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★アラゴンGPミシュランタイヤテストでロッシ選手らが転倒

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過去のミシュランタイヤテストでも転倒者が続出しているわけですが、今回もロッシ選手を含めて転倒者が出ました。これはブリヂストンとミシュランの前後タイヤのグリップバランスが真逆な為のようで、チームとしてもブリヂストンとの正しい比較の為にマシンセッティングを弄れない、もしくはあえて弄らないという事にも起因しそうです。(※管理人注 ミシュランの方よりご連絡をいただき、記事中の表記をニコラ・グベールと修正させていただきました。ご指摘ありがとうございました!)

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アラゴンGPでの決勝の後、セパンサーキットでのテスト以来となるミシュランタイヤのフルテストがおこなわれた。今回はテストを希望するチーム、単純にセッティング作業を希望する全てのチームが参加できるテストであった。

ミシュランタイヤ自体のテストにはレプソルホンダの2人、テック3ヤマハの2人、LCRホンダ、アプリリア、スコット・レディング、アレイシ・エスパロガロ、ダニロ・ペトルーチ、ヴァレンティーノ・ロッシら14人のライダーが選ばれた。

 
ミシュランが持ち込んだのは3種類のリヤタイヤ、4種類のフロントタイヤ。ミシュランはアラゴンのドライコンディションでのデータがほとんど無いため、多くのタイヤを持ち込んだようだ。
 
気温が下がった影響で数名のライダーが転倒し、ミシュランはいくつかのデータをまだ必要としている事が明らかになった。ブラッドリー・スミスについては数回転倒していた。しかし午後になって気温が上がるとこうした問題は起きなくなった。しかしヴァレンティーノ・ロッシは午後にターン2で転倒し、右腕を少し痛めた。
 
ミシュランのニコラ・グベールはspeedweekに対してロッシ転倒の原因はロッシが転倒の直前にスローダウンを余儀なくされ、その後にプッシュを開始したためと語った。ターン2はレースウィーク中も転倒が多く、これはロングストレートと左コーナーで冷えたタイヤの右側面にとって、初めての右コーナーという事にも原因があるようだ。
 
アラゴンGPにおいてタイヤの右側面は冷えやすく、今回ヴァレンティーノに起きた問題というのはまさにこれに当たる。他のライダーの転倒からもわかるようにミシュランのフロントタイヤはまだ改善が必要であり、これに対してミシュランはいくつかのコンパウンドを開発しているようだ。
 
2つのブランドのタイヤの性格はまるっきり異なるので、それに合わせてセッティングを行なっているバイクでのテストはトリッキーだ。ブリヂストンのフロントは恐ろしく強大なグリップを発揮し、コーナーの中での信頼性が高い。そしてなおかつリヤのグリップレベルはフロントを超えることは無い。
 
ミシュランは全く逆の性格をしており、リヤのグリップは非常に強く、フロントはブリヂストンほどのグリップが無い。MotoGPバイクはブリヂストンタイヤに合わせてリヤのグリップを稼ぐ方向で重量バランスがセットアップされており、フロントのグリップを稼ぐ方向ではセットアップさていない。ミシュランの場合は逆で、フロント側のグリップを稼いでやる必要がある。
 
ミシュランの本当のテストはヴァレンシアのレース後の火曜日から始まると言えよう。各チームはその時点から初めてミシュランタイヤ用のセッティングで作業を進めることが出来るのだ。ミシュランとブリヂストン、ドルナの取り決めによりタイムは公表されないが、ニコラ・グベールによると記録されたタイムはレースのベストラップと良い勝負のようだ。ただ、レースディスタンスを通じて同じタイムで走行できるかどうかについては疑問が残る。
 
タイヤと共にいくつかの新しい車両も姿を見せた。レプソルホンダは2016年型のRC213Vを持ち込んでテストを行なっていた。スペックエレクトロニクスはダイノ上でテストが行われ、来月トラックにおいてテストライダーの手によってデビューする予定だ。
 
このスペックエレクトロニクスとタイヤがバイクにどのような影響を与えるかは不明点が多い。このような点からもヴァレンシアテストで様々な点が明らかになるだろう。
 
David Emmett