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★MotoGP2015カタールGP 決勝後プレスカンファレンス全文

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晴れ晴れとした表情のロッシ選手が印象的なプレスカンファレンスでした。ドヴィヅィオーソ選手も破れはしたものの、ロッシ選手の「今までのキャリアで最高のバトルだった!」という言葉にまんざらでもなさそうです。

 

ニック・ハリス
「3列目からのスタートで素晴らしい走りでしたね。」

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ヴァレンティーノ・ロッシ
「信じられないようなレースでした。今までのキャリアの中で最高のレースのひとつ、そして同時に今まで最高のラストラップの戦いのひとつでした。ここまでのレベルの戦いっていうのは、カピロッシと戦ったムジェロ、カピロッシとのセパンでの戦い、今までのロレンゾとの戦いのように今までで最高のバトルになりました。正直に言ってラストラップの事はあまり覚えていません。覚えているのは2度も3度も転びそうになったことですね。」

 

「朝から比べるとバイクのセッティングを確実に仕上げることが出来ましたし、レースの中でも良い感じにバイクが動いてくれました。スタートは上手くいってイアンノーネの前だったんですが、3コーナーくらいで順位を少し落としてしまってね。でも自分よりもペースが遅いライダーをオーバーテイクして、その後ダニに追いついて、ダニを抜きました。ヘルナンデスに追いついた時のタイムが1:55.2秒だったので自分でも驚いて。「これは行けるな。」と思ったんですよ。」

 

「1コーナーでマルケスが外に押し出されたのも見えたんで、これはチャンスだと思いましたね。イアンノーネに追いついて抜けないでいると、サインボードでマルケスが迫ってきているのが分かって、「畜生またか。。」と思いましたね。それからイアンノーネを抜いたあたりからバイクのバランスが物凄く良くなって来たんです。周回を重ねるごとにホルヘとドヴィヅィオーソが近づいてくるのがわかったので、やっぱりいけるなと思ったんです。ミスをしないようにして自分がこのトラックで強い部分もわかっていましたから、なんとかフロントに出ることが出来ました。」

 

ニック・ハリス
「ここまでDucatiが速いと思っていました?またDucatiにどこかで抜かれるのではと思いました?」

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ヴァレンティーノ・ロッシ
「そうですね。もしドヴィヅィオーソを早めに抜けていれば、もう少しアドバンテージを作れたと思いますね。なぜなら最終コーナーは除いてですが、セクション3とセクション4は自分が強いポイントでしたから。最後のラストコーナーの立ち上がりはDucatiが迫っているのがすぐ後ろに聞こえたんですが、最終コーナーの脱出がかなり上手くいきましたね。最後の最後まで最高に楽しめました。」

 

ニック・ハリス
「今36歳で20年近いキャリアを誇るわけですけど、本当に素晴らしいことですよね。」

ヴァレンティーノ・ロッシ
「ええ。調子は良いですしモチベーションも高いですしこの仕事を愛していますから。情熱を持ってますよ。自分も皆もね。もしちゃんと準備をしてトレーニングを続けていれば、40歳くらいまではトップ争いが出来ると思いますよ。肉体的な強さによって勝敗が決定するスポーツではありませんからね。何よりも重要なのはモチベーションと集中力で、なかでもモチベーションが最も重要でしょうね。とにかく今日は嬉しいですね。マルケスも後ろにいるし、これはチャンピオンシップという意味ではとても重要なことですね。今年は去年のようにトップ4台じゃなくて、トップ6台の戦いになるということが明らかになりましたね。楽しいシーズンになりそうですね。」

 

ニック・ハリス
「ヴァレンティーノありがとうございました。それでは2位のアンドレア・ドヴィヅィオーソにお聞きします。今日はポールスタートで2位フィニッシュですね。悔しいかとは思いますが、結果には満足でしょうね。素晴らしいラストラップのバトルでした。」

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アンドレア・ドヴィヅィオーソ
「こうやってトップ争いが出来るというのは本当に最高ですね。ヴァレンティーノとこうしてラストラップでバトルをするっていうのは本当に最高ですよね。ラップタイムもそうですが、オーバーテイクもお互いにクリーンでしたしね。でもラストラップではヴァレンティーノを抜き返す事が出来なかったですね。バイクは凄く速かったし、特にストレートは抜群でした。」

 

「でも1コーナーでフロントをインに向けて脱出する事が出来なかったんですよね。いくつかのコーナーではヴァレンティーノのほうがトラクションがあって、彼を抜き返すほどに接近出来なかったんです。ラストラップは本当に自分のベストラップでした。タイヤも終わりかけの中で全力を尽くしたんですが、まだまだでしたね。でもまだ自分たちのバイクは新しいバイクですし、これだけトップに接近してゴールすることができたんです。Ducatiの皆、チームやエンジニアの頑張りには本当に感謝したいですね。昼も夜も必死に頑張って来れました。」

 

ニック・ハリス
「予選でポール獲得の後、決勝はどうかわからないような事を述べていましたが、結果的には良かったですね。」

アンドレア・ドヴィヅィオーソ
「結局決勝を走るまではどうなるかわからないですからね。今日も最初から全力で走っていたわけではないんです。何しろリヤタイヤの消耗がどの程度なのか全然わかりませんでしたから。でも結果的には予想していたとおり、グリップの低下でコーナーの中間や、エントリー部分での速度を保てませんでした。そのせいでヴァレンティーノを追いかけることが出来ませんでしたね。なんとか彼に追いつきたかったんですが、この結果は嬉しいですね。」

 

ニック・ハリス
「ありがとうございました。それではもう一人のアンドレア。今回がMotoGPクラスで初めての表彰台獲得。ファクトリーライダーとしての初めての表彰台ですね。」

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アンドレア・イアンノーネ
「ファクトリーライダーとしての最初の経験で最高に嬉しいですね。まさか表彰台が獲得出来るとは思っていませんでした。とにかく最高の気分です。この冬はDucatiチーム皆がバイクの開発を続けてくれたおかげで、物凄く強力で速いバイクをライディングすることが出来ました。とにかく最高の瞬間ですね。」

 

ニック・ハリス
「年の離れた友人のライディングはどうでしたか?」

アンドレア・イアンノーネ
「ヴァレは本当に強かったですね。いつもどおりですよ。でも少しの間ですけど彼とバトル出来て楽しかったですね。今日の自分は優勝出来るポテンシャルはありませんでした。でも全力で挑みましたし、ホルヘよりは終盤は速いということもわかっていましたので、彼をパスすることが出来ました。今はこの瞬間が本当に大事です。」

 

ニック・ハリス
「3人のイタリア人が表彰台を埋めるという快挙ですね。それに英語も上手になりましたね。(笑)それではフロアからの質問をどうぞ。」

 

Q
「ヴァレンティーノ素晴らしい走りでしたね。今日の走りにおいて、GP15に勝てたポイントは何でしょうか?」

ヴァレンティーノ・ロッシ
「今日の朝からマシンを改善することが出来ました。昨日の段階からGP15と戦える状態だとは思っていたんです。特にイアンノーネとはね。ただ、ドヴィヅィオーソは物凄く速かったですよね。ヤマハもDucatiも互いに強い部分がありましたよね。違うカードを持ってゲームをしているみたいにね。最終的にはマシンが上手く動いてくれたのが良かったですね。」

 

Q
「ハードのフロントタイヤを使用したのはあなただけで、他の2人はミディアムのフロントでした。終盤にこれが勝因となったんでしょうか?」

ヴァレンティーノ・ロッシ
「わかりません。ただ、それを想定していたのはあります。自分としては良い選択が出来たなと思います。」

 

Q
「この冬はDucatiの強さを懸念していましたが、ホンダのバイクはどうだったでしょうか?」

ヴァレンティーノ・ロッシ
「ホンダの成績はちょっと驚きでしたね。ダニは強かったけどね。マルクのパフォーマンスはちょっと想定外でしたね。練習走行では最高に速かったですからね。次のオースティンは彼の得意なコースなので厳しい戦いになると思います。」

 

Q
「スペイン人ライダーが表彰台に一人もいないのは意外ですか?」

ヴァレンティーノ・ロッシ
「そうですね。他のクラスでもそうですよね。3クラスでスペイン人がいない。表彰台にイタリア人しかいないのはイタリアにとってはいいことですね(笑)こういう光景は10年ぶりくらいですかね?」

 

Q
「Ducatiライダーに質問です。昨年のバイクに比べて終盤のタイヤの消費はどうでしょうか?」

ドヴィヅィオーソ
「違いますね。昨年型のバイクよりも乗ることが楽ですし、ラインの中にバイクを収めて走るのに無駄なエネルギーがいらないんです。昨年はそういうことは不可能でしたから。今年のバイクはヴァレンティーノやロレンゾと同じようなラインを普通に走行することが出来るんです。ただ、終盤のいくつかのパートではトラクションがもう少し欲しい部分もありました。でも新しいバイクだから仕方ないでしょう。こういうレースを経験することでバイクの事が良くわかりますし、勝利に向けて前進出来ますよね。」

イアンノーネ

「そうですね。タイヤの働きを邪魔していないという感じですね。終盤に行くに従ってタイヤのことを、え~と英語で何ていうんだっけ。。(イタリア語でロッシに聞く。ロッシ「worryだよ。」)ああそう。心配していたんですが電子制御の助けなどもあって最後まで走ることが出来ました。」

 

Q
「今日は2位ですが満足していますか?」

ドヴィヅィオーソ
「勿論満足はしていません。良い走りは出来ましたが終盤でヴァレンティーノに抜かれてしまったわけですからね。彼に抜かれてから彼のほうが速いポイントがあることがわかりましたし、逆に自分のほうが速い部分もあることがわかりました。ちょっと作戦ミスですかね。」

 

Q
「ヴァレンティーノが言うようにオースティンはマルケスが強いと思いますか?」

ドヴィヅィオーソ
「確かにホンダに有利なサーキットだと思います。自分たちのバイクはまだまだ走行距離が足りませんし、もっと改善を進めなければいけないとも思っています。まだこのバイクの全てをわかっているわけではないですからね。でもオースティンでも良いレースが出来ると思います。」

イアンノーネ
「マルクはきっと強いでしょうんね。でもDucatiはトップ争いが出来ると思います。この冬はかなりマシンが進化しましたからね。どのセッションでもトップ5を目指しますよ。」

 

Q
「今日はマルケスはミスをしましたが、こういったミスが無くても彼を負かすことが出来たと思いますか?」

ヴァレンティーノ・ロッシ
「そうですね。なぜなら昨年はマルケスは特にル・マンで皆を抜いて自分に追い付いて抜いて行きましたが、今日のマルケスはああいった勢いは無かったですからね。」

 

Q
「2人のアンドレアがGP15を良く分析して語っていましたが、あなたはどう感じました?」

ヴァレンティーノ・ロッシ
「まず、このトラックはヤマハが得意なトラックと言えるんですよ。ヤマハのマシンは昨年からそこまでは変わっていませんがブレーキングが良くなったんです。ギアボックスとかのおかげでね。トラクションも豊富ですし、機敏に動きますよね。そしてとても正確に走ることが特徴ですね。そして去年よりもマシンは速くなったと言えますね。ホンダ、ヤマハ、Ducatiのバイクの強みというのは各トラックなどによって変わるものですね。ですから勝つためには常に集中していること、そして確実にポイントを重ねていくことですね。」

 

Q
「新しいギアボックスはどうですか?」

ヴァレンティーノ・ロッシ
「ギアボックスはブレーキングで確実にバイクを止めるのに役立っていますし、ライディングが楽になりましたね。特に予選では大きな違いですし、22周の決勝で考えてみてもそうですね。」

 

Q
「ドヴィ、まだコントロールしきれていないことというのはどういうことでしょうか?」

ドヴィヅィオーソ
「より多くの距離を走ることで、まだバイクを進化させられる余地を探ることが出来ます。特にブレーキングなどね。ですから、現状ではどこの部分をどの程度進化させることが出来るのか?また、進化させられる余地があるのか?ということはわかっていません。勿論、もっともっと良いバイクにして事が出来ると思いますけどね。」

 

Q

「ヴァレに質問です。Ducatiとストレートでここまで差があったというのは、どの程度ガッカリしていますか?」

ヴァレンティーノ・ロッシ
「他の部分では自分達のバイクのほうが良い部分もあったわけだから、それほどガッカリはしていませんよ。でも周回を重ねるごとに良くなっていったとは思いますけどね、特にDucatiの後ろに付いて走っているときは、1台で走っている時には絶対到達出来ないようなスピードで走れましたし(笑)」

 

Q
「昨年はマルケスとの戦いが多かったわけですが、それと比べて今日のドヴィヅィオーソとの戦いはどうでした?より楽しかったですか?」

ヴァレンティーノ・ロッシ
「今日のバトルは今までのキャリアでも最高のものでしたね。ドヴィヅィオーソは物凄く強かったし、彼も今日は勝てるという自信を持って走っていたからね。1コーナーのブレーキングで彼が自分をパスして、少しアウトにはらんで2コーナーの出口で自分が差し替えしてっていうのが特に面白かったね。今日のバトルはホルヘやマルケスと比べても最高のレースだったと思いますよ。」

 

Q
「今日は大変な状況からマシンを仕上げた結果だと思いますが、これは何が要因でしょうか?」

ヴァレンティーノ・ロッシ
「今回は予選で問題がありましたね。でも、他の部分では決勝を走り切るのに問題は無かったと言えます。特にシルヴァーノを始めとするチームの頑張りのおかげですね。でも次回のレースでは予選でもう少し良い順位で2列目くらいからスタートしたいですね。」

 

Q
「さきほど今年は6台の争いになると言っていましたが、今までのキャリアの中でのチャンピオンシップとくらべていかがでしょうか?」

ヴァレンティーノ・ロッシ
「今までの戦いと違うというのが嬉しいですね。今まではストーナーとロレンゾの戦いなどは最初の3周ですでに勝負が付いてしまっていた状態でしたよね。でもそういうレースは退屈なんですよ。今はマルケスが速いですけど、最終ラップ付近でいつも良いバトルがありますよね。こういうレースのほうが楽しいですよね。」

 

ニック・ハリス
「皆さん。ありがとうございました。それでは次回のオースティンで会いましょう。」