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★MotoGP2014 ブルノGP プレスカンファレンス全文翻訳

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少し時間が空いてしまいましたが、先週のチェコのブルノGPの決勝後プレスカンファレンスの全文翻訳です。

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ニック・ハリス
「それではまずはレースウイナーのペドロサ選手からはじめましょう。ダニ おめでとうございます。遂に1勝ですね。非常に重要な勝利だと思います。2列目スタートからトップに立っての優勝となりましたね。」

 

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ダニ・ペドロサ
「そうですね。良いスタートが切れました。とは言え1コーナーでDucati勢よりも前に行くことが出来ませんでした。ホルヘのスタートが凄く良くて自分も抜かれてしまいましたし、Ducati勢も彼が同時にパスしてしまいました。ホルヘは直ぐにトップに立ってギャップを付けて走行し始めたので、なんとか彼に付いて行こうとDucati勢をパスしました。」

 

「Ducatiを抜いた後でホルヘに付いて行くことが出来たのでリスクはありましたがバイクの調子も悪くなかったので付いて行きました。その後は良いペースを維持出来たので後続とのギャップを確保して走行出来ました。(ホルヘをパスした後は)なんとか最後まで順位を確保出来ました。」

 

「今日はとにかく嬉しいですね。今週はバイクの調子も凄く良かったですから。ヤマハは2台とも練習ではそれほど脅威では無かったですが本番で上位に上がってきたので驚きましたね。何よりも今年初めての勝利は重要ですね。何よりも嬉しかったのはパルクフェルメに戻ってきたときのメカニック達クルーの顔ですね。特別な勝利になりました。」

 

ニック・ハリス
「横のガレージでマルクが勝ち続けるのを見るのは、あなたにもクルーにとってもある意味辛いことですよね。それ故に価値ある勝利だった。」

ダニ
「それは確かにあります。ただ、毎週末皆レースに全力で準備をして勝ちに来ているんです。マルクは本当に全力で物事にあたるんですよ。ですから彼を上回るのは実に難しいんです。でも自分がやるべきことをやった上で報われるのは格別ですね。」


ニック・ハリス
「後半は徐々にホルヘに追いつかれていましたね。」

ダニ
「後半はフロントのチャタリングが出てきてしまったんです。ただペースはそこまで落ちていなかったですし、なんとか最終週まで保たせることは出来ると思っていました。」

 

ニック・ハリス
「次のシルバーストンはあなたの好きなトラックですね。」

ダニ
「ええ。イングランドは非常に長いトラックでタイヤにとってもスペシャルなステージと言えます。昨年は練習から決勝にかけてペースを上げるのに苦労しましたが、今年は上手くいくようにと願っていますし、週末に良いレースが出来ればと思います。」


ニック・ハリス
「ダニ ありがとうございました。シーズン初優勝おめでとうございました。それでは次にホルヘ・ロレンゾ。二回目の2位ですね。大変なレースでした。しかし素晴らしいスタートでしたね。」

 

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ロレンゾ
「ええ。バイクを決勝に向けて仕上げるのに努力しました。ウォームアップの後にこのセットアップが出来た事が凄く嬉しかったですね。良いセットだったので決勝は上手く行くだろうと思っていたんです。5位スタートというのは1コーナーに向けては良い位置とは言えません。スタート後にダニが右に行くのが見えたのでスロットルを閉じて左に行ったんですよ。そこで少し遅れてしまったんですが、その後は非常にクイックに他のライダーをオーバーテイクすることが出来ました。」

 

「序盤はバイクの調子が良くてトラクションにしてもブレーキにしても素晴らしかったです。ただ2、3周の後に同じリズムで走行することが出来なくなり、ブレーキングの調子が悪くなりました。56秒台前半を維持することが難しくなり徐々にダニに追いつかれてしまいました。彼に抜かれた後にもっとアグレッシブに攻めようとしたんですがバイクの調子からして難しかったんですね。今日の彼は非常に速くて良い走りをしていました。ソフトコンパウンドのフロントが良い感触で彼を追い続けて後半に追いつく事が出来ましたが、22周では少し足りませんでしたね。」


ニック・ハリス
「過去3戦は常に表彰台で非常に良い走りですよね。”帰ってきた”という感じですね。」

ロレンゾ
「ええ。遂にマルケスが優勝しないレースになった事が喜ばしいですね。1週間でこれだけ状況が変わるとは思わなかったですよね。マルケスは無敗のように思えたし、ダニはまぁまぁだった。良いセッティングが見つかれば必ず自分の優勝出来るタイミングは巡ってくるということですよね。ですから常にバイクも自分も向上を続けて動き続けてチャンスを待つということですよね。」

 

ニック・ハリス
「ホルヘ 2位表彰台おめでとうございました。それでは3位のヴァレンティーノ・ロッシ選手。今週は転倒、指の酷い怪我、それにも関わらず素晴らしい結果となりました。」

 

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ヴァレンティーノ・ロッシ
「そうですね。この結果も嬉しいですし、今週末のテスト、予選の結果も悪くなかったと思います。昨日の転倒はバイクのセッティングで試したいことを試している途中だったので非常に重要な瞬間でした。転倒によって指に怪我もしてしまいましたし。今朝はちゃんとバイクに乗れるか非常に不安だったんですよ。最初は指に何もつけない状態で乗ってみたんですが、痛みでまともに乗れずバイクもしっかりとコントロールすることが出来ませんでした。」

 

「午後は指とバイクのセッティングが上手く行ったので(笑)素晴らしい走行が出来ました。良いペースで走行できましたしバイクをしっかりと操縦することが出来ました。そして10戦の後に遂にマルケスを負かす事が出来ましたね。マルクの事は好きだけど最高の気分ですね。後半戦これかれも良いレースを続けていきたいですね。」

 

ニック・ハリス
「ヴァレンティーノ ありがとうございました。それではフロアからの質問をどうぞ。」

 

Q
「ダニに質問です。ファンにとっては今日のように勝者が異なるレースというのは重要だと思いますか?」

ダニ
「もちろんそう思います。毎回違う出来事、違う感情が沸き起こったほうが楽しいでしょう。マルケスのファンは今まで毎戦ハッピーだったでしょうが、それ以外のファンはそうでは無かったはずです。」

 

Q
「ホルヘに質問です。ソフトのフロントタイヤは前半のペースの助けになったのか、後半も変わらずに良かったのか。練習で使っていたミディアムと比べてどうですか?」

ロレンゾ
「ライダーによって乗り方は異なりますからなんとも言えませんが、自分の場合はそこまでブレーキングでアグレッシブでは無いんです。通常は他のライダー達と異なる選択ということは少ないんですが、このトラックに関してはソフトタイヤのほうがコーナーグリップが良かったですね。もしかすると自分たちのセッティングが悪かったのかもしれませんが、ハードタイヤだと路面のバンプが強すぎて使いにくかったんですよ。トラックの温度が低いままであればソフトタイヤで行こうと思っていました。」

 

「ただハードタイヤでのテストの時間が少し不足していたかもしれませんね。ソフトタイヤはハードブレーキングではハードタイヤよりも無理が出来ませんからね。コーナリングスピードは高かったですが、2、3周目以降は少し落ちてしまいましたね。ただそれ以上は低下せずに最後まで持ったのでヴァレンティーノにつかまれずに済みましたね。」

 

Q
「3人に質問です。表彰台にいること、マルケスを破ったこと、どちらがより気持ち良いですか?」

ダニ
「今回に関しては両方ですね。(笑)」

ロレンゾ

「自分に関してはマルケスを破るという事が嬉しいですね。ただ2位でなく1位フィニッシュが良いですが、ですから半々といったところですね。」

ロッシ
「マルケスに買って5位でフィニッシュしたとしても嬉しくないですから、自分に関しては表彰台のほうが嬉しいですね。」

 

Q
「ホルヘに質問です。後半ダニにどんどん追いついて行きましたが、もう少し速くからアタック出来たと感じるのか、アタックのタイミングを待ちすぎたのか、ダニが最後までマージンをコントロールしていたのか?どうでしょうか。」

ロレンゾ
「1周目は凄く良いグリップだったんです。まぁこれは誰しもがそうですが。コーナリングもブレーキングも3周目くらいまでは良かったんですが、その後にブレーキングが悪化してしまいダニにパスされてしまいました。ダニはブレーキングが非常に強力でしたね。自分はその後どうやったらブレーキングを遅らせてコーナリングのスピードを高めるか考えていて、リヤのグリップが無い中でもタイムを向上出来たんですが、レースの中盤でアグレッシブさが足りずに置いていかれてしまったことが問題ですね。今日のダニは本当に速くて付いて行くのが大変でした。」

 

Q
「ヴァレンティーノに質問です。ストレートでマルケスのスリップについて彼をパスした後、マルケスを振り返ってしばらく見ていましたが、あれは一体何だったんでしょうか?」

ロッシ
「ああ、あれは単純にティアオフを外そうとしてたんですけど上手くいかなかったんですよ。でもコメントしてくれてありがとう(笑)後ろを見るなんて簡単なことなんだけどティアオフを外すのに本当に手間取ってね。(笑)」

 

Q
「ヴァレンティーノに質問です。1つ目は今日の指の具合が結果に影響したのか、2つ目は今日マルクとバトルしてみて、いつもの彼の調子では無かったのかなど何か感じたことはありますか?」

ロッシ
「指に関してはスタートと1周目で問題でしたね。スタートはクラッチの操作が難しくてね。1周目は特にブレーキングが難しかったですね。ロレンゾとダニに逃げられてしまいました。それ以降は痛みは無く完璧な調子でした。」

 

「今日のマルクはセッティングが完璧では無かったかもしれません。ようやくね。(笑)いつも完璧なセッティングに持っていくのは実に難しいことなんですよ。ただ今日の彼はそうではなかった。」

 

Q
「3人に質問ですね。次のレースではマルク相手に戦う事に関して容易になったと思いますか?またマルケスは自信を少し喪失するでしょうか?」

ダニ
「彼がどう感じるかはわからないですからね。ただ我々に関してはそれほど変わらないと思います。ただどういった方向性で彼がレースをするのかは面白いと思いますね。彼は現在ランキングトップなわけだしね。まぁなんとも言えないですね。」

ロレンゾ
「ダニが言ったように彼が何を考えているかはわからないですからね。ただ、彼も毎戦勝てるわけじゃないとわかって、むしろプレッシャーが減るんじゃないかな。ただ自分たちのレースに集中するしかないですからね。さっきも言ったように毎戦どういった事が起きるかはわからないですから。マルケスが無敗に見えてペドロサが苦しんでいるようだと思っていても1週間で結果はまるで違うわけですから。マルケスがダニから10秒遅れてフィニッシュするわけですからね。これがMotoGPだし、これがスポーツですよね。」

ロッシ
「特に何も変わらないかなと思います。マルケスの頭には常に勝ち続けることは出来ないということはあっただろうし、我々はマルケスを負かせるということがわかった。彼は今週色々失敗をしたのかもしれないし、セッティングも上手くいかなかったんでしょう。これがMotoGPだと思いますけど、レースウィークの中で良いセッティングを見つけて100%全力でレースが出来なければ勝つことは出来ないということですよ。」

 

Q
「ダニ 今日のパルクフェルメや表彰台で色々指さしていましたが、この結果を色々な人と共有するという意味合いだったんでしょうか?」

ダニ
「ええ。マルケスが勝つたびに家族や友人が「次はお前の番だよ!」だったりとか「勝ったら云々。。」みたいなことを色々と言ってくれていたんですが、遂に勝つことが出来たので、とは言えその全ての人達の事だとか、言っていた内容を覚えているわけでも無いのでそれは示すためにね。勝ったら何をするかなんて全てを覚えていたわけでは無いですが、今日のパフォーマンスはそのうちの一つですよ。(笑)」

 

Q
「ヴァレンティーノに質問です。今までホンダでさんざん勝って来たあなたですが、それはバイクが良いからだと一時期言われていました。現在マルケスが勝ちまくっているわけですが、どう思いますか?」

 

ロッシ
「マルクと自分の場合だと時代が違うんですよね。自分が勝っていた2001〜2003年当時は確かにホンダのバイクは最強でした。現在の状況に関してはなんとも言えないですね。今は凄く良いライダーが揃っていますから。自分達はそれほど勝てないのをバイクのせいにはしないですよね。」

 

「あの時代にビアッジと争っていた時は、ビアッジはいつもロッシが最高のバイクに乗っているからだって不満を言ってましたよね。(笑)その後確かにライバルが居ないのでヤマハに乗り換えたんですよね。これは終わることのない論争かもしれませんね。確かにホンダは強力なバイクを作っていますけどそれだけでは無いですよね。マルケスは現在最速のライダーですよ。」

 

Q
「ダニに質問です。最後ロレンゾに追いつかれた時はラップタイムをコントロールしていたんですか、それともタイヤのせいでスローダウンしていたんですか?それとチームメカニックを変えるかもという噂の真偽を教えて下さい。」

ダニ
「レース終盤はブレーキングに手こずっていました。フロントのチャタリングが酷くて、前半のようなライディングが出来ませんでした。でも残りの周回を見た上でコントロールはしていました。確かにロレンゾは後半非常に良いライムで走行していましたが。確かにチーフメカニックがチーム内で持つ影響は大きいです。今のチームは非常に上手く行っていますよ。」

 

Q
「3人に質問です。このコースは流れるような作りになっていて、マルケスは苦手なのでは、遂にここで負けるのでは?と言われていました。他のトラックでこうしたアドバンテージがあると思いますか?」

ダニ
「これはなんとも言えません。レースウィークでの練習やセッティングなどを通じた中で見えてくるものですから。」

ロレンゾ
「トラックによってどうこうというのはそこまで無いと思いますね。彼は昨年ここで勝ってますからね。自分も去年は茂木で勝ってますし。自分に関してはシケインが多いほうが有利になるとは思いますけど、そこまでトラックによって変わることはないでしょう。単純に今回は彼はセッティングを出しきれなかったんでしょう。」

ロッシ
「トラックによっての結果というのはそこまで言えないと思いますね。それよりも練習走行からチームとどういった作業をこなしていったかということが重要でしょう。レースウィークの中では4つか5つ非常に重要な決定を下す瞬間があるんです。もし重要な局面で間違った選択をしてライバルが完璧な選択をしていた場合、すべてのトラックでライバルが有利になっていくでしょう。」

 

Q
「3人に質問です。後半はまだ長いですが、マルケスは既に圧倒的なポイント差を持っています。今シーズンはそういったことは考えずにいくのか、ヴァレンティーノとダニに関してはランキング2位争いを考えていくのか、それともレースの間はこうしたポイントやランキングの事は考えずにひたすら一戦一戦に集中しているのか、どうでしょうか?」

ダニ
「マルケスに関しては今日を除けば全て表彰台で完走しています。ですから自分の場合は一戦一戦に神経を集中していっています。ですから次もポイントの事はあまり考えずに、良い練習走行が良い予選に、良い予選が良い決勝結果にと考えて進めていきます。ポイントはその後についてくるものですから。あまり他のライダーの事は気にかけずに自身が良い走行が出来るかのほうに意識を集中していきますね。」

ロレンゾ

「今シーズンに関しては何かが起きない限りマルケスがチャンピオンでしょう。ですから今はひたすらバイクを改善することですね。当然表彰台を狙っていきますし当然勝ちに行きます。とは言え最優先事項はバイクの改善を続けて、次のチャンピオンシップを取りに行くことですね。現段階ではそれが最優先です。」

 

(ロッシが続けて喋ろうとするも次の記者が質問を始める。。。おいおい。。。)

 

Q
「ヤマハライダーに質問です。今回はラップタイムがずっと安定していました。これはバイクが向上しているのか、サーキットによるものなのか?」

ロレンゾ
「インディアナポリスでも言いましたが、非常に戦闘力は高いと思います。レース中盤から後半にかけても戦闘力は高いですしね。サーキットごとにどんどん良くなって来ていると思いますよ。バイクのポテンシャルに関しては楽観視出来ますね。」

ロッシ
「M1は凄く良いバイクですし現在の体制も良いですね。ホルヘと一緒に最大限まで性能向上に務めていますし、毎回何かしら性能向上が見られますしね。現在のこの体制で走れることは凄く良いことですし、どんどんポテンシャルは上がってきていてこの2戦ともに素晴らしい結果ですね。ただターゲットとしてはホンダやマルケス、今日に関してはペドロサを負かすことですからね。」

 

Q
「すいません。先ほどのヴァレンティーノの回答の前に質問されてしまったので、もう一度答えてもらえますか?」

ロッシ
「自分にとっては今日からチャンピオンシップが開幕したという感じですね。(※会場爆笑)だってマルケスとはそこまで離れてないでしょう(笑)100ポイント以下ですよ。」

 

「まぁ、個人的には毎戦毎戦全力で勝つことを考えてますね。ここ数戦ではダニは自分よりポイントを獲得しているけどそこまで離れていないし、ロレンゾは自分の後ろながらそこまで離れていません。マルクとの差は非常に大きいですね。」

 

Q
「3人に質問です。明日のテストでは何が重要ですか?」

ペドロソ
「え?何て言いました? ああなるほどね。 う~ん。ゆっくり始めることかな。(※会場笑)次のレースもありますが、それにくわえて色々とやることはあります。今シーズンの残りに備えていくつか試そうと思います。後は今後のためのテストですね。」

ロレンゾ
「自分は早く始めたいですね。飛行機の時間があるのでね。10−18時ですかね。色々とやることがありますね。」

ロッシ
「良い天気だといいですね。色々と試すつもりです。多くの周回をこなしたいですが、指に注射をしないといけないんでね。せっかくのテストなのに残念ですけど。」

 

ニック・ハリス
「皆さん。ありがとうございました。」