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★MotoGP2017 ミシュランのタイヤIDシステムの仕組み

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2017年からタイヤのコンパウンド識別がシステム化されますが、その詳細についてエメットさんがミシュランのニコラ・グベール氏に伺った内容をお届けします。確かにレースのスタート前、フラッグtoフラッグのレースでどの選手がどのコンパウンドかわかれば、「この選手の今のこの走り方とタイム、コンパウンドであれば、後半にこうなるな。。」などと予想がしやすくなって、さらにレースが楽しめますね。 f:id:teletele916:20170205081931j:plain (Photo courtesy of michelin)

タイヤの(コンパウンド)識別というのはわかりにくいものだ。MotoGPがシングルタイヤサプライヤー体制になってからどのライダーがどのようなコンパウンドを使っているのか、そして時間が非常に重要になってきている


今までタイヤの識別はタイヤのサイドウォールに施されたカラーストライプによって行われてきた。ブリヂストンがサプライヤーだった当時は、コーポレートカラーに基づいたレッド、ホワイト、プレイン(ストライプなし)、グリーンが幅広に描かれていたために問題なかった。しかし、ミシュランが彼らのコーポレートカラーであるブルー、ホワイト、イエローで表すようになると、サイドから見ただけではわかりにくくなってしまった。そしてジャーナリストとファンはパドックサイドにいるMotoGPレポーターのディラン・グレイの鷹の目を信じるしかない状態になっていた。


2017年にタイヤの識別は自動識別機能の導入により容易になる。セパンテストではミシュランボスのニコラ・グベールがこのシステムの働きについて教えてくれた。まずはサプライヤーとしての立場から、ミシュランはどのライダーのどのタイヤが割り当てられたかを把握している。そして昨シーズンから全てのホイール・リムにはタイヤ空気圧モニタリングシステム(TPMS)が取り付けられている。これはECUにタイヤ空気圧のログを送信し、空気圧が低くなりすぎないようにしている。


2017年からミシュランのタイヤフィッターは、タイヤのバーコードとホイールのTPMSに交換の記録を残すことになる。そしてこれらの情報はドルナとレースコントロールに送信される。ライダーがピットを出て計測地点を初めて通過すると、TPMSのIDがレースコントロール、ドルナにECU、トランスポンダーを通じて送信される。レースコントロールとドルナがTPMSのIDを受け取ると、彼らはそのTPMSを使用するホイールにどのタイヤが組み付けられたかが把握出来る。そしてその情報はTV視聴者に表示される仕組みだ。


このシステムには1つ小さな欠点がある。それはこの情報はライダーがピットを出て再びタイム計測地点を通過して初めて表示されるということだ。ただ、1つのトラックには12から20の計測地点があり、ライダーがピットを出てからこの情報が表示されるまでのタイムラグは最小に留められる。


ピットレーン出口に物理的なゲートを設けることは、ライダーの怪我のリスクがあるというのが理由だ。 ミシュランは当初ピットレーン出口のRFIDゲートを使用する計画だったが、ドルナが安全上の理由でこれを却下した。こうした理由から、ミシュランは現行の方式のほうが安全性が高いとして現在の方法を採用した。


テストはセパンで数チームとともに行われ、成功裏に終わった。これはスペックECUに数行のコードを加える必要があるため、全てのチームがその準備が出来たわけではなかった。グベールはこのシステムを開幕戦カタールで使用出来る事を願っている。


多くのレースファンとチームの疑問としては、各ライダーのタイヤの選択がリザルト上に表示されるのかということだろう。現状この情報は公開されていない。ただこれは結果を出力しているプログラムに単純に加えるだけの単純な作業のはずだ。

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