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★マイク・ウェッブ「カウル形状の可否判断はダニー・アルドリッジの主観」

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レースディレクターのマイク・ウェッブは、どのような形状のカウルがレギュレーションに合致しているかの判断は、ドルナのテクニカルディレクターのダニー・アルドリッジの主観的判断によると語ります。さらにレギュレーションが定めるのは、あくまでカウルの外側に関してであって、カウルの内側にいかなるウイング、構造を持っていてもルールの範囲内であると言います。レギュレーションはそこそこ厳しいのかと思いきや、実はかなり自由度が高いと言えるのかもしれません。 f:id:teletele916:20170228071352j:plain (Photo courtesy of michelin)

MotoGPでは外部ウイングは禁止となり、ホモロゲーションを受けたフェアリングの使用が強制となった。しかしエアロダイナミクスの開発がシーズン開幕後は終わるわけではないと、レースディレクターのマイク・ウェッブは語る。対象的に、2017年のルールは6つのメーカーにマレーシアやオーストラリで見られたような、外部ダクトの内部構造を変更することを許すという事になっており、制限されてた中ではあるが、開発はあらゆる可能性で続いていくということだ。


今シーズンからエアロダイナミクス上のウイングの使用を禁止するという決定は、2016年の半ばにレースディレクションがカウルの不自然な位置から生えるカーボンファイバー製の羽についての安全性に関する懸念を示したことが始まりである。さらにこの分野に関する過度の予算に対して制限が求められた。


しかしながら、先週Motomatters.comが取り上げていたように、ルールブックはフェアリングの外部の形状に関して制限することに重点が置かれており、フェアリングの形状はカタールの開幕戦までに認証を受ける必要がある。FIMグランプリレギュレーションによると、「ウインドスクリーンを除く外部形状がレギュレーションによって定められ、ウインドスクリーン、クーリングダクト、フェアリングサポートなど、ボディーワークの内側に存在するものはエアロボディの一部とは見なされない」としている。


ウェッブも認めるところによると、ボディの外部形状の内側にある、ブラケット、ホルダー類、ベントなどの変更は、サーキットレイアウトに応じて変更が可能だという。

マイク・ウェッブ

「認証を受けたフェアリングについては、現在ルールブックに明確に規程されていあす。我々はフェアリングの外形を見るんです。その内側にあるブラケット、ホルダー、ベントといったものに関しては、認証を受ける対象ではありません。内側にウイング、ダクトなどを仕込むのは自由です。メーカーはやりたい事を全て行う事が出来ます。この部分に関しては今年開発が行われるのを見ることになるでしょう。内部構造に関しては自由に変更が出来ますが、外部形状は変更出来ません。」


革新的なフェアリングについては、2つのプレシーズンテストで公開されている。ヤマハは内部にウイングレットを装備したカウルを、セパンの2日目に使用している。アプリリアとスズキはこの流れに続き、フィリップアイランドテストの2日目に新たなカウルを公開。Ducati、ホンダ、KTMについては、まだ手の内を明かしていない。Ducatiからは何か革命的なフェアリングが登場する事が期待されている。


ウェッブはこうしたフェアリングがルールに準拠しているかというのは、ある程度主観的なものだという。というのも最終的な判断は、ドルナのテクニカルディレクターであるダニー・アルドリッジの肩にかかっているからだ。

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(Photo courtesy of michelin)

マイク・ウェッブ

「基本的には彼が何がルールに沿っていてそうでないかを判断する権限を持っています。何がルール上問題ないのかということについて、技術的な定義を書き起こすのは不可能に近いですからね。彼が従っている基本的な定義というのは、フェアリングの外形が伝統的なモーターサイクルの形状に、多かれ少なかれ沿っているということですね。彼が求めているのは外形のスムーズな形状なんです。600mmまでルール上では許可されていますから、過去よりはその幅は大きくなる可能性があります。殆どのバイクはそこまでは幅があるわけじゃありません。ですからメーカーは幅を広く出来るんです。完全にこれはメーカー次第ですが、外形はスムーズで何かが飛び出ていない必要があります。カウル幅を広くして内側にウイングを収納すれば、それは完全にルール内です。これはバイクから付き出ている突起物に関する我々の安全上の懸念にも合致しています。カウルの形状に関しては、完全に彼次第ですね。」


「革命的で外形がシャープなものは、伝統的なスムーズなカウルとは見なされません。いくつか提出されて承認されなかったデザインもありますが、それらはワイドなフェアリングにウイングを格納したものではなく、明らかにカバーされていないものだったんです。ですから少し主観的で、ダニー次第なんです。」


開幕戦の3月26日以前に、1つ目のカウルデザインに関する認証が行われる。そしてその後は一回しかデザインの変更が出来ない。そしてそれ以降は、メーカー達はその2つのカウルデザインのうちどちらかを使用していくことになる。(※KTMは新メーカーということで、このルールの適用を受けない。)


「いかなるカウルデザインでシーズンをスタートしたとしても、その後はメーカー達はシーズンの好きなタイミングで、1度のみカウルデザインの変更が出来ます。ただそれでお終いです。シーズン中に使用出来るデザインは2つのみで、それ以降の開発は禁止されます。 開幕戦が始まる前に、彼らはどういったデザインのカウルでシーズンをスタートするかを決定しなければなりません。そして彼らは次のアップデートではどういった形状にしようかということを考えるでしょうね。 ですから、今現在とドーハではいくつか異なるカウルを見ることになるでしょう。ドーハでは、メーカー達は”このカウルが我々の今シーズのスタート地点です。”と宣言する必要があるんです。」
www.crash.net