★MotoGP2016 シルヴァーノ・ガルブセラ「ヴァレンティーノは速くなっている。」
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ロッシ選手のクルーチーフであるシルヴァーノ・ガルブセラへのインタビューがありましたのでご紹介します。随分長い気がしますが、まだ3年経たない間柄なんですね。なお、アラゴンGP前のインタビューですので、得点差についての話はアラゴンGP以前の話です。 彼らの関係はまさに偶然によって出来たものだ。ロッシの怪我の後のSBKマシンのテストのあと、彼らの”結婚”は非常にうまくいっている。彼らはあまりにもうまくいっているため、その関係が3年以下であるとは思えないほどだ。彼らの関係は少なくともあと2年は続く。
Q
「ロッシから電話をもらった時、ここまで長く彼と仕事をすることになると思っていましたか?」
シルヴァーノ・ガルブセラ
「私の経験からすると、ライダーはある年齢から衰えるものなんです。ヴァレンティーノは例外ですね。彼とは素晴らしい1年を過ごし、2年目にはチャンピオンシップ争いをしました。そして3年目もうまくいっているところです。」
Q
「ということは、彼があと2年やると言った時は驚きませんでしたか?」
シルヴァーノ・ガルブセラ
「ヴァレンティーノがあれだけのフィットネスでありながら辞めるとしたら残念ですよ。皆にとってそうでしょう。彼が続けるといういう判断をしたということは、彼が同じレベルのパフォーマンスを発揮出来ると確信したからでしょう。」
Q
「既に次のシーズンを考えていますか?」
シルヴァーノ・ガルブセラ
「同じレベルで戦えると思いますよ。その後に(※あと2年)彼がリタイアするかどうかでしょう。あまりそうするとも思えませんが。」
Q
「確かに今年のヴァレンティーノは、また一層速いように思えます。」
シルヴァーノ・ガルブセラ
「これは感覚ではなく観察していて感じるんですが、彼は速くなっています。他のライダーよりもミシュランタイヤの良さを引き出せていますし、素晴らしいベースセットアップも見つけています。これは昨年の経験の賜物ですね。彼と自分達両方が持ち寄ったもので最大のパフォーマンスに近いところにいますし、レースウィークエンドには昨年のセットアップから近いところから始めることが出来ます。昨年のデータは今年のシーズンのものとは、そこまで離れていないんです。」
Q
「まだタイトルの可能性はあると思いますが、この残りのレースについてどう思いますか?」
シルヴァーノ・ガルブセラ
「出来ればあと5つではなくて10くらいレースがあると良いんですけどね。マルケスは自分達のムジェロでのミス、そしてアッセンのミスもあってついていました。またオースティンではクラッチの問題もありました。私達はヴァレンティーノよりも多くのミスを冒してしまったと言えるでしょうね。」
Q
「これから巻き返す事は可能でしょうか?」
シルヴァーノ・ガルブセラ
「マルケスの持つ43ポイントのリードを巻き返すのは不可能ではないでしょう。ただし彼が重大なミスをしない限りはかなり厳しいでしょう。彼よりも前で完走し、レースで勝利を目指します。チャンピオンシップ2位をロレンソ相手に獲得するのも危険な状況にあると言えます。」
Q
「ロレンソと言えば、彼とロッシの小競り合いはガレージには影響しますか?」
シルヴァーノ・ガルブセラ
「どちらのチームも自分達のライダーを抱えています。ただメカニックサイドとしては全く問題はありません。色々考えると過去に比べれば非常に落ち着いたシーズンですよ。ガレージの雰囲気は変わっていません。」
Q
「昨年起きた事は、今年の始まりに大きなインパクトがあったとロッシは語っています。これはあなたにとってもそうですか?」
シルヴァーノ・ガルブセラ
「そう感じたのは彼だけではありません。私達全員がそうです。私達はすっかりロッシを信じていました。ですからそれを消化して忘れ、一から始めることはとても難しかったですよ。今やヴァレンティーノはさらに強くなって、モチベーションに溢れ集中しています。正しい方向に進んでいますよ。」
Q
「今となっては全ては過去ですか?」
シルヴァーノ・ガルブセラ
「同じライバルに向かっているんですから、私の立場としては完璧に消化出来てはいません。」
Q
「ロッシは速くなっています。タイヤのおかげもありますか?」
シルヴァーノ・ガルブセラ
「ミシュランは変化ですから、そこから最大のパフォーマンスを発揮しようとしなければいけません。これは1回のセッションで出来る仕事ではありません。毎戦異なる問題が出てくるんです。ライフだったりパフォーマンスだったりね。時にはバイクを思い切って変えることも必要ですし、何かを得るために何かを諦める必要もあります。ただ今年のヴァレンティーノはより快適そうですし、金曜によりしっかりとした意見を持っていますね。ですから大変さは減っています。」
Q
「あなたが昔ミシュランで経験を積んでいるということが影響していますか?」
シルヴァーノ・ガルブセラ
「だいぶ前のことですからね。バイクのパフォーマンスも異なりますし。タイヤ、新しいエレクトロニクスに近代のMotoGPをあわせて考えると、ゼロから始めるようなものでしょう。」
Q
「ロッシが予選で強くなったことについては、どう説明しますか?」
シルヴァーノ・ガルブセラ
「過小評価するべきでは無いことがあるんですよ。オープンクラスのエクストラソフトタイヤが無い今は、結果が出ない数人が予選を去るんです。レースタイヤを予選に使用するとなると、良いライダーはより目立ちます。それが助けになっているということです。さらに、ミシュランのタイヤは1周目だけでなく2周目も良いタイムで走行出来ます。ヴァレンティーノもタイヤに順応して、バイクも悪くないというところですね。」