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★MotoGP2015サンマリノGP 決勝後プレスカンファレンス翻訳

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マルケス選手がピットの素晴らしい判断、そして彼自身の素晴らしい判断力で勝利を掴んだサンマリノGPでした。昨年はアラゴンで引っ張り過ぎでやらかしているマルケス選手だけに、こういったシチュエーションには敏感なのでしょうね。そして管理人もレースも見ている間はあまり気づいていなかったのですが、ブラッドリー・スミス選手はあの雨の中スリックタイヤで耐え切って走り切ったようです。恐るべし。。

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ニック・ハリス
「あれだけの好天の中から雨が振ると思っていましたか?」
マルク・マルケス
「正直誰も雨が振るなんて思って無かったでしょうね。でも曇り出した時、小雨で軽く振るかなとは思いました。でもレース前にチームと準備が出来ていましたね。レース中はドライからレインに切り替わるタイミングの見極めが難しかったですね。自分はホルヘの後について走っていたんです。その後のウェットからドライになった瞬間は、どこからドライなのか?という判断が非常に難しかったですね。新しいアスファルトは色がとても暗いので見分けがつきにくかったんです。でもチームがピットウォールから指示を出してくれ、それが正しい判断をするのに大きな助けとなりました。」

 

ニック・ハリス
「ウェットからドライへの切り替わりの時、ヤマハよりも早めにピットに入りましたね。」
マルク・マルケス
「そうですね。ドライからウェットに切り替わる時はホルヘが最速だったんです。ですから、そのままドライであれば彼に勝つチャンスは無かったでしょう。実際ウェットからドライへの切り替わりの時もバイクのフィーリングはあまり良くなかったんです。逆にその時はヴァレンティーノのほうが自分やロレンゾより速い状態でした。勝負のカギはレインからスリックへの切り替えのタイミングであったと言えますね。自分たちは最高のタイミングでスリックのマシンに乗り換えることが出来ました。」

 

ニック・ハリス
「今までに2回バイクを乗り換えるレースはありましたかね?」
マルク・マルケス
「ピットインのタイミングでタイムはかなり失うわけですが、実際にレインでスリックタイヤで走ることは不可能です。とても奇妙で全体でどうだったかという事は説明が難しいですね。この後はビデオをしっかりと見て将来に同じ状況が起きた時のために備えないといけないと考えています。」

 

ニック・ハリス
「ミサノでも勝利しましたが、その他はほとんど勝利しているサーキットですね。」(※こんなニュアンスかと。。)
マルク・マルケス
「MotoGPでミサノで勝利したのは初めてですね。今週はずっと苦労していました。ただけして諦めずに常に上位で走ろうと努力してきました。ここから向かうアラゴンでは良いレースを期待しています。ヤマハは2回テストを行っていますから困難な戦いになると思いますが、再びトップに立てるように努力したいですね。」

 

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ニック・ハリス
「マルクありがとう。それでは2位のブラッドリー、どの順位でスタートしたか覚えていますか?最後までスリックタイヤで引っ張っていましたね。」
ブラッドリー・スミス
「そうですね。結局一度もピットインしませんでした。(笑)正気の沙汰ではないとは自分でも思います。(笑)今日は正直ピットインのタイミングを逃したんですよね。マルクやホルヘ。ヴァレがピットインしたタイミングをね。その後は雨が少し弱まり、どうせならずっとスリックで行けるかやってみようと思ったんです。勿論ハイサイドしそうになったりと恐ろしい瞬間は何度もありましたけどね。その後は徐々にドライになっていったんですが、このトラックがどの程度の速度で乾いていくのかのデータが無かったんです。(※新しい路面のため)ただドライになって行く中でグリップが良いところと悪いところはわかりましたし、最終的に2位を獲得出来たのは素晴らしいことですね。ギャンブルをして表彰台を獲得したことは無かったんですが、今回はそのチャンスでした。サテライトライダーが表彰台に登るというのは中々に無いことですが、そういうチャンスが来たら逃してはダメなんです。それを今日はしっかりと確保出来たというところですね。」

 

ニック・ハリス
「アラゴンではしっかりとドライのレースが出来ますよきっと。」
ブラッドリー・スミス
「ヤマハはアラゴンでテストしていますからね。ここは自分たちがテストしていないサーキットでしたが、アラゴンではファクトリーのライダー達から何かしら情報を貰えるのではと考えています。」

 

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ニック・ハリス
「ブラッドリーこのクラスでの最高位獲得おめでとうございます。それでは次にスコット・レディング。今日は転倒もあった中で、まさか表彰台を獲得出来るとは思っても見なかったでしょうね。」
スコット・レディング
「そうですね。今日は雨が降りだした時点で失うものは何も無いと思っていたんです。それでレインの中でスリックタイヤで攻めていて、少しプッシュしすぎたんですね。ストレートでフロントが滑ってしまってね。グラベルの手前でバイクを止めることが出来ず、グラベルに突っ込んでしまいました。マルケスがバルセロナでやったようにアクセルを空けてスライドさせて向きを変えようとしたんですが、トラクションコントロールのせいで何も起きませんでした。そこで転倒してしまい、「これでレースも終わりだ。。」と思って出来るだけ速くピットレーンに戻ろうと思ったんです。」

 

「ただ、ヨニーとアレイシが自分よりも後方にいるのを見て意外と良いポジションにいるという事に気付きレインタイヤに交換したんです。ただレインタイヤのフィーリングは最悪で、タイヤの温度を上げようと努力して温度が上がった時には既にドライになっていました。そこでの順位は最悪だったんですがその後スリックタイヤに履き替えて、ひたすらにプッシュしました。その後ポジションが上がっていって4位になった時点で、1回転倒してるのにこんな馬鹿な事があるのか?と思ったんですよ。(笑)その時バズとの差が7秒だったので、また雨が降ったりした時の為に死に物狂いで追い上げたんです。最終的に3位を獲得出来ましたが、これは今朝目覚めた時に全く予想もしていなかった結末ですね。」

 

ニック・ハリス
「過去2戦は非常に難しいコンディションでしたが。。」
スコット・レディング
「確かにそうですね。ただ、その中での出来るだけこうした結果を出そうと努力して来ました。このバイクで今年こういった順位を獲得出来た事は嬉しいですね。頑張ってくれていたチームのためにも嬉しいですね。今日は博打を売ってそれに見合うだけの結果となりましたね。」
ニック・ハリス
「スコットありがとうございました。それではフロアからの質問をどうぞ。」

 

Q
「ピットからのサインを見て、ヤマハを追いながら、どうやってあの判断を下したのでしょうか?」
マルク・マルケス
「とてもとても難しい判断でした。他のライダーの状況、トラックの状況、タイヤの残り具合、ラップタイムなどを計算して、スリック、レインそれぞれのタイヤでどういった走りが出来るか?そういった判断ですね。ウェットからドライに切り替わるタイミングではヤマハのほうが速かったんです。自分のバイクはひたすらストレートでも揺れていて、いい加減にピットインしないとダメだなと思ったんです。そのままレースを続けていたら勝てないと思ったんです。その後スリックに切り替えてピットアウトした時は、自分が想像していたよりもずっとドライの状態でした。それがヤマハよりも2周早めにマシン交換出来た理由でしょうね。」

 

Q
「ピットがサインを出したタイミングでピットインしたのか、ヤマハに続いて少し周回してからピットインしたのかどちらでしょう?」
マルク・マルケス
「1回目はロレンゾを参考にピットインしたんです。ブレーキングの段階でタイヤがロックし始めていたのもありますしね。2回目はピットの指示に従って直ぐにピットインしました。ピットがドライと言っているわけだから、それに従って残り9周どのような展開になるかと思ったんです。ピットアウトしたら遠くにペドロサが見えて彼はもうスリックに交換していると思ったんですが、実際には彼はまだレインタイヤで走行していました。ピットイン、ピットアウトの2、3周の間は何がどうなっているのかわからず、とにかく自分の100%の力で走行することだけに集中しました。」

 

Q
「昨年はアラゴンで同じくチャンピオンシップを戦っている中で同じような状況でした。」
マルク・マルケス
「確かに昨年のアラゴンでは失敗を犯しました。でも常にこういった状況について学ぼうとしているんです。ですから今回は前回のアラゴンのような失敗を犯さないためにも、ドライからレインに切り替わる時に早めにピットインしたんです。(※昨年のアラゴンでは雨の中スリックで引っ張りすぎて転倒したということ)レインからドライに切り替わる時は、昨年のアッセンのように判断しました。」

 

Q
「スコット。転倒した時バイクのダメージはどうだったのでしょうか?」
スコット・レディング
「正直言ってアドレナリンが最高に出ていた状態なので、あまり考えていませんでした。それに転倒自体もグラベルの中で、ハンドルバーなどは自分の体で守ったんです。ヘルメットの中に土は少し入ったので土を吐きながら走行したんですが、バイクは大丈夫そうだったのでそのまま走り続けました。」

 

Q
「雨の中スリックタイヤで走るというのはどの程度大変なのでしょうか?そして今日は一瞬でも優勝出来ると思いましたか?」
ブラッドリー・スミス
「とても難しいですね。スコットもコースアウトしたように非常に難しいと思います。ただ、今日は思ったよりグリップが悪化しなかったですね。ただヤマハのバイクはとてもスムーズだったので走り続けました。今日は一瞬でも表彰台で完走出来るなんて考えたことはなかったです。でも最後になって前にマルクしかいないのが分かって、その後4、5周はかなりプッシュしたんです。でもマルクとの差が詰まらなかったので残りの周回は後続のライダーとの差を意識して走行しました。」

 

Q
「今シーズンは素晴らしい活躍ですが、メディアや周りから過小評価されていると思いますか?」
ブラッドリー・スミス
「シーズン最後になって人々は自分の結果を見て何かしらコメントすることはあるでしょう。ただ自分はありがたい事に3年間の時間を与えられています。このクラスの最初の18ヶ月は良い結果が残せませんでしたが、徐々に結果が出ていますし、未だにレースごとに良くなっていると感じます。これからはまだモンスターテック3ヤマハで頑張りますが、次回の契約更新のタイミングでどれだけの人が自分に興味を持ってくれるかというところですね。」

 

Q
「古い路面は雨で非常に滑りやすかったわけですが、新しい路面はいかがでしょうか?」
マルク・マルケス
「自分にとっては同じですね。昨年はとても滑りやすかったですね。でも今年は違うセッティングですから。ただ走りだしてタイヤが温まっていなかったのもあるでしょうが、その後レインタイヤで周回を重ねてもグリップは良くなっていかなかったですね。」
ブラッドリー・スミス
「自分はずっとスリックだったので何ともコメントのしようがないですね。(笑)」※会場爆笑
スコット・レディング
「自分にも同じように感じました。滑るしフロントは振られるしでね。」

 

Q
「スコット、ドニントンでマルクに勝利した最初の表彰台獲得から7年経っていますが、その頃から比べてライダーとして成長したと感じますか?」
スコット・レディング
「とても答えにくい質問ですね。最初の頃は本当に子供のようにレースを楽しんでいるという感じでしたね。マルケスはその頃から比べてキャリアを積み重ねてきました。彼は常に自分が目標にしていつか追いつきたいと思えるライダーですね。」

 

Q
「マルク、今日の勝利はチャンピオンシップにおいてどのような意味を持つでしょう。あなたを再びチャンピオンシップ争いに加わらさせる勝利でしょうか?」
マルク・マルケス
「いや残念ながら。差が大きすぎますね。確かにロレンゾは今日ミスを犯しましたが、それでも彼は自分にとってトラック上で最速のライダーです。特にドライではそうですね。ウェットではヴァレンティーノのほうが速いですが。ただ5戦で65ポイント差というのは差が大きすぎますね。自分のターゲットは残り5戦で勝利することです。来年に備えて100%で走るだけです。残り5戦で優勝出来ればそれで十分ですね。」

 

Q
「今日はホルヘがスリックに切り替えてすぐに転倒しましたが、あなたにも同じような瞬間がありましたか?」
マルク・マルケス
「いや、自分はピットアウトした周回はかなりゆっくり走ったんです。それでもレインタイヤよりは速い事はわかっていましたし、自分は他のライダーよりも早めにスリックに切り替えたのもあり、リスクを冒す必要は無いと考えていました。おそらくホルヘは最初からプッシュし過ぎたんでしょうね。自分は最初はレインタイヤのようにゆっくり走って、トラックのコンディションを確認しながら走行したんです。先ほどもお話したように、路面が暗くてドライなのかウェットなのか判別がつかなかったのもありますしね。」

ニック・ハリス
「以上ですか?それでは皆さんアラゴンでまたお会いしましょう。」