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★ビニャーレスはヤマハに移籍、ペドロサはホンダに残留、さて次は?

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エメットさんによる来シーズンの移籍劇に関する様々な考察、そして次に誰の契約が発表されることになるのか?という考察記事をご紹介します。結果的にはビニャーレス選手はヤマハに移籍するようで、ペドロサ選手はホンダにさらに2年残る事が明らかになりました。最も有り得そうなシナリオだっただけに驚きはありませんが、次に注目が集まるのはDucatiのセカンドシート、そしてスズキのセカンドシートを誰が獲得するのか?という事ですね。

★ビニャーレスはヤマハに移籍、ペドロサはホンダに残留、さて次は?

ル・マンでのドラマ、そして色々な予想の後、マーヴェリック・ビニャーレスが2017年にヴァレンティーノ・ロッシのチームメイトになるようだ。ダニ・ペドロサがロッシのチームメイトになるという噂は、かなり信頼出来るソースからの情報だったわけだが結果的に間違っていたことになる。金曜日にスペインのウェブサイトSolomotoは、ヴィニャーレスがミラノに飛び、モンツァ・サーキットのすぐ近くのGerno di Lesmoにあるヤマハレーシングの本部を訪れてヤマハと契約を結んだと報じた。Solomotoの報道に続き多くのスペインメディアが同じ内容をいくつか異なるソースから立て続けに報道。この時点でビニャーレスのヤマハ移籍がさらに本当のように思えた。そして確かにビニャーレスはヤマハとサインを交わしており、この契約はロッシのチームメイトとして2年間ヤマハで走るというもので、木曜日にムジェロにおいて発表される。


ビニャーレスが木曜日にプレスカンファレンスに出席することでこの報道に関する内容が伝えられるわけだが、彼がこの場に出席するのはル・マンで彼自身初のMotoGP表彰台、そしてスズキにとっては2009年から縁の無かった表彰台を獲得したということがあるだろう。ドルナのプレスカンファレンス出席ライダーの決定の仕方はチャンピオンシップリーダー、前回のレースの勝者、イベントに関連したライダー(地元ライダー、イベント自体にチームが関係しているなど)、そして何らか話題のある選手だ。初めての表彰台を獲得したという事はプレスカンファレンス出席の良い理由であるし、ファクトリー契約を交わしたということもそうだろう。

誰が情報を漏らしたのか?

ではダニ・ペドロサがヤマハにいくという話はどうなったのだろうか?これは面白い話だがその話の根底は見えてこない。MCNもEl Paisも信頼出来るメディアで根拠のない予想はしないだろう。ということは彼らは何らかの情報を得ていたことになる。この情報を漏らした人間はこの契約に関する内容を多く語る事になるだろう。最も論理的な説明としてはヤマハの内部関係者がビニャーレスに決断をさせるためにペドロサに関する内容を漏らしたという事だ。クラスで一番可愛い女の子にダンスに誘われた時にグズグズとしているのは賢くない。ヤマハがペドロサといちゃついて見せたのは、ビニャーレスに速く決断をさせるためだったと言える。しかしこれはスズキによるものだった可能性もある。


ビニャーレスにヤマハにとって自分は最初の選択ではないと思わせる事で、ビニャーレスをもう1年スズキに留まらせようとしたのだ。しかしこれはペドロサに近い人間にとっては交渉を有利にする切り札となったはずで、HRCにとってはこのスペイン人のベテランがいかにレプソルホンダに価値のある人間であるかを気づかせることになっただろう。もしかするとこれにはドルナも関わっていたかもしれない。ビニャーレスがスズキに残ってスズキのお伽話を完結させるよりは、ヤマハに移籍してMotoGPで優勝出来る可能性のある5人目のライダーになったほうが良いからだ。(※そのほうがチャンピオンシップが盛り上がるので。)色々と予想は出来るが、どれを信じるかは自らが信じる事にもよるだろう。現実的にはごく僅かな人間だけが真実を知っている。ジャーナリストはこうしたソースが信頼出来なくとも、ソースを明らかにしないだろう。

永久にレプソルで

ビニャーレスがヤマハに移籍することで、ダニ・ペドロサはホンダに留まる事になった。レプソルホンダはダニ・ペドロサがさらに2年間ホンダに留まる事を発表した。おそらくチームメイトはマルク・マルケスになることは確実だろう。ペドロサはグランプリレーシングに参戦した2001年からずっとホンダで走っている。彼は勝利出来るライダーでタイトルも狙えるだろう。今のところ彼は1勝もしていないが、2012年にはチャンピオンシップで優勝したホルヘ・ロレンゾから僅かに18ポイントというところにいた。彼は間違いなくレプソルホンダにとっては最良のオプションであるが、RC213Vを操縦するということを考えると、その逆もまた事実ではないのか?と思うだろう。


ビニャーレスが去ることでスズキには空きのシートが出来る。スズキは契約上はビニャーレスを3年目のシーズンをスズキで過ごさせるというオプションがあった。しかしチームボスのダヴィデ・ブリビオはライダーの意志に反してライダーをチームに留まらせるという事は無意味だと気づいたのだろう。それはチーム内に憤りを生じさせるだけだし、出来るだけ速くそこから外に出たいと思っているライダーを留めるだけだ。これはビニャーレスにとってはレースに対する集中を失わせる事になり、誰にとっても悪影響がある。ビニャーレスのスズキでの役目はレース、そしてもしかするとチャンピオンシップで優勝出来る将来有望な若手というものだった。彼は新しいケヴィン・シュワンツになるはずだった。理想としてはスズキは似たようなライダーを確保したいわけだが、似たようなライダーのリストというのは恐ろしく短い。

若手かベテランか?

スズキの空きシートを埋める事が出来る可能性がある候補者はアレックス・リンスとアンドレア・イアンノーネだろう。イアンノーネのマネージャーのカルロ・パーナットは日本のファクトリーからオファーが来ていると語っていた。しかしこれがイアンノーネサイドにとってDucatiに残ったシートを獲得するための交渉を有利に進める材料になるかは不明だし、イアンノーネが現在戦闘力の低いスズキのオファーを受けるのかもわからない。(※特に今年はDucaitとヤマハのギャップは大きく減少した。)


イアンノーネとリンスのオファーは2つの全く異なる側面を持っている。イアンノーネは今年がMotoGPでは4年目でファクトリーバイクを開発するという経験もしている。彼は競争力の高いバイクであれば表彰台を狙えるライダーであるということを証明しているし、今まさに勝利に飢えているライダーでもある。リンスはビニャーレスに似た形のキャリアを歩んでおり、MotoGPにステップアップしたとしても活躍が出来そうなMoto2のスターライダーであるヤマハはリンスを契約によって縛ろうとしているが、リンスはテック3というヤマハのサテライトチームでファクトリーシートを得る機会を待ちながらシーズンを送る事はしたいくないようだ。となると彼はスズキ、KTM、アプリリアを選ぶ事になるだろうし、この中ではスズキが最も戦闘力が高いのは明らかだ。


スズキはリンスかイアンノーネかを熟考することが出来るだろう。しかしそうなると、アレイシ・エスパロガロを冷たく放り出す事になる。エスパロガロはMotoGPマシンについて深い知識を持っており、GSX-RRの開発を大いに支えた人物だ。もしエスパロガロを放出するとなると、スズキは2人もしかすると3人の新しいライダーを走らせる事になるかもしれない。 スズキにとって最も考えられるシナリオは、来シーズンに向けてリンスかイアンノーネを選択するということだろう。

残された疑問

となるとヨハン・ザルコに関する疑問が残る。このフランス人ライダーは既にスズキと契約があるようだが、その契約内容は霧に包まれている。ザルコはスズキか鈴鹿8時間耐久レースに出場し、スズキのMotoGPマシンのテストも行なう。しかしこれが彼が2017年にスズキで走るという事を意味するのかは謎だ。ザルコにとって考えられるのはサテライトスズキという道だ。ルチオ・チェッキネロがスズキと交渉をしており、ホンダとの提携を解消してスズキのサテライトチームとなるという話がある。ホンダのRC213Vに関する莫大なリース料はLCRにとっては未だに大きな問題であり、スズキであればもう少し良い話を提供する事が出来るだろう。いずれにしてもこれはチェッキネロにとってはタフな選択だ。しかしチェッキネロは2006年にケイシー・ストーナーと共にMotoGPに参戦して以来、ホンダに忠実であることも事実だ。


LCRホンダとして残るという可能性も大きいだろう。クラッチローはLCRの契約を更新するだろうと言われており、これはホンダで走るということでもある。 現在こうした内容は推測に過ぎないが、このシリーシーズンが更に進めば、色々な交渉事はムジェロ(5/20)あたりから始まり、バルセロナでいくつかの契約が発表されるだろう。(6/3)その中にはDucatiがどちらのアンドレアを選ぶのかなども含まれるだろう。そしてその後サテライトチームに焦点が移る。シリーシーズンにおいて最も多くの噂が流れる時は、しばらく続きそうだ。

by David Emmett

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