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★ホンダ USパテントオフィスに新型2ストエンジンを登録

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2サイクルエンジンのバイクというのは、排ガス規制のために今後は新車が出てくることはまず無いと言われています。ただ、排ガス規制をクリアするクリーンエンジンであり、なおかつ2サイクルのメリットである単純さ、軽さという点をクリアすれば、確かに新しいバイクが出て来てもおかしくは無いですよね。今回の発表内容はあくまでバイク用エンジンではないようですが、今後に期待してしまいます。

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2ストロークは4ストロークよりも遥かにシンプルなエンジンだ。軽量で機構も単純で、排気量あたりで考えた場合により多くの馬力を発生する。そのため今でも多くのファンがいるのだ。しかし2ストロークの場合、煙、そして未燃焼ガスの問題があり、近年の厳しい排出ガス規制に伴い姿を消していった。

しかしそこにはまだ希望がある。今月のはじめにホンダがよりクリーンな燃焼、より良いピストン冷却の機能を持ったダイレクトフューエルインジェクションの2ストロークエンジンをパテントとして登録したのだ。この新型エンジンはフューエルインジェクションがシリンダー後方にマウントされており、シリンダーボアの壁に向かってインジェクションが顔を向けている。インジェクターはピストンが上死点付近になった時に噴射を行うようになっており、未燃焼のガスが排気ガスとともに排出されないようになっている。また燃料が噴射され、燃料による気化熱でシリンダーとピストンを冷却するという構造になっている。

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ホンダはこの設計のエンジンは他のインジェクションの2ストロークエンジンの複雑さを回避でき、なおかつ生産性の向上とメンテナンスコストの低減に役立ち、メーカーによって再び量産が出来るエンジンになるとしているようだ。

ハスクバーナやKTMなどはインジェクションの2ストロークエンジンのデザインをデビューさせるタイミングを待っていると噂されている。KTMはインジェクション2ストロークエンジンは複雑化してしまい、重量としても4サイクルエンジンと同様になってしまうと考えているようだ。ホンダは今回のパテント登録の内容によって、なんらかのブレイクスルーを達成したのかもしれない。

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しかし、この登録内容をみてもエンジンのデザインそのものをみても、これがバイク用エンジンであるという証拠はどこにもない。今回の登録内容の序文においても、ホンダは「2ストロークエンジンは一般的な使用において、4ストロークエンジンに比べてシンプルな構造のために好まれてきたという歴史があります。」と語っている。

 

今回の内容から、プッシュロッド・バルブシステムを備えたロングストロークエンジンであることがわかり、「燃料はディーゼルオイルもしくは他の種のオイルを潤滑の為に含みます。」という文章があることから、ハイパフォーマンスのバイク用エンジンというよりは、産業用のエンジンのようにも思える。とは言え、ホンダは未だに2ストロークの世界でのエンジンの改良に注力しており、今後も注目する必要があると言えるだろう。
By Loz Blain - July 19, 2015

www.gizmag.com

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