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★MotoGP2016アルゼンチンGP 決勝プレスカンファレンス翻訳

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遅くなりましたが日曜の決勝プレスカンファレンスの翻訳をお届けします。本当に波乱のレースでしたが、バイクを乗り換える前のロッシ選手とマルケス選手のバトルは嫌な意味で汗をかいた方も多かったのではないでしょうか。プレスカンファレンスでもマルケス選手が質問に対して答えている間、ロッシ選手は執拗にタオルで顔を拭いたり落ち着かずにあちこち見たり、マルケス選手とは一度も目を合わせようともせず、色々な出来事があったとは言え、ちょっと寂しい感じがします。

ニック・ハリス

「非常に大変な週末になりましたね。簡単なレースでは無かったと思います。フラッグToフラッグのレースとなりましたが、特に後半はあなたにとって素晴らしいものになりましたね。」

マルク・マルケス

★MotoGP2016アルゼンチンGP 決勝プレスカンファレンス翻訳

「今年初めての勝利は本当に嬉しいですね。このプレシーズンは本当にハードに作業をしてきて、カタールでもここでも同様にハードに作業を続けてきました。日曜はタイヤだとか天候だとか色々な問題がありましたが、結局レースディレクションによってオーストラリアのような形になりました。でも勝利出来ましたので、特別なレースになりました。それにオーストラリアの出来事もあったので自分達のチームにとっては重要な勝利でした。(※2013年にピットストップの周回数を間違えて黒旗失格となった事を言っていると思われます。)

ニック・ハリス

「素晴らしい走りをしていますね。カタールで3位、ここで勝利。3週間前はこんな結果は想像出来なかったのでは?」

マルク・マルケス

「2月にマレーシアにいる段階で、今この時期にチャンピオンシップをリードしているよと言われても信じるのは難しかったでしょう。ただ自分達も諦めずホンダのサポートもありますし、自分達も同じ方向に進んでいます。これが最も重要なことだと思います。このサーキットは自分達に有利なサーキットだというのはわかっていたので、一台目のバイクではリズムを維持することを考えました。一台目ではあまり良い感触では無かったんですが、2台目のバイクでは良い感じでした。アウトラップですぐに良い感触でリードを開く事が出来ました。」

ニック・ハリス

「前半はヴァレンティーノとの素晴らしいバトルもありました。」

マルク・マルケス

「ええ。良いバトルでしたね。自分は純粋にレースのリズムを維持して走ることに集中していました。でも自分達のリズムは非常に速くて、トラックは濡れている部分もあって非常に危険な状態でした。彼が自分を抜いたり抜き返したりと良いバトルでした。」

ニック・ハリス

「次のオースティンではMotoGPクラスでは3勝していますね。」

マルク・マルケス

「アメリカのトラックは大好きなトラックで特別な場所なんです。ただどうなるかというところでしょう。良い仕事をしたいですし金曜からハードに働きたいと思っています。現状では加速時に大きな問題があることがわかっていますが、今年どのようになるか見てみようと思います。ただ重要なのはチャンピオンシップで優勝、表彰台というレベルでいるということ、そしてそこにいようと挑戦しているということですね。」

ニック・ハリス

「表彰台にジャンプして上がるときに”転倒”していましたね。(笑)」

マルク・マルケス

「あそこではフラッグも何も関係ないですからね(笑)表彰台のトップで転倒するっていうのも良いですね(笑)」

ニック・ハリス

「マルクありがとうございました。それではヴァレンティーノ。ここでは昨年勝利していますが、今回は2位となりました。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

★MotoGP2016アルゼンチンGP 決勝プレスカンファレンス翻訳

「後半は残念でしたね。前半はさらに戦闘力がある状態で走行出来ていましたからね。勝利に向けての走りが出来ていました。あとは今週ヤマハはタイヤの問題を解決することが出来ませんでした。ただ最終的には良い形になったと考えています。夜に降った雨がグリップを下げてしまい金曜のような状況になってしまいました。そしてこのコンディションではさらに苦戦する事になってしまいました。そして何故か2台目のバイク、2台目のセットアップでは良い感触が得られず同じペースを維持するのに多くの問題が出てしまいました。コンディションも非常に悪く、リズムを掴む事が出来ませんでした。最後にはビニャーレスにも追いつかれ、2台のDucatiにも追いつかれてしまいました。あと1周のところでイアンノーネがターン5で自分を抜いていきましたが、あそこは正しいオーバーテイクの場所ではありません。自分はかなり深くブレーキングをしていた状態だったのでラインが膨らんでしまい、ドヴィが自分達を抜いて行きました。あの瞬間に表彰台は無くなったと思ったんです。あの段階ではそれ以上プッシュすることが難しくて、良いラップの後は何かしらミスがあったりしてという状況でした。ただ最後に2台のDucatiがいなくなって、チャンピオンシップで考えるとこの20ポイントというのは金の価値があります。今年初めての表彰台ですし、チーム、そしてヤマハのためにも嬉しいですね。」

ニック・ハリス

「今日の状況でフラッグToフラッグという展開になったということは正しい判断だったと考えますか?」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「個人的にはそう思いません。というのも自分達は特に何の問題も出ていませんでしたし、25周走れたと思います。ただ安全上の理由であれば仕方ないと思います。自分にとって一番の問題は夜に降った雨で、そのせいでトラックにグリップが戻るまで多くの時間がかかってしまいましたからね。そしてそのせいで金曜のような状況でスタートする事になってしまいました。」

ニック・ハリス

「ヴァレンティーノありがとう。それでは3位のダニ・ペドロサ。16ポイント獲得は嬉しいでしょうが、難しいレースでしたね。スタート直後から本当にラッキーだったと言えますね。」

ダニ・ペドロサ

★MotoGP2016アルゼンチンGP 決勝プレスカンファレンス翻訳

「良いスタートが出来ました。その後ヴァレンティーノとマルクの間に入りたかったんです。というのもヴァレンティーノはスタートでスライドしていましたからね。ただマルクが行こうとしていたので、自分はアウトサイドからいく事にしたんです。そしてターン1で深く曲がりこもうとしたところ、バイクが後ろから高速で突っ込んでくるのが見えて、それを避けることが出来なかったためにバイクを起こして大回りをする形になりました。(※多分突っ込んできたのはイアンノーネ選手)(※確認したらドヴィヅィオーソ選手でしたね。)そのせいでフロントグループを逃がしてしまい後ろのグループでスタックする事になりました。自分のリズムも良くなかったので挽回することが出来ませんでした。バイクにも全く良い感触が得られなかったんですよね。最初の周回でセッティングを変えようと思っていたんですが、セカンドバイクも同じセッティングでしたので期待したように何かしらの変化は訪れず、それ以上の良い順位をかけて争うことは出来ませんでした。1コーナーの事を考えるとラッキーだったと言えるのかもしれません。今日は多くのバイクが転倒する中、最後まで完走出来たわけですから。それに最初の表彰台でもありますしね。昨年はこの場にはいなかったわけで、そう考えるとこれはポジティブな内容です。ただ次のラウンドの事を考えるとセッティングで大きく前進しない限りは、フロントのライダー達について行くことは出来ません。ですから明らかに練習走行の段階からしっかりと確認する必要があります。レースの中では加速でどれだけのリードを失っているかというのは、驚くほどです。オースティンでは何を期待したらよいかわかりませんが、トップについて行くための何かをしたいと思います。」

ニック・ハリス

「ダニ、ありがとう。それではフロアからの質問をどうぞ。」


Q

「ガレージの割当やスペース自体の狭さもあって、フィリップアイランドのように今日のフラッグToフラッグの形式のレースは難しかったのでは?」

マルク・マルケス

「自分はそう感じませんでした。セーフティーコミッションと金曜にピットに入る前のコーナーのスピードリミッターの値を変更したんです。あのままでは壁があって危険でしたからね。それを変更してからすべて順調でした。他のサーキットのピットレーンのような感じになったと思います。ピットレーンから出るのもタイトでしたけど、最終的には安全な状態になりました。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「問題なかったですね。」

ダニ・ペドロサ

「フィリップアイランドと比較するとここのほうが良かったですね。ピットがここのほうが広いですから。それにここはピットに入ってくる時の路面のグリップが同じですけど、フィリップアイランドの場合は路面が2種類あって雨の時はとても滑りやすいんです。」

Q

「マルクとダニに質問ですが、今日の結果は前進の兆しで他のサーキットにも転用可能なものだと考えますか?それともここが単純にホンダの得意なサーキットだからでしょうか?」

マルク・マルケス

「自分にとってはここは好きですし、なぜか自分のライディングスタイルが合っているんです。ただ加速では0.2、0.3秒くらいを失っています。でもコーナーのエントリーだとか向き変えだとか強いポイントもあるんです。ですからある程度どこかで妥協が必要で、加速でもう少し稼ぐ必要があるんですけどホンダも努力してくれていると思いますし、何とかなると思います。」

ダニ・ペドロサ

「自分の場合、今日の結果は自分達がステップアップしたからではありません。ただマルクが言うようにこのトラックでは強力な加速がありません。作業が必要ですしステップアップが必要です。」

Q

「3人に質問ですが、ピットストップはどのような感じでしたでしょうか?」

マルク・マルケス

「自分にとっては完璧でした。1台目から2台目に飛び乗ってね。多分1秒か1秒半しか、かからなかったと思います。トラック上で1秒稼ぐのは大変ですからね。自分としては良かったと思っています。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「1台目から2台目に飛び乗ってという感じでしたけど、悪くはなかったです。」

ダニ・ペドロサ

「他のライダーと比較は出来ませんが、自分のバイクの変更は普通だったと思います。自分の場合はアウトラップで、タイヤが冷えていたので2回ほど転倒しかけました。それで数秒は失いました。」

Q

「2日前、素晴らしいバイクというギフトをもらいましたが、今日はDucatiから大きなギフトをもらいました。最終コーナーでどのように感じましたか?あの瞬間を後ろから見ていたんでしょうか?」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「残念ながらヤマハは完成されたバイクをプレゼントしてくれたわけではありません。ギフトではないですね。(※会場笑)イアンノーネとドヴィヅィオーソのバトルはいつも激しいですし、カタールでもそうでしたよね。彼らは非常に接近して戦っていました。チームメイトの前に出る事は大事だと言わんばかりでしたね。それに今日のイアンノーネは非常にアグレッシブでした。通常ではないようなポイントで彼がオーバーテイクをしかけたせいで数秒失いましたし、同じ事をドヴィにもしないかなと思ってはいたんです。自分も今日は彼らと接近していましたし、今日のコンディションではミスをしやすい状況でした。何かさらにプッシュしようということは非常に難しい状況でした。彼らがぶつかり合った時は、ただ一緒に転倒しないようにしようと考えていました。Ducatiには残念でしたけど、自分にとっては嬉しい出来事でした。」

Q

「2台のバイクのセッティングは同じだったのでしょうか?なぜ2台目のバイクのフィーリングは大きく異なったのでしょうか?」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「バイクは完璧に同じでした。昨日の段階から良いセッティングを見つけていましたからね。でも2台目のバイクでは同じフィーリングを得られませんでした。」

Q

「マルクとヴァレンティーノに質問ですが、バイクの交換前は非常に接近してバトルをしていましたが、ヘルメットの中で何を考えていたのでしょうか?」

マルク・マルケス

「彼がワイドになった時は記憶が蘇りましたね。それで次に何が起きるか注意して見ていました。ただ良いバトル、良いオーバーテイクでしたし、ショーとしては最も重要なものだと思います。」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「非常に面白くて良いバトルでした。2台のバイクは大きく異なりますから、互いに強い部分と弱い部分があります。周りから見ても面白いものだったと思いますけど、残念ながらピットストップのためにバトルを続ける事が出来ず、後半は自分はバトルをする強さがありませんでした。」

Q

「あなたがフラッグToフラッグレースに納得していないことはわかったのですが、25周のレースでも大丈夫だったと考えていますか?」(※インタビュアーの英語がメタクソでこんな内容かなと思います。)

ヴァレンティーノ・ロッシ

「ソフトでもレースは出来たと思います。ただ25周するとなると判断が必要だったでしょう。昨日はソフトって感じでしたけど、今日はコンディションが変わっていました。いずれにしても自分達はどちらのタイヤでも25周の周回は問題なくこなせたと思います。昨日の段階でも自分達は特に問題なかったですしね。」

ニック・ハリス

「以上でしょうか?それではテキサスでまた会いましょう。」