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★MotoGP2015 アラゴンGP木曜プレスカンファレンス翻訳

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アラゴンGPの木曜のプレスカンファレンスの模様の翻訳記事をお届けします。流石にこの時期になるとチャンピオンシップ争いの話題が多いです。Moto2のザルコ選手はポイントは余裕ですが、MotoGPクラスは接戦が続いています。

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ニック・ハリス
「残りの5戦で23ポイントという差をつけていますが、前の2戦は素晴らしいレースでしたね。」
ヴァレンティーノ・ロッシ
「ミサノでのレースは自分が想像したようなレースではありませんでした。結果も芳しくありませんでしたし。ただ、チャンピオンシップを考えた時にはホルヘに対してポイントを獲得することが出来たので良かったと言えます。まだ5戦ありますから全てのレースで最高の結果を得られるように努力したいと思います。ここは確かに自分が得意なトラックとは言えません。2013年はホルへとマルクが早かったものの、悪く無いレースでした。2014年も良いレースになるはずだったんです。ただブレーキングでミスをして転倒してしまいました。残りの5戦の自分のポテンシャルはわかりませんが、手強いトラックでどのようにして速く走るかを考えるのは大好きですので、全力を尽くしたいですね。」

 

ニック・ハリス

「23ポイントというとこれくらい開いていた瞬間もありましたが、この先のレースも同じように進むと思いますか?」
ヴァレンティーノ・ロッシ
「23ポイントは良いアドバンテージになり得ますが、充分ではありません。ホルへはどのトラックでも速いですし、どのトラックでも優勝するポテンシャルがあります。同様にマルケスも速いわけですから、これから先彼らに負け続けると自分のポイントのリードは無くなってしまいますよね。ターゲットとしては良い走行をして土曜に漕ぎ着け、そこから表彰台を獲得するという事ですね。」

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ニック・ハリス
「ヴァレンティーノありがとうございます。それでは次にホルヘ、前回のレースは全てがうまく行きませんでしたね。特に天候は全くあなたに味方しませんでしたね。」
ホルヘ・ロレンゾ
「そうですね。2回連続して日曜になって天候が崩れましたね。個人的にはドライコンディションの、ほうが嬉しいですし、ずっと良いペースで優勝も狙えると感じでいたんです。2つのレースでトータルして23ポイントも失ってしまいました。確かに天候という不運もありました。ただ、シルバーストーンではもっと上位で完走できたはずですし、ミサノでは転倒せずに2位か3位で完走できたはずです。ですからこれらに関しては不運では無くて、自分のミスです。」

 

ニック・ハリス
「アラゴンでの結果に目を移すと、素晴らしい戦績を収めていますね。」
ホルヘ・ロレンゾ
「アラゴンはレイアウト、歴史的な話でもヤマハ向きのサーキットではないんですよ。ただ、昨年のレースは少し妙で、自分はドライで遅く、レインになってからは他の誰よりも速かったんですよ。そのおかげで、始めてこのサーキットで勝利する事が出来ました。今年はバイクも進化していますので、さらに良い走行が出来ると考えています。」

 

ニック・ハリス
「今週のレースはどうでしょうね。バイザーにまた雨粒がつかないと良いのですが。」
ホルヘ・ロレンゾ
「これから冬に向かいますから、天候の変化は大きいと思います。ただ、こればかりはコントロール出来ませんからね。でも、もし雨が降ったとしても前の2戦よりは良い結果が残せると考えています。」

 

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ニック・ハリス
「ホルヘありがとう。それでは次にマルケス。前回は素晴らしい優勝でした。ここでは前回苦い思い出がありますね。」
マルク・マルケス
「ミサノは妙なレースでした。しかし、ドライコンディションではホルヘに付いて行くのに苦戦していたんですよ。レースの戦略が成功したのはありますが、同様のコンディションでアラゴンでは失敗する可能性もあります。ただ、前回優勝出来たことは自分にとって良かったです。アラゴンではヤマハがテストを行なっていますから、テストの最初はホルヘが早いとは思います。ただ出来る限りついていきたいと思いますし、もちろんターゲットは優勝する事ですよ。」

 

ニック・ハリス
「ヴァレンティーノを捉えることは難しいかもしれませんが、チャンピオンシップにおいて2位というのは不可能ではないんじゃないでしょうか?」
マルク・マルケス
「ミサノのような展開のレースが2回か3回あればわかりませんが、チャンピオンシップはもう正直あまり気にしていません。今年は後は出来る限り優勝して、チャンピオンシップを良いフィーリングで終えたいという事ですね。何しろヴァレンティーノが非常に強くてどのレースでもトップにいますし、彼はほとんどミスをしませんから。後は毎戦優勝を狙うという事を考えたいですね。」

 

ニック・ハリス
「ミサノでは49回目の優勝となりましたが、あなたの年齢を考えると素晴らしい戦績ですよね。」
マルク・マルケス
「そうですね。今までは素晴らしいしキャリアを積んでいると思います。今年は例年に比べると初めて苦戦していると言えると思います。ただ最後のほうになって勝利出来ていますし、まだレースは続きますので出来る限り優勝数を増やしていきたいですね。それにもちろん今の優秀数に関しても満足していますよ。」

 

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ニック・ハリス
「マルク、ありがとうございました。それでは次にブラッドリー・スミス。ミサノでは素晴らしいし結果を収めました。現実的にあの内容のレースを再び行うのは難しいと思いますが、現実的にチャンピオンシップ5位というのはあり得るシチュエーションですね。」
ブラッドリー・スミス
「そうですね。ミサノのレースは素晴らしい内容でした。サテライトライダーがああした結果を残せるというチャンスはあまりありませんからね。今年はカルがアルゼンチンで、ダニロがシルバーストーンで表彰台を獲得しました。我々サテライトライダーが毎週ああいった結果を残すのは不可能ですが、あの結果は本当に嬉しかったですね。それにチャンピオンシップで5位で戦うのに新たなポイントを与えてくれました。残り8戦9戦の時点でもチャンピオンシップ5位でしたけど、あの時点ではトップのサテライトバイクでシーズンを終えることが出来るかどうかという事を考えていたんですが、現時点でもチャンピオンシップ5位争いをしているわけです。残りはあと5戦ですし、こうなったらチャンピオンシップで5位を維持出来るか頑張ってみたいと考えています。」

 

ニック・ハリス
「毎戦トップ10で完走していますが、実に素晴らしいパフォーマンスですね。」
ブラッドリー・スミス
「今年は素晴らしいシーズンですね。今まで自分の周りのライダーなどを眺めている中でトップのサテライトライダーという今まで自分からすると高い目標を自分に課したんですが、それを達成しているわけですから自分自身で驚いています。ですからそこからさらに目標を高く引き上げて、これからも集中を続けて、今の自分の状況をしっかりと把握し、残りの5戦でチャンピオンシップ5位に留まれるよう良いレースをしたいですね。」

 

ニック・ハリス
「実際のところ、ファクトリーに来年昇格出来るチャンスが無いことに対してフラストレーションを感じていますか?実際今シーズンは素晴らしい結果を残しているわけですし。」
ブラッドリー・スミス
「結局のところレースはレースですし、全ての契約は違う形で締結されるわけです。実際ファクトリーとの契約というのは、こうした素晴らしい成績を残して、さらに来年も続けて行く必要があるものです。自分にとって良いことは自分はヤマハのM1にとても親しんでいるということと、モンスターエナジーテック3チームとも4年目となるシーズンを一緒にやっていくわけです。これらの内容は来年にとってはまさに最高の内容だと思いますね。」

 

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ニック・ハリス

「ブラッドリーありがとう。それでは前回ミサノで3位となったスコット・レディング、ここでの現実的な順位はブラッドリーとは異なり、トップ10というところですか?」
スコット・レディング
「正直トップ10というのは自分がミサノで考えていた順位だったんですよ。ですからトップ3での完走というのは本当に驚きました。今回はトップ10、もしくはトップ8を可能であれば狙いたいと思います。アラゴンではバイクがうまい具合に走ってくれると思うんですよ。今考えているゴールを達成出来る事を願っています。」

 

ニック・ハリス
「これから去ることになるチームでこうした結果を残しているというのは皮肉ですよね。」
スコット・レディング
「確かにそうですね。ただ、来年の自分の選択は正しいと思っていますし、残りのレースで最高の結果を出すべくホンダでレースをする事は変わりません。」

 

ニック・ハリス
「アラゴンは皆走るのが楽しいサーキットだと言いますが」
スコット・レディング
「アップダウン、高速コーナー、タイトコーナーなどがあり、MotoGPバイクで走るのは非常に楽しいですね。FP1から良い走行を続けて、Q2に進出したいですね。」
ニック・ハリス
「スコットありがとうございました。それではフロアからの質問をどうぞ。」

 

Q
「マルケスに質問です。残り5戦でヴァレンティーノとロレンゾのどちらがより強いと思いますか?」
マルク・マルケス
「ホルヘのほうが速いとは思いますが、ヴァレンティーノも常に上位で完走しますからね。茂木、セパン、フィリップアイランドは雨の可能性もありますから、誰にとってもどうなるかはわかりません。ですからスピードという面ではホルヘ、経験と状況のコントロールと言う面ではヴァレンティーノでしょう。」

 

Q
「ヤマハがWSBKに復帰するという話題が先日ありましたが、あなたがテストライダーを勤めたりということはあるんですか?」
ヴァレンティーノ・ロッシ
「そのニュースは新聞で読みましたね。ヤマハがWSBKに復帰すること、そして”自分がテストライダーを勤めるらしい”ことは嬉しいニュースですね。(笑)まぁ冗談は置いておいて、そういう事はないでしょうし、現在のヤマハのスーパーバイクはブラッドリー達が先日の鈴鹿で見せたように素晴らしいパフォーマンスを発揮していますよね。自分からのフィードバックが必要なのであればもちろんそういうチャレンジもしたいと思うけど、それはないですね。自分はM1に乗るのが好きだしね。」

 

Q
「このトラックでもっともテクニカルな面はどういったところでしょうか?」
ヴァレンティーノ・ロッシ
「このトラックは長いコーナーが特徴なんです。ですから速く走る事が重要であると同時にタイヤをセーブすることも必要なんです。ブレーキングも難しいですし、マルクが特にブレーキングにおいては強いですよね。そういった点から考えるとホンダのバイクに合ったトラックであると言えます。ただヤマハのバイクは昨シーズンから進化しています。ですからホンダに接近出来ると思いますし、強い走りが出来ると思います。」

 

Q
「今回のタイトル争いをマックス・ビアッジ、セテ・ジベルナウなどとのバトルと比較すると、タフ、難しい、楽しいどのようなことを感じていますか?」
ヴァレンティーノ・ロッシ
「ホルヘとのバトルは難しいですね。彼はあらゆるサーキットで練習走行の時から常に速いですからね。ですから彼とのバトルを考えると、2009年彼と戦ったシーズン、2008年ストーナーと戦ったシーズンと似ていると思います。あらゆるサーキット、あらゆるコンディションで速いライダーと戦うシチュエーションという意味でね。ですから2008年のストーナーとのバトルと似ていますね。2008年の時との違いはストーナーは違うバイクに乗っていたということですね。ホルヘは同じバイクですのでそういう意味での違いはあります。過去のビアッジ、ジベルナウとの戦いと考えるとまた少し違っていて、その当時は自分のほうが彼らより少し速かったんですよね。ですから、今回の戦いが最も難しいバトルだと言えます。」

 

Q
「2人のヤマハライダー、いやファクトリーヤマハのライダーに質問です。ブラッドリーすまないね。これから立て続けにレースが続いていきますが、今回のレースと比較して続く4戦の重要度というのは違いますでしょうか?」

ヴァレンティーノ・ロッシ
「特に違いは無いと思いますね。今までのミサノ、シルバーストーン、ブルノと違いは無いと思います。ヨーロッパにいる間はいずれにしても移動は楽ですし、全て1週おきのサイクルです。サーキットに到着して3日間レースをして1週間休むわけですから。ただこれから続くレースはチャンピオンシップの中でもとても重要度の高いレースですしストレスもかかると思います。」

ホルヘ・ロレンゾ

「自分としてはアラゴンはとても大事なレースですね。結果次第ではタイトル獲得が現実味を帯びることもありますし、逆に遠ざかる可能性もあるわけです。今回はヴァレンティーノより前で完走することが非常に重要になってきます。それにレースではいつも何が起こるかわかりませんしね。ですからここから先のレースのためにも、ヴァレンティーノよりも良い位置で完走する事がとても重要です。」

 

Q
「初めてのワールドタイトルを獲得する手前の瞬間に落ち着いているということは可能なものですか?また、その前のレースというのを覚えているものでしょうか?」
ヴァレンティーノ・ロッシ
「常に最高の瞬間として覚えていますよ。マルクもホルヘも同意してくれると思いますけどね。その瞬間というのは次にいつ起こるかわからないものですから。ですから落ち着いているということは不可能だと思いますよ。ただ強烈なプレッシャーにさらされているというのは良いこともあって、最後の5%の力をそこで発揮出来たりしますからね。ザルコの場合はリードが大きいですから、もっとリラックスした状態で挑めるでしょうね。でも最初のワールドタイトル獲得というのはやはり素晴らしいものですし、けして忘れられない瞬間になりますよ。」
ホルヘ・ロレンゾ
「自分は2010年のマレーシアの時は正直に言ってとても不安でしたね。もちろん自分にとって初めてのワールドタイトルではなくMotoGPでのという位置づけでしたけど、3日間眠れず、マレーシアに到着した時はとても不安でした。ダニに対しては大きなアドバンテージがあって、しかもダニは怪我をしていたので余裕はあったんですが、それでも不安を感じました。2006年のヴァレンシアではアンドレアとバトルをしたんですが、その時は本当に不安でした。最終戦というのもあり、転倒したり悪い結果であればワールドタイトルは無くなってしまうわけですから。でもそこを何とかやっていくしかないんです。でも彼の場合はポイントの差が大きいですからね。彼はあまり不安に見えないけど、話している間は手が震えていたから、きっと不安に違いないね(笑)でもそれにしてもこうやってアドバンテージがあるというのは良いことだよね。
ヨハン・ザルコ
「彼らがこんな事を話すから不安になってきちゃいましたよ(笑)」
マルク・マルケス
「最初のタイトル獲得というのはとてもエキサイティングなものですよね。もちろんこの先数戦ある中で感じるものと、あと1戦しかない状態でチャンピオンシップ争いをしているというのは全然違いますし、そのほうが不安になりますけどね。昨年の自分はまさに彼のように余裕はあったんですけど、それでもやはり不安にはなりましたね。」

 

Q
「来年は新しいタイヤに共通ソフトウェアで状況が大きく変わりますが、毎戦表彰台に上がれるとしたら驚くべきことですか?それと2017年はどのメーカーのバイクに乗りたいですか?」
ブラッドリー・スミス
「来年はガラッと変わると思います。ただ速いライダーというのは最高のバイクに乗っていると思いますし、そこで速いメーカーというのは新しいタイヤに順応出来たメーカーだと思うんです。もちろんそれがヤマハであることを願っていますけどね。ただこれは何とも言えません。エレクトロニクスに関しても同様ですが、これから使用するものはDucatiが開発ベースになっているわけですから、彼らにより多くのアドバンテージがあるとは思います。彼らはこのシステムに慣れていると自分は思うんですよ。ですから毎戦表彰台をかけて戦えるかどうかという質問はあまり現実的ではないかなと思います。どのメーカーのバイクが良いかということに関しては、これは正直に言ってどこのバイクであっても大変名誉な事だと思うんです。彼らのメーカーのバイクの開発という、世界で2つしかないポジションを任せてもらえるのだとしたら、これは大変栄誉なことですよ。ただ、その時の技術的なレギュレーションなども含めて、自分にどのバイクが合うかなども含めて選ぶ必要があることだと思います。ですから、2015年9月の段階で、8〜10ヶ月先のことを話すというのはとても無理ですよ。」

 

Q
「Moto2の時ヨハンはあなたのライディングスタイルを非常に参考にしていましたが、今彼のライディングというのは彼のオリジナルですか?それとも影響を感じますか?」
マルク・マルケス
「彼と一緒にレースをし始めたのは確か125ccの時だと思うんですが、その時から考えても彼はMoto2一年目で大きくライディングスタイルが変わりました。最初の彼のライディングは自分のようにとてもアグレッシブでしたけど、今の彼はもっとスムーズなライディングですよね。でも自分が好きな彼のスタイルは彼のラストラップのバトル時のアグレッシブなスタイルです。彼が誰かをオーバーテイクする時はとても自信に満ちたライディングですし、こういう部分は自分に似ていると思います。でもライディングスタイル全体で考えると、彼のほうが少しスムーズですね。」