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★スズキ MotoGP2015年シーズン挑戦までの軌跡をビデオで公開

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全国のスズキファンの皆様お待たせ致しました。スズキMotoGPプロジェクトのヴァレンシアテストに至るまでの軌跡を収めたビデオが公開されていたんですが、ご紹介が遅くなりました。。ヴァレンシアテストの結果や両ライダーのマシンに対する評価は、ニュースとして既出ですので目新しい内容は無いんですが、こうして普段語られることのないメーカー側の目線からみたドキュメンタリーは面白いですね。

(※内容は動画の解説の意訳です。↓)

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2014年夏、2015年のMotoGP参戦に向けて、スズキのMotoGPマシン開発が進められていた。このバイクにはすぐにGSX-RRという名称が与えられた。そして、開発にはスズキの全技術が導入され、いくつもの部署に渡って開発が進められることとなった。

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基本的に通常のメンテナンスは、ここメンテナンスルームで行われる。ラボではエンジンの耐久性に関する開発が行われている。

 

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そしてここは風洞実験室だ。風洞実験はバイクの空気抵抗値を計測するためのもので、人工的に作られた時速230kmの風が正面から吹き付ける。

 最初はバイク単体で、次にエンジニアが跨った状態で、そして最終的にテストライダーの津田拓也選手が乗車した状態で、空気抵抗値を計測する。テストライダーはエンジニアから空気抵抗の中で体を安定させるポジションについてのアドバイスなどを受ける。

 

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津田のヘルメットがエンジニアが前もって計測していたよりも、大きく揺れを計測した。「ヘルメットが大きく揺れる」という津田の質問に対してエンジニアが的確に答える。これらのアドバイスはテストだけでなく実際の戦いの場においても重要になる。実戦の場で戦うのはライダーとバイクだが、彼らを影から支えるのはチームとエンジニア、そして多くのスタッフなのだ。

 

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そしてついにヴァレンシアでのテストが11月に開始された。2011年にスズキがこのサーキットでV4エンジンのGSV-Rを最後に走らせてから、実に3年が経過していた。

 

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 まず最初のレースは最終戦ヴァレンシアへのワイルドカード参戦。ライダーはテストライダーのランディ・ドプニエ。だが、このワイルドカード参戦はリタイアで終わった。

 

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しかし、翌月曜日はGSX-RRを初めて操縦するアレイシ・エスパロガロ、マーヴェリック・ビニャーレスの2人のライダーにとって忘れがたい日となった。

ライダーにとってもチームにとっても、最初のライディングは重要なものだが、ライダーにとっては2015年シーズンを決定するとも言えるテスト、そしてチームとっては今までの開発の成果が判断されるテストが始まった。

 

実際に初めて操縦した感触はどうなのだろうか?昨年初めてのMoto2参戦で4勝を記録した、マーヴェリック・ビニャーレスに聞いてみよう。

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マーヴェリック・ビニャーレス
「とにかく、もの凄くスライドしますね。最終コーナーが最高で、Moto2のバイクとはえらい違いです。勿論最高に楽しみました。もっと周回したいですね。」

(※管理人注 ルーキーライダーはバイクに慣れるため、最初はトラクション・コントロール、アンチウイリーなどの電子制御を切った状態でバイクを操縦します。スズキだからスライドしまくって、どうしようも無いわけではないです。笑)

 

アレイシ・エスパロガロは昨年オープンクラスのマシンで速さを発揮し、スズキではエースライダーとして期待されるライダーだ。 

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アレイシ・エスパロガロ
「まず最初に感じたことを正直に伝えるけどいいかい?まずはスロットルに触った時のパワーの出方がアグレッシブすぎる。」

 

微笑みも交えながらエスパロガロはセッティングに関する報告を行った。報告の後、彼は安心した様子でこう語った。 

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「このバイクは好きだ。凄く良い出来だと思う。乗ってすぐに良い感じだったし、フレームも柔軟性があってバイクと遊ぶことが出来る懐の深さがある。去年乗ったバイクと比べると車体が小さいので奇妙な感じがするけど、凄く乗りやすいし全体的には大満足です。これからは細部を完璧にする作業に取り掛からないとね。」

 

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f:id:teletele916:20150106224344p:plainマーヴェリック・ビニャーレスはこのマシンに乗れた喜びを爆発させ、この日のライダーの中で最多となる64周を周回した。彼はMotoGPマシンのパワーに慣れる事を主眼において走行を重ねた一方、エスパロガロも同様に周回を重ね、マシンに対する理解を深めた。初日のテストは主にセッティングを煮詰め、最終戦でドプニエが記録したラップタイムを更新した。そして3日間のテストでさらにタイムを更新した。

 

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ここヴァレンシアで、スズキMotoGPチームは新たな一歩を歩み出した。そしてそれは2人のライダーにしても同様だった。2015年シーズンに向けた最初のテストにおいて、チームのメンバーはGSX-RRのポテンシャル、そして2人のライダーに関して大きな自信を感じた。そしてチームは来年に対して大きな期待と自信を抱いてテストを終えた。

 

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そう。スズキの挑戦は遂に再始動したのだ。

 

MotoGP News - VIDEO: Suzuki's MotoGP return documentary