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★マルク・マルケス VR46レーシングアパレルとの契約を破棄

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2016年シーズンの開幕が近づいて来ましたが、この話題はまったく収まる気配がありません。海外誌やサイトはいつもこの内容になると大きく取り上げますし、当人同士もこの問題に関しては綺麗に忘れて終わりというわけにはいかないのでしょう。全ての原因となったフィリップ・アイランド、そして決定的な出来事が発生したセパンと、因縁の場でシーズン前テストがあるわけですから、何事も起こらずに落ち着いてシーズンを迎えられることを願うばかりです。

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ヴァレンティーノ・ロッシとマルク・マルケスとの間の争いが弱まる気配はない。マルケスはロッシとの関係性を断ち切るという動きをしており、その中にはVR46レーシングアパレルとの契約、ニエトファミリーによって運営されるGP Roomsポータブルホテルのリース契約の破棄も含まれている。Speedweekによってもたらされたこのニュースは関係筋によって正式なものだとされ、昨年のヴァレンシアで伝えられたものとは逆の内容となった。その当時のニュースとしてはヴァレンティーノ・ロッシがマルケスとVR46レーシングアパレルの3年契約を2年で終了させることを決定したという内容であった。

この内容は否定されたわけだが、今回マルケスがヴァレンティーノ・ロッシのVR46が関わるアパレルブランドとの契約をこれ以上継続したくないという判断を下した形だ。マルケスのマネジメントとVR46は近頃この契約を終了させる方向で話し合いを行い、VR46側は契約期間満了前の契約終了についてマルケス側に賠償金を求めている。マルケスはこの状況を早期に解決したいだろう。そのためヨーロッパラウンドの初戦となるヘレスにおいて、多くの商品をスペインのファンに売りさばく事を考えていると思われる。

 

マルケスがVR46レーシングアパレルとの関係をすぐに断ち切りたいと考える理由は明確だ。セパンでの出来事がマルケスのヴァレンティーノへの信頼を失わせ、マルケスは彼がロッシと結んだ契約に関しても信じられなくなったのだろう。なお、VR46レーシングアパレルは完全に別会社でロッシ自身はほとんど関わっていないにも関わらず、運営はヴァレンティーノ・ロッシのオフィシャル・ファンクラブメンバーの古株によって運営されている。マルケスは2015年のチャンピオンシップで生まれた感情的なもつれが、アパレルなどの物品販売業にも悪影響を及ぼすことを恐れたのだろう。

 

なお、マルケスのマネジメントはGruppo Pritelliが運営するGPレーシングアパレルと契約を交わした。このイタリアの企業はミサノ・サーキットの近くのCattolicaに拠点を構えており、多くのMotoGPスター達の物品販売を行っている。その中にはホルヘ・ロレンゾ、ニッキーヘイデン、アンドレア・ドヴィヅィオーソ、アレックス・リンス、アンドレア・イアンノーネ、マルコ・シモンチェリなどが含まれる。

 

ロッシとマルケスの間の出来ごとによって影響を受けるのは物品販売だけではない。スペインのサイトMotocuatro.comが語るところによると、マルケスはニエトファミリーによって運営されるGP Roomsモバイルホテルも今後使用しないことを決めたらしい。このGP RoomsモバイルホテルはMotoGPパドック内に最小限のスペース(ベッドとクローゼット程度の部屋)を提供するサービスで、以前マルケスはほとんどの時間を彼のチームと過ごしていたために、常にガレージかトラックで過ごしていた。そういう訳で彼はこのモバイルホテルを重宝していた。こういった意味でマルケスは自分の時間のほとんどをモーターホームで過ごす他の選手等と異なっていた。マルケスは常にチームの一員であることを望み、常に彼のメカニックやクルーチーフと共に過ごしていたのだ。

 

しかしニエトファミリーとの関係はセパンの後に大きく変わってしまった。パブロ・ニエトはVR46 Sky Moto3チームのマネージャーであり、マルケスがわかる限り彼をまったく別の場所に滞在させた。(※チームとかなり離れた場所にモバイルホテルを用意したというような意味かと。。)13回の世界チャンピオンであるアンヘル・ニエトはテレシンコ(※スペインのテレビ局)のTVエキスパートであることもあって、セパンの出来事に関しては不明瞭な立場を取っている。しかしヴァレンティーノ・ロッシの個人的な友人で、夏休みの間にヴァレンティーノとイビザ島で過ごしたフォンシ・ニエトは、セパンの件に関して完全にロッシ側の立場であり、スペインのTVでロッシの主張を解説するという役目を買って出た人物だ。


マルケス兄弟は今までGP Roomsモバイルホテルを使用しており、1人につき1シーズン€25,000という値段だったが、マルク・マルケスはこれ以上彼の金をニエトファミリーに落としたくないと思ったのだろう。しかしマルケス兄弟は2016年シーズンにモーターホームを共有する形になり、彼らはモーターホームを来るべきシーズンに向けて準備しているようだ。どちらのライダーもあまりモーターホームで過ごさないだろうが、モーターホームがあるということはプライベートにスポンサーとミーティングなどが持てるということだ。

 

なぜマルケスはヴァレンティーノ・ロッシとのビジネス上の繋がりをここまで必死に切ろうとしているのか?それは明らかに信頼の問題だろう。特にVR46レーシングアパレルはヴァレンティーノ・ロッシのファンクラブとの関係が密接である。しかし同時にこれはプライドの問題でもある。マルケスはロッシがセパンの木曜プレスカンファレンスで話したマルケスへの批判で深く傷つき、ロッシはマルケスの批判を続けることでこの状況をさらに悪化させた。ロッシはバルセロナで行われたモヴィスターヤマハのチームローンチの場でもこの攻撃を再開し、既に出来た傷に塩を摺りこんだ。マルケスのセパンでのリアクションが示していたようにマルケスは挑発には乗らなかったが、彼のプライドと彼のエゴは、彼の側にいない人間とのビジネスを続けることを許さなかった。

 

ロッシとマルケスの憎みあいは、そう簡単には解決しない。彼らは(※2月に)セパンで再開し、おそらく同じホテルに滞在し、朝食の場を共有し、同じレストランで夕食を食べ、同じジムを使うことになるだろう。彼らはトラック上で一緒になることもあるだろうし、興味深いことに非常に接近することもあるだろう。彼らがカタールで開幕を迎える前にはさらに2つのテストがある。2人の間の雰囲気はけして愉快なものではなく、彼らがふざけ合うようなことは二度と無いのだろう。平和が訪れるよりは火花が起きそうな気配であり、ドルナがこの件については他言無用としているものの、この話題は今にも爆発しそうな状況であるということは変わらない。

 

スペインとイタリアのメディアはいつでも可能であればこの爆弾に火をつけようとしており、どちらの肩を持つかを明確にしている。2016年シーズンは伝統的なシーズンになる要素を持っているが、同時に非常に醜い戦いになる可能性をも秘めている。慎重な管理が必要な状況であるが、率直に言うと、関係者の中で慎重な管理というものを提供出来そうな者はいない。
BY DAVID EMMETT

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