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★ホルヘ・ロレンゾ「限界はわからないが、自分はまだまだ速くなれる。」

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ロレンゾ選手への密度の濃いインタビューです。順番としてはロッシ選手よりも前のものですが、今年そして来年などについて語っています。今年はオフシーズン中に大きな手術とかは無さそうですし2015年はシーズン開幕から飛ばして欲しいですね。

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Q
「2014年シーズンを振り返ってみていかがですか?」

ホルヘ・ロレンゾ
「自分がMotoGPに昇格してからを考えるとけして良いシーズンだったとは言えませんね。むしろ今までの中でも2008年シーズンと同じくらい悪いほうですね。2008年は全くコンスタントな結果が出せずシーズン前半は良くて結果はボロボロという状態でした。今年は逆といった感じで、シーズン前半はタフでしたが後半に行くに従ってバイクも自分も良くなって、ザクセンリンク以降はどんどん良くなって行きました。」

 

Q
「今シーズンにおいて最悪のタイミングはどこでしたか?」

ホルヘ・ロレンゾ
「疑う余地なくカタール、オースティン、アルゼンチンでしょうね。最初の2戦で大きなミスを犯してしまい、結果を出さねばと追い込まれた精神状態だったんですよ。」

 

Q
「逆に最高の瞬間はいつでしょうか?」

ホルヘ・ロレンゾ
「アラゴンの優勝と日本ですね。アラゴンの勝利は完全に予想外でした。なんせ全セッションを通じてパッとしない結果でしたから。でも決勝で雨が降って混沌としたレース展開になり優勝することが出来ました。でもムジェロやシルバーストーンのように2位フィニッシュだった時もあって、それらのレースは非常に楽しめたと言えますね。」

 

Q
「昨年もまた大変なシーズンで、今年に向けて大きな努力を必要としたシーズンでした。その事が今年のシーズンスタートに影響を与えたと思いますか?」

ホルヘ・ロレンゾ
「そうは思いません。自分はハードなトレーニングは好きですしレースをすることが大好きですから。確かにたまには電源を落としてリラックスすることも必要ですけどね。でも去年の問題はこのリラックス期間が長過ぎた事だと思うんですよ。」

「去年は今までに怪我で体に入れていたプレート類を抜く手術を3度受けたんです。これらが体に残っていることによる問題が大きくなっていたんでね。で、そこから回復するのに時間がかかってしまって。」

 

Q
「今シーズンに関して後悔はありますか?」

ホルヘ・ロレンゾ
「手術についてもう少し考えるべきだったということと、シーズン開始に向けてしっかりとトレーニング出来ないままシーズン開始を迎えてしまったことですね。」

 

Q
「手痛いレッスンになった?」

ホルヘ・ロレンゾ
「将来に向けて備えるために1シーズンを犠牲にしたと言えますね。」

 

Q
「と言うことは自分自身が最大の敵だったと?」

A
「そうですね。でもこれは誰に関しても共通することだと思いますよ。トレーニングの最中なども最大の敵は自分自身ですからね。そして常に自分自身を向上させようと努力しない限りは他人に勝つ事は出来ません。我々はこの地球上で最もレベルの高い二輪レースをしているんですから。誰もが才能に溢れていて最大限に努力をしている。自分も最大限努力しない限り負けてしまいますよね。」

 

Q
「シーズン後半は、調子が良ければあなたを負かすのはとても難しいということが良くわかりました。来年を100%の調子で迎えられるとしたら、我々はあなたにどれくらい期待して良いでしょうか?」

ホルヘ・ロレンゾ
「そうですね。まず言えるのは現状の選手権のレベルが非常に高いということです。トップ4人は非常に速いわけですが、自分の肉体、精神そしてバイクが完璧な調子であれば全ては簡単になるんです。自分の場合であればこういう状況である時は勝利を目指して戦う事が出来ますね。」

 

Q
「常に学ぶことをやめずに目標の達成のためにより厳しく努力する必要がある。自分自身の限界がどこにあるかというのは把握しているのですか?」

ホルヘ・ロレンゾ
「より経験を積んで知識が深まる度に何をすべきか、何をすべきで無いかが良くわかるんです。でも自分が持てるスキルをモチベーション維持に使ったりウィークポイントの排除に使ったりというのは非常に難しいんです。とにかく色々と難しいわけなんですが、まだ自分の限界はわかりません。ただ、もう少し先に行けそうな気はしています。」

 

Q
「ライダーとして進化する必要があるのは、あとはどの部分でしょうか?」

ホルヘ・ロレンゾ
「スピード得るというのはブレーキを最後まで握っていないこと、加速をコーナー進入まで緩めないこと。自分はライバルに比べるとブレーキが弱いんです。そして1対1の戦いが苦手だとも感じます。ここは改善すべきポイントですね。2008年や2009年に比べると良いライダーになっていると感じますが、まだまだ成長の余地があると思います。」

 

Q
「M1ついてはどうですか?」

ホルヘ・ロレンゾ
「現状に関して素晴らしいバイクだと思いますね。以前より速く走ることが出来ます。シャーシはとても良いです。あとはブレーキングやエレクトロニクスなどの弱点を強化出来ればと思いますね。」

 

Q
「ライバルから盗みたい技術などはありますか?」

ホルヘ・ロレンゾ
「ヴァレンティーノからは彼のタイトルをもらいたいですね。(笑)いや冗談ですけどね。彼からはレースおいてのバイクへの適応の仕方などを学びたいですね。ダニからは彼の体重もあるんでしょうけど、加速力とコーナーからの脱出スピードをもらいたいです。マルケスからはあの精神力ですね。彼はどんなに辛いシチュエーションでもけして諦めずに勝とうとしますよね。時にはリスクを取り過ぎますけど、それでも諦めませんよね。」

 

Q
「アッセンでは恐怖を感じたと言っていましたが、トップライダーとして恐怖を認めるということについてどう思いますか?」

ホルヘ・ロレンゾ

「でもこれが始めてでは無いんですよね。2008年は良くクラッシュもしていて怪我もしていたんです。ドニントンで復帰する時は物凄く怖かったのを覚えています。誰も認めようとしないでしょうが、その恐怖というのは後からやってくるんです。昨年の怪我から考えるとね。でもその時は良いレースが出来て5位でフィニッシュすることが出来ました。1年後になって恐怖を感じましたが、でもそれが真実なんです。丁度将来に向けての交渉(※恐らく契約)をしていたので、皆自分の正直さに感謝してくれました。」

(※管理人注 酷い怪我をしてサーキットで次の年に走る時には、前年の怪我の恐怖が蘇るということだと思います。)

 

Q
「今年の初優勝となったレースはだいぶ後ろのほうになってからでしたね。アラゴンではどのように感じましたか?」

ホルヘ・ロレンゾ
「安心しました。それまでは勝利を急いだりということは無かったんですよ。勝利はしっかりと準備ができていれば引き寄せられるものですからね。でも、それまで自分は優勝が無く逆にバレンティーノのほうが先に勝ち星を上げていた。勝利によって気分が解放されましたね。」

 

Q
「今年に関してはどのように、そしてなぜライディングスタイルを変えたのでしょうか?」

ホルヘ・ロレンゾ
「完璧に新しいものというわけではないんです。でもバリエーションを増やしたと言うか、もっと速くなるため父と一緒に細かい部分の調整を行いました。」

 

Q
「マルケスがMotoGPクラスにいることが貴方になにか影響を与えているのでしょうか?」

ホルヘ・ロレンゾ
「マルクは非常に強く才能に溢れています。そのうちの1つは彼の学習スピードが驚くほど早いということです。彼はブレーキングが非常に強力で、バイクと一体になる特殊なライディングをします。ホンダのバイクがそれを可能にしているんですが、ホンダのシャーシはより柔軟性に富んでいるように思います。彼はスーパーモタードのスタイルを取り入れて走っていますし、1対1の戦いが非常に強いですね。彼はどのセッションでも独占的な強さを発揮しようとしますし他のライダーに多くの刺激を与えますね。」

 

Q
「もう一方でヴァレンティーノはどうでしょう。35歳であの走り。あなたに取って何か助けになることはありますか?」

ホルヘ・ロレンゾ
「彼は本当に素晴らしいですよ。あれだけの成功にふさわしいですね。彼は3世代も4世代も違う選手たちと戦ってきたんですからね。そして今でもあれだけ高い競争力を発揮している。彼については素晴らしいということがわかっているんだから、そこまで多くを語る必要はないでしょう。2年間最悪のシーズンをDucatiで過ごしヤマハで1年復帰に費やして表彰台に帰ってきた。勝利したレースでさえ信じがたい事ですし過去に前例が無い。思うに彼は若いライダーにとってもどのように自分自身を向上させ、けして諦めず新しい時代に適応していくということの最高の例ですよね。去年は大体において彼には勝っていましたけど、それが彼に火を付けたみたいですね。それは自分にとっての今年も同じですけどね。」

 

Q
「いずれにせよ、あなたは大きな挑戦の目の前に立っていると言えますね。ケニー・ロバーツやウェイン・レイニー、そして彼らのようなロッシ、ストーナー、マルケスなど。こういったライダー達と同じレベルで戦うために、どういった戦略で挑むつもりですか?」

ホルヘ・ロレンゾ
「ここにいる意味はいつも明確です。トラックの内と外どちらでも全力を発揮すること。自分は何事も100%の力でやることが好きなんですよ。ですから現状に適応して限界までプッシュしますよ。一日一日前進するためにね。3度目の世界チャンピオン獲得は最高の経験でしょうからね。」


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