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★なぜディーゼルエンジンのバイクが存在しないのか?

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Cycle Worldの人気コーナー「ケヴィンに聞け」コーナー。読者から寄せられた質問に専門家が答えるという内容で、毎回管理人も勉強させていただいております。今回の質問はディーゼルエンジンについてです。
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Q

「なぜディーゼルエンジンのバイク(基本的には軍事用だと思いますが)をメーカーは作って一般に流通させないのでしょうか?BMWのR1200GSなどは完璧にフィットすると感じます。ディーゼルエンジンにすることによるメリットは沢山あります。中でもディーゼルはほぼどんな燃料でも走るので、世界中を旅するようなライダーにとってはメリットが大きいはずです。信頼性も高いですし。」

 A

「私がディーゼル業界の友人と話すとき、彼らは決まってディーゼルという燃焼機関はエンジンのシリンダー数が少なくなるごとに、ドライブラインに問題を引き起こすと語ります。そしてディーゼルエンジンの場合、その最高圧縮比が非常に高い事が挙げられます。(※管理人注 ディーゼルエンジンは空気を圧縮して高温になったところに燃料を噴射して自然着火させる仕組みのため、圧縮比が非常に高く、着火のためにスパークプラグを必要としない)1992年にホンダがV4エンジンのNSR500の点火タイミングを2気筒1組で180度から68度に変更した時、ドライブラインにかかる負荷が増大し、ギアボックス、クラッチの再設計の必要性が生じました。」
 
「実際には小型のディーゼルエンジンは存在し、それらのエンジンを使用した実験的なバイクも存在します。クレイグ・ヴェッターなどは、そうしたエンジンの燃費に関するイベントを毎年開いていますので、こうした実験的な試みに関して詳しく知りたい場合は、彼にコンタクトしてみるのも良いでしょう。」
 
「私が思うにディーゼルエンジンの問題は、市場のニーズとその製造コストにあると思います。(複雑な作りで特殊な燃料供給方法が必要)また、スパークイグニッションのエンジンと同等のスムーズさを獲得するための設計も必要となるでしょう。ご存知かも知れませんが、アメリカ軍は基本原則として「単一燃料の使用」を採用しており、これはJP4規格のジェット燃料もしくは、これに準ずるものを使用するということになります。Mercury Racingが最近アメリカ国防総省向けに開発した船外機はこうした燃料をダイレクトイグニッションとスパークイグニッションの両方によって燃焼させるものとなっています。」