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★ヤマハエンジンのNortonコマンド ”Yamando”

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カスタムの種類としてはエンジンスワップと言えないこともないのですが、エンジンだけでなく全体に手が入った美しいレーサーです。まさにバイク愛ですね。 f:id:teletele916:20161212022937p:plain ブラッド・モンクはレーサーだ。彼には日中の仕事がある。しかし日曜になると彼はレーサーになる。そしてこれは彼のレースバイクだ。これが何か知りたい?これは”Yamando”だ。ある部分はヤマハXS650で、ある部分はNortonのコマンドで、ブラッドによると「両モデルのいいとこ取りということだ。」この組み合わせが上手くいっているのか疑問に思うなら、その心配はいらない。カナダのビンテージ・ロードレーシング・ヘビーウェイトクラスで、ブラッドはタイトルを獲得。またアメリカでもこのYamandoは活躍している。


このバイクのビルダー、もしくはエンジニアリングの天才と言ったほうが良いかもしれない男は、元レーサーのトイヴォ・マドラスだ。トイヴォはブラッドとこのバイクを共同所有している。そしてこのバイクのチューニングとリビルドを手がけてきた。 f:id:teletele916:20161212022952p:plain

ブラッド・モンク

「Yamando MK Vは一夜にして生まれたわけではありません。これは実際には4つの前期モデルの発展系なんです。それぞれエンジンアングルやポジションを向上してきたもので、エンジンパフォーマンスは65馬力程度からスタートし、今や80馬力ほどあります。」


ヤマハとNortonは一見上手く組み合わさらないような気がする。(※ビンテージトライアンフのエンジンを使用する例はよくある)しかしブラッドはこのコンセプトについてこう説明する。

f:id:teletele916:20161212023037p:plain 「XSに乗ったことがあるライダーであれば、このエンジンのとてつもない振動について語るでしょう。ソリッドマウントされたXSのレースエンジンはとんでもない振動を生み出します。この振動はバイクの操縦を難しくし、コーナリング、ストレートにおける加速のスピードを奪ってしまうんです。そしてその間ずっと、フィーリングが全く得られないんです。この問題はXSのエンジン出力が上がれば上がるほど悪化します。つまり更に振動が増えるわけです。ですからどれだけワイヤリングをしようとも、ロックタイトを使用したとしても、文字通りエンジンがバイクをバラバラにしてしまうんです。」


Nortonコマンドのフレームは、当時その軽量さと優れたハンドリングが賞賛されていた。ただ同時に弾性をもったエンジンマウントシステムについても知られており、ラバーマウントを使用してエンジンをフレームの中に”浮かせる”というもので、エンジンがフレームにダイレクトにボルトによって接合されていないというものだった。

f:id:teletele916:20161212023147p:plain 「エキゾーストマウント(の振動)であっても、エンジン回転数が上下する度に手を疲れさせるんです。」


ヤマハのエンジンをマウントするのは大仕事であった。このエンジンはNortonのフレームより幅が広いため、オリジナルの搭載位置よりも上、そして右側にマウントされている。新しいリアマウンティングサブフレームと追加されたフロントマウントが、エンジンを弾性をもって支持している。


「いうまでもありませんが、エンジンをフレームの中に適切に収めるというチャレンジは非常に重要でした。そうでなけれはNortonのフレームはアグレッシブなXSのエンジンによってクラックが入ってしまいますからね。トイヴォにとっても、このエンジンをこのフレームのスウィートスポットに収めるのには長い年月が必要でした。」


エンジン搭載位置を前方にしたことは、ハンドリングの鋭さを増す事にも役立っている。スイングアームはオンタリオ州ベルビルのCMRによるクロモリスイングアームが組み合わされ、トイヴォをフロントフォークにヤマハFZR600の38mmフォークを使用、リアにはワークスパフォーマンスのツインショックが使用されている。

f:id:teletele916:20161212023254p:plain 燃料タンクはCMRによってアルミニウムからハンドメイドされている。テールカウルもオリジナルのHerb Beckerのリアカウルを型としてグラスファイバーによってハンドメイドされている、トイヴォはVortexのセパレートハンドルを組み合わせ、Scitsuレーシングのタコメーターとカスタムメイドのステップを追加している。


フロントホイールにはデュアルディスクのブレーキが組み合わされており、CanAmのドラムブレーキがリアに搭載される。カスタムはさらにカスタムオイルクーラー、ハンドメイドケーブル、ワンオフのスプロケットなどに渡るが、これらはあくまで全体のカスタムの中における一部分に過ぎない。


またこのバイクのエンジンはもはや650ccではない。トイヴォは750ccキットを数年前に組み合わせている。トイヴォはこの1年でステンレスバルブ、アップグレードされたカム、Kibblewhiteのスプリングキット、38mmのミクニ製キャブレターなどを加えている。

f:id:teletele916:20161212023233p:plain このバイクに手付かずのまま残された部分はない。クランク、イグニッション、ビレットクラッチバスケットなども新たに交換されたもので、プライマリギアのギア比も改められている。エンジンのポーティングはティム・スピルバーグの手によるものだ。トイヴォは作業の90%を自宅で行い、その作業時間は延べ250時間になるとブラッドは言う。「もちろん、これにはMK Vに至るまでの今までのYamandoに費やした150時間は含まれていません。」


トイヴォはいつもこう言っている。「もし簡単だったら皆やるでしょうね。」

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