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★第二回目セパンテストday2 リヤブレーキは左レバーで操作する日が来る?

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既に3日目の結果も出ていますが2日目のもう少し突っ込んだ解説記事をご紹介します。2日目はロレンゾ選手が左手のサムブレーキを試していたんですが、解説にもあるようにシームレスギアボックスによって左手が暇になれば、左側レバーがリヤブレーキになったとしても、まぁ不思議では無いですね。

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 2日目のテストで一番ほっとしているのはマルケスかもしれない。月曜日をブレーキトラブルで潰した彼にとって、火曜のテストはようやくノーマルのリズムに戻ってのテストとなった。

マルケスがトップを奪還

マルケスは月曜日のトラブルを「ライバルにあまり手の内を明かしたくないのでスローダウンしたんだ。」と茶化して語っていたが、火曜日はエレクトロニクスやエンジンマネージメントに大きな時間を裂き、失った時間を取り戻すようにテストを行っていた。水曜日はチームは新しいシャーシのテストに注力すると思われる。マルケスは前回のセパンテストで使用したシャーシを使い続けているが、新しいシャーシはリヤの部分に何かしら変更があるとのこと。この変更点についてはスイングアームなのかショックマウントなのか、リンクなのか明らかではない。

復調したロレンゾ

マルケスの後ろにつけたホルヘ・ロレンゾはやる気に満ち溢れ、まるでカミソリのような鋭い走りを披露した。月曜日に時差ボケと睡眠不足でぱっとしなかったロレンゾだったが、火曜日は新しいシームレスギアボックスとともに素晴らしい走りを見せた。シームレスギアボックスによって上下シフトでクラッチ操作の必要がなくなったが、シフトダウン時の挙動が激しいため月曜日のウェットコンディションにおいてロレンゾは苦戦しているようだった。とはいえ、まだセッティングが出ていない状態であるので、水曜日にかけて仕上げていくのだろう。なお、ロレンゾはこの日の終りに旧型のギアボックスも試していた。ホンダのシームレスギアボックスは使用するごとにばらして組み上げる必要があるようだが、ヤマハは違うようだ。

 

さて、シームレスギアボックスを採用することのメリットとしては、スタートとピットイン時以外はクラッチ操作が無くなるため、ライダーの左手の作業が減ることにある。昨年ホンダはマルケスとペドロサの車両でサムブレーキ(親指で操作するリヤブレーキ)を試していた。近年のバンク角度の上昇によって、ライダーの右足がリヤブレーキを操作するための空間はますます少なくなっている。火曜日にロレンゾはホンダと同様だが、もっと極端なアイディアであるリヤブレーキの左手の1本指操作を試していた。

(※管理人注 親指じゃないということはクラッチレバー的なレバーを追加したってことでしょうか?)2008年の酷いハイサイド以降、ロレンゾの右足首の力は弱まっており、彼は以前記者に対して転倒以降リヤブレーキの操作が難しいということを話している。

左レバーはリヤブレーキになる日が来るのか?

過去にはミック・ドゥーハンがサムブレーキを積極的に使用していたが、実際のところ親指での繊細な操作は難しい。クラッチ操作がほぼ必要なくなった現代のレースバイクにおいて、クラッチが左のハンドルバーに陣取っている必要はほぼないわけで、クラッチレバーがその場所をリヤブレーキに譲るというのも十分に有り得る話だ。これによってライダーはブレーキングやアクセレーションにより集中出来るようになるだろうし、足をやたらと動かす必要もなくなる。レギュレーションによって機械式クラッチの使用が義務付けられ、ダブルクラッチが禁止されているわけだが、これによってエンジニア達はスクーターのような操作形態に辿り着いてしまったというのは何とも皮肉な話だ。

好調なDucati

Ducatiの2人は3位と4位という順位でテストを終了した。GP15は明らかにGP14.3より良いバイクだと言えるだろう。Ducatiのバイクはよく曲がるようになったが、逆に少々安定性に欠けているようだ。特にコーナリングからコーナーエントリーの部分の挙動に関して改善の余地がある。Ducatiが享受している特別待遇は3回の3位、2回の2位、ドライレースでの1回の優勝によって燃料が24Lから22Lへとなる。燃料消費が問題となる茂木では少々やっかいな問題かもしれないが、これはそれほど大きな問題ではない。3勝すると彼らはエクストラソフトタイヤの使用ができなくなり、ホンダやヤマハと同様のタイヤ使用状況となる。

 

3勝は達成が難しいかもしれないが、予選でのソフトタイヤの使用によってDucatiは予選においてミサイルのような速さを発揮する。ただ、これによってDucatiファクトリーの2人は予選で毎回フロントローを獲得する可能性もあり、もしかするとそこにスズキが加わる可能性も出てくる。この状況はホンダやヤマハにとっては実に面白くない事態であるので、この予選の特別ルールがいつまで続くのか?そしてもし変更された場合、Ducatiがそれを受け入れるのか?といった問題も出てくるかもしれない。

 

ロッシにとってはGP15が速いというのは心配すべき状況であると言える。Ducatiは今やホンダやヤマハと十分の争える戦闘力になったと言えるだろう。ホンダとヤマハはレースにおいてはDucatiにアドバンテージを保っていると言えるが、マルケス、ロレンゾ、ロッシ、ペドロサという4名の争いに2人のアンドレアが加わるのは間違いないので、見ている側としては楽しめそうだ。

 

マルケスとロレンゾに及ばなかったものの、ペドロサとロッシはセッティングが進んだ事に関して満足しているようだった。彼らは主にサスペンションとジオメトリーのセッティングに時間を使い、ロッシはタイヤのグリップを引き出すことに、ペドロサはタイヤのライフをセーブする事にさらに集中していた。ほとんどライダーはベースセッティングを見つけること、そしてトップとのギャップを縮めることに集中していたが、そうでないライダーもいた。

その他のライダーの状況

昨年限りでDucatiを去ったクラッチローは第一回目のセパンテストで苦戦していたが、今回のテストでは、徐々に自信を取り戻しつつある。コーナーエントリーで依然として苦戦しているものの、トップとのギャップは縮まってきている。クラッチローにとってGP15を抑えて前に行けるかという問題は大きいが、これはGP15がGP14と同様にタイヤ消費の激しいバイクかどうかという点にかかっている。スコット・レディングも同様に苦しんでいる。13位という順位は彼にとっては不本意な順位だろう。


テック3のガレージではシーズンオフの怪我に苦しんでいたスミスが息を吹き返し、チームメイトのポルをリードしている。同じくフォワードヤマハのブラドルも高い気温の中でのエッジグリップの不足に苦しんだ。

 

中でも一番悲惨なのはメランドリだろう。彼は元々MotoGPに戻る気は薄く、仕方なく参戦していると言えるが、既にスーパーバイクに彼が戻る場所は無い。チームメイトのバウティスタがトップのマルケスから約2.5秒遅れの中、メランドリはそのバウティスタからさらに2秒遅く、彼がWSBKで操縦したRSV4のタイムよりも遅いという有様だ。木曜のミシュランテストで彼は自信を取り戻せるかも知れないが。。

2015 MotoGP Sepang 2 Day 2 Round Up - Marquez vs Lorenzo, Thumb Brakes & Seamless Gearboxes, Ducati's Tires, And Melandri's Fall | MotoMatters.com | Kropotkin Thinks