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★ホンダCBSix50デザイナー「エイドリアン・セラーズ」インタビュー

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ホンダがEICMAで発表したCBSix50コンセプトのデサイナーのエイドリアンさんへのインタビュー記事です。話題のフォルツァ125のデザインをしたのもこの方だそうで、なんかホンダっぽくないテザインだと思っていたらGKデザインにいた方なんだそうです。好きと答えているバイクをみても、かなりの変態かと思われます(笑)

★ホンダCBSix50デザイナー「エイドリアン・セラーズ」インタビュー

先週筆者がホンダヨーロッパのコンセプトモデルCBSix50についての写真と考えを書いた。1時間もしないうちに古くからの友人でありバイクデザイナーのIan Wride(イアン・ライド)からメールがあり、CBSix50のデザイナーであるAdrian Sellers(エイドリアン・セラーズ)を紹介してくれることになった。筆者はコンセプトバイクの大ファンでもあるので、エイドリアンに質問に答えてもらうことは可能かと訪ねてみた。そして下記がその回答である。

Q

「あなたのホンダヨーロッパでの役割は?」

エイドリアン・セラーズ(34歳/アメリカ)

 

「ホンダR&Dヨーロッパ(イタリア)のデザイン開発部門のシニア・デザイナーです。」 

 

Q

「答えられる範囲でどのようなプロジェクトに関わってきたのでしょうか?」

エイドリアン・セラーズ

「ほとんど先進的なプロジェクトに関わってきたので、答えられるようなものはあまり無いですね。あなたが見たことがあるようなものであれば、最近はフォルツァ125、City ADVコンセプトとアクセサリー、いくつかのスペシャルモデル、そしてSix50はご存知の通りです。ホンダのEICMAのディスプレイとブースも過去2年に渡ってデザインしています。ホンダで働く前はGKデザイン、USのヤマハ発動機にいて、ヤマハのクルーザーからダートバイクまで多くのバイクをデザインしてきました。」 

 

Q

「3台お気に入りのバイクを上げるとしたら?」

エイドリアン・セラーズ

「Ducati916、ホンダElfプロトタイプ、ブリッテン1000です。」 

 

Q

「最近のバイクでのお気に入りは?」

エイドリアン・セラーズ

「難しいね。最近のモデルからインスピレーションを受けることがあるとは言えません。」

 

Q

「スポーツバイクブームがあって、アドヴェンチャーが来て、レトロなもののブームが来て、(これは今もトレンドだが。)次の北半球のトレンドは何だと思います?」

エイドリアン・セラーズ

「ごめん。秘密事項なんだ。」 

 

Q

「CBSix50の元のデザインは何から来ていて、誰が作り上げたのは誰なんでしょうか?」

エイドリアン・セラーズ

「設計部門と協力して自分が元のデザインを作りました。ホンダのネイキッドセグメントのために過去数年に渡る広範囲の調査結果をベースとしています。」

 

Q

スクランブラーとラベル付されていますが、あなたは何と呼んでいるんでしょうか?」

エイドリアン・セラーズ

「最初の段階から自分はアーバンアドヴェンチャーと呼んでいます。これはSUVトレンドを少なからず含んでいるしね。アドヴェンチャーのトレンドというのは全てのマーケットで非常に強いですね。しかしアドヴェンチャーモデルを所有している人の殆どがオフロードでは使用していません。重要なのは守られていると感じる事で、タフで他のドライバーに対して相対的であること。ですから、アーバンアドヴェンチャーではオフロードスタイルでの相対性と可能性、パワーとタフさを表現しています。」 

 

Q

「ホンダのような企業にとってコンセプトバイクの目的とは?」

エイドリアン・セラーズ

「お客さんとのコミュニケーション、興奮を形にすること、デザインプロセスを通じてお客さんと関わることです。」

 

Q

「デザインーにとってコンセプトをつくる際の挑戦とはなんでしょうか?」

エイドリアン・セラーズ

「たくさんの挑戦があります。美的な観点からも政治的な観点からもね。最も重要なのは当然ながら自分の方向性が正しいと確信を持つこと。間違った方向にいってしまうリスクはありますが、リサーチ、ディスカッションをすること、そして直感がデザイナーには必要です。そうすることでエラーの幅が最小化されると願っています。」

 

Q

「コンセプトモデルを作るというのは夢が叶ったというような感覚でしょうか?それともプロダクションモデルに携わりたいですか?」

エイドリアン・セラーズ

「どちらもエキサイティングな点があります。自分がデサインしたバイクを数ヶ月、1年後に誰かが乗っているのを見るのは最高です。ただコンセプトモデルに関しては、自分の自由にできる範囲が大きいですからね。自分の夢を実現するのによりダイレクトな表現が出来ます。また、こうした側面からプロダクションモデルよりも多くの人をインスパイアする事が出来る可能性があります。」

 

Q

「コンセプトモデルを任せられる順位のようなものがデザイナーの中にもあるんでしょうか?ジュニアだとか、チーフデザイナーといった具合に?」

エイドリアン・セラーズ

「コンセプトはデザインのいかなるところからも発生します。時には製品のリサーチのため、スケッチから生まれるものもあります。これがジュニア、シニアどちらのデザイナーから出てくるかについてはあまり関係性はありません。ジュニアデザイナーの案が採用された場合、シニアデザイナーが形にするために手助けすることはあります。」

 

Q

「このモデルを作り上げるのに、どの程度の時間があったんでしょうか?また、3Dモデリングの時代にデザイナーがクレイモデルを作ったりする事はあるんでしょうか?」

エイドリアン・セラーズ

「EICMAに出展するコンセプトのデザインには1年以上かかりました。未だにクレイモデルは作っていますし、これは欠かせないプロセスで、ライダーとバイクに直感的な結びつきを与えるんです。ただ、最終的にショーバイクをリリースするにあたり、クレイモデルと3Dモデリングとの間を行ったり来たりしています。このモデルに関しては、いくつかのクレイモデリングを自分で行えたことを嬉しく思っています。また、いくつか急ぎで3Dモデリングでパーツを作ったりもしました。」

 

Q

ダッシュボードのデザインが非常に目を引くんですが、どのような思想で生み出され、どのように既存のデザインと異なるのでしょう?」

エイドリアン・セラーズ

「指摘してくれてありがとう!フォームファクター(回路情報などの外形情報)、高品質な素材などで遊び心のある現代感を表したかったんです。自分たちは携帯電話やタブレットからビデオゲームのコントローラーのような物理ボタンのどちらにも慣れていることから、それをミックスしてみようと思ったんですよ。」

 

Q

「コンセプトモデルのボディワークはクレイなのか本物なのか?ちゃんと使用出来る素材なんでしょうか?」

エイドリアン・セラーズ

「もちろん本物ですよ。」

 

Q

「市販化するとして変更すべき点は何でしょうか?」

エイドリアン・セラーズ

「今回はこのモデルとコンセプトであるCB4を可能な限り実現可能な形でデザインしました。使用している素材や技術は、そのまま市販化するとするとかなりのコストになってしまいますが、これもまたコンセプトモデルの楽しみですね。」

 

Q

「ホンダからこれに近いバイクを私達が見ることが出来る可能性はありますか?そしてあるとしたらCBSix50に非情に近いバイクだと認識することは出来るでしょうか?」

エイドリアン・セラーズ

「限りなく可能性があると言えます。ただ、何とも言えませんけどね。」

sideblog: Interivew: Honda Six50 Designer, Adrian Sellers