★MotoGP 2016年のソフトウェア共通化まで流れまとめ
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グランプリコミッションからのレギュレーション発表は毎回わかりにくくて細部は抜け道があったりという感じですが、少なくともソフトウェア共通化に関する流れは、これでフィックスとみて良さそうです。
今回のグランプリコミッションからのMotoGPルール改正に伴う発表の中の一文は、それを読んだものにとって混乱を招く表現が含まれていたと言える。
これは2016年からMotoGPクラスに参戦する全てのマシンが影響を受けるスペックソフトウェアに関するもので、実際の文章は下記の通り。
「MotoGPで走行するファクトリーチームは、2015年1月から(unified software)統合ソフトウェアを使用する方向で動かなければならない。なおファクトリーと同様のマシンを使用しているチームに関しては、異なるバージョンの(unified software)統合ソフトウェアを使用すること。」
この内容は、2016年からファクトリーチームはサテライトやプライベートチームが使用しているソフトウェアとは異なるバージョンのソフトウェアを使用しても良いということを示唆しているように思えた。ただ、そもそもスペックソフトウェア(レギュレーション内ではunified software/統合ソフトウェアと呼称される)の考えは、参戦マシンのレベルを揃えるためのものなので、この解釈では妙だ。
この疑問に答えるためCrash.netはさらなる詳細な説明を求めたところ、この一文は2015年の後半シーズンのみに適用となることがわかった。以上のことから、Crash.netでは2016年までのソフトウェアの流れについて以下のようにまとめた。
2015年1/1〜6/30まで
ファクトリーオプションチーム:ファクトリーチームはMagneti Marelliのハードウェア向けの独自のソフトウェア開発が可能。ホンダ、ヤマハ、Ducati、スズキ、アプリリアの各ファクトリーは、いかなるソフトウェアであってもファクトリー、サテライトのライダーに提供可能。
オープンクラスチーム:Magneti Marelliが開発したオープンクラス向けのソフトウェア(現在使用しているものと同様)を使用する。彼らが使用するソフトウェアは完全に共通で、ドルナが運営するウェブサイト上からソフトウェアの特性に関する開発要望リクエストが出せる。
2015年7/1〜11/8まで
ファクトリーオプションチーム:ホンダ、ヤマハ、Ducatiの各ファクトリーチームは、独自のソフトウェアの安全性に関するもの、バグフィックス以外の開発を停止しなければならない。事実上ソフトウェアの開発は凍結されるが、各メーカーはファクトリーやサテライトを含む各チームに向けた開発を凍結することになるので、ホンダファクトリー、ヤマハファクトリー、Ducatiファクトリーはサテライトチームと比較した場合に、より優れたソフトウェアを使用する可能性がある。アプリリアとスズキに関しては、独自ソフトウェアの開発を2015年の終わりまで続けても構わない。これは既存メーカーの技術レベルに彼らをキャッチアップさせるための処置でもある。
オープンクラスチーム:それ以前と同様。
2015年11/9〜2016年シーズン開始まで
2016年シーズン開始からMotoGPに参戦する全てのチームは共通のソフトウェア(unified software)を使用する。このソフトウェアに関するアップデートは全てのチームに対して同時にリリースされる。
全てのチームはドルナによって運営されるウェブサイト上でこのソフトウェアの開発に協力することになる。全てのチームは開発に対するリクエストを出すことが可能で、これはおそらく何らかのアルゴリズムやソースコードのスニペットなどになるだろう。このリクエストはMagneti Marelliとコラード・チェッキネロによって評価され、Magneti Marelliによって開発される。開発が完了したものは全てのチームに対して公開される。
全てのチームが同じソフトウェアを使用するという流れは、次回のルール大幅改訂の2021年まで続く見通し。2021年のルールに関しては2016年の内容とほぼ同様になる見通しであるが、最大馬力やレブリミット上限、インテークのレストリクターなどが変更される可能性がある。
MotoGP's Spec Software Path: A Timeline For 2015 And Beyond | MotoMatters.com | Kropotkin Thinks