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★MotoGP2016アラゴンGP 木曜プレスカンファレンス翻訳

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遅くなりましたが、アラゴンGPの木曜プレスカンファレンスの翻訳です。今回は優勝数よりもチャンピオンシップ優勝を目指すというマルケス選手の大人の発言、2017年型のRC213Vについて、9人目のMotoGPクラス優勝ライダーは?といった質問が出ていました。」 f:id:teletele916:20160924214810p:plain

ニック・ハリス

それでは残り5戦となりました。モーターランドアラゴンでのプレスカンファレンスをお届けします。3クラス全てのライダーがタイトルをかけて争っています。センターにはMotoGPクラスを43ポイントでリードするマルク・マルケス。今シーズン3勝、Moto2で2011年に優勝、2013年にMotoGPクラスで優勝しています。彼の右にはヴァレンティーノ・ロッシ。チャンピオンシップ2位、過去3戦で3つの表彰台を獲得、2013年と2015年にアラゴンで3位を獲得しています。マルクの左にはホルヘ・ロレンゾ。現在のワールドチャンピオンで、チャンピオンシップ3位、今季3勝、ミザノでは3位を獲得し、ここでは2014年2015年に優勝しています。2012年2013年に2位を獲得しています。ヴァレンティーノの右にはダニ・ペドロサ。チャンピオンシップ4位、ミザノでは素晴らしい勝利を遂げました。今シーズンの8人目の優勝ライダーとなっており、これはMotoGPクラスにとっては新たな記録となります。2012年に優勝、2010年と2011年に2位、昨年は2位を獲得しています。」

ニック・ハリス

「それではマルクから始めましょう。4戦、1位と2位を獲得していないのはMotoGPクラスでは初めてですが、未だに43ポイントの差があります。」

マルク・マルケス

f:id:teletele916:20160924215007p:plain 「最近のレースは苦戦していて、日曜に最速のライダーにはなれませんでした。そうした展開のレースでもあまり得点は失わずに、ここアラゴンを43ポイント差で迎えることが出来ました。この差を維持しつつ最初からプッシュしていきたいですね。ここはお気に入りのトラックですが、ヤマハのライダー2人も高いレベルにいるわけですから、今の状況には満足していますよ。同じような形でレースを続けていきたいですね。」

ニック・ハリス

「簡単ではないでしょう。時にはプッシュが必要な時もあるでしょう。」

マルク・マルケス

「ええ、もちろんです。時にはプッシュしたいですし、表彰台のトップに立ちたいものです。ただそれが不可能と気づく時もあります。例えばミサノなんかはそうです。レース序盤でプッシュして、最初の数ラップは最速のライダーの1人でした。ただその後にフロントタイヤに関して苦しんで危険信号が出てきたので、「OK、もうやめよう。」と思ったわけです。4位でしたけどチームメイトが優勝してくれたおかげで助かりました。ヴァレンティーノは7ポイントを得ただけでしたしね。最終的な結果ベストではありませんが満足しています。ここでは状況を変えて、最低でも表彰台をと思っています。」

ニック・ハリス

「アラゴンはあなたにとってアップダウンが激しい場所と言えますか?」

マルク・マルケス

「ここは好きなトラックでいつもはスピードはそんなに悪くないんです。ただ天候だったり、昨年はミスによって日曜の結果はベストとは言える状況ではありませんでした。ただこの精神を今週は変えたいと思います。」

ニック・ハリス

「ミザノではレース後のテストでホンダの来年のエンジンを試していましたよね。」

マルク・マルケス

「ええ、非常に面白いテストで多くの情報を得ることが出来ました。まだこれから良くしていこうというところなので、あまり多くの事はお話出来ませんが、既にヴァレンシア以前に新しいエンジンをトラックで試せているという事は嬉しいですね。昨年の失敗はヴァレンシアに新しいエンジンを持ち込んで、そこから修正していくのに十分な時間が無かったことですからね。ただ今年は既に試しているということで、まだ改善が必要なエリアもありますが、面白いテストでしたね。」

ニック・ハリス

「マルクありがとう。それではヴァレンティーノ。3戦で3つの表彰台、優勝はしていませんが、ポイント差を縮めています。ただ現時点では十分とは言えませんね。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

f:id:teletele916:20160924215038p:plain 「シーズン後半戦は悪くないですけど優勝は出来ていません。ただポイントを獲得してシーズン前半のミスを取り返そうとしています。マルケスとの差は未だに大きいですね。過去数戦は表彰台を獲得するなど良いレースをしているんですけど、ポイントは少ししか縮める事が出来ていないんですよね。ただ自分達はいつも高い競争力を誇っていますから、この調子で続けていきたいですね。ただ、このトラックは自分にとってはベストと言えるトラックではありませんから、今週は少し大変です。昨年は練習走行で苦戦しましたけど、最終的にレースは良い結果でした。バトルに負けはしましたけど楽しめましたし。ですからそこから巻き返しという形ですね。スペイン人ライダー達はここでは強いでしょうからね。」

ニック・ハリス

「今シーズンは既に8人の異なるライダーが優勝しているわけですが、これは本当に凄いことですね。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「確かに誰も想像しなかったことですね。昨年はどんなコンディションでも、勝利しているライダーの名前はほとんど同じでしたから。ただ過去8戦は異なる8人のライダーが優勝しているわけで、たしかにこれは面白いことですよね。今年はライダー同士、そして異なるバイク同士のバランスによって難しいですし、コンディションが変わるとなると、異なる選手が毎回速くて、こうした理由からも常にトップにいる必要がありますし、常に表彰台を目指す必要があるということですね。」

ニック・ハリス

「昨日はモヴィスターのサイクリストとの交流がありましたが。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「幸運にも自分は自転車に乗らずにバイクに乗る立場でしたので良かったですね(笑)2人の素晴らしい自転車レーサーと過ごせた事も素晴らしいですし、自分も自転車レースは好きですから、自転車の道を選ばなかったとは言え、素晴らしい機会でした。」

ニック・ハリス

「ヴァレンティーノありがとう。それではホルヘ・ロレンゾ。チャンピオンシップ3位で、ここでは素晴らしい結果を残していますが、ミサノでは表彰台を獲得したとは言えガッカリしていましたね。」

ホルヘ・ロレンゾ

f:id:teletele916:20160924215114p:plain 「今までのキャリアの中で考えても、練習走行で素晴らしいペースがあったわけではありませんが、優勝をかけてレースが出来ると思っていましたからね。ダニが最終的にあそこまで速いとは思っていなかったので、彼には自分達は簡単に抜かれてしまいましたね。レースの後にも話したとおり、0.1秒から0.2秒ペースが足りませんでした。過去2年間は優勝していますからね。2014年は妙なコンディション、2015年はドライでした。初年度はヤマハには難しいトラックでしたが、なぜかここ最近は高い競争力を発揮出来ています。ですから、明日どのようなパフォーマンスで走れるかですね。」

ニック・ハリス

「アラゴンはとても面白いサーキットですよね。」

ホルヘ・ロレンゾ

「ええ。低速コーナーから立ち上がるロングストレートがあって、ウイリーを抑えるというのと、トップスピードがとても重要になります。多くのコーナーがあって流れるような作りですよね。自分達のチャンスは大きいと思いますね。」

ニック・ハリス

「ホルヘありがとう。それではダニ。ミサノでの素晴らしいレースの後にこうして迎える次のレースは良いものですね。」

ダニ・ペドロサ

f:id:teletele916:20160924215133p:plain 「本当にそうですし、特にあまり良いレースが出来ていない中での優勝ですからなおさらですね。勝利、バイクのフィーリングも良くて、基本的に週末を通じてずっと良いフィーリングでしたからね。自信を与えてくれましたし、このトラックは好きなトラックでもあります。それに過去の結果も良いですからね。常に集中していること、良い結果を得ることは重要ですし、常に前を見ていることもそうです。ミサノは予選以外は本当に素晴らしいレースでした。予選はいつも快適には感じられないんですよね。今年に関しては特にそうで、理由がわからないんですよね。ですから自分達がベストでは無い部分に集中して、そこを良くして行きたいと思っています。」

ニック・ハリス

「ミサノではマルケスとテストに参加したと思いますが、新しいバイク、エンジンには乗りましたか?マルクよりは話してもらえますか?(笑)」

ダニ・ペドロサ

「いいえ(笑)何ラップもテストを行いました。新しい仕様、それからスタンダードなタイプでもそうです。今のバイクに関しても色々な事を試しました。」

ニック・ハリス

「ダニ、ありがとうございました。それでは私からは以上です。フロアからの質問をどうぞ。」


Q

「マルク、一ヶ月前はチャンピオンシップで優勝するには、あと2勝はしないとと語っていましたが、今でも同じ考えですか?また、ヴァレンティーノ、これからの戦いでヴァレンティーノが得意な場所はどこですか?」

マルク・マルケス

「以前はそう話していましたけど、今の心境は勝利を重ねない状態でタイトルを獲得しても、それでもOKだと思います。今はこの差を維持すること、ハードに働く事が必要です。アラゴンは自分達にとっては良いサーキットだというのもわかっていますし。フィリップアイランドやヴァレンシアも自分達には合っているサーキットです。ただ今年に関してはどうなるかわかりません。得意だと思っていたコースで苦戦することもありますし、タイヤのフィーリング、バイクのエレクトロニクスに関して2位に10秒差で勝つことも、1位から10秒差を付けられる事もあり得ると思います。今年は8人も優勝ライダーがいるようになにが起きるかわかりません。コンスタントでいることが大事です。全ての練習走行、予選、そしてレースでトップ3にいようとすることが重要です。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「どこで勝利出来るか?どこで苦戦するかというのは、わかりにくいものなんです。今年はタイヤが異なりますから。ただこの先の5戦はとにかくポイントを稼ぐこと、全てのレースで表彰台を獲得しようとすることが重要です。そして勝利するというのは2つ目の目標です。これはどこになるかわかりませんけど、全てのラウンドで最大限で走るしかありません。」


Q

「これ以上勝利なしにタイトルを獲得しても構わないと語っていましたが、あなたがいかに勝利に飢えていて、それを楽しんでいるかも知っています。あなた以外のライダーの勝利数が多い状態でタイトルを獲得しても嬉しいですか?」

マルク・マルケス

関係ないですね。昨年学んだのは人々が覚えているのはタイトルを獲得したライダーで、最多勝だとか最多の表彰台を獲得したライダーではないんです。自分の目標はタイトル獲得で、それに向けて動いています。メンタリティとしては4位で終えるようなミサノのようなレースでも構いませんし、チャンスがある時はリスクを冒して優勝を狙いにいきます。これはシルバーストーンでやったようなことですね。これはバイクに乗ったときのフィーリングもそうですし、いかにマネジメントが出来るかにもよります。それに自分の場合はミスをしてもまだチャンピオンシップをリードしているでしょうしね。他のライダーがミスをしたとしたら、彼らはさらにポイント上で離れていくだけです。」


Q

「数名のライダーがアラゴンはホンダのトラックだと語っていましたが、バイクに問題がある状態でもこれは当てはまると思いますか?」

マルク・マルケス

「そう願いますね(笑)いつも週末はポジティブな方向で始めるんですが、このトラックはホンダにも自分にも過去良い結果ですよね。ただ今年はタイヤとエレクトロニクスがありますからなんとも言えます。ただ、今のバイクのペースはこれまでのシーズンよりも良くて、エレクトトロ二クスに関してもよくコントロール出来ています。強い箇所と弱い箇所がありますが、表彰台をかけて争います。優勝も当然狙っていきます。」

ダニ・ペドロサ

「確かにそうですね。他に付け加える事はありません。」


Q

「2017年型のエンジンもテストしたと語っていましたが、これは2016年型をベースとしているんでしょうか?」

マルク・マルケス

「スタートとしては同じレベルですね。今はこれでハッピーということ以上はお話出来ないですね(笑)フィーリングは異なりますが、トラックで試す1回目としてはいい感じですよ。


Q

「ヴァレンティーノ、ヤマハにとってこのトラックのどこが難しいですか?」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「いくつかのコーナーが非常にタイトで、そこから低速で一気に加速して行く必要があるんですよね。特に2つ目のシケインからの加速はそうで、非常に長いバックストレートに続いていますしね。そこからの加速で少し失っている部分があります。でも他の部分ではバイクはよく動いてますし、流れるようなコーナーではうちのバイクは本当に良いですね。その後のハードブレーキングポイントでも過去には苦労していましたけど、今年はタイヤのせいもあって何もかも違うという感じですね。今年はそういった部分がどうなのか、明日から見ていくという感じです。」


Q

「ミサノの後では、ヴァレンティーノのオーバーテイクをかなり強い調子で非難していましたが、その後ビデオを見て考えは変わりましたか?」

ホルヘ・ロレンゾ

いいえ。逆にその思いを強くしました。自分のバイクからは彼のラインは見えませんでしたし、ビデオで彼のラインが良く見えましたから。ですから自分意見は変わっていません。」


Q

「今からマルケスに追い付くのはかなり難しい中で、チャンピオンシップで2位を獲得することと、優勝を狙っていくことと、どちらが大事ですか?」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「両方ですね。2位というのはチャンピオンシップ優勝に比べると重要度は低いですよ。両方を目指します。」

ホルヘ・ロレンゾ

「出来るだけ勝利を重ねて、チャンピオンシップ2位を目ざすということですかね。いつも言っているように2位は3位よりも良いですし、3位は4位よりも良いですから。」


Q

「今週はニッキーがいますが、今年は8戦違うライダーが優勝しています。これが変わる可能性もありますか?」

マルク・マルケス

「もしニッキーが表彰台を獲得したら自分達が困ってしまいます(笑)ただニッキーは本当にいいヤツですし素晴らしいライダーです。それにホンダライダーでもあります。彼はトップ12では完走出来ると思います。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「2006年にベイリスがヴァレンシアのワイルドカードで優勝するって事がありましたよね。よく覚えていますけど(笑)彼は本当に良いヤツですし、自分はこの前に少し話したんですよ。彼がミシュランを履いて気分良く走れればという感じですかね。彼はミシュランを履いて常に速かったですから。ですからミシュランを気に入れば、良いレースが出来ると思います。」

ホルヘ・ロレンゾ

「このスポーツでは何事も起こる得ますからね。もし彼が優勝したチームにとっては本当にラッキーでしょうね。」

ダニ・ペドロサ

「自分もベイリスの事は良く覚えています(笑)彼が勝てば9人目の優勝ライダーですからね。ヴァレンティーノが話していたように、彼はミシュランの経験が豊富です。ただ今はスーパーバイクで走っていますから、最初は本当に大変でしょう。ただ彼はマシンとタイヤの組み合わせには慣れていると思いますね。」


Q

「同じ形で全員に質問ですが、誰が9人目になると思いますか?」

マルク・マルケス

「難しい質問ですけど、ドヴィツィオーゾじゃないですかね。彼はいつも惜しいところで2位で何度も完走してますからね。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「そうですね。ドヴィツィオーゾだと思います。」

ホルヘ・ロレンゾ

「ええ。ドヴィツィオーゾですね。」(※会場笑)

ダニ・ペドロサ

「難しい質問ですけど、彼が最も近いでしょうね。理論的でこのシーズンドライで勝利していないライダーです。ただフラッグtoフラッグやレインコンディションでは、普段優勝圏内にはいないライダーが優勝することもあると思います。」


Q

「ブラッド・ビンダーに質問です。誰がMotoGPで9人目の優勝ライダーになると思いますか?」

ブラッド・ビンダー

「全くわかりませんね(笑)誰になるか検討もつきませんが、きっと素晴らしいレースになると思います。」

ニック・ハリス

「皆さんそれではありがとうございました。」