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★アルパインスターズ、ダイネーゼ、エアバッグに関して法廷闘争

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アルパインスターズもダイネーゼもイタリアのブランドですが、訴訟問題が展開されていたとは。。少なくともMotoGPクラスにおいてはアルパインスターズのツナギを使用している選手のほうが多いですが、これが一社だけになってしまうと見ているほうも面白くないですし、何よりもビジネスとしての影響力という意味ではとてつもなく大きなインパクトを持っています。

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バイク業界においてエアバッグシステムは次世代の安全と言える。インテリジェント・エアバッグ・スーツはあるレベルの衝突の衝撃を許容するシステムであるが、一昔前のバイク業界においても他の業界においてもあまり聞かれなかった。しかしその影響は明らかで世界最高峰のスポーツ、そして一般レベルでも浸透している。

 

ビジネスサイドにおいてもこれは非常に儲かるもので、特にこの分野でこの内容を特許登録しているような企業にとってはそうだ。であるからして、アルパインスターズとダイネーゼがそれぞれのテックエアーとD-Airを特許をかけて争うというのを聞いても驚かないだろう。Asphalt & Rubberで把握している状況によるとアルパインスターズがD-Airが商品で使用している特許侵害の技術の使用をやめるようにという通告をダイネーゼに送ったのが始まりのようだ。ダイネーゼは反対にD-Airの特許を主張、ドイツとイタリアでアルパインスターズを相手取り訴訟を起こした。これはアルパインスターズのテックエアーシステムが作動時にあるアルゴリズムを使用しているからであり、ダイネーゼはこのコンピューターによって作動するエアバッグのコントロールに関する特許を所有していると主張。そしてこれはエアバッグの作動時に記録されているものでもある。

 

ドイツの司法機関の迅速な行動により、アルパインスターズはテックエアーを含んだ商品をドイツ市場から撤退させなければならないという決定が下された。ただ、イタリアでの手続きはもう少し長引きそうである。現状ではこれらのブランドの戦いは欧州マーケット内でのみ展開されているようである。アルパインスターズはテックエアーを含む商品の発表を遅らせており、販売市場も小さくなっている状況だ。ドイツでの訴訟がBMWモトラッドの為に作られたテックエアーシステムに影響を及ぼすかどうかという点は注視が必要だ。なお、そもそものパートナーシップはBMWとダイネーゼの間で始まったものだ。

 

イタリアでの訴訟の結果は世界市場に影響するだろう。そしてもしかするとエアバッグを含むアパレル商品はバイク業界において唯一つのメーカーから販売されるようになるかもしれない。もしそうなれば、勝者にとっては「過去数十年に渡る業界の革新的な安全性を持つ装備を独占出来る」という意味で大きな恩恵をもたらすだろう。しかしこれはバイク愛好家にとっては損害となる。市場を独占する商品というのは消費者にとってはありがたくない前兆となるだろう。

 

さらに今回の出来事は一般ライダーだけに留まらない。エアバッグの技術をブランドによっては盛り込めないとなると、レースにおいて高い安全性を求めるライダーを自社との契約に留めておくことがアパレルメーカーにとって難しくなるなどの波紋を呼ぶことになる。これらの懸念は丁度タイムリーな話題で、MotoGPにおいてグランプリコミッションはエアバッグシステムの使用を強制にすることを検討しており、MotoGP、Moto2、Moto3において全てのライダーに1社が装備を供給する可能性があるのだ。この訴訟の結果はバイク業界にとって非常に大きな影響を与えるものだ。引き続き注視が必要だ。

Alpinestars & Dainese Head to Court Over Airbag Systems

www.asphaltandrubber.com