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★今年で登場から23年を迎えるDucati916

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MCNにDucatiの名車916を解説した動画がありました。結構面白い話をしているので簡単に意訳してご紹介します。管理人は昔916 senna2を所有していたんですが、自殺スタンド、信頼性の無い電装など頷ける点が多々ありました。とはいえ、その操縦性、整備性の良さなどは未だに鮮明に覚えている1台でもあります。 f:id:teletele916:20170205025503p:plain 今日はこのDucati 916というバイクが登場して23年目です。正確にはこのモデルは95年製です。マニアックな話をするのであれば、最初に登場したのは94年でモノポストモデルとして登場しました。このバイクは916SPでホワイトのテールユニットが取り付けられています。とにかく23周年おめでとうといいたいですね。このバイクがその後のスーパーバイク界を変えたバイクです。このバイクの前には888がレースでも勝利していましたが、このバイクが登場して以降、スポーツバイクの見た目、そしてパフォーマンスが大きく変わりました。

このバイクをデザインしたのはBimotaのtaであったタンブリーニです。実に象徴的なデザインと言えます。タンブリーニはイタリア人で当然女性が大好きでした。このバイクもそうした女性をイメージさせるデザインを持っています。このカウル前半の部分がバストとするなら、タンク後端がくびれの部分にあたり、そこからボリュームのあるヒップに繋がっていきます。916で興味深いのはこのアンダーシートマフラーです。カール・フォガティと以前話した時に彼が初めてファクトリーでこのデザインを見た時、彼は「こんなのは時間の無駄だ」と思ったようです。タンブリーニは当初アンダーシートマフラーではなく、通常の位置にマフラーを配置するデザインを考えいたようですが、92年にホンダから楕円ピストンのNR750が登場します。タンブリーニはそのデザインを見て、「これはいいアイディアだ」と思ったようです。そのためDucatiはその後アンダーシートマフラーを採用するようになったわけです。


もう1つはこのシングルサイド(片持ち)スイングアームです。これはそれほどユニークなデザインというわけもなく、タンブリーニもこれをデザイン上の理由で採用したようです。また、シングルサイドスイングアームは両持ちのスイングアームより重いですが、見た目も良いですし、耐久レースにおいて良く使われたデザインとも言われています。チームはレースにおいて916のエンジンを2戦ごと、ある時は毎戦ごとに新しいものに交換しており、スーパーバイクを戦う上で916はその排気量をチームの要求に従ってアップしていきました。このモデルは916SPで排気量は916ccですが、その後996ccに排気量がアップし、998ccにまで排気量を上げていきました。


面白い点としてはスロットルの下に小さなボタンがあり、これを押すことでアイドリング回転を高く保つ事が出来るようになっています。これがいわばDucatiのチョークシステムなわけですね。(※管理人注 これは、あんまり使えないですw)そしてもう1つ有名であらゆるオーナーにとって苛立たしいのが、この自殺スタンド。このスタンドは下りた状態では止まらず、そうするには手を加えるしかありません。


マニアックなポイントとしてこのサイドカウルの上下を止めているリベットが、最初の500台はソリッドリベットなんです。なぜそうなっているのかはわかりません。最初の500台はCAGIVAのファクトリーで製造されたからとも言われていますが、同様の理由で最初の500台はCAGIVAレッドと言われるカラーとなっており、Ducatiのレッドとは異なっています。また同様にこの燃料タンクのキャップにもこのバイクはCAGIVAのロゴが刻まれています。また誰もが知っているこの有名なDucati916という大きなロゴも、その後の996からは小さくなりデザイン変更されサイドカウルの上部分に描かれるようになりました。


916のエンジンはマッシモ・ボルディによるもので、851、888の4バルブ水冷エンジンの流れを汲むものです。クラウディオ・カスティリオーニが今までの空冷エンジンに変わってボルディの851エンジンを初めて採用するという決断をするには時間がかかったようです。このエンジン自体は916cc、996cc、998cc最後に999ccまでに排気量がアップしました。(※998R)そしてその後1098で採用されるエボルツィオーネエンジンに変わっていきます。


フェアリングは実に美しいデザインと言えます。このフェアリングはレースバイクと同様にクイックファスナーで留まっており、簡単に取り外す事が可能です。フェアリングの下部分も2個のクイックファスナーで留まっており、これをしっかり留めることが出来ないと左右に開いてきてしまうという少々厄介な作りにもなっています。電装関係の耐久性に関しては初期のイタリア製バイクらしく非常に低いと言えます。


あと細かい点としてはスイングアームのエキセントリック部分を止めているボルトがしっかりと閉まっているかを確認したほうが良いでしょう。ハブの部分に関しても前後からしっかりと確認をしてください。マフラーはご覧のようにテルミニョーニ製で、Ducatiとは実に長い歴史があります。そしてこのホイールは実はブレンボ製なんです。916の初期のものはブレンボ製のホイールを履いているんです。そしてその後はマルケジーニ製を履くようになります。そしてフォークはSHOWAのもので、このモデルはリアにオーリンズのショックを搭載しています。


ざっとこんなところですが、私の退屈な916の解説を楽しんでいただけたのであれば嬉しく思います。繰り返しになりますが、916の23周年おめでとうございます。現代でも非常に美しいバイクですよね。