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★2017年の各ファクトリーのR&Dプラン

MotoGP2017 Ducati KTM スズキ ホンダ ヤマハ アプリリア

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マット・オクスレイさんによる、各ファクトリーが2017年のMotoGPに向けてどんな作業をしているのか?という記事をご紹介します。各メーカーがいろいろな問題を抱えながら、どのように開幕戦を迎えるのか楽しみですね。 f:id:teletele916:20170104070707j:plain (Photo courtesy of michelin)

現在はMotoGPの冬期テスト禁止期間だが、それが各メーカーの開発部門の作業を止めるわけではない。これが2017年に6メーカーが計画をしている内容だ。2016年のMotoGPチャンピオンシップは、技術的な変革のシーズンだった。2017年はこうした大きなルール上の変更は無いが、それでも各ファクトリーは昨シーズンの変更の対応に取り組んでいる。


殆どのファクトリーが2017年の優先事項として、優れた旋回性と、コーナーからの脱出加速のパフォーマンスアップを掲げている。別の言い方をすると、彼らは未だにミシュランタイヤを理解しようとしていると言える。ブリヂストンの時代には、レースで勝利するラップタイムを記録するにはコーナーエントリーが重要だった。それが現在では、コーナーの中盤から立ち上がりが重要になっている。


2016年に各ファクトリーがミシュランへの対応に苦戦していた理由は、タイヤがかわり続けていた事にある。ミシュランはシーズンを通じて学び続ける必要があり、レースごとに新しいスペックのタイヤを持ち込んだ。そしてこれはバイクに異なるセッティングを要求した。しかしミシュランのエンジニア達がフルシーズンのノウハウを得たことから、2017年はこの問題は小さくなるだろう。彼らはどのような構造とコンパウンドのタイヤをどこに持ち込むかを知ったわけだ。


先月の(※12月に書かれた記事のため)バレンシアGPで、私は各ファクトリー(アプリリア、Ducati、ホンダ、KTM、スズキ、ヤマハ)の中から1名のライダーとエンジニアと共に語る時間があった。これは彼らが2017年の栄冠を獲得するために、彼らのバイクに対して何を行っているかを知るためだった。

アプリリア

f:id:teletele916:20170104070223p:plain (Photo courtesy of michelin)

アプリリアの小さなレース部門(7人のエンジニアだけしかいない!)は2016年に継続的に前進を続けた。最も大きな点は9月に導入された改良されたフレームだ。これはフロントの荷重を少し抜く形となり、リアに良好なトラクションを与えた。このおかげで、アルヴァロ・バウティスタは最後の7戦のうち6回トップ10で完走する事が出来たのだ。


アプリリアのレースディレクターであるロマーノ・アルベシアーノはRS-GPの競争力をさらに高めるため、いくつかの最優先事項を持っている。さらに良好なブレーキング、旋回性、シャーシバランスの向上(タイヤライフをセーブするため)、そして、さらに高回転まで回るエンジンと、さらなる馬力だ。


車体の重心位置はRS-GPのエンジン搭載位置を高くすることで高くされ、これによって荷重の受け渡しが増し、ブレーキングとコーナリングパフォーマンスの向上に繋がる。アルベシアーノはさらにエンジンの回転数を高めたいとしており、(これによってライダー達はコーナーの間でギアチェンジをせずに済むようになり、シフト回数を減らせる)このV4エンジンが遅いわけではないが、さらなる馬力も求めている。RS-GPはセパンにおいて、最速のバイクであるDucatiの324.4km/hからから僅かに3.8km/h遅いだけだった。

Ducati

f:id:teletele916:20170104070247p:plain Ducatiは2016年に2勝を上げ、今やこのボローニャのブランドは2007年以来のタイトル獲得を狙っている。ホルへ・ロレンソを獲得したことでこれは達成出来るかもしれないが、デスモセディチには何が必要なのだろうか?


Ducatiのスランプは主にフロントエンドの旋回性の問題によるものだ。この問題は以前ほどシビアではなくなり少し質が変わったと言え、彼らは未だに抱えている。デスモセディチはコーナーの中間地点において、ライダーがブレーキをリリースしてバイクを旋回させるという時にホンダやヤマハにようには曲がらない。Ducatiコルセのチーフであるジジ・ダッリーニャは、フレームの柔軟性が問題だと考えている。


理論的には、ウイングレットの禁止に最も影響を受けるのはDucatiだ。であるからして、Ducatiは8月に彼らのスターテストライダーであるケーシー・ストーナーにウイングレット無しでデスモセディチをテストさせている。ウイングのないDucatiは加速において失う部分があるものの、ダウンフォースの減少はトップスピードの増大、方向転換においてクイックな挙動を実現する。

ホンダ

f:id:teletele916:20170104070525p:plain (Photo courtesy of michelin)

かつてグランプリレーシングにおいて、ホンダのバイクは常に最高のトップスピードを持っていた。DucatiがMotoGPに参戦して以降はそうではなくなっているが、ホンダは常に最速に近いところにいた。しかし昨シーズンはそうではなく、10月のセパンではRC213VはDucati、スズキ、ヤマハに次いで4番目のトップスピードとなっていた。


問題は馬力が足りないことではなく、RCVのスクリーマーエンジンを制御するソフトウェアの能力の不足の問題にあった。以前のホンダはF1からのテクノロジーを利用し、ライダー達に最高のライダー補助機能を与えていた。しかしドルナのローテクのトラクションコントロールはRCVのスリップレシオのターゲットの目標を行き過ぎた状態にしてしまい、過大にトラクションコントロールがかかるようになってしまっていた。その一方で、あまりにも基本的なウイリーコントロールはバイクを不安定にさせていた。


これらの理由により、ホンダはホイールスピンやウイリーを減少させるため、よりエンジンの点火間隔を変更することでフレンドリーなビッグバンエンジンを使用することになった。HRCの魔術師である尾熊 洋一氏が、よりトラクションを稼ぐためにオフロードのCB175の両シリンダーの爆発間隔を同じにしたこのアイディアを生み出してから20年後、ホンダはビッグバンというコンセプトを1990年代の始めに導入した。


マルク・マルケスは新しいエンジンは正しい方向性に向かっていると考えている。というのも彼が2017年にもとめているのより優れたコーナー脱出のパフォーマンスだからだ。驚くべきことに、素晴らしい自信を与えてくれるという理由から、マルケスは改良された2014年型フレームを使い続けるだろう。下手に何かをいじる必要はないのだ。

KTM

f:id:teletele916:20170104070550p:plain (Photo courtesy of michelin)

KTMはすべて正しい事を行っているように思える。KTMはドルナの統合ソフトウェア導入と、ミシュランタイヤ導入を考え、MotoGPバイクの開発のフェーズを完璧な時間配分で行っている。オフシーズン前に正確なデータを得るために、バレンシアにワイルドカードで出場したのも良いアイデイアだ。


バレンシアではコーナー脱出におけるメカニカルグリップが決定的に不足しているという大きなレッスンをKTMのエンジニアに与えた。これがテストライダーのミカ・カリオがトップから2秒遅れとなった理由だ。フレームとスイングアームの剛性が疑わている。KTMは現在これにシャーシのパートナーであるKalexと取り組んでいる。


RC16は今やスクリーマーエンジンを採用する唯一のMotoGPバイクとなった。ただ今のところKTMのエンジニア達はエンジンには満足しており、素晴らしい特性を持っていると語る。

スズキ

f:id:teletele916:20170104070611p:plain (Photo courtesy of michelin)

スズキは昨シーズンに初めてのドライコンディションでの優勝というブレイクスルーを遂げた。GSX-RRは今や非常に競争力の高いバイクとなり、議論はあるもののMotoGPの中でもベストのステアリン、シャーシを持ち、優れたエンジンパフォーマンスを持っている。セパンにおいて、GSX-RRはDucatiに次ぐトップスピードである323.7km/hを記録し、ヤマハを上回った。ホンダはヤマハに次いで321.4km/hで、アプリリアは320.7km/hという最高速度を記録した。


バイクのシャーシはライバルよりもフロントエンドの寄ったもので、これによってスズキは他のバイクよりもミシュランタイヤにしっかりと対応することが出来た。これはマーヴェリック・ビニャーレスがトップライダーの中で、ブリヂストンタイヤを履いた2015年と比較して唯一転倒数が少なかったことから明らかだ。


スズキのエンジニア達は同じ方向で作業を続ける必要がある。シャーシのファインチューニングと4気筒エンジンからもう少しだけパフォーマンスを絞り出すこと。彼らの最大の仕事はエレクトロニクスのセッティングを向上すること、特にウェット路面でのトラクションコントロールの改善が必要だ。

ヤマハ

f:id:teletele916:20170104070638p:plain (Photo courtesy of michelin)

昨シーズンMotoGPで最も劣っていたバイクがヤマハだった。ヤマハのYZR-M1は依然としてニュートラルでライダーフレンドリーなバイクだが、他のバイクと比較してミシュランとの最小は悪かった。これはヤマハが改善しなければならない最も大きな課題だ。


M1のToDoリストのトップにあるのは、コーナー進入、コーナーの中、コーナー立ち上がりで、いかに荷重の受け渡しを行うのかということだ。昨シーズンヤマハのライダー達は、コーナー進入における適切なフロント荷重、コーナー立ち上がるにおける適切なリア荷重を得ることが出来なかった。


ほとんどの場合彼らはフロントの荷重不足という形となり、これがホルへ・ロレンソとヴァレンティーノ・ロッシが何度もフロントエンドからの転倒となり、またリアの荷重不足によるホイールスピンとなった理由だ。そしてこれはドルナの統合ソフトウェアがM1から取り除けなかったと言えるものだ。


最終的に彼らはコーナーの中での旋回性に集中するようになる。昨シーズンにミシュランが多くの批判にさらされたが、コーナーリングスピードは今までよりも高かったという事実に注目すべきだろう。