得した人物でもある。ロレンソはアプリリアで2006年と2007年にタイトルを獲得し、この2つが現在彼が保有する合計5つのタイトルのスタート地点でもある。5つのタイトルで、彼はグリッド上では2番目に成功したライダーとなっている。彼はこうした豊富な経験を元にさらなる成功を掴もうとしている。しかしプレッシャーは?どうやら、彼にプレッシャーはないようだ。


「自分のキャリアでの最大のチャンレンジは世界選手権に参戦した125ccクラスの時です。この世界に残るためになんとしても結果が必要だったんです。大きなプレッシャーがありましたし大きな挑戦でした。今世界タイトルを5つ獲得して、この世界が好きで情熱を感じるからここにいるんです。実際のところあまり大きなプレッシャーは感じていません。自分の強みは適応力にあると思っています。早くバイクに慣れる事が出来るんです。ですからどうなるかですね。Ducatiでも同様に競争力を発揮出来るかどうかですね。ただ、ケイシー・ストーナーしかチャンピオンシップ優勝を果たしていないバイクでのチャレンジですから、もしこれが出来れば歴史を作ることになるでしょうし、自分なら出来るとも思っています。」


次のもてぎからの3連戦、そしてヴァレンシアの中で、新たなチャンピオンが生まれるという歴史がまた作られることになる。そして表彰台のシャンパンは次のシーズンまで乾いたままとなる。5回の世界タイトル保持者の彼は、ブルーからレッドへとカラーを変えて新しいマシンをテストする。そしてリカルド・トルモ(ヴァレンシア)のコーナーをDucatiで走るのだ。

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