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★MotoGP2016マレーシアGP 予選プレスカンファレンス翻訳

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遅くなりましたが、土曜日の予選プレスカンファレンスの翻訳です。Moto2ではザルコ選手がウェットのレースでチャンピオンシップ優勝を決めましたが、この後のMotoGPクラスでは路面コンディションはかなり難しそうに思えます。質問の中では改修されたターン15について、ロッシ選手とマルケス選手のダブリウイリーについて、ロレンソ選手のレインコンディションでの速さについての他、Moto2でザルコ選手がチャンピオンシップ優勝出来ると思うか?などの質問がありました。 f:id:teletele916:20161030151057p:plain

ニック・ハリス

「非常に難しい予選でしたね。どのような状況になるのかわからない中での予選でした。」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ

f:id:teletele916:20161030151140p:plain 「確かに難しい予選でした。雨でしたしね。路面のグリップは高いんですが、ただ普通の路面に比べて乾きにくいような感じがしますね。走行ライン上がいつまでも濡れている所があって、走りたいようなラインを走れませんでした。ですから今朝の最初の練習走行(FP3)は難しかったです。雨が激しく降ったり止んだり、予選の最後には水がほぼなくなっているような状態でした。全ての状況に適応する必要がありますが、簡単なことではないですね。今日は戦略を予選の間に変えたんですが、それがうまく行ったのは嬉しいですね。ソフトのリアタイヤにハードフロントでしたね。」

ニック・ハリス

「ほとんどのライダーは予選の間は走りっぱなしでしたが、あなたはピットに戻ってきました。インターミディエイトに履き替えるのかと思いました。」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ

「いやそれは無かったですね。戦略としてはソフトタイヤで走り続けるというものでした。ただほとんどのライダーがハードを履いていたので、戦略を間違えたかなと思っていたんです。ソフトで100%じゃないのに最初から良いラップタイムを記録出来たんですが、コーナーエントリーで動きが大きすぎると感じたんです。ただ2周目、3周目と走ることが出来ませんでした。ピットに戻ろうと思ったんですけど、ショートカットを使わなかったので時間を食ってしまいました。そのせいでハードタイヤで良いタイムを記録する可能性がなくなってしまいました。3周目はさらに良いタイムで走行出来たはずですが、2周目でポールポジションを獲得出来たので、それに関して嬉しく思っています。」

ニック・ハリス

「多くの人が次に勝つライダーはあなただと思っているわけですが、どのようなコンディションを望みますか?」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ

「今朝はドライであまりフィーリングが良くなかったんです。今週は妙な天候ですからね。明日はウォームアップで晴れてバイクのフィーリングを向上させたいですね。雨でレースをしたいと思っているライダーなんていないですから。ただ、雨でも自分達は戦闘力が高いですよ。」

ニック・ハリス

「ドヴィありがとう。それではヴァレンティーノ。オーストラリアのように15位ではなく、素直にフロントローを獲得出来ましたね。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

f:id:teletele916:20161030151200p:plain 「ええ。ただレースは明日ですから今日はあまり重要ではありません。ただフロントローでスタートするのは常に重要ですし、明日のレースに向けては特に重要ですね。今日は良い形でバイクに乗れましたし、どちらのコンディションでも競争力がありました。今朝も最初から良い調子で、明日は皆がドライのレースを望んでいると思います。今朝は皆速かったですし、晴れれば良いバトルを見ることが出来るでしょう。上位4台は0.1秒差ですし、ペースも非常に似ています。ただ何事も起きえる可能性があります。アスファルトはとても良いです。グリップも良くてバンプも少ないです。ただ乾くのに非常に時間がかかります。プッシュは出来ますが、常にウェットパッチに気をつけている必要もあります。自分はウェットでも問題はないので、フルドライ、フルウェットのどちらであっても戦闘力を発揮出来るでしょう。」

ニック・ハリス

「今回はずっと外に出たままという形の予選でしたが、あなたは出たり入ったりのほうが好きなように思えます。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「そうですね。妙なアプローチでした。いつもなら新しいタイヤに常に交換してタイムを出していくんですけどね。色々と話したんですが、15分ではウェットタイヤの性能を引き出すのは難しいだろうという話になり、それでずっと走りつづける方法を取ったんです。最後になって2位を獲得するタイムが出ましたから、最終的には良い戦略でしたね。」

ニック・ハリス

「ヴァレンティーノありがとう。それではホルへ。フロントローを獲得し、今のところ良い週末ですね。ヴァレンティーノとドヴィも話していた通り、出走するたびに難しいコンディションでしたね。」

ホルヘ・ロレンソ

f:id:teletele916:20161030151213p:plain 「結局最後までウォーターパッチがあったので、完全なドライでしっかりとした練習が出来ませんでしたね。ロッシが話していたように、このトラックは水が引きにくいですね。ただグリップに関しては驚くほどです。モディファイを加えられたコーナーはバンクの具合が少し妙ですけどね。自分達のバイクもグリップが良いです。ドライ、ウェットで競争力を発揮出来ていると思います。予選はずっとプッシュし続けるという戦略を試しました。何周も走り込んでスピードは非常に良かったですね。ただポールポジションには十分ではなかったようです。とは言え、重要な事は1列目だということです。後は天候ですね。ドライになるか、ミックスコンディションになるか、オールウェットか。」

ニック・ハリス

「チャンピオンシップ争いにおいて3位にビニャーレスが接近していますね。」

ホルヘ・ロレンソ

「晴れだと4人のライダーがほとんど変わらぬタイムで接近しています。雨の2つのセッションではいずれも良い感触でした。マーヴェリックのほうがペースは速いみたいですが、レースでは何が起こるかわかりませんし、どのコーナーで、どの周回で転倒するかもわかりません。ですから、とにかくドライのレースを望むということですね。」

ニック・ハリス

「ホルヘありがとう。それではフロアからの質問をどうぞ。」


Q

「Moto2のタイトル争いについて伺います。ルティとリンスがザルコに勝つ可能性もあると思いますがどうでしょうか?」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ

「ザルコのほうが多くのポイントを確保していますが、残り2戦という状況では何が起きてもおかしくありません。スタートにもよりますし、全てのライダーのアプローチは異なるわけですからね。ただ、彼は既にチャンピオンを獲得していますから、うまくコントロールするでしょう。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「残り2戦で彼はアドバンテージを持っています。ただまだチャンピオンシップは終わってませんから集中している必要があるでしょう。シーズンを通じてリンスなどと戦ってきましたから、最後もそうした戦いになると思います。ただ、リンスはミスをして肩の問題もあってポイントを失いました。ルティは過去2戦でスピードがあって2連勝しています。ただヨハンは今年素晴らしいライディングをしていますし、ポイントでアドバンテージを持っていますし、やはりそのアドバンテージは大きいと思います。」

ホルヘ・ロレンソ

「彼のアドバンテージは大きいですし、彼はウェットで本当に強いですからね。ですからもしウェットコンディションであれば、彼は素晴らしいスタートをするでしょう。自信を感じて走行が出来るでしょうね。唯一の問題はここ最近は良いスタートをしていないということでしょうか。Moto2ではスタートが良くないと、多くのライダーを抜く事になってしまいます。それに世界タイトルを獲得するのは難しいですからね。自分の経験からも2006年は常にそうした問題を抱えていました。ただ彼は既に世界タイトルを獲得していますからうまくやるでしょう。ですから楽しんで、そしてライディングに集中をしていればチャンピオンになれると思います。」

ヨハン・ザルコ

「ありがとう。(※照れ笑い)」

ホルヘ・ロレンソ

「いや、でも本当のことでしょ。」

ヨハン・ザルコ

「こういった言葉を聞けるのはいいものですね。みんなありがとう。」


Q

「ヴァレンティーノ、ここでは6回優勝していますが、2位スタートというのはより表彰台獲得のモチベーションとなりますか?また、ホルヘ、あなたがこんなにウェットで速いとは思いませんでしたが?」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「セパンは大好きなトラックなんです。多くの勝利を重ねてきましたが、最後に買ったのは2010年ですかね。本当に随分と前のことです。昨年はロレンソ、マルケスを始め多くのライダーが速かったですね。それにここでのレースは本当に多くの事を要求しますからね。2位スタートというのは確かに良いですね。後はコンディションがどうなるかですね。」

ホルヘ・ロレンソ

「自分が雨では戦闘力が高くないという意見に関しては、そう思いません。今年はミシュランだからさらに苦戦しているという事でしょう。特に最初の2つのレースではフロントに信頼感を感じるのが難しかったですね。ただ過去にはブリヂストンで雨の中優勝もしていますし、ポールポジションも獲得していますし、表彰台も獲得しています。ですから今日のように雨であっても競争力を発揮出来ると思います。丁度今日証明したようにね。ライダーにとっては、自信が無い状況だと速く走るのは難しいんですよ。」


Q

「あなたが雨では速く走れないと思っている人達に向けて、自分がいかに速いのかを披露するというのは気持ちが良いでしょうね。」

ホルヘ・ロレンソ

「自分が勝利しなかった場合などは大いに語られ、自分が勝利した時はそうではないですよね。ですから自分が雨だと良い走りが出来ないというのは、正しいとは言えません。ただこうしたスポーツですから、自分が意見をコントロールすることは出来ません。ただいつも自分が言っているように、自信を感じる事が出来なければ速く走れないんですよ。自信を持つ事が出来れば、ドライ、ウェット、いかなるコンディションであっても速さを発揮出来るんです。」


Q

「バイクとライディングはそれぞれ違うわけですが、ターン15に関しての意見をお願いします。また優勝争いをしながらこのコーナーにアプローチした時、最高のアプローチはどのようなものでしょうか?」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ

「変更がありましたけど、もう少し変更が大きいと思っていました。ただ昔のコーナーのほうがミスをする可能性が低いですね。小さなミスが最終的には大きなミスとなりますから。また走行ラインも異なり、レインの場合は特にそうです。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「ターン15からターン1までが安全上の理由で遅くなるように設計してあると言われましたが、その通りだと思います。この状態だと確かにいつもよりスピードが遅いですから、良い変更だと思います。ただドライだと大きな変化は感じません。ウェットではスピンが多いので異なるラインで走る必要があります。またドヴィが話していたように、過去のコーナーのほうがブレーキングで難しいですけど、変化はそこまで大きいわけではありません。」

ホルヘ・ロレンソ

「自分はなぜこうした変化があったのかは聞いていませんでした。個人的にはターン1にたどり着くまでのスピードはそこまで変わっていないと思います。ただ前も話したようにグリップが高いというのは自分達にとってラッキーでした。今までの路面ではブレーキングでさらに転倒があったでしょうね。」


Q

「ホルヘ、中間クラスで2連勝しているのはあなたが最後ですが、初回と2回目のどちらが難しいものですか?またヴァレンティーノ、モルビデリについてどう思いますか?」

ホルヘ・ロレンソ

「間違いなく最初のほうですね。自分は良い形でシーズンをスタートしましたが、3戦目の1コーナーで転倒して自分に疑問を持つようになってしまいました。アプリリアからワールドタイトルを獲得することに対してプレッシャーもありましたし、ドヴィから29ポイント離されていたんです。ムジェロで巻き返し、最終的にはチャンピオンシップ争いに残る事が出来ました。ただポルトガルで再び転倒が増え、4位となりました。それでドヴィがチャンピオンシップで非常に接近してきてしまいました。初めてのタイトル獲得でしたから、ヴァレンシアまで集中を保つのが難しかったですね。2回目は勝利数も増えて、ミスも減りました。ドニントンでの転倒、茂木で11位でしたが、それ以外は常に戦闘力を発揮しました。そして確かここでワールドタイトルを獲得したんです。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「自分への質問はフランコについてですよね?彼の事は本当に誇りに思います。ずっと彼を助けようとしてきました。今年は大きなステップアップを果たしたと思います。Moto2ではチームがとても重要で、彼がMarc VDSというトップチームで走る事が出来ているのは素晴らしいですね。後半戦はもう少し勝つ必要があると思っていて、フィリップアイランドはもう少しでした。ただ重要な事は常に表彰台争いに参加していくということ、練習走行でも戦闘力を発揮することです。彼は昨年トレーニング中に足を骨折してしまったんです。ですから100%ではないんですが、来年はチャンピオンシップ争いの中で強力な選手の1人になるでしょう。ただMarc VDSは自分のチームではありませんから、どうなるかはわかりません。」


Q

「昔はライダーが80%、バイクが20%と言われていましたが、最近の色々なテクノロジーを考えてもその比率は変わっていませんか?」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「いえ、これは特に大きく変化があってチームが非常に重要なんです。今はチームとライダーが50%ずつという感じでしょう。ファクトリーがバックについて、バイクをそのライダーのスタイルに合わせて乗りやすいように変えていくというのが重要です。今年はカルもそうですが、ファクトリーライダー以外のライダーが速さを発揮していますけどね。」


Q

「シモンチェリが亡くなったコーナーでのウイリーは計画していたものなのか、偶発的なものなのか?どうでしょう。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「いいえ。とくに考えていたものではなくて、彼にチャオと言おうとした。それだけです。」


Q

「マルケスがあなたの後ろで一緒にウイリーをしていたのを知っていますか?」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「自分はいつも練習の後にはウイリーをするようにしているんです。マルケスが一緒にやっていたのは知っています。あれは良かったですね(笑)」

ニック・ハリス

「以上ですか?皆さんありがとうございました。」