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★MotoGP 「ファクトリー2」ルールはやっぱりDUCATIびいきか?

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最近ドルナがDUCATIのために作ったであろうファクトリー2ルールを巡って色々と話題になっていますが、ちょっと詳しくcycleworldからニュースが出てましたのでご紹介します。

 

 

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現在のMotoGPにおける大きな話題として、DUCATIオープンクラスにスイッチすることにドルナが呼応して新設したかのように思えるファクトリー2がある。

(※ファクトリークラス:自由なソフトウェア、20L固定の燃料、年間5機のエンジン、エンジン開発は凍結)

(※オープンクラス:ドルナから提供されるECUとソフトウェア、24L固定の燃料、年間12機のエンジン、エンジン開発可、エクストラソフトのリヤタイヤ使用可能)

 

新設されたレギュレーションにおいては、オープン機が次のいずれかの要項(ドライコンディションでの優勝/2位表彰台を2回獲得/3位表彰台を3回獲得)を満たした段階で、オープンクラスからファクトリー2クラスに自動的に移動するものとしている。

 

ファクトリー2の要項は下記の通り。

(ファクトリー2:22.5L固定の燃料、年間9機のエンジン)

 

プレスはこれはオープン機にスイッチしたDUCATIに対する制裁のようなものだとしているが、これはDUCATIに望んでいた物を与えると同時に、ファクトリー参戦する他のメーカーにとって妥協点として提示されたものではないのか?

 

この取り決め自体、オープンクラスで戦うDUCATI、Forward Racingには悪くない話で、主な狙いとしては今後のMotoGPの流れである「各メーカーがドルナが提供するECUとソフトウェアを使っての参戦」に強烈に反発するホンダのボス、シュウヘイ・ナカモトをなだめる狙いがあると思われる。

 

 

ブリヂストンが最近行ったフィリップアイランドの3日間のテストでは、DUCATIのアンドレア・ドヴィツィオーゾがコンスタントに最高速度を記録し、その最高速度は341.985km/hに達した。

 

今まで燃料を節約気味で走っていたDUCATIのエンジンが求めるだけの燃料を与えれば、こういったパフォーマンスを発揮するであろうことはある程度予想の範囲内ではある。

これは同時により良好なアクセルのツキを保証し、トップスピードにおいては全く不足が無いということを意味する。

 

燃費を良くするのに最も効果的な方法は圧縮比を上げる事だが、そうすると燃焼室内の圧が高まり、燃焼を遅くしてしまう。

これがトップエンドのパワーとトップスピードの制限に繋がってしまう。

 

しかし22.5Lの燃料であれば、圧縮比は燃費のためでなくパフォーマンスの観点からどの程度にするかが選択可能になる。カムの選択にも全く同じことが言える。エンジンにとっては、長い闘病生活から一気に健康を取り戻したも同然だ。

 

ファクトリー2になったとしても、年間12機ではなく年間9機のエンジンというのは、昨年ファクトリークラスで少ないエンジン数での経験を積んだDUCATIからすると、簡単な数字だろう。

 

デスモドローミック機構(※管理人注 DUCATIのエンジンは伝統的にバルブの開け閉めをバルブスプリングではなく、カムとロッカーアームによる強制バルブ開閉機構を採用しています。)特有の強制バルブクロージングレバーなど、デスモの構造においてクリティカルなものは、18レースを5機のエンジンでやりくりするとなると不調が出てくる可能性もあるが、これが9機のエンジンとなると、こういったクリティカルな部品に耐久性は必要ない。つまり、よりエンジンを酷使してパフォーマンスにふる事が出来る。

 

どうやらファクトリー2という新体制は、ドルナのボスであるエスペレータ氏にとって、彼の"オーケストラ"(MotoGP)をノセるための動きかもしれない。

 

ファクトリー2クラスを「わざわざ新規に作る」ことは、ナカモト氏をなだめるために"何かをした"という事になるし、DUCATIとForward Racingにとってオープンクラスよりも条件が厳しいファクトリー2での参戦になったとしても、依然として魅力的な条件ではあるというわけだ。

 

歴史を思い起こせば、DUCATIが2003年のMotoGP開催2年目に圧倒的なエンジンパワーで乗り込んできた時、あっという間に表彰台の常連になってしまった事があった。

(※翌年DUCATIが自らの改悪で表彰台から居なくなったのは別として)

 

そしてホンダにとって屈辱的な年となった2007年。

レギュレーションが990ccから800ccに変更となり、DUCATIの超強力な"ミサイル"ケーシー・ストーナーによって、ホンダとヤマハは実に苛立たしいシーズンを送ることになった。

(※管理人注 2007年のレギュレーション変更もホンダにとっては有り難く無いというか、まさに狙い撃ちのような改正でした。今まで990cc 4気筒、5気筒というパッケージでの最低重量が148kg、2007年は排気量が800ccになっただけで4気筒の場合は同じ最低重量が148kgでしたが、5気筒の場合は最低重量が155kgに引き上げられたために、ホンダは重量増を嫌って今までの技術と5気筒を捨て4気筒エンジンの開発に着手。)

 

ホンダがこれ以上のルールの改変を大目に見ることは無いのではないだろうか。ただこれは政治と同じであり、ファクトリーチームは徐々にエスペレータのプランに沿って動いているようにも見える。

 

(情報元 cycleworld.com

 

スーパーバイクが日本製マシンが勝ちにくいような形でどんどんとレギュレーションを変えていったように、MotoGPもそういった流れになるのでしょうか?

 

とはいえ、現在のDUCATIとホンダ、ヤマハの技術力の差は圧倒的なものがあるので、よほど強引な形でルール変更しない限りは、DUCATIが再度戦闘力を持つ事は難しいのでは?と思いますが。

 

ただ、やはりそういった流れというか思惑があるのだろーな。。というのは感じてしまいますね。