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★MotoGP2017 Ducati最大のプロジェクト:ホルへ・ロレンソ 

Ducati MotoGP2017

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Manuel Pecinoさんが、Ducatiの2017年に関する詳細な考察を書かれていますのでご紹介します。Moto3への参戦だけでなく、将来的にはMoto2も視野に入れているというのは驚きでした。2017年型のデスモセディチは、アンダーステアの解消、スロットル開け初めのレスポンスの改善が主な開発ターゲットだとされていますが、やはり気になるのはエアロダイナミクス上のアプローチ。レギュレーションの隙を突いた斬新的なカウルを期待してしまいます。 f:id:teletele916:20170119030106j:plain (Photo courtesy of michelin)

1月20日DucatiはボローニャにおいてMotoGPマシンを発表する。開発と強化のフェーズを経て、Ducatiはジジ・ダッリーニャを迎えて以来、最も野心的なチャレンジに向かっている。MotoGPタイトルを2018年までに獲得するという目標を掲げ、2017年は妥協を許さずに挑戦する年だ。


Ducatiはこの目標を達成するためにあらゆる努力をしてきた。技術的にダッリーニャと彼のレース部門は2シーズン前から新しい世代のデスモセディチを作るために努力してきた。新しいバイク、それはDucatiのMotoGPのDNAを残し、革命的な技術的解決策を投入した事で数ステップ前進したものだった。Ducatiの親会社(Audi)からの直接的なエンジニア面でのバックアップはなかったにも関わらず、この2社間の技術協力が、ダッリーニャのデスモセディチをエンジンとエアロダイナミクスに関してユニークなものとした。


新しいDucatiのMotoGPプロジェクトは3度のMotoGPチャンピオンであるホルへ・ロレンソを含む。この契約はロレンソとダッリーニャの関係(ロレンソは2006年と2007年の250ccタイトルを、ダッリーニャがリードエンジニアを務めたアプリリアで獲得している。)、そしてDucatiのスポンサーであるフィリップモリスからの多大な資金援助があって実現した。

f:id:teletele916:20170119030105j:plain (Photo courtesy of michelin)

最大のリソース、会社全体のコミット、そしてMotoGPの中で最も約束された2人のライダーのうち1人を獲得したことで、失敗は許されない。冬の間のDucatiコルセの作業については、もの凄い緊張感のもとでの作業である。数日のうちに我々はこの仕事の内容を見るわけで、1月31日のセパンで我々はこの結果を見るわけだ。新しいデスモセディチを見ることに関しての期待は驚くほど高い。開発はマシン全体に及んでいるが、その作業は今までの弱点と2017年から変更となるエアロダイナミクスレギュレーションに集中したものとなるだろう。


パワー不足が問題になったことはない

コーナリングが2016年のデスモセディチのアキレス腱であったことに疑いの余地はない。コーナーの後半、そして立ち上がりに関しては、ドヴィツィオーゾとイアンノーネのDucatiはアンダーステアの性格を示していた。(狙ったラインよりも大回りになること)これはダッリーニャと彼のエンジニア達にとっての冬の宿題だった。そして、スロットルを最初に開けた際のエンジンのボトムエンドの反応も大きな課題だった。というのもスムースなレスポンスは、ロレンソが彼の効率的で特徴的なライディングスタイルを活かすのに必要不可欠と思われていたからだ。


この赤いバイクにとって、トップエンドのパワー不足が問題になった事は一度もない。デスモセディチの驚くべきパワーは、ライバルに比べていくつかのサーキットでタイヤに問題を発生させていた。ダッリーニャは「タイヤが幾つかのサーキットで合わないという問題がありました。ヘレスでは皆と同じようにストレートでスピンが発生しましたが、我々のほうがパワーがあるのでさらに問題が大きくなってしまったんです。ただ、パワー自体の不足が問題になった事は一度もありません。パワーとタイヤのパフォーマンスの妥協点が問題だったんです。」と語り、デスモセディチにトラクションの問題があったということを否定した。

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(Photo courtesy of michelin)

エアロダイナミクス

Ducatiにとってもう1つの大きな問題がエアロダイナミクスだ。Ducatiがその性能を十分に活用していたウイングレットの技術が封印される2017年、この分野に関しては完全に新しい章が始まる。エアロダイナミクス上のポジティブな利点があることが明確になった以上、Ducatiが異なる方法で同じ結果を得ようとすることに関して疑いの余地はない。


「Ducatiがレギュレーションのギリギリの部分を突いたエアロダイナミクスに関して作業をしていると我々は思っています。いや、知っていると言えます。Ducatiがどういった車体を発表するか注意深く見ていきたいと思います。」と、ある日本メーカーのMotoGPチームの関係者は言う。


この分野に関してDucatiの考えは明確だ。「新しいルールの詳細を全て調べ、我々の助けになると思わる全ての事を行います。ルールの範囲内の内容です。ルールで禁止されていない内容に関してはルールの範囲内ですよね?」こうした発言を聞くと、彼らが何かしら興味深い解決策を作り出すのだと思える。

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(Photo courtesy of michelin)

ロレンソという大きな賭け

しかしMotoGPプロジェクトにおける最大の関心はホルへ・ロレンソだろう。これはDucatiにとって究極の賭けと言える。彼こそダッリーニャにとって一か八かの賭けだ。ロレンソはDucatiがワールドタイトルを獲得すること、そしてDucatiが2011年にロッシを迎えて失敗した暗黒時代からの復活の手助けとなる必要がある。Ducati社内でロッシの話題はある種タブーだ。これは6年前の出来事にも関わらず、その失敗はずっとDucatiの後ろにあった。


しかし今になってDucatiはようやくその呪縛から自らを開放する準備が出来たと感じている。昨シーズンにアンドレア・ドヴィツィオーゾとアンドレア・イアンノーネはデスモセディチの競争力が戻った事を証明してみせた。そしてその結果としてDucatiは「これで勝利するツールが手元にある状態になりました。次は勝てるライダーをこのバイクに乗せる時です。」語り、その勝てるライダーとなったのが、過去6シーズンで3度チャンピオンを獲得したロレンソというわけだ。


Ducatiがロレンソをヤマハから誘惑して引き抜いた背景は資金的なことだけではない。全てのチーム構造、全てのリソースがロレンソに投入されるのだ。これはドヴィツィオーゾより速く、爆発的なイアンノーネではなく、非常に技術的で、性格もおっとりとしたドヴィツィオーゾを彼のチームメイトにしたことに始まっている。そしてDucatiのサテライトチームに同じバイクを使用させることで、2017年にファクトリーバイクの開発に役立つデータを得ようとする姿勢にも見て取れる。ジジ・ダッリーニャは「Ducatiの全てのライダーから得るフィードバックは似ています。そしてこれがロレンソとドヴィツィオーゾのバイクを作る上での意思決定の助けとなります。と言う。

f:id:teletele916:20170119030104j:plain (Photo courtesy of michelin)

ロレンソのタイミング

この”全てがロレンソのため”という体制は技術的な問題だけでなく、Ducatiは彼の周りにフレンドリーな環境を作ろうとしている。ダッリーニャはロレンソをよく知っており、彼が最大のパフォーマンスを発揮するには、安心出来ること、そして評価されていると実感出来る事が必要だということを理解している。


レースの世界では何が起こるかわからないが、Ducatiガレージにとっては机上では準備が出来ている。もしバイクが想定どおりのパフォーマンスを発揮し、ロレンソが彼のライディングスタイルをデスモセディチのキャラクターに合わせる事が出来れば、この組み合わせはタイトル獲得候補となるだろう。


プレシーズンはこの過程において非常に重要だ。もし万事がスムーズに運べば良い。しかし、技術的、タイヤ、バイクへの適合などの問題がシーズン開幕前に発生するとしたら、ロレンソの忍耐が試されるだろう。そしてそうした忍耐というのは、今までのところ彼の強みではないというのは、皆が知るところだ。


ロレンソは、自分がある完璧なガレージの完璧なバイクから、まだ建設途中のガレージ、バイクへと乗り換えたのだと理解する事が重要だ。最初から全てが上手く周りだす事もあるかもしれない。しかし開発の道のりの中では、いくつかの試練が待ち受けているものだ。そのため、ロレンソは挫折に対して心構えが出来ている必要がある。そして月末のセパンテストは、そうした意味での最初のテストなのだ。

f:id:teletele916:20170119030107j:plain (Photo courtesy of michelin)

Moto3への参戦

Ducatiの一か八かのロレンソへの賭けというのは、例に出すとチームメイトの10倍の彼の給料などがあり、これがDucatiのレースプロジェクト、例えばMoto3カテゴリーへの参戦などを凍結させている。ダッリーニャも「Ducatiの将来のためにはMoto3クラスへの参戦も重要だと考えています。」と語っている。


「しかし、同時に物事は段階を追って進めていく必要があると考えています。2017年シーズンの集中はロレンソにあります。もしこのプロジェクトが想定どおりにうまく行けば、次のステップを考える時です。そして次のステップというのはMoto3への参戦でしょう。このカテゴリーに参戦するという決断をする前に、まだやるべきことがあります。Moto3に参戦するには予算が必要で、そのためのスタッフも入ります。やるべきことが沢山あるんです。ただ、これがDucatiのためになるという事に関しては確かです。Ducati全体にとってもDucatiコルセにとってもね。」


ダッリーニャのプランの中には、Moto2もMotoGPで成功し、Moto3への参戦した後にはあるようだ。「驚きですか?驚かれると思います。でも、”どのジャンルでも”というのはDucatiがAudiのようなグローバル企業の一部であることを考えると、世界規模での考え方になりますから当然の結果です。Moto2にはすぐに参戦はしないでしょうし、近い将来の話でもありませんが、確実に起こることでもあります。」

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