★Motokouture Motorcycles ターボチャージド BMW S1000RR
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ノーマルの状態で既に199馬力あるBMWのS1000RRにターボを取り付けるとどうなるのか?その答えがこのバイクです。ソフトウェアとエンジンマップの変更だけでなく、耐久性を確保するために圧縮比を下げるなど、かなり手間がかかったカスタムとなっています。 どの程度の馬力があれば十分なのだろう?BMWモトラッドにとってそれは199馬力で、これがこのクラスをリードするBMW S1000RRの馬力だ。これは自分達のような限りある命を持った人間には十分な数字だ。しかしMotokouture Motorcyclesのスティーブン・デカルヴェにとってはそうではなかった。彼のベルギーのワークショップで彼はさらにこのバイクにパワーを与えることにした。
スティーブン・デカルヴェ
「BMWはこのバイクの改造を難しくしています。完全なハイテクのスポーツバイクですね。すべて電子制御で、優れたシャーシを持ち、エンジンとパフォーマンスチャートを見ても素晴らしいです。カスタムシーンの退屈さに飽きてしまったので、スクラッチから何もルールや制約がないという事にインスピレーションを感じました。」
彼はこのバイクをばらした後、このプロジェクトの方向性を決めようとした。「私はこのバイクのシャーシとエレクトロニクスによるライダーを補助する各種の仕組みがターボチャージドエンジンをも手なづけられる事を証明したかったんです。」
彼のやった事は実にエクストリームな内容だ。彼は1週間バイクについて学び、Garrett製のターボチャージャーをインストールし、エレクトロニックアクチュエーターをECMに繋いだ。しかも彼はカスタムメイドのタンクとエアボックスによってターボチャージャーが見えにくいようにしている。
しかしターボをインストールすることは簡単ではなく、エンジンマネジメントソフトウェアとマッピングの変更も簡単なことではなかった。エンジンに関しても見直しが行われ、耐久性を高めるため圧縮率は9.2:1に下げられた。これによって馬力は新たに296馬力を後軸出力として発揮する。トルクは9100回転で145Nmとなり、トップスピードのリミットは319km/hにされた。(これを4速で達成する。)実に狂っていると言える。
ターボのセットアップは新しいエアインテークを作る事を意味し、1つはサイドから、新たに2つがヘッドライトの間に設けられている。スティーブンはこのためにフェアリングを少し加工している。さらにカスタムエキゾーストが作られ、マフラーはSparkのものを使用している。セラミックコートされたカーボンファイバーのフォークチューブのインナーにはオーリンズの部品が使用されている。スイングアームもカーボンファイバー製となり、ホイールはBMW HP4のものが使用されている。
さらにスティーブンはRRのテールカウルをカスタムメイドのシートとエレクトロニクスボックスで新しくしている。そして彼はMotokouture Leathersに勤める妻のソフィーに「Lydia Lunchにインスパイアを受けたイメージ」というリクエストでシートのレザーを作ってもらった。
ステップ、セパレートハンドル、ブレーキパーツはBonnamiciのものを使用してアップグレードしている。また、バイクの重量は196kgと軽量になっている。スティーブンは、このバイクを2014年に命を落とした彼の友人のベルギー人レーサーであるVick De Cooremeter(※TTレーサー)にちなみVDC#92/MK30と名付けた。
「ヴィックは素晴らしいキャラクターの持ち主でした。このような危険きわまりないバイクのテストを行うには、まさに適任のライダーだったんです。」このバイクは跨るにもあまりにも恐ろしいバイクだ。であるからして、PCのスクリーン越しに眺めるとしよう。