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★MotoGP2017 ホンダ、ヤマハを追いかけるスズキとイアンノーネ

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セパンテストではビニャーレスに次ぐ総合2位を獲得し、好調さをアピールしたスズキとイアンノーネ選手ですが、昨シーズンも”速いが危なっかしい”という走りで安定感に欠けるシーズンでした。今年はベテランのドヴィツィオーゾ選手がチームメイトだった去年と異なり、MotoGPルーキーのリンス選手がチームメイトです。安定した結果を残すこと、マシン開発をリードすることという2つの大きなタスクがイアンノーネ選手の肩にかかっています。 f:id:teletele916:20170205025106j:plain (Photo courtesy of michelin)

アンドレア・イアンノーネはセパンテストでオフィシャルのスズキカラーに身を包み素晴らしいタイムを記録した。初日に5位、2日目に1位、3日目は11位で、総合順位はマーヴェリック・ビニャーレスの後ろとなる2位だった。常に爆発的な走りのアンドレア・イアンノーネと素晴らしさを増すスズキGSX-RRのコンビネーションは素晴らしいように思える。


統合ECUの技術的制約によって利益を被っているメーカーがあるとしたら、それはスズキだろう。日本メーカーの中でも最小のスズキは常にホンダとヤマハの影の存在だった。この2つの巨大メーカーが常に互いにもみ合いながら、互いに相手に勝ろうとあらゆる技術、資金的なリソースを集中するたびに、常に後塵を拝してきてスズキにとって追いつくのは至難の技だった。これが統合ECUの導入によって劇的に変わった。そしてその変化は目に見えて大きなものとなってきた。


今年3年目を迎えるスズキがセパンを後にする際に感じていたのは、この2大メーカーにさらに接近したという感触だった。スズキはその素晴らしさであるライディングのしやすさ、機敏なハンドリングを捨てずに、スズキのエンジニア達はさらなるエンジン馬力を注入した。今まではこのカテゴリーの中でもGSX-RRは最も遅いバイクであった。スズキはどの分野に関しても他メーカーと比較して目立ったところのないバイクかもしれないが、効率的でライディングしやすいバイクとなったのだ。


実際のところマレーシアでの問題は、増大した馬力が電子制御のコントロールの範疇を超えていたということだ。新しいパフォーマンスに対しての調整を行うのはエンジニアの仕事で、チャンピオンシップ開催までの時間を考えると問題にはならないだろう。


セパンの内容を分析してスズキにとって今シーズンのハンディキャップとなりそうなものは、ライダーのレベルが揃っていないことだ。MotoGPにセカンドチームもない状態で、ルーキーのアレックス・リンスを抱えるということは、アンドレア・イアンノーネが一手に開発の重荷を引き受けることとなる。


私はイアンノーネのアグレッシブなライディングのファンなのだが、彼は2017年には転倒の数を減らすために成長が必要だ。セパンでイアンノーネは非常に速かった。2日目に最速タイムを記録したが、素晴らしいテストを終える前に3日目に彼は2度も転倒し、11位に終わった。


いずれにせよ、ダヴィデ・ブリビオと日本の技術者達は、第2世代のMotoGPプロジェクトのスタートには喜んでいる。来週のフィリップアイランドテストで、イアンノーネとスズキのデュオがどのような結果を残せるのか興味深い。

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