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★WSBK、MotoGPバイクのタイムに関する3名のライダーの意見

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ヘレスでWSBKと合同テストを行ったMotoGPですが、その中でカワサキのWSBKライダーであるジョナサン・レイ選手のタイムに大きな関心が集まりました。実際このタイムの比較に意味があるのか?などという観点から3名のライダーがそれぞれの意見を語っています。 f:id:teletele916:20161126022621p:plain MotoGPとWSBKが水曜にヘレスを共有してテストを行い、ジョナサン・レイが1日の大半をリードし、パドックを驚かせた。そこでAsphalt & RubberではMotoGPとWSBKの違いに関する3つの意見を紹介する。ヘレステスト3日目が終わることに、ジョナサン・レイはその日2番手タイムを記録していた。疑問としては、この結果がどのよに両チャンピオンシップを反映しているのだろうか?ということだ。


レイはその日最速だったエクトル・バルベラよりも0.1秒遅れのタイムであった。レイの記録したスピードとパフォーマンスは驚くべきものだ。しかし、これはプロダクションバイクがMotoGPバイクよりも速いということなのか、それとも偶発的な幸運と環境によるものなのだろうか?トラックの温度が低いこと、そしてトップスピードを活かせるような作りのサーキットではないことが、リアにMotoGPバイクに挑戦する機会を与えたとは言える。


しかしそれだけでは、いかに現在のWSBKマシンが進化しているかという事を見逃している。WSBKに戻ったユージン・ラバティは先週テストを行ったRSV4とアプリリアのMotoGPバイクを比較してどうかと尋ねられた時に、このプロダクションレーサーには驚かされたと語っている。

ユージン・ラバティ

「嬉しい驚きとしてはライディングポジションが非常に似ていたことです。スーパーバイクに乗るってことは長い車体、ずんぐりした車体だろうと思っていたんですが、バイクはとても似た感触を持っていました。これは本当にしっかりしたレースバイクです。タイヤと馬力が常に最大の違いではあるんですけどね。スーパーバイクはより気楽です。馬力が小さいですから。ジャックと一緒に走っていた時も、彼に比べてブレーキングは自分たちのほうが強力でした。MotoGPバイクよりも前に出ることが出来る部分はあるんです。ただコーナーの中から立ち上がりではMotoGPバイクのほうが速いです。コーナーエントリーで差を縮められるという事に驚きましたよ。」


ラバティだけがこうした比較を出来るわけではない。アレックス・ローズは怪我をしたMotoGPライダー(※スミス)に変わり、今シーズンに何度かMotoGPに参戦している。彼は11月のヘレスというコンディションはMotoGPバイクとWSBKバイクを比較するのに適した環境ではないとする。それでも、ピレリのタイヤは一般ライダーが購入できるもので、こうした冷たい路面コンディションでは素晴らしい働きをすると語る。

アレックス・ローズ

「問題はこのコンディションはミシュランタイヤには冷たすぎるということです。こうしたコンディションでは自分たちのタイヤのほうがかなり良いですし、もしスーパーバイクにミシュランタイヤを履かせたらかなり遅かったでしょう。自分はMotoGPバイクに乗りましたけど、トラックとタイヤがマッチした時は、スーパーバイクよりも明らかに速いですね。このヘレスの低い路面温度での比較は無意味ですよ。正確な比較は出来ません。MotoGPバイクはストレートで速いですから、こうした日ではタイムが出ません。ただMotoGPバイクは乗るのがずっと難しいんです。そしてタイヤに熱を持たせておくのが、ずっと難しいんです。MotoGPバイクのパワーを落とすのはスーパーバイクよりも難しいですし、フロントホイールを接地させておくのが、より難しいんです。今日のように路面温度が低い日は、多くのグリップを発揮出来ません。ストレートではパワーが生きてきますけど、ブレーキングではタイヤがグリップしないのでタイムを詰める事は出来ません。」


ローズはこの比較は無意味だとするが、トム・サイクスはWSBKのレギュレーションがこうした比較を難しくしていると語る。プロダクションベースのレースではスプリットスロットルボディが禁止され、MotoGPとWSBKの差はどんどん広がっていると彼は考えている。

トム・サイクス

「中にはWSBKの価値を認めていない人もいます。スピードはあるレースですが、毎年のレギュレーション変更でWSBKのレベルが下がり、両選手権の差は大きくなっています。MotoGPに全ての賞賛が集まっているように感じます。 皆がMotoGPライダー達は一段上の存在と考えていますが、自分も確かにそう思います。ただ、自分達の置かれたマシンや予算という環境を考えると、自分達も大したもんだと思いますよ。」


「MotoGPバイクと一緒に走れるというのは良いですね。MotoGPバイクのサウンドは最高ですからね!ターン1に入ってくる時のサウンドも良いですし、オーバーレブした時の音も、スロットルを閉じた時の音も良いですよね。 外から見ていると、彼らは自分達よりも幾分スピードが速いのがわかりますし、日を追うごとに速くなっていきます。今日はジョナサンだけがとんでもないタイムを記録しましたけど、これは自分達WSBKライダーのライディングの能力が、ある程度の人達が考えているよりもだいぶ上にあるという事を示していると思います。」


3名の世界クラスのライダーが、MotoGPバイクとWSBKバイクに関して異なる意見を述べた。MotoGPバイクは、ブレーキング、旋回、加速、トップスピードにおいて2輪の中で最高のバランスを持っている。これらのバイクは最先端のバイクとして開発され、作られているが、1周だけのラップタイムに関しては、WSBKバイクと比べても大きな違いはない。ヘレスではMotoGPバイクの性能を抑える要因があったとは言え、WSBKのレベルがいかに高いのかを見ることが出来たと言えるだろう。

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