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★chabott engineering MT-07ベース FASTER SON

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ヤマハは世界中のビルダーと協力してカスタムバイクを作ってもらい、そのカスタムパーツを市販化するという動きをずっと続けていますが、このコンセプトバイクもそういった流れのものでしょうか。しかし、このバイクがMT-07ベースだと誰が思うでしょう。全ての無駄をそぎ落としたデザインで、シートカウル、タンクの細さが本当にセクシーです。

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シンヤ・キムラは恐らく現在世界で最も有名なカスタムバイクビルダーだろう。しかしそんな名声にも関わらず、彼はミステリアスな雰囲気を漂わせる。彼は大学で虫の研究を行っていたがバイクの世界でキャリアを積むことを選んだ。これは彼にとって最高の選択だったようで、アフターマーケットパーツ大手のPlotの援助のもと立ち上げたゼロエンジニアリングでsamurai choppersを発表し、一躍有名になる。

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その後シンヤはゼロエンジニアリング、日本を離れ、カリフォルニアにある小さな町、Azusaに移り住んだ。2006年彼はChabott Engineeringを設立し、現在も年間3台〜4台の1台$100,000以上するバイクを作り出しており、そのオーダーは数年先まで埋まっている。彼のバイクの作り方は彼独自のものにより彼はオーダーに従わない。またトレンドも追わない。であるからして、彼がヤマハヨーロッパのオフィシャルカスタムの為にバイクを作成するのは驚きだが、よく考えてみれば彼の最初のバイクがヤマハであったことからすると自然な成り行きなのかもしれない。

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ヤマハ プロダクトマナージャー シュン・ミヤザワ氏

「多くのカスタムビルダーと、成長するカスタムバイクの世界でヤマハが果たす役割などについて話してきました。我々にはあるアイディアがあり、キムラさんが提示してくれた700ccの水冷2気筒でのカスタムバイクというのは、我々が考えていたのと丁度同じだったんですよ。」

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そして、MT-07がシンヤの元に送られた。ヤマハのこのバイクはジャーナリストから高い評価を得ており、シンヤも同様の印象を持っていた。彼は伝統的な作り、クラフトマンシップを重んずるが、メーカーは過去の栄光にすがったようなバイクを作るべきではないと考えている。今回彼が手がけたバイクは「Faster Son」と呼ばれる。そもそもは”ハイエンドで現代の技術を盛り込んだヴィンテージスタイル”というのが当初のコンセプトで、過去のヤマハの象徴的なバイク達と現代とを結びつけるようなものだ。このバイクはフランスのWheels & Wavesフェスティバルで展示され、直ぐさまにその他のカスタムバイクとは異なるその魅力が多くの注目を集めた。このバイクはフェンダー、ミラー、エキゾーストシステムを装備し、すべてが機能的に収まっている。

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シンヤ・キムラ氏

「ヤマハには特別なものを感じるんですよね。自分が最初に買ったデカイバイクはDT-1でした。SRシリーズも好きですしね。いつもSR400かSR500を1台か2台、XT500を10台の頃から所有して乗っていました。過去のデザインを踏襲したりして、単純にカッコイイからと言ってそれを売るのはどうかと思います。過去のデザインは尊重しつつもそこから新しいものを生み出すというのが、自分を含めたビルダーがすべきことだと考えています。今回は自分のテイストを、走る、止まる、曲がるという、ライディングにおける重要な機能を損なわないように表現したかったんです。この(MT-07の)エンジンはヤマハの最新テクノロジーが込められています。ヴィンテージエンジンのように美しい空冷ファンもありません。Faster Sonのデザインはこうした新しさを邪魔するようなものではなく、ノスタルジックにひたる方向でもありません。2つがしっかりと混ざりあうという方向性なんです。」

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「タンクのグリーンはヤマハのXS1を意識しています。自分にとってXS1やXS650はヤマハのデザイン哲学を表すという意味でとても象徴的なバイクなんです。この2台のバイクは色褪せない魅力がありますし、誰の目にも美しいバイクです。自分もこうした流れるようなシェイプの美しいバイクを作りたいと思っていて、簡単にいうとXS1のようなバイクを作りたかったということでしょうか。しっかりと実車として機能するバイクにしたかったんです。自分がいつも思っているのは自分が乗りたいと思えるバイクを作ることです。トレンドなどに左右されず、時代を超える美しさを持ったバイクを作ることは本当に楽しいですよね。」

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shinya kimura | @ chabott engineering