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★MotoGP中間レビュー:タイヤ

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moto mattersのエメットさんによる、MotoGPの中間レビュー第2段。今回はタイヤに関する話題です。前半戦は天候が大きな要因となるレースもいくつかありましたが、ザクセンリンクなどでレースウィークが始まって新タイヤが必要だ!とわかってからのミシュランの新タイヤ投入のスピードは凄まじいものがありました。 f:id:teletele916:20160806080016p:plain 新しいエレクトロニクスは2016年に変更された内容の1つに過ぎない。ブリヂストンからミシュランにタイヤが変わったことのほうが、前半戦においては大きな内容だ。大きく異なるタイヤの正確はチャンピオンシップにおいて大きなインパクトとなった。ライディングスタイルの変更で報われたライダーもいれば、そうでないライダーもいた。ミシュランがオフィシャルタイヤサプライヤーとなった序盤の9戦をどのように評価したら良いだろう?彼らがチャンピオンシップに戻ってきた事は良いことも悪いこともあった。


ある程度までは彼らが考慮していなかった驚きがあったという事で、想定した通りだったと言えるだろう。ハロルド・マクミランは何を最も恐れるかと聞かれて、「イベントだよ。何よりもね。」と答えている。MotoGPライダー達にとって、11月のヴァレンシアテストの後の一番の恐怖は、ミシュランのフロントタイヤだった。2日間で20という恐ろしい数の転倒は、ほぼ全員が転倒を経験したということだ。ライダーが思いがけずフロントを失うということが大きな懸念であった。


ミシュランはこの問題に取り組み、大きな進歩を見せたフロントタイヤを11月のヘレステストに持ち込んだ。そしてセパンでも同じ事を繰り返した。フロントは再びグリップするようになり、ブリヂストンほどではないものの、ある程度の予想が効きフィードバックもあるタイヤとなった。

リアタイヤの問題

驚くべきことに、ミシュランタイヤで最大の問題となったのはリアタイヤだった。最初の警告はセパンテストの最中にロリス・バズのリアタイヤが吹き飛んだことだ。チームとミシュランにタイヤの空気圧に関する非難がなされたが、最終的にはおそらくトラック上の何かによってパンクしたのだとされた。


災難は続き、アルゼンチンではスコット・レディングが練習走行の最中にリアタイヤの層間剥離に見舞われた。これは決勝レースの24時間前のことで、ミシュランとレースディレクションはレースの周回数を短縮し、ピットストップが必要なフラッグtoフラッグレースとした。


その後数戦はミシュランはそれまでよりも明らかに固いリアタイヤを投入。これはいくつかの騒乱を巻き起こし、一連の問題とは関係の無かったライダーからはリアのグリップ不足が叫ばれた。ダニ・ペドロサは、彼の軽い体重ではタイヤがグリップを発揮する十分な熱を発生させられないとして文句を言った。(現在もそうだ。)ヘレスでスコット・レディングは、リアはただスピンしただけで、けしてグリップすることが無かったと文句を言っている。

なぜタイヤのパンクが起きたのか?

アルゼンチンのFP4でレディングのタイヤが吹き飛んだのは、タイヤのデザインの欠陥なのだろうか?そうかもしれない。事故の原因として考えられる要因は実に沢山ある。トラックの温度は昨年記録されたものよりも随分高く、ミシュランが昨年テストした時よりも随分と気温が高かった。もとからタイヤへの攻撃性が高いトラックは、砂と泥のせいでさらにタイヤへの攻撃性を増していた。不可解な理由で、トラックの所有者はこのトラックで国際レース以外のレースを開催したがらず、そのせいでこのトラックは常に汚く、路面にゴムが載っていないのだ。


そしてもちろんライディングスタイルの問題もある。数人のライダーはスロットルの開け方がアグレッシブな為にタイヤからスモークを発生させるとして、他のライダーから非難されている。これは特に体の大きいライダーに関してで、スコット・レディングやヨニー・ヘルナンデスが特にそういった非難を受けている。「彼らがスモークをリアタイヤから発生させて自分を抜いて行くとき、数周後にまた戻ってくるとわかっているんですよ。」とユージン・ラバティはバルセロナで語っている。(※ここの部分ちょっと意味不明です。)これはタイヤに与えられる熱によって起こる。これはグリップを奪い、タイヤにストレスを与える。


スペックエレクトロニクスは役割を果たしただろうか?これはほぼそうだと言える。以前のシステムは自己学習型で、トラクションコントロールの量を毎周のタイヤの消耗に合わせてくれた。本当に賢いシステムはさらに予測的なもので、予想されるグリップレベルに応じて適切な量のトラクションコントロールを調製する。統一ソフトウェアのセッティングは固定されたもので、ライダーはマニュアルとの切替が出来る。つまりこのシステムは最適なグリップを僅かな間だけ発揮するということになる。


ライダーはタイヤの消耗度合いがある一定のレベルに達した後は、異なるマップに変更するまでの時間を自分でコントロールしなければならない。(もしかすると設定した周回数をこなした後はずっとかもしれない。)

タイヤマネジメント

数人のライダーは他のライダーよりもタイヤマネジメントに長けている。ヴァレンティーノ・ロッシはその良い例だ。ユージーンのマネージャーでコーチのジョン・ラバティが教えてくれたが、ロッシはヘレスの練習走行全てをタイヤを保たせる事に使っていたという。そしてロッシはポールポジションを獲得し、レースをリードして勝利を遂げた。これは彼のキャリアで初めての事で、統計値が彼のキャリアがあらゆる段階で今までいかに素晴らしかったかを強調した。


ようやくタイヤの状況は落ち着き初めた。データを集めると共に、ミシュランは優れたタイヤを製造している。タイヤのパフォーマンスに関して問題は何一つない。レースラップレコードはカタールで破られ、ポールレコードはル・マンで破られ、レースタイムレコードはカタールとムジェロで新たに記録されている。またその他のサーキットでもブリヂストンが記録したペースに非常に接近している。エクストラハードが使用されたアルゼンチンの後の2戦は例外だが。


いくつのしゃっくりと言える出来事があったが、ミシュランは根本的にブリヂストンとは異なるタイヤで、異なるキャラクターを持ち、異なる性格を持つ。ミシュランが時折間違った方向にいった時、彼らは問題を正すために迅速に対応する。彼らが新しいタイヤをオースティンに届けたスピードが良い例だ。また彼らは気温の低さが問題を招いたザクセンリンクでも同様の対応をしてみせた。しかし、基本的にミシュランのタイヤはブリヂストンのタイヤに比べて狭い温度域で働くと言えるだろう。

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