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★Ninja H2R(ニンジャH2R)ロサイルサーキットでの試乗レビュー

Ninja H2 新車情報 カワサキ

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カワサキのNinja H2R、Ninja H2の試乗がロサイルで開催されていました。各国のジャーナリストによる興奮の試乗レポートがいくつか出ていますのでご紹介。

しかし、170db/326馬力って一体どんな世界なんでしょうかね。。

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カワサキが発表したNinja(ニンジャ) H2とH2Rは自分が今まで見てきた中でも、最も興味深いバイクと言えるだろう。シャープでアグレッシブ、どちらもカーボンを多様し、とてもユニークな純銀のミラーペイントが施されている。排気量はどちらも998ccで、エンジンにはスーパーチャージャーを組み合わせている。サーキットでしか乗ることが出来ないH2Rに至ってはエアロダイナミクスを重視したウイングを装備しているのだ。

 世の中に色々なバイクがある中で、メンテナンスサイクルが短く、利便性のかけらもない、最高速度386km/hのバイクがあるというのは素晴らしいことだ。その製作は完全に一からスタートしたものであり、毎週少しづつ予告ムービーによって全貌が明らかになっていった。

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通常のプレス向けの試乗イベントというのは、太ったオッサン、初めてのバイクにはしゃぐ子供のようなジャーナリストなどによって、和気藹々とした雰囲気で行われる。
しかし、今回のプレスイベントは皆一様にナーバスな顔を浮かべていた。もしかするとそれは、バイクに対するリスペクトと言えたのかもしれない。間違いなく言えたことは、ロサイルのガレージに集まった皆の面持ちは、極めて真剣だったということだ。

 

さて、2台のバイクの試乗を終えた今となっては、言葉でこのバイクがいかにセンセーショナルなものであるかを説明するのは難しいと言えるが、H2Rの予告ムービーのように順を追ってご説明しよう。

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Ninja H2(ニンジャH2)

まずH2について最初に気付く点としてはステンレス製のエキゾーストによるサウンドが驚くほど静かであるということだろうか。シートは絞りこまれた形状をしているため、またがるとコンパクトなバイクだと感じることが出来る。また、このクローム仕上げと言えるタンクの利点はカワサキのエンジニア達が考えもしなかった点で役立った。そう。私は興奮のあまりレザースーツのジッパーを上げるのを忘れていたことに、タンクに映る自分の姿で気づいたのだ(笑)

 

ロサイルは特徴の無いサーキットで、特にこれといったアップダウンも無くどのコーナーも似たような作りだ。誤解を恐れずに言えば、このサーキットの難しさはそのロケーションで、砂漠のど真ん中にサーキットがあるということに尽きるだろう。気温は30度以上で、初めて走ることを差し引いても、自分のこのサーキットでのラップタイムはGPライダーを驚かせるものでは無かったことは確かだ。

 

H2のキャンディーグリーンのトレリスフレームとフルアジャスタブルのKYB製のサスペンションは、どのコーナー、どのスピード域であっても快適で、自信を感じさせてくれるものであった。だが、皆が知りたがっているのはスーパーチャージドエンジンの強烈さについてだろう。

 

もし日本に飛んで、カワサキのエンジニアに「H2のエンジンはZX-10Rにスーパーチャージャーを付けたようなもんなんでしょ?」なんて事を言ったら、顔面を平手打ちされることは間違いない。強烈な一撃を食らうことは保証しよう。

エンジンは完全内製のスーパーチャージャーと組み合わせて作られたもので、ガスタービン、航空宇宙部門の協力を得て作られたものだ。このスーパーチャージャーは非常に効率が良いので、巨大なインタークーラーすら必要としない。つまり、強大なパワーをあらゆるスピード域で引き出す事が出来るのだ。

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つまり、このバイクはク◯速いということだ。(※原文は******* quiick つまりFから始まるワードでしょうねw)ロサイルの終わりが見えないほどの1,068mのストレートを走りながら、カワサキがこのイベントをなぜロサイルで開催したのかを理解できた。

 

最終コーナーを立ち上がってメインストレートを駆け抜けながら、バイクに急かされるように6速のギアボックスをかき上げる。レッドラインは14,000回転前後、インペラーは約140,000回転で回っており、1秒間におよそ200Lの空気を吸気し、H2の4気筒エンジンに送り込んでいる。(※管理人注 インペラーの回転速度はクランクスピードの9.2倍と公表されていますので、クランクスピードが14,000回転時にはインペラーの回転数は約128,800回転となります。)

 

しかしそれでいて、まったく耳障りな音がするわけではない。非常にコンスタントでスムースな走行で、H2のリミッターが作動する299km/hまであっという間に到達する。
「H2Rはさらに126馬力もパワーがあるのか。。」なんていうことを考えながらストレートの終わりに差し掛かり、3速までシフトダウンする。スーパーチャージャーの奏でるノイズが実に心地良い。

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ブレーキはブレンボのモノブロック製キャリパーなので、これ以上の制動力を望む事はないだろう。238kgのバイクで気温33度の中で走っていても、ブレーキがフェードする気配は全く無い。走りこんでいくうちに、カワサキがこのH2に与えた「ハイパフォーマンスマシン」というコンセプトが腑に落ちてきた。というのも、このバイクはスーパーバイク(※日本でいうスーパースポーツ)を倒すためでも、サーキットレコードを更新するためでもなく、オールラウンドにパフォーマンスを発揮する事を目指して作られたバイクであろうことがわかるからだ。

 

確かにH2のハンドルはZX-10Rと比較してワイドで高い位置に取り付けられている。ステップ位置も快適な位置にあると言え、全体的に乗車姿勢は非常に快適だ。
だが、けしてこれらのせいでサーキットで遅いというわけではない。スーパーバイクと比較した場合、確かにコーナーでは遅いかもしれないがストレートでのスピードは圧倒的だ。なにしろ、そのトルクはスーパーバイクとは比較にならないほど強大なのだ。

 

ロサイルの1ヘアを立ち上がる際は2速に入れていたが、H2はその状態でもフロントが浮き上がって来てしまうほどのパワーを見せた。そのままスロットル全開のまま、クイックシフターによってギアチェンジを行う。システムは実にスムースで、B◯WのR1200なんとかというバイクとは比べ物にならない。

 

もしH2に関して何かしら向上出来たら良いと思う部分はエレクトロニクスだろう。ローンチコントロール、エンジンブレーキ、9段階のトラクションコントロールなどによって、自分もハイサイドから何度か救われていることは確かだろうが、他の1000ccスーパーバイクのようなリーンアングルセンサー、コーナリングABSは装備されていない。

また、トラクションコントロールに関しても、他のメーカーのそれよりも賢いとは言いがたい。最新型のR1に至っては6軸の慣性計測ユニットを装備しているが、H2にはそういった類のものは装備されていない。確かに先進的なシステムは搭載されているが、同世代のバイクからは若干の遅れをとっていると言えよう。

 

また、クイックシフターのオートブリッパー(※自動的にアクセルを煽って回転を合わせる仕組みでしょうか。)も無い。つまり、リヤタイヤをシフトダウンでロックさせたくなければ、自分でアクセルを煽って回転数を合わせてやる必要がある。勿論自分で出来る事ではあるが、システムで制御してくれるほどに上手くは出来ないだろう。

 

ただ、これらの内容はほとんどのライダーは気にしない内容だろう。実際に自分もH2の素晴らしいパワー、クラフトマンシップを大いに堪能した。このクラフトマンシップに関しては、片持ちのスイングアーム、非の打ち所の無い塗装、素晴らしい溶接部などに感じる事ができる。

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オーリンズの電子制御ステアリングダンパー、グリップの良いシート、ペグなども、このライディングの体験に大きく貢献している。テールユニット自体が3段階の位置で調整可能なので、激しい加速の中においても体をしっかりと固定することが出来る。デジタルのダッシュボードは視認性が高く、ギヤポジション、スピードなどがしっかりと確認出来る。

 

モーターサイクルジャーナリストは、新車発表の際は興奮してあれもこれもと褒め称えてしまう傾向がある。確かにロサイルはライディングする場所としては最高に気持ち良いロケーションではある。だが、このH2は他のどんな道で乗ったとしても、素晴らしいバイクであることだろう。

さて、H2に関してはこのくらいにして、いよいよH2Rの話をしよう。

 

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Ninja H2R(ニンジャH2R) 

H2Rを見ると、今まで公開されてきた20ものプロモーションビデオが頭をよぎる。あのバイクが今自分の足の間にあるのだ。126馬力追加されたエンジンパワー、カーボンファイバー製のフェアリング、そしてエアロダイナミクスのための羽根。チタン製エキゾーストなどがH2との大きな違いだ。

 

もし雷の音が好きだというのであれば、H2Rの音はきっと気にいるだろう。こいつは自分が今まで経験したバイクの中で最も凄まじいエキゾーストを奏でる。通常のMotoGPマシンよりも、サイレンサーなしのダウンパイプ状態のバイクよりも音量が大きい。こいつのサウンドは驚くべきものだ。

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ロサイルのストレートを走行するH2Rのサウンドをカワサキのビデオチームがレコーディングしたところ、なんと170dbだった。これはジェット機が25m先で離陸する時の音より20dbデカイ。現在開発中らしいトラックリーガルの音量にまで音量を落とすエキゾーストの開発には、莫大なコストがかかっているようだ。

 

トラックを走りだすとH2とのパワーの違いは歴然だ。驚くことに6000回転以下ではH2のほうがトルクがあるのだが、それ以上になってくると、H2Rのパワーカーブはひたすらに上に向かって突き進んでいく。

 

これだけの馬力を持っていながら、H2Rのエンジン内部は通常のバイクとさほど大きく異なるわけではない。よりアグレッシブなカムシャフト、ヘッドガスケット、強烈なクラッチがこのパワーを支えている。インテークの構造はH2とH2Rでは異なり、H2Rは2本のカーボンファイバー製のシステムのところ、H2の場合は1本のプラスチック製のものが装備されている。

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エンジンは5000回転以下ではパッとしないが、それ以上の回転になると、そんな事はどうでも良くなる。326馬力の感想?今までにこんな恐ろしい加速を体験したことは、ただの一度も無い。

1速〜3速までの加速は凶暴以外の何物でもない。そして毎回シフトアップの度にフロントは勝手に浮き上がる。残りの3速を使用して、ほとんどジャーナリストは1コーナーのブレーキングまでに321km/hに到達していた。

 

カワサキによると、十分な直線区間があればH2Rは386km/hまで出るらしい。。これに関しては全く実にその通りだろう。H2Rは321km/hの状態であっても、600ccのスポーツバイクが4速で加速しているような余裕を見せていたのだ。

 

これにはH2RがH2よりも22kg軽いということも関係してくるだろう。ブレーキングの効きも良く、さらに曲がり、コーナー立ち上がりのパワースライドのフィードバックもより凄まじい。5.3kmのロサイルで、H2のラップタイムは2分少々、H2Rの場合はそこから11秒も速かった。もっと熟練したライダーの手にかかれば、その差はさらに大きくなるだろう。

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H2Rに乗れたという経験はまさに究極のスリルだった。326馬力というキチガイのようなパワーを体験した喜びと同時に、次に乗れる機会はいつだろうかと思うと悲しくなる。
Ninja H2Rのライディング体験は、おそらく私が経験した中で最もセンセーショナルなものとなるだろう。

 

【Ninja H2R諸元】
エンジン:998cc水冷4気筒スーパーチャージャー
最大出力:310馬力(ラムエア時326馬力/14,000回転)
トルク:16.83kgm/12,500回転
装備車重:216kg
タンク容量:17L
シート高:830mm


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