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★ブレンボ:MotoGPのブレーキングの秘密(その3)

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ブレンボ:MotoGPのブレーキングの秘密(その3)

本国のBrembo (@BremboBrakes) | TwitterさんからMotoGPのブレーキングの秘密という内容について大変興味深いプレス資料をいただきましたのでご紹介させていただきます。なお文章量が多く、それぞれの内容が非常に濃いため3部構成でお送りします。毎回技術者の方のインタビューなど詳細な内容なので本当に勉強になります。最後となる第三弾はブレンボの研究開発が目指してきた方向性についてです。

★ブレンボ:MotoGPのブレーキングの秘密(その3)

2002年のMotoGPの誕生以来、ホンダ、ヤマハ、ドゥカティ、そしてスズキが、ブレンボのブレーキシステムを採用し続けています。これはイタリア製ブレーキの製造品質の高さが認められている証です。しかし、レースの世界では、ほんの数カ月で地位が入れ替わることもあります。ブレンボはトップであり続けるために、つねに性能向上をめざし、新技術によるソリューションと新素材の開発のための研究を重ねています。その一環としてブレンボは、各メーカーの要求を満たすさまざまな取り組みを日頃実施しています。ブレンボでMotoGP担当のカスタマーマネジャーを務めるロレンツォ・ボルトロッツォ氏に、ブレンボの研究開発がめざしてきた方向性について話を聞くことができました。

Q

どのメーカーが開発面でもっとも協力してくれているのでしょうか?(※この部分のみ頂いたプレス文章が原文ままでしたので、管理人のほうで翻訳しております。)

ブレンボ ロレンツォ・ボルトロッツォ

「メーカーさんの要求はバイクの用途によって全く違います。どのメーカーさんも、性能と安全性の向上をめざして開発に力を貸してくれています。」

★ブレンボ:MotoGPのブレーキングの秘密(その3)

Q

MotoGPにマシンを供給している各メーカーの違いを一言で言うと?

ブレンボ ロレンツォ・ボルトロッツォ

「ブレーキに関する要求が厳しいのはドゥカティです。ドゥカティのマシンは前軸の荷重が大きいからですが、ホンダ・レーシングは軽いため、ブレーキ時の熱の発生も少なめです。たぶんエンジンブレーキがよく効くんでしょう。こうした技術面の要素はブレーキングに非常に重要なのですが、チームが厳重に機密にしているのでデータがとれていません。ですので、ドゥカティとホンダは両極端、その間にあるのがヤマハとスズキでしょうか。ドゥカティが選ぶディスクはほぼすべて340mmですが、ホンダは320mmです。」

Q

F1ではブレーキ・バイ・ワイヤが使われていますが、MotoGPでもそうなると思いますか?


ブレンボ ロレンツォ・ボルトロッツォ

「短期的にはないと思います。今はメーカーさんはどこもコストの削減に懸命ですから。でも今後のシリーズに向けての研究はありそうですし、MotoGPで非公式のテストを実施する可能性もないとは言えません。」

Q

MotoGPでは、ブレーキシステムの開発は今後どんな方向へ向かうのでしょうか?

ブレンボ ロレンツォ・ボルトロッツォ

「将来的には、ディスクはカーボンだけでなく、カーボンセラミックになると考えています。すでに自動車分野では確立されている技術ですし、数年後にはMotoGpにも広く導入されると思います。」

Q

どんなメリットがあるのでしょうか?


ブレンボ ロレンツォ・ボルトロッツォ

「コースがウエットのときは、雨でも性能が高いスチールディスクが必要ですが、導入すればドライとウエットでマシンを変える必要がなくせます。まだ将来に向けての単なるアイディアの段階ですが。」

Q

2016年はタイヤがブリジストンに代わってミシュランになります。日本製とはかなり違うフランス製のタイヤがブレーキに与える影響はあるでしょうか?

ブレンボ ロレンツォ・ボルトロッツォ

「ブリジストンは適温まで上げるのに何度も強めのブレーキをかける必要があったタイヤですが、ミシュランは特性が異なります。少なくとも現時点では、リアはグリップが非常に良くてフロントの方はどうも違うようです。ライダーたちは、今までと同じブレーキングだとミシュランの方がローサイドが起きやすくて危ないと言っています。我々はまだテスト段階ですし、どんなタイヤが使われるか正確には知りませんが、テスト中の落車が少なくないので、やはりそうなのかと。どんなタイヤに決まるか早く知りたいですね。特性に合わせてブレーキシステムを調整したいので非常に待ち遠しくて、目が離せません。」

★ブレンボ:MotoGPのブレーキングの秘密(その3)

Q

リアブレーキについてはどうですか?


ブレンボ ロレンツォ・ボルトロッツォ

「ほんの数年前までは、ライダーからほとんど忘れられた存在でしたが、最近になって使うライダーが増えてきました。ブレーキそのものというより、加速時に一種のトラクションコントロールとして使ってタイヤのスピンを回避するわけです。これが抜群に上手かったのがケーシー・ストーナーです。今はトップライダーはみんなどんどん使うようになってきました。コーナーの出口で理想のライン取りがしやすくなりますから。」

Q

テレメトリーはデータ上大きなメリットがあると言っていますね。

ブレンボ ロレンツォ・ボルトロッツォ

「ラップタイムが上がるので、技術チームはリアブレーキを完璧に使いこなすようライダーにアドバイスしています。フロントのブレーキシステムの場合、基本のコンセプトは多かれ少なかれ誰に対しても同じなんですけど、リアに関しては、活用の幅が広がっていくと思います。」


研究が絶えず進み専門化の傾向がますます強まる昨今。ブレンボは変化を敏感に察知して、業界のリーダーとしての役割をこれからも果たしていきます。

出典元:http://www.brembo.com/en/

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