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★MotoGP2014 パオロ・チャパティ「2人のアンドレアは来年もDucati残留を希望しているだろう。」

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Asphalt & Rubberによる、DucatiMotoGPプロジェクトリーダーであるパオロ・チャパティ氏へのインタビュー記事です。

記事の受け答えを見る感じだと、Ducati自体もクラッチローの流出はあり得ると考えているようですね。

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Asphalt & Rubber
「今年は2年間の契約を結んでいるカル・クラッチローのバイクで多くの問題が起きていますね。もう2人のアンドレア・ドヴィツィオーゾとアンドレア・イアンノーネはそれぞれに良いライディングをしています。そしてファクトリーは2つしかシートがない状況です。」

パオロ・チャパティ
「クラッチローに関しては、パドック内外の皆が2年間の契約でDucatiで走っていることを知っています。ただし、彼自身が契約を打ち切るというオプションもあるでしょう。ただ我々は彼に投資しているわけですから、彼にはDucatiに残って欲しいと強く思っていますよ。今までのところ彼のバイクに関しては色々と上手くいっていないことは確かです。我々は幸運だとか運がなかったとかいう類のことは信じないのですが、彼のバイクに説明の付かない技術的な問題が多発していることは明らかです。」

 「実際のところ彼に対する待遇はドヴィツィオーゾやイアンノーネと何ら代わりがないですし、彼のチームは長年Ducatiと共にやってきたチームですからね。ドヴィツィオーゾのチームはヴァレンティーノがDucatiを去った後に作られたチームですが、彼のチームはニッキーがいた時からずっとあるチームですし、何が原因でこういったトラブルが起きているかわからないんですよ。確かに言えるのは、現状では彼は我々が期待したような成果を上げていないし、彼自身も自分で期待していた成果を挙げられていないでしょう。ただ、そうであったとしても我々は彼を100%支援していきます。その中でどうするかは彼自身の決断ですよ。」

 

「ただ、Ducatiには2人のアンドレアがいます。この2人ともチャンピオンシップにおいて非常に良い成績を収めていますね。ドヴィツィオーゾのほうが経験は長いですから成績もコンスタントですね。特に彼の場合、ジジ・ダリーニャにマシンの正確なフィードバックをくれるので助かっています。彼の契約は今年で切れますが、彼とはしっかりと契約を更新していきたいと思っています。イアンノーネも良いシーズンを過ごしていますね。彼のほうが転倒は多いですが、まだMotoGP2年目ですからね。実際彼は彼自身のスピードを何度も証明していますよね。何度もDucati最速タイムをマークしているわけですから。」

 

「今年は3台のバイク3人のファクトリーライダーでレースをすることが出来ています。来年も同様の体制で出来ると思いますので、今Ducatiで走っている3人のライダーには続投して欲しいですね。クラッチローのマシンの問題については解決が必要ですが、彼自信の進退は彼の問題ですからね。」


Asphalt & Rubber
「具体的にいつまでに彼は決断を下さないといけないのでしょうか?」

パオロ・チャパティ
「いつとは言えませんが7月のどこかのタイミングでしょう。ただ、カルの件も含めて3人のライダーにとってのベストな方向を目指しています。」

 

Asphalt & Rubber
Ducatiがロレンゾにアプローチしたという話題がありますが、本当ですか?彼をライダーとして迎えたいと思いますか?」

パオロ・チャパティ
「ロレンゾやマルケスが欲しいと言ったら当然欲しいですね。ただこういった実力あるライダーを採用するとなると、その期待値ももの凄く高くなりますからね。ヴァレンティーノの時がまさにそうでした。もちろん勝っているライダー、チャンピオンシップも狙っているライダーを雇うとすると、彼らが求める”勝てるバイク”が手元にあるか?というのをしっかりと考えないといけないですよね。勿論ロレンゾやマルケスが獲得出来るものなら欲しいですが、残念ながら我々のバイクはまだそこまでのレベルに達していないという現状です。来年のバイクはそこまで仕上がったものになるようにと思っていますが、まずは結果を出さないといけないですね。」

 

Asphalt & Rubber
「来年に備えてテストが出来ないままにDucatiと契約というのはギャンブルですよね。ただ、クラッチロー、ドヴィツィオーゾ、イアンノーネなどスズキからオファーを貰っている3人も同様にスズキと契約するのはギャンブルと言えますよね。」

パオロ・チャパティ
「そうですね。しかもスズキはファクトリーチームですからね。ダヴィデ・ブリビオもプレスの中で3人とコンタクトを取ったことを認めています。逆に考えるとスズキから3人全員がオファーをもらうというのはそれだけ良いライダーを確保出来ていることの証明とも言えますよね。まぁ冗談は置いといて、2人のアンドレアはDucatiは今年はじめてではないですからね。去年はものすごく大変なシーズンだったと思います。でも今年を考えると、彼らは確実なパフォーマンスの向上を感じているはずですよ。またジジ・ダリーニャが入ったことで働き方そのものもかなり変わったでしょうしね。この2人にとっては開発が正しい方向性で動いていることを実感するのは容易だと思いますよ。今日のレースにしても昨年よりも確実に向上できています。あなたもドヴィツィオーゾのように去年Ducatiに乗っていてこの場にいたとしたら、それを確実に感じるはずです。」

 

「ただ、もしあなたが昨年さらに戦闘力のあるマシン、自分のライディングスタイルに合ったマシンに乗っていて、テクニカルプロブレムで何度も完走出来ないシーズンを過ごしていれば、ドヴィツィオーゾのような印象は持たないでしょうし、開発の方向性が正しいのかどうかも言えないと思います。ロレンゾに話を戻すともちろん彼を迎え入れたいとは思いますが、まだDucatiは彼を迎え入れられるステージには到達していないと思います。」

 

Asphalt & Rubber
「今年の1月にはオープン機の開発と他チームへの提供ということも語っていましたが、その計画はまだ生きていますか?」

パオロ・チャパティ
「まだプランの段階ですね。開発したマシンを売るのかリースするのかもあまり議論がまとまっていません。4台そういったマシンを提供しようとは思っていますが、それよりも現在はプラマックのほうが優先です。プラマックDucatiが良い時もダメなときも常に一緒に歩んできました。現在のプライオリティーは来年のプラマックとの契約をどうするかの話合いを進めることです。とはいえ、あと2台のDucatiをあと2人のライダーのために提供する用意があります。ただ、その2台はオープン機となりオープンソフトウェアでという事になるでしょう。ファクトリーエントリーでは4人のライダーが限界ですので、4人しか我々のソフトウェアを使うことが出来ません。」

 

「ただ2016年からのソフトウェアオープン化に向けて、各メーカーは2015年から開発への協力が必要です。ですからそういった意味でもオープンソフトウェアを使用してバイクを走らせてみるというのは良い情報が得られるでしょうね。ですから、まだプラマックと来年どうするか、他のチームにもマシンを提供するかも含めて色々と協議している最中なんです。」

 

Asphalt & Rubber
ミシュランが2016年から戻ってきますが、彼らにシーズン事前の開発協力を行いますか?それともそういった類の話はまだですか?」

パオロ・チャパティ
「もちろんミシュランのことも17inch化のことも知っています。タイヤへの厳しさから考えても彼らはフィリップアイランドでテストをしたいでしょうね。でも現状その話をするのはまだ時期尚早です。彼らは更に多くのテストが必要ですし、それが本当に皆の期待を満たすものなのかをホンダやヤマハといったメインのメーカーと検証を重ねる必要があるでしょう。

 

Asphalt & Rubber
「そうですね。そのとおりだと思います。タイヤはどこか1つのメーカー、特定のバイクだけが使いやすいような形に特化したものが開発されるのは良くないですね。」

パオロ・チャパティ
「現状の話で言うと、マシンをタイヤに合わせる必要があるんです。新しいタイヤの構造による問題などが色々なライダーやチームから噴出しているのは確かです。もちろんブリヂストンを批判するわけではありませんが、ミシュランが新しい17inchタイヤを開発するということは、もっと全てのライダーやバイク、チームが使いやすいと感じるタイヤを開発してくれる可能性はあるわけです。とにかく今日のレースは素晴らしいものでしたね。」