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★MotoGP2015日本GP 決勝後プレスカンファレンス翻訳

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ロレンゾ選手の逃げ切り展開のレースかと思いきや、後半になって走行ラインが乾き始めたことで序盤にタイヤ温存が出来たペドロサ選手が勝利する展開となった決勝でした。ロレンゾ選手はロッシ選手に抜かれたターン3ではあわやコースアウトするところでしたが、なんとかセーブしましたね。。しかしこれでレインでも最速だとわかったということで、残り3戦18ポイント差でもやる気は十分です。記者からの質問にあった「ウイングレットの差によるタイヤ消費への影響」は2人とも上手く話をはぐらかせているので、チームから「話すな。」というオーダーがあるのかもしれませんね。

 

ニック・ハリス

「50回目の優勝おめでとうございます。この結果をスタート時点で予想していましたか?」

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日本GP優勝 ダニ・ペドロサ

「最初は少し心配していたんです。というのもボックスから出てグリッドまでの間はハードのリヤタイヤで良い感触だったんですが、その後スタートを待っている間にソフトコンパウンドのリヤにすべきかメカニックと悩んだんです。それで結局戦うならば同じツールで戦ったほうが良いと判断してソフトのリヤタイヤに交換したんですが完全なニュータイヤだったんですよ。」

 

「ですからサイティングラップの感触は良くなくて、やはりハードに交換すべきかどうかを悩んだんです。でも結果的に新品タイヤだったことで序盤にペースを抑える事に繋がりました。自分達のバイクは1、2速が非常にアグレッシブですからね。ペース自体は悪くなかったんですが他の選手達は本当に速かったですから、その時点でのギャップが大きくて後半にそのギャップを回復出来るとは思ってみませんでした。その後は出来るだけペースを維持して走行していてラインが乾き始めたんです。出来るだけタイヤにストレスを与えないようにしようと思い、フロントを酷使しない方向のライディングを続けてドヴィヅィオーソに徐々に追いつきました。」

 

「その時点では表彰台が獲得出来れば十分だと思っていました。なにせその時点ではホルヘの姿はまったく見えませんでしたからね。最後のほうはあえてラインを変えてウェット路面を走りました。(※ウェット路面をあえて走ってタイヤの温度を下げるという意味)最後はこうして勝つことが出来ましたが、長い間勝利が無かったので嬉しいですね。チームやファン、家族、友人、そしてドクター達に感謝したいと思います。」

 

ニック・ハリス

「カタールの段階では今後のキャリア自体が不透明な状況だったことを考えると、最高の気持ちでしょうね。」

ダニ・ペドロサ

「そうですね。ここに戻ってくるために多くの事をしました。ただ今日の勝利よりもレースを楽しめたことが大きくて、今日は本当に気持ちが良かったですね。これがやはりMotoGPの良いところで、前のレースでもヴァレンティーノと素晴らしいバトルが出来ましたからね。ドライだったとしたらヤマハが非常に強かったですから別の展開になっていたと思います。ただ今日のレインコンディションというチャンスを掴んで、ホンダのホームレースGPで勝利することが出来ました。」

 

ニック・ハリス

「ダニ、50回目の優勝おめでとうございました。それではヴァレンティーノ・ロッシ、今日は素晴らしいレースでした。ある時点ではホルヘとのポイント差が5ポイントという状況がありましたが、終わってみれば18ポイント差でチャンピオンシップに大手という感じですか?」

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ヴァレンティーノ・ロッシ

「非常に難しいレースでした。特に最後はドライ路面に対してレインタイヤということで、バイクのコントロールが難しくてメンタル面で厳しいレースとなりました。スタートは非常に良くて1周目はホルヘのペースが速くて付いていくことが難しかったんですが、出来るだけギャップを作らないように努力しました。何周か走った後に差が大きくならないのを見てモチベーションが上がりましたし、その他のライダーよりも自分のペースが速いということも良かったですね。」

 

「ただ路面が乾き始める中レースが長丁場なので非常に心配でした。その後ダニに追いつかれた時は、彼に抜かれる事と、彼がホルヘを抜くペースがあるのかどうかなどが心配でした。アラゴンに続けてまたしても9ポイント失うのはチャンピオンシップにおいて痛手ですからね。その後なんとかダニに付いていこうとしている中でホルヘに追いつくことが出来ました。その時点では自分達のタイヤにはかなり問題が出ていて限界の状況でした。おそらく自分のほうが摩耗が少なかったと思うんです。こうして20ポイント獲得出来たというのはチャンピオンシップにおいては非常に重要ですし、差が4ポイント開いたというのは良いことですね。」

 

ニック・ハリス

「次のラウンドはフィリップアイランドですが、あなたのお気に入りのトラックですよね。ただ2人の差は縮んだり伸びたりすると思いますか?」

ヴァレンティーノ・ロッシ

「ええ。2台のホンダ、2台のDucatiが強いですからね。ホンダで言えばマルケスは必ず上位に上がって来る選手でしたが、今やダニも素晴らしい状態にありますから。ですから3戦すべてをまとめて考えるのではなくて、1戦ごとに考えていく必要があります。自分も多くのライダーと同様にフィリップアイランドが好きなんですが、セッティングを出すのが難しいんですよ。風や寒さなどでここと同様にね。ただ最大限の力で挑みたいと思います。」

 

ニック・ハリス

「ヴァレンティーノありがとうございました。それではホルヘ、今日の結果は予選や素晴らしいスタートを考えると残念な結果でしたね。」

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ホルヘ・ロレンゾ

「またしても天候が見方してくれませんでしたね。ドライコンディションであれば自分が最速だとわかっていたんですが、今日はレインコンディションでも良いタイムで走行出来ました。これがずっと同じコンディションであれば自分が優勝していたと思うんですが、今日は序盤から非常にプッシュしていたので後半になって路面が乾いてきた事が影響してしまいました。アントネッリやザルコのような運が無かったですね。」

 

ニック・ハリス

「序盤にプッシュし過ぎたと思っていますか?」

ホルヘ・ロレンゾ

「ええ。トラックが乾くと知っていたら、ここまでプッシュはしませんでした。ただ皆トラックのコンディションが変わるとは思っていなかったでしょうから、自分はその時点で自分に出来ることをしただけです。今回は他のレースのような幸運が無かったですね。ただこのような厳しい状況の中でも最大限の力でレースをして、4ポイントを失うだけに留めることが出来ました。ターン3で転倒していたら20ポイントを失っていたわけですからね。それにドライで最速、そして今回ウェットでも最速だったということは残り3戦ですべて優勝出来るという自身を自分に与えてくれましたし、チャンピオンシップで優勝出来るという自信を与えてくれました。ですから最後までけして諦めませんよ。」

 

ニック・ハリス

「フィリップアイランドはヴァレンティーノも語っていたように、天候を読むのが難しいということですが、どう思いますか?」

ホルヘ・ロレンゾ

「フィリップアイランドは寒くて風が強く、雨が振る可能性もありますよね。でもどのような天候でも自信はありますし、次のレースから自分達の運が上向いてくると思うんですよ。」

ニック・ハリス

「私からの質問は以上です。それではフロアからの質問をどうぞ」

 

Q
「今日で50勝目となりましたが、今日、そしてアラゴンのような素晴らしい状態で勝利したのは、いつ以来でしょうか?」
ダニ・ペドロサ
「多分2013年でしょうね。去年のレースではフィジカルの面で問題が大きかったんですよ。でも今日はウェットコンディションでしたから、ドライの状況に比べて身体的にあまりストレスはかからないのでライディングに集中出来ましたね。ただ来年に関してやることは多くて、ドライ路面においては完全にヤマハに負けています。今回はシルバーストーンでの教訓を活かしてウェットのセッティングを出したので、ウォームアップ段階から良いペースで走行することが出来ました。これが自信を与えてくれましたし、今日はレースの中でも結果を求めずに走行していたところ結果が付いてくるような展開となりました。」

 

Q
「ホルヘ、チャンピオンシップにおいて運が必要だと語っていましたが、現状では天候という不運に付きまとわれていると?」
ホルヘ・ロレンゾ
「カタールではヘルメットに問題があり、その他のレースではドライで最速の状態でしたが、雨の中でそのスピードを活かすことが出来ませんでした。今日はドライ/ウェット両方で最速でしたが、路面が乾き始めた事で勝利出来たはずのレースで勝つことが出来ませんでした。ただ今年はバイク、自分のライディング、集中力のおかげで自分は最速のライダーだと思うんです。状況が見方をしてくれていないわけですが、次のラウンドから変わると思いますよ。」

 

Q
「今後の結果についてはホルヘが優勝してもあなたが2位であればタイトルを獲得出来るわけですが、これについてどのように考えますか?」
ヴァレンティーノ・ロッシ
「可能性は低いと思います。というのもこれから3戦続けて自分達が1位、2位で完走することは難しいと思うんですよ。というのも2台のホンダがとても速いですし、3つのサーキットはそれぞれ性格が大きく異なりますから。実際こうした計算はあまりしたことが無いんですよ。99%の確率でこうした事は起きないと思いますよ。ですから計算をすることよりもフィリップアイランドでのレースに集中して、ホルへの前で完走すること。これがターゲットですね。」

 

Q
「ダニがいない状態でホルヘに追いつくことが出来ると考えていましたか?」
ヴァレンティーノ・ロッシ
「それはわかりませんね。ダニの後ろで走ることでスリップストリームを使うことが出来ましたし、走行ラインなど多くの情報を得ることが出来ました。でもホルヘも自分もペースが落ちていったのに、2人のギャップが同様の状態で残っていったのは不思議でしたね。ただホルヘに追いつくにはダニを利用するしかないとは思っていました。ただそこでホルヘに追いつけた後でどうなるかはタイヤの状況もありましたから不明でしたけどね。」

 

Q
「今日も非常に戦闘力が高かったわけですが、アラゴンの結果があなたの自信をどの程度ブーストしたのでしょうか?」
ダニ・ペドロサ
「アラゴンの結果によって自信を得たのはありますけれど、ドライの状況ではホルヘやヴァレンティーノに追いつけないのはわかっていたんです。それにもしかしたらDucatiにもとは思っていました。レーストラックによってはそうした事がありますからね。ただ今回のレースもやはり自信にはなりました。ただ今後もこうした理想的な展開が続くとは限らない状況ですので、出来るだけポジティブな状態であらゆる状況に対応出来るようにしたいですね。」

 

Q
「ヴァレンティーノはウイングレット無しで、ホルヘはウイングレットありでしたが、ウイングレットの有り無しがタイヤの消耗に影響を与えたと思いますか?」
ヴァレンティーノ・ロッシ
「自分としては羽根がなかったからフロントにこれなかったと思うんですよ。(笑)ホルヘがなんで使用しているのかはわかりませんが、個人的にはDucatiがあれだけ羽根を生やしているわけですから、もう十分だと思うんですよね(笑)」
ホルヘ・ロレンゾ
「自分がミサノでの予選で使用して、ヴァレンティーノはレースで使用し、自分はレースでは使用しませんでした。今回は自分がウォームアップで使用してレースでも使用しました。だから次はヴァレが羽根を付ける番だね。(笑)」

 

Q
「ヘルメットに日本語が描かれていましたが、あれはサムライと読むんでしょうか?」
ダニ・ペドロサ
「ええ、あれはサムライです。」

 

Q
「なぜか聞いても良いでしょうか?」
ダニ・ペドロサ
「人生に対するアプローチ、信念などそういったものを取り込みたいと思っているんです。1つは好きだというのと、もう1つは自分が日本でスペシャルヘルメットを使用するのは今回が初めてだったからというのがあります。」

 

Q
「ヴァレンティーノのフロントタイヤよりも先にホルヘのフロントタイヤのほうが摩耗していったと思うんですが、ウイングレットの他に何か説明出来ることとしてありますでしょうか?」
ヴァレンティーノ・ロッシ
「非常に難しいですね。おそらくライディングスタイルの違い、セッティングの違いがあると思いますが、正直言ってわからないですね。」
ホルヘ・ロレンゾ
「ヴァレンティーノも語っていたようにライディング、セッティング、そして序盤のプッシュもあったと思いますがわかりませんね。」

 

Q
「ダニ、タイトル争いについてどのように思いますか?ヴァレ、それともホルヘ?」
ダニ・ペドロサ
「非常に難しい戦いですね。極限の中でミスをしないというのは非常に難しいことなんです。彼らのバイクを操る様を見ているとバイクが良い挙動で動いており、限界域で走行しやすいバイクだと感じます。ただ同時に彼らは異なるライディングをしていますからレースの内容は毎回異なるわけです。ですから彼らがどのようなレースウィークを通じてレースに挑むかによってくると思うんです。またそれに加えて彼らの間にいるライダー達がどのような結果でレースを終えるかにもよってくるでしょうね。」