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★MotoGP2017 バレンシアテストで各メーカーは何を行うのか?

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現地時間の火曜日から2017年シーズンの公式テストが始まりますが、その前に行われたスズキ、Ducati、ホンダの2017年のプランについてのプレスカンファレンスでの内容を、moto mattersのエメット氏がまとめていらっしゃいますのでご紹介。ホンダはスクリーマーエンジンをやめ、スズキはまずは2016年のバイクでテスト、DucatiはGP16とGP17の比較のために、GP17にウイングレットを付けてテストを行うようです。 f:id:teletele916:20161115104152p:plain

(Photo courtesy of michelin)

バレンシアの決勝レース開けの月曜日が、2017年の公式テストでなくなって随分経つ。これは良いことだ。ライダー達はフルシーズのレースで疲れており、横になって回復する日が必要だ。チームのメンバー達はそうではない。メカニックはガレージからガレージへと移動し、クルーチーフは新しいチームと合うために歩き回ることになる。ライダー達は1日休めるかもしれないが、それ以外のスタッフに休みはない。メカニック達は新しいガレージで仕事の仕方を教わり、火曜のテストのために、いかにバイクを裸にして、また組み上げるのかを学ぶ。

ファクトリーのボス達も同様に忙しい。テストのスケジュールを既存のライダー、新しいライダーのどちらが何をテストし、何を期待するかというテストスケジュールを組むのだ。彼らはまた月曜日にプレスに話すための時間をも持つ。少なくともいくつかのファクトリーはそうしている。スズキ、Ducati、ホンダはメディアと話すためのプレスカンファレンスを開催し、彼らのプランを説明した。

3つの異なるプレスカンファレンスは、それぞれのチームの異なるアプローチに関するヒントを与えてくれた。HRCは、HRCの副社長を来年4月に退任する中本氏に代わり、マネジメントチームがチームを率いていくことを発表。スズキはダヴィデ・ブリビオが1人でプレスカンファレンスを英語で行い、チームに関する計画を説明した。Ducatiコルセのジジ・ダッリーニャは、メディアにイタリア語と英語で2017年型のバイク、ホルへ・ロレンソについて話した。

ホンダ

ホンダのプレスカンファレンスはHRCの情報ポリシーにより、他のメーカーに比べて情報が少なかった。ホンダは技術開発についての詳細情報をけして明らかにはしない。火曜日にデビューさせる新しいエンジンについての質問では、中本氏と国分氏は、(彼がホンダのMotoGPプロジェクトの技術的な部分を引き受ける)質問へのダイレクトな返答を避けた。国分氏はホンダRC213Vのキャラクターの向上は、バイクの多くの面を調べることでもたらされたと語った。これは点火間隔だけでなく、シャーシやエレクトロニクスについてもだ。ただ彼らは、火曜のテストまではエンジンの点火間隔だけは明らかにしない。

火曜テストでピットレーンに登場するRC213Vは、日曜に表彰台を獲得したバイクとは点火間隔が異なるだろう。私が聞いたバイクのエンジンサウンドは、非常にDucatiに似ていて、1000ccとなった2012年からホンダが使っているスクリーマーではない。変更がなんであれ、このエンジンがスクリーマーよりも扱いやすいかどうかは現時点では不明だ。きっとウイリーの量を減らすのに役立つのだろう。

スズキ

スズキはバレンシアでは新しいバイクをデビューさせない。ダビデ・ブリビオによると、バイクは2015年から2016年にかけての冬休みで大幅に進化し、これはGSX-RRが優勝し、表彰台争いを何度もしたことから明らかだ。バイクのハンドリングはすでに極めて良く、新しいエンジンのパフォーマンスと新しいシームレスギアボックスが戦闘力を高めている。スズキの次のステップはより多くの進化を提供することだ。もう少し馬力を使えるはずとブリビオは話している。

火曜日にスズキは、ブリビオがいうところの中段階のエンジンをデビューさせる。これは2017年に向けてエンジニアが作業を続けてきた、何らかの改善点が含まれているエンジン。それ以降の内容は、来年のテストに登場するという。セパンではシャーシのアップデートも行われるという。ブリビオはスズキの来年に向けての期待は2016年よりもさらに高いという。スズキ、そしてアンドレア・イアンノーネは2016年にレースで優勝しており、このコンビネーションは最初から成功する必要がある。ブリビオはイアンノーネからのバイクの感想を聞くのが楽しみだと語ったが、イアンノーネはスズキに慣れる必要があるだろうとも語った。

Ducati

ホルへ・ロレンソがすべき事は、バイクに慣れる事だとDucatiコルセのボスであるジジ・ダッリーニャは言う。DucatiはGP17を火曜日に登場させる。ただ主な変更点はシャーシだ。データ上の変数を小さくするため、アンドレア・ドヴィツィオーゾとホルへ・ロレンソは、ウイングレットをつけてバイクを使用する。これによって、彼らはGP16とGP17をかわるがわるテストする事が出来る。そして新しいシャーシによる違いを理解することが、より容易になる。

ウイングレットを取り外す事は、データ上の混乱を招き分析を難しくするとダッリーニャは語る。また、Ducatiの最大の問題はコーナーの中での旋回性であるともダッリーニャは言い、この部分はまさにロレンソが最も得意とするエリアであり、Ducatiにとっては改善が必要な部分だ。しかし対応するということは2方向の事であリ、ロレンソにとってはバイクに適応する必要がある。ダッリーニャは「まず彼はバイクを学ぶ必要があるでしょう。そして自分のライディングスタイルを、バイクが持つ強みに合わせて行く必要があります。ただ逆に考えると、自分達は彼に最も可能性があるバイクを用意する必要があります。そのためには、まず彼が速く走るには何を必要としているのかを学ぶ必要があります。そして次の彼にこれを与えるわけです。」

ダッリーニャはロレンソがそれを出来ないという事は心配していない。彼はロレンソと125ccと250cc時代に働いており、何を期待するかという事に関して、良いアイディアを持っている。彼はロレンソの強みを知っており、ロレンソが適応出来ることを知っている。また、彼はロレンソの最近の雨の中での苦戦についても心配していない。

過去数年ロレンソが苦しんでいるのも知りながら、「過去にホルヘは雨の中でも優勝していました。」とダッリーニャは語った。Ducatiの雨の中での強さはロレンソに自信を与えるのを助けるだろう。「将来的に彼は雨の中でも勝てるでしょう。我々のバイクは全てのライダーが雨の中で良い結果を残していますから、雨の中で非常に強いんです。その点は心配していません。」

火曜日にトラックに現れるDucatiにはウイングレットがついている。しかしこれはあくまでも途中経過だ、冬の間、Ducatiはセパンテストに向けて新しいエアロダイナミクスパッケージに取り組むだろう。 ウイングレットなしにレースをする事は、それほど大きな問題とはならないだろう。「適切なセッティングであれば、ウイングレットの働きを補填する事が出来ます。」と彼は言う。ウイングレットがないほうがバイクは速いかもしれないが、その違いは非常に小さいだろう。

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